
昨年デビューした愛知の加藤聡一騎手は、初騎乗初勝利を果たすとそのままの勢いで56勝を挙げ、日本プロスポーツ大賞新人賞、NARグランプリ2016優秀新人騎手賞をダブル受賞しました。2年目の今年は、さらなる飛躍を目指します。
日本プロスポーツ大賞新人賞、NARグランプリ優秀新人騎手賞受賞、おめでとうございます。
ありがとうございます。新人賞は目標にしていたので、ダブルで受賞できたことは本当に嬉しいです。初騎乗初勝利もさせてもらって、(1年目)56勝もさせていただいて、本当に周りの方々に感謝しています。勝ち切れなかったレースもあるので、もっともっと腕を磨いて早く上手くなりたいです。
デビュー前にインタビューさせてもらった時、初騎乗初勝利が目標だと仰っていましたが、見事有言実行でしたね。
本当に馬と関係者のお陰です。デビュー戦はゲートを出るまでは緊張していました。勝負服着て、パドックで馬に跨って、たくさんのお客さんや家族が見に来ていたので、「デビューするんだ」って実感して。何が何でも前に行こうと考えていて、スタートして逃げることができたんですけど、向正面に入っても一人で走っていて誰も来ないので、ちょっと不安になりました。4コーナーでも後ろの音が聞こえなくて、「大丈夫かな?」という気持ちと、「もしかして勝てるかも?」という気持ちで乗っていました。直線に入って追い出して、最後に大畑(雅章)さんの馬の足音が聞こえて。すごい勢いで伸びて来たので、「差し切られた...。そんなに甘くないな」と思っていたら、大畑さんから「勝っているよ」って言われたんです。その時は意外に冷静だったというか、「やったー!」というよりも、あれだけバカバカ逃げて最後差されそうになってやっと勝ったわけで、「怒られるな...」と思いました。勝ったのはいいけど内容がぐちゃぐちゃでしたから。
川西毅調教師は何て言ってましたか?
その時は「おめでとう」って言ってもらいました。でも基本的に勝っても褒められませんし、毎日何かしら怒られてますね(苦笑)。でも先生には本当に感謝しています。僕が教養センターから帰って来た時、他の厩舎を一緒に回ってくれて、「乗せて下さい」って頭を下げてくれたんです。それに、自厩舎の馬で人気を背負うような馬にも乗せてもらっているし、負けても辛抱強く乗せてくれて...。感謝してもし切れません。
どういう縁で川西厩舎所属になったんですか?
実は父が騎手を目指していたんですけど、結局は別の道に進んだんです。小さい時から父に「馬に乗ってみれば?」って言われていて、最初はなんとなく反抗して「やだ!」って言ってたんですけど。中学の時に試しに乗ってみたら楽しくて(笑)。そこから中京競馬場の少年団に入って土日はみっちり乗馬をして、平日はお祭り用の馬を飼育しているところを手伝ったりしていました。中学3年からJRAを受けたんですけど落ちて、馬術部のある高校へ進学してからも毎年受けたんですけど落ち続けました...。高校2年の時には2次までいったんですけど、高校3年の時はまた1次で落ちて...。その時は相当凹みました。進路を考えた時に、地方を受けるか、馬術で大学に行くか、うちは美容院をやっているので美容系の専門学校に行くかの3択で考えたんです。父からは、「ジョッキーになるのは今しかできないだろ」って言われましたし、自分のケジメとしても、これでダメならという感じで地方を受けて。その時に父がいろいろ手を尽くして、知り合いを辿って川西先生を紹介してもらったんです。
名門厩舎に入るというプレッシャーはありましたか?
プレッシャーというか、川西厩舎に入るからにはしっかりやらないとと思いました。父もがんばって縁を繋いでくれたわけですし、川西先生も所属にしてくれるわけですから。教養センターは、馬術や馬の世話はみっちりやっていたので苦にはならなかったですね。時間に追われる生活や、好きなものが食べられないという息苦しさはありましたけど、辞めたいと思ったことは一度もないです。デビューしてからたくさんの馬たちに乗せていただいて本当にありがたいですし、自厩舎に乗せてもらえるのも嬉しくて。これだけ乗せてもらえるのは先生のお陰ですから。
1年目は見事期待に応えたんじゃないですか?
いや~、まだまだですね。先生からも言われますけど、今は馬の力で勝たせてもらっているだけなので。実際、僕は追って勝ったことってないんですよ。まぁ減量を活かして前に行くレースをしている分、仕方ない部分はありますけど、追うことが今後の課題です。
しっかり結果を出したのに、かなり謙虚ですね。
本当に周りの方々のお陰なので。実際にデビューしてみて、そういうことを実感するようになりました。最近、気が狂うんじゃないかっていうくらい「上手くなりたい!」ってずっと考えているんですよ。攻め馬中はもちろん、自分の部屋でも風呂の中でも考えます。馬のことしか考えてないですね。馬が大好きなので、今本当に楽しいです!
では、2年目の目標を教えて下さい。
数字的には去年を超えたいです。でも数字というよりも、今年はとにかく技術を磨きます。それから、周りの方々に感謝の気持ちを忘れず、気遣いができる大人になりたいです。騎手としても人間としても信頼されるようがんばります!!
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※インタビュー / 赤見千尋 (写真:愛知県競馬組合)
デビュー3年目だった昨年、57勝を挙げて一気にジャンプアップした愛知の村上弘樹騎手。レースに乗れない時期もあり、大きな挫折を経験しましたが、見事に壁を乗り越えました。快進撃の理由、そして今後の目標を語っていただきました。
2016年は57勝を挙げ、一昨年の25勝から倍以上の勝ち星を挙げました。何が一番の要因だったと思いますか?
一番はやっぱり、周りの方々のサポートのお陰です。たくさんいい馬たちに乗せてもらいましたから。まだ新人の域なので、もっともっと成長しないといけないですが、たくさん失敗もして、大きな失敗もして、自分自身を見つめ直しましたし、環境も変わって新たに積み重ねてきたことが、少しずつ結果に繋がってきたかなとは思います。
大きな失敗というのは、体重調整?
そうですね。恥ずかしいですが、体重調整に失敗して制裁を受けました。それも1度や2度じゃないですから。一昨年、デビュー2年目の頃です。減量もキツかったですし、なかなか体重が落とせなくて、しかもケガをして2、3か月休んでいたので余計に落としずらくなりました。あの年は正味半年も乗ってないんじゃないですかね。
それで25勝を挙げたのは逆にすごいですね。
確かに(苦笑)。けどあの頃は相当追い込まれていました。同期で3人デビューしたんですけど、2人(八木直也、深見勇也)とも辞めてしまったし、正直自分も辞めたいって思いました。居場所がないし、体重は落ちないし、もう針の筵でした。自分が悪いんですけどね。
どうやって踏ん張ったんですか?
周りの方々のお陰です。「逃げるんか」「諦めるんか」ってカツを入れてもらって。馬に乗るのは好きですし、やっとなれた騎手という仕事も辞めたくなかったので、なんとか踏ん張って、続けることができました。
現在は体重調整はいかがですか?
減量が取れたし、自分の体のコントロールの仕方もわかってきたので、少しは楽になりました。これから騎手でいる以上ずっと続くことなので、しっかりとコントロールしていきたいです。
騎乗に関しては、デビュー当時と比べていかがですか?
まだまだですね。もう少し思い切って勝負できるようになりたいです。あと、僕は道中姿勢が崩れやすいので、そこはかなり意識しています。でも、掛かる馬とかだとすぐに崩れてしまって......カッコ悪いんですよ。意識していないと崩れてしまうんですよね。下からも突き上げがすごいんで、努力してどんどん上にいかないと。
下から、というのはNARグランプリ2016で優秀新人騎手賞を受賞した、加藤聡一騎手のことですか?
そうです。バンバン勝ちますからね。僕も負けてられないです。ただ、あまり意識しずぎないようにしています。それよりも上の人たちを抜けるようになりたいです。
目標としている騎手は?
やっぱり岡部誠さんです。岡部さんはすごいですから。レースの流れ次第でその馬に合った対応をしているし、僕では勝てないような馬でもきっちり持ってきますから。ゴール前で頭スッと出て勝ったりするので、一緒に乗ってて本当にすごいなと思いますね。岡部さんの騎乗を目指して、日々努力します!
ちょうど1年前の話になりますけれども、新人王では総合ポイントが1位と同ポイントで、2戦目の着順の差で2位でした。あれは悔しかったのでは?
悔しかったですよ! しかも2戦目4着だったんですけど、3着とハナ差だったんですよ。あそこで3着だったら文句なしに1位だったのに......。ただ、第1戦で勝てたことは嬉しかったですね。ほぼ同期ばかりのメンバーでしたし、負けたくない気持ちも強かったので。
デビューからたくさんの馬たちに乗ってきましたが、特に印象に残っている馬はいますか?
たくさんいますけど、去年の夏からずっと乗せてもらっているアカデミックドレスです。今はA級までいって、強いメンバーと勝負しているんですけど。ちょっと気性が難しくて、抜け出すとソラを使ったりするんです。力はあるんですけど、運び方が難しくて。だからその分、勝てるとすごく嬉しいです。
今年に入ってすでに3勝。引き続きいい流れですね。
いや、実はもっと勝てる予定だったんですよ。下手ばっかり乗っちゃって、本当に申し訳ないです......。今はたくさんチャンスをもらっているので、その分結果も出さなければと思っています。
では、今年の目標をお願いします。
リーディング5位! オープン、重賞を勝つこと! あと、今年っていうわけではないですけど、いつかは違う競馬場でも乗ってみたいです。岡部さんのように、大きい舞台で勝負できる騎手になりたいです。そのために、1つ1つのレースを大事に乗って、少しでも上手くなれるようにがんんばります。
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※インタビュー / 赤見千尋 (写真:愛知県競馬組合)
2011年以来、5年ぶりに勝負服姿となった宮下瞳騎手。現在は2人のお子さんの母という立場に変わりましたが、復帰後の騎乗数はとても多く、勝ち星を順調に積み重ねています。
8月17日に再デビューを果たして2か月くらい経ちました。騎手としての感覚は戻りましたか?
うーん、そう言われると微妙......かなあ。追い出してからの動きとか最後のひと押しとか、まだまだだなあと感じるところがありますね。それを埋めるという意味も含めて、ほかのジョッキーさんに乗る馬のことについていろいろと聞きますし、自分の騎乗ぶりがどうだったかとかも聞いています。気持ちとしては新人と同じですね。初心に戻ってという感じで。
調教と実戦では使う筋肉が違うと聞いたことがあります。
そうなんですよ。最近はジムで体幹トレーニングをしているんですが、そこの先生には脚力が弱いと言われました。ジムではバランスボールも使っていますし、ストレッチポールという柔らかい棒を使ったトレーニングもしていますけれど、なかなか......。復帰する前はプールでよく泳いていたんですが、最近は時間的な関係で行けていないですね。
それだけ忙しいということですよね。
鹿児島から来てくれている父のサポートがなかったら復帰できていないですよ。本当に助かっています。今は開催がないときは2時から8時くらいまで調教に乗って、そこからは主婦の時間。洗濯して買い物に行って、4時頃に保育園にお迎えに行って、ちょっと時間が取れればトレーニングですね。夜は9時には寝て、1時半に起床です。ご飯は業者さんを利用しようという話をパパ(小山信行騎手)としていたんですけれど、私がそれではちょっとダメかなと思ったので、自分で作るようにしています。自分がまた騎手になると決めた以上はしっかりやらないと。父に頼りすぎてもいけないので、自分でできることは自分でするようにしています。
騎手の姿を見た息子さんの反応はどうですか?
上の子は「勝った?」とか聞いてくれますね。勝ったよと答えると「じゃあおもちゃ買ってくれる?」とか言って(笑)。「ママ、カッコいい」とも言ってくれます。パパと接戦になって負けたときは「パパすごいね。ママはダメだったね」って言われました。下の子は2歳なんですけれど、服の色でママだとわかってくれているみたいです。
復帰するためにはいろいろと課題があったとは思いますが、条件が揃ったような感じがありますね。
本当にそうですね。ウチの子が待機児童にならなかったことがなにより。名古屋はけっこう多いんですよ。それに保育園も自宅から近くて、運がよかったなあと思いますね。今は本当に毎日が楽しいです。負ければそれは悔しいですけれど、それを含めても楽しい日々を過ごさせてもらっています。復帰してよかったなあと思いますね。
引退は韓国(釜山慶南競馬場)で短期免許の期間が終わったというきっかけがありましたが、騎手に復帰したとなると次に引退するきっかけは何になるんでしょうかね?
うーん、そこはぜんぜん想像できないですね。この仕事はケガがつきものですからそういう可能性もありますけれど、今の思いとしては1日でも長く乗っていたいなというところですね。改めて、馬に乗っていて楽しいと思えるので本当に充実しています。ただ、名古屋の開催中は子供たちと遊んであげられないので、そこは申し訳ないなあと思いますが。
そして、日本の最多勝利女性騎手としての立場もあります。
みんなが目標にしてくれているわけですけれど、今は逆にみんなの背中を見ている立場ですよ。木之前さんの勢いはすごいし、別府さんにはそろそろ追いつかれそうな感じですけれど、これからもひとつひとつ勝利を積み重ねていければいいなと思っています。
ところで、騎手免許はどんな感じで取ったんですか?
もう大変でしたよ。学科試験が普通にありましたから! 前は再免許の場合だと、免許失効から再受験までの期間が短ければ学科試験がなかったのに、私のときは制度が変わっていたらしくて......。あれがいちばんの難関でした。試験を受ける前は厩務員をして馬にも乗って、子育てをしてそれから勉強。そのころは夜中の12時半に起きていました。あのがんばった日々は、私をひと回り大きくしてくれましたね(笑)。そういうつらい思いをして取った騎手免許ですから大切にしないと。もう絶対にあんなことできませんから!
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※インタビュー・写真 / 浅野靖典
今井貴大騎手は昨年、2012年以来の3ケタ勝利となる123勝を挙げて躍進。2016年も引き続き好成績を挙げており、昨年以上の勝ち星が視野に入っています。
今年は昨年よりも成績が上がっていますね。
そうですね。7月と8月はすこし勢いが弱まったかなという感じはありますが、それは乗せていただく馬との巡りあわせもありますからね。今年の名古屋での成績は2位をキープできていますので、その地位をなんとか守っていきたいです。もちろん、本当は1位がいいんですけれど(笑)。
騎乗回数も昨年に比べると伸びていますね。
本当にありがたいです。これからもその数字を上げていきたいし、JRAでも乗りたいですね。そのためにはそういう馬に出会うことが必要。だからこそ、まずは名古屋でしっかりと土台を固めないといけないと思っています。
でも、東海ダービーを2勝した騎手って、なかなかいませんよ?
あまりそこは自分で意識していないところなんですけどね。今年は春先の時点では、ダービーで乗るのは厳しいかなと思っていたんです。でもキタノシャーロットが3月から6連勝してくれたので、ダービーに進むことができました。ダービーでは人気をわりと集めていたようなのですが、やっぱりカツゲキキトキトは強かったなあ。あの馬も今年になっていきなり連勝が始まったわけですから、馬って本当にわからないものだと改めて思わされました。
昨年は東海ダービーをバズーカで勝利(写真:愛知県競馬組合)
今年は通算800勝を達成。1000勝も見えてきましたね。
そこは次の目標ですね。そして名古屋の騎手も世代交代をしていかなければと思っていますよ。でも、先日引退された安部さん(幸夫騎手。地方3055勝、JRA24勝)が現役のうちに、安部さんを超えられるような騎手になりたかったとは思います。個人的にこれから伸ばしていきたいと思う点は、技術的な部分はもちろんですが、内面的な部分。精神面、それからやっぱり経験値を増やすこと。まだ判断ミスをしてしまったと感じるときがありますし、まだまだ勉強です。ただ、ひとつひとつのレースについて、終わったあとに深く考えても仕方がないんですよね。そう考えられるようになったのは5年目ぐらいからかなあ。うまくいかないことが多い世界ですが、それをバネにしていかないと。
経験値を増やすためには、「名古屋以外」というのもキーワードのひとつになりますね。
僕がよく乗せていただいている厩舎は、笠松にはあまり行かないんですよ。確かに名古屋以外ではあまり乗っていなくて、行ったことがあるのは、大井と浦和と、園田、金沢、高知、盛岡......ぐらいかなあ。園田と金沢以外はそれぞれ1回とか2回とかですし。だからこそ今の順位を守って、来年のSJTに出場したいですね。絶対にすごく勉強になる舞台だと思います。
それを目指してという意味を含めて、何か変えてみたところなどはありますか?
上半身を強化したいなと思ったので、ジムに行くようになりました。ポイントは胸筋と背筋ですね。あと、なんか最近になってちょっと太ってきたような気がするので、それを解消させるという意味もあります(笑)。
名古屋は一時期よりも騎手が増えてきましたね。
そうですね。新人騎手と、そして復帰された先輩と。岡部さんも韓国から戻ってきました。でも、やっと10年目にして、たくさんのかたがたに声をかけていただけるようになったわけですから、その信頼を失ってしまわないように頑張っていきたいですね。これまで大きなケガがなかったのもラッキー。そこはこれからも気をつけていきたいと思っています。
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※インタビュー・写真 / 浅野靖典
丸野勝虎騎手は2016年3月28日に地方通算2000勝を達成。1992年4月のデビューから24年での達成ということになった。そして25年目のシーズンとなる2016年は年明けから好調。東海地区リーディングで2位以下を大きく引き離している。
通算2000勝を達成しての感想はいかがですか?
とりあえず目標にしていた数字ではありますから、達成できたことがうれしいです。1000勝まではケガもありましたし、それにデビュー当初は先輩騎手が多くて、勝つチャンス自体が少なかったですからね。1000勝を超えてからはまずまず順調という感じで来ていると思います。
そして昨年と一昨年は名古屋競馬場のリーディングジョッキーになりました。
ずっとリーディングは岡部騎手でしたけれど、常に彼を負かすつもりでやってきていましたからね。それでもリーディングを取れたことで(選定基準は2015年4月1日~2016年3月31日の勝利数)、スーパージョッキーズトライアル(SJT)に第1ステージから出られるわけですから、これは本当に大きいです。一昨年のSJTは第1ステージで1勝して、ポイント的にいい感じの位置で第2ステージを迎えることができたのに、地元の名古屋でグダグダでしたから......。また今年も第2ステージが名古屋ですから、今度こそという気持ちです。SJTは出られることを楽しみにしている舞台。上手な騎手が出てきて、きわどいレースをすることができますからね。2年ぶりの出場になりますが、楽しみですとしか言いようがないです。
来年以降もそれを楽しむためには、リーディングを取り続けないといけないですね。
そうなんですが、結局は相手どうこうではなくて、自分がどう乗って、どう結果を残していくかということですからね。さすがに体は若いころと同じようにはいかないですが、まだまだ上手くなる余地はありますし、もっと成績を上げることはできると思っています。
上手くなる余地があるというのは、どういうところでしょうか?
やっぱり経験値ですよね。展開を読む力が以前よりも備わっていると思います。もちろん、昔より心に余裕がありますし、周りもよく見えています。
ただ、名古屋は今井貴大騎手などの若手が伸びてきて、新人騎手そして再デビューの騎手なども多くいます。
昔は調教だけ自分で実戦は兄弟子というパターンが多かったんですが、今の名古屋は調教ありきという部分がありますからね。若手が伸びやすい競馬場だと思います。でも年寄りもがんばっていかないと。僕よりずっと年齢が上の、戸部(尚実騎手)さん、丹羽(克輝騎手)さんも、みんな元気いいですからね。
となると、まだまだ丸野騎手も負けてはいられませんね。次の目標は3000勝でしょうか?
毎年、年間100勝以上ということは目標として考えますけれど、それ以外はあまり深く考えることはないかなあ。というか、これから次のレースに乗りますけれど、まずそのレースを勝つ、ひたすらその積み重ねですね。確かに2000勝は目標にしていましたが、3000はどうですかねえ。実感できる数字かというと微妙かな(笑)
では、さしあたっての大きな目標は、SJTでの好結果ですね。
一昨年がちょっと残念な結果でしたからね。逆に言うと、SJTはどこにチャンスが転がっているか、わからないんですよね。以前、吉田稔さん(元騎手)がワールドスーパージョッキーズシリーズに出場したときに阪神競馬場まで見に行ったんですが、もう本当に『すごいなあ』という感想しかありませんでした。それ以来、あこがれの舞台なんです。なんとか札幌競馬場で乗れるように、いい結果を残したいです。
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※インタビュー・写真 / 浅野靖典