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石川 倭 騎手(北海道)

石川倭騎手は今シーズン、ホッカイドウ競馬で113勝。今年も3ケタの白星を挙げ、2年連続でリーディングジョッキーの座に輝きました。門別競馬場で行われた第1回のJBC2歳優駿では、地元馬ラッキードリームとのコンビで勝利。現在は佐賀競馬場で期間限定騎乗を行っており、1カ月弱のうちに49戦13勝(12月6日終了時点)という好成績を挙げています。

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2年連続リーディング獲得おめでとうございます。今シーズンの戦いぶりをご自身で振り返っていかがでしょう。

途中ケガで2週間ほどレースに乗れない時期があったので、今年は諦めかけていたんですが、復帰後も順調に勝ち星を重ねることができ、なんとかリーディングを獲れたというのが正直な感想です。

終盤は2位の桑村真明騎手も追い上げていましたね。

最後のほうは桑村さんの勝ち星の勢いが特にすごく、その頃にはリーディングへの意識も強くなっていたので、気持ちの面でも少なからず疲れを感じていました。そこが去年との大きな違いだったと思います。ただ、レースを離れたところでは壁がないというか、普段は上下関係なく接してくれるので、勝負をしながらも楽しめる雰囲気は感じていました。

基本的に、門別でのレースは理不尽な面がないというか、それぞれの騎手がクリーンに乗っていると思います。僕の下の世代でも、(落合)玄太にしろ(小野)楓馬にしろ、大きなレースでも普通に結果を残しているので、刺激を受ける部分ももちろんあります。

リーディングを獲得してからの、周囲の反応はどうだったのでしょう。

周囲の方からすごく祝福を受け、2年連続でリーディングを獲るということが、すごく価値のあることだったんだと改めて実感しました。去年は重賞をひとつしか勝てなかったので、今年は大きいところでも結果を残したいと思っていたんですが、JBC2歳優駿を勝てたことが特に影響があって。他場に乗りに行った時も、他地区の乗り役さんからも「おめでとう」と声をかけていただいたんです。記念すべき第1回のJBCで、誰もが注目していたレースだったと思いますし、あらためてラッキードリームに乗せてもらえたという状況に感謝したいですね。

そのラッキードリームでは、サッポロクラシックカップ、JBCと重賞を連勝しました。

サッポロクラシックカップで初めて乗せてもらったんですが、3コーナーで内に閉じ込められてしまい、自分としては正直あまりいい乗り方ができなかったんです。それでも直線で前の馬を競り落とし、馬に助けられて勝つことができたので、能力の高さを感じました。

JBCへはそのサッポロクラシックカップから直行でしたね。

坂路での追い切りで跨ったときも良い動きでしたし、そこまで上位の人気というわけでもなく、JRA勢相手にどれだけやれるか......という評価だったので、ある意味では気楽にレースに臨むことができました。

レースは中団から運びました。

先生からは「行きたい馬を行かせてその後ろで」という指示だったんですけど、新聞を見た限りでは前に行く馬が多そうだったので、ゲートを出てからの展開次第では下げるつもりだったんです。1~2コーナーで砂をかぶると多少手応えがなくなったので、そこは促して......という感じではありましたが、道中も予想通りペースが落ちなかったなかで、あまり前についていかなかったのが良かったのか、3コーナーに入っても馬自身には余裕がありましたね。その辺りで仕掛けて、4コーナーから直線に入るくらいでは前が射程圏に入っていたので、よほどバテなければ大丈夫だろうという手応えがありました。

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ラッキードリームでJBC2歳優駿制覇

ゴール直後、ギガキング(6着)に騎乗した山本咲希到騎手とも馬上でハイタッチをしていました。

その瞬間は、騎手になってからこれまでで一番かと思うくらい嬉しかったです。馬の上で、自分自身かなり興奮していたと思います。レース前は周りも「やっちゃってくださいよ!」みたいな感じで応援してくれていて、そんななか強い中央の馬を相手に勝つことができたぶん、喜びもひとしおだったんだと思います。

あらためて、ラッキードリームの良いところを教えてください。

勝負どころで乗り手の扶助にすぐ反応してくれて、追えばしっかりと前に進んでくれるところですね。2歳の段階だと普通、そういうのは経験を積まないとなかなか勉強できないと思うんです。

現在は佐賀競馬場で期間限定騎乗を行われています。佐賀へ行くことになったきっかけを教えてください。

僕はあまり体重が軽いほうではなく、オフシーズンが長くなると、どうしても体が重くなってしまうんです。ちょうど佐賀で所属することになる真島(元徳)先生からお話をいただき、なるべく長い時間レースに乗っていたかったので、騎乗することを決断しました。

佐賀のコースは1周距離も短く、門別のコース形態とはだいぶ違うのではと思います。

1周1600メートルの門別とは、全くの別物と考えなくてはなりません。(門別の)内回りに近いような感じだとは思うんですけど、それと比べてもコーナーがキツいですからね。佐賀は1300、1400メートルのレースが多いんですけれど、門別の1200で距離が短いと思う馬のことをイメージしつつ、マイルではちょっと距離が長いと思う馬のイメージも取り入れつつ......という感じで、その中間くらいの乗り方を心がけているつもりです。

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川崎から佐賀で期間限定騎乗中の池谷匠翔騎手(右)と(写真:佐賀県競馬組合)

そんな中でも、さっそく4割近い連対率を挙げており、11月15日には地方・JRA通算600勝を達成されました。

数字的には、コースが変わってもそれなりに対応できているのではと感じています。ただ何しろ、これだけの成績を挙げられているのは、いい厩舎に所属させてもらい、いい馬に乗せてもらっているおかげです。

600勝は門別の終盤あたりから意識していましたが、残り2勝でシーズンを終えたので、佐賀で達成できるだろうとは思っていました。取りこぼしてしまったレースもあったんですけど、佐賀での最初の週で達成できてよかったです。

期間内の目標やテーマを教えてください。

当初は特に目標やテーマを決めずに来たのですが、逆にそれを探しながらというか、新しい目標やテーマを見つけて、そこから何かを学んで帰れればと思います。

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最後にオッズパーク会員の皆さまへメッセージをお願いします。

いい時もあれば悪い時もあるので、馬券の頼りになるかどうかはわかりませんが(笑)、なるべく期待に応えられるよう頑張りますので、これからも応援していただけるとありがたいです。こういうご時世なので、現地での応援は気軽にはできないかもしれませんが、パソコンやテレビの前でも、ぜひレースを観ていただきたいと思います。

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※インタビュー・写真 / 山下広貴

2020/12/18
ホッカイドウ

落合 玄太 騎手(北海道)

デビュー3年目の落合玄太騎手は、6月に行われたダートグレードの北海道スプリントカップJpnIIIをメイショウアイアンとのコンビで勝利。地元北海道勢に、同競走では00年オースミダイナー以来20年ぶりとなる栄冠をもたらしました。

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今シーズンはここまで門別では23勝を挙げてリーディング7位(7月9日終了時点)ですが、ご自身の戦いぶりを振り返っていかがでしょうか。

ここまでいい馬に乗せていただき、恵まれた環境にもいさせてもらっているなかで、本来ならばもっと上にいなければならないと思っています。個人的には、今の順位には満足していないですね。

オフシーズンは南関東で期間限定騎乗を行い、10勝を挙げました。何か得るものはありましたか?

競馬場が4場それぞれでコースが違いますし、普段一緒に騎乗しないジョッキーたちとレースに乗ったので、一人ひとりの乗り方の特徴が分からないなか、一からレースを組み立てなければならなかったのが勉強になりました。川崎とか浦和のような小回りの競馬場は普段乗ってこなかったので、特に難しかったですね。浦和は気がついたら位置取りが後ろになることが多く苦労しました。

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10歳のメイショウアイアン(右)で北海道スプリントカップを勝利

6月の北海道スプリントカップではメイショウアイアンとのコンビでダートグレード初制覇。昨年(2着)のリベンジを果たしました。

去年も馬が本当によくがんばってくれたおかげで2着に来てくれたんですけど、あとひとつ着順が上だったら......と考えたら悔しかったんですよね。コーナーでもかなり外を回されてしまって、1着の馬(ヤマニンアンプリメ)からは離されてしまったのは確かですが、2着となるとやっぱり欲がちょっと出てしまったというか。これが3着だったら違ったかもしれないんですけどね。

今年は牧場から帰ってきた当初は状態面も正直なところひと息だったんですけれども、トライアル(5月5日キンシャサノキセキ・プレミアム=3着)を叩いてから調教での動きや体の使い方がどんどん変わってきて、抜群と言っていい状態でレースを迎えることができました。

今年のレースではどのようなことを意識されていたのでしょうか。

いつも通りにはなるんですけど、とりあえず出していって、あとはあまり外々を回って、ポジションを下げないようにすることは意識しました。去年と同じで、砂を被らずにすむ外枠が引けたのはよかったですね。マテラスカイがテンから飛ばす展開になって、ある程度前がバラける展開になって、コーナーであまり外々を回らずに済んだのも、この馬にとっては好都合でした。仕掛けたときの反応や、直線の手応えなんかも、変わらず良かったです。

ゴールの瞬間は、正直勝ったのかどうか自分では分かりませんでした。でもコースから引き上げるとき、マテラスカイに乗っていた武(豊)さんから「おめでとう」と声をかけていただいたので、そこで「ああ、勝ったのかなあ」と。厩務員さんも笑顔で出迎えてくれて、厩舎のみんなでひたすら喜んで、ようやく勝ったことを実感することができました。自分自身、まだ3年目で特に力があるわけでもないのに、こんな大きなレースでこれほどの馬に乗せていただけるなんで滅多にないと思うんです。オーナーさんや先生や、関係者の皆さんには本当に感謝しかないですね。

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それにしても、10歳にしてこの走りというのは驚くべきものがあります。あらためて、メイショウアイアンの良さを教えてください。

オンとオフの切り替えがはっきりとしているところですね。厩舎にいるときや普段の運動では牛みたいにボーっとしていて、誰でも乗れる乗馬みたいな感じなんですけど、追い切りやレースになると、ガチッとハミを取って走ってくれるんです。無駄な力を使わないのは、競走馬としてすごく大事な資質なんじゃないかと思います。

グランシャリオ門別スプリント(7月2日)は2着でした。

去年も不良馬場でレコードタイム(58秒6)で勝っていましたし、状態も前走くらいの高いレベルをキープしていたので、期待はしていたのですが、勝ったアザワクは軽量(51kg)でしたし、スピードも一枚上でした。去年と同じくらいの上がりの脚(上がり3ハロン34秒6)を使ってくれて、この馬もよく差してはいるんですけれど、ポジションの差も出てしまいましたね。ただ、やっぱりこの馬にとってのベストは1,200mなので、負けたのはもちろん悔しいですが、結果に関してはそんなに悲観しなくてもいいのかなとも感じています。

次はクラスターカップ(8月10日、盛岡競馬場)ということになると思います。また強いメンバーを相手にしなければなりませんが、いつも一生懸命走ってくれる馬ですし、相手が強くなった方がこの馬の持ち味が生きるんじゃないかと期待しています。

今年は所属の田中淳司厩舎の勢いが凄いですね。騎乗している2歳馬のなかで、特に期待している馬を教えてください。

短いところで言えばトンデコパですね。栄冠賞では11着に負けてしまいましたが、抜群のスタートセンスとスピードを見せてくれました。レースを使っていくうちに少し気持ちが入ってきたかなとも思いますが、それでも乗り手がコントロールできない範囲ではないですね。次の牝馬重賞(8月12日、フルールカップ)は1,000mなので、この馬にとってはベストな条件だと思います。

長い距離の馬で言えば、シビックドライヴですね。能検の走りから「長いところの馬だな」とは思っていましたが、2戦目の1,700m戦で変わり身を見せてくれました。しまいの脚もしっかりしていますし、相手が強くなってもがんばってくれるんじゃないかと思います。牝馬だったら、5月28日のフレッシュチャレンジ(1,500m)を勝ったケープホーンも、競馬が上手な馬ですね。

厩舎の2歳馬には、乗り慣らしを含めてもひととおり乗っていますが、今は自分が乗ってレースに行く馬はできる限り自分で調教をつけているという感じです。今年はJBC2歳優駿もありますが、まずは1頭1頭が目の前のレースを勝てるように、先生とも相談しながら調教を進めているところです。

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4月23日のフレッシュチャレンジを制したトンデコパ

今シーズンもいよいよ中盤に入ろうとしています。今後の目標を教えてください。

まずは勝ち星を重ねて、去年(北海道で63勝)以上の勝ち星を挙げたいですね。まだ2歳重賞を勝ったことがないんですが、今年はチャンスのある馬に乗せていただいているので、結果を出せるようにがんばっていきたいです。もちろん、メイショウアイアンもそうですし、古馬も楽しみな馬がいるので、そういった馬たちでも大きいところを狙っていきたいと思います。

リーディング5位以内に入れば、また南関東への期間限定騎乗という道も見えてくると思います。

リーディングの順位は、ジョッキーみんなが意識しているところだと思います。5位以内とは言わず、ひとつでも上を目指さなければいけませんし、そのためにはレースの大小にかかわらず、ひとつひとつ勝ち星を積み重ねていかなければなりません。

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今シーズンのホッカイドウ競馬は開幕からずっと無観客競馬が続いていますが、馬券の売り上げは極めて好調です。応援してくれるファンの皆さんへメッセージをお願いします。

こういった大変な状況のなかでも、馬券を買って楽しんでくださり、とても感謝しています。これからもファンの皆さんに楽しんでいただけるような競馬をしていこうと思います。

無観客競馬というのは、レースそのものには直接的な影響はないと思いますが、やっぱり盛り上がりに欠けますよね。パドックでもコースから引き上げるときでも、お客さんがいてくれた方がいいですね。ファンの方も早く生で競馬を観たいでしょうし、僕も早くたくさんの方に競馬場に来ていただけるようになってほしいです。

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※インタビュー・写真 / 山下広貴

2020/07/22
ホッカイドウ

井上 俊彦 騎手(北海道)

この4月に55歳を迎えた井上俊彦騎手は、ホッカイドウ競馬の最年長ジョッキー。5月に行われた3歳クラシック第一関門・北斗盃では紅一点レッドカードに騎乗し勝利しました。自身にとっておよそ4年ぶりの重賞タイトルは、ホッカイドウ競馬最高齢重賞勝利記録を55歳1カ月0日に更新する白星となりました。

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今年でデビュー38年目を迎えました。これほど長くジョッキーを続けられる秘訣は何でしょうか。

ただただ馬乗りが好きだったということじゃないでしょうかねえ。競馬に乗るのが楽しいというのは若い頃から変わらないですし、レースで勝ったときの喜びっていうのが一番なんじゃないかと思います。

ホッカイドウ競馬では、2歳馬を育成していくというプロセスが重要だと思います。

やはり2歳の新馬が多いので、古馬とは違って神経質な面があったりして、レースへ行くために教えなければならないことがたくさんあるのが大変ですが、そのぶんやりがいは大きいんじゃないかと思いますね。今は自厩舎(林和弘厩舎)に仲原大生騎手(大井)が期間限定騎乗で来ていますが、若馬の扱い方をアドバイスすることが多いです。

今シーズンここまでご自身の騎乗ぶりを振り返っていかがでしょう。

久々に重賞を勝たせてもらったからというわけではないですけど、今のところはまずまず順調に行かせてもらっていますね。まあ、いつも通りやっていますよ(笑)。

2歳の頃から跨ってこられたレッドカードで北斗盃を勝利。久々の重賞タイトルを獲得されました。

自厩舎の馬だったので、乗り慣らしの段階から乗ってきたんですけど、その当時から乗りやすくて素直だなという印象でしたね。それが2歳の秋にウィナーズチャレンジを勝ったあたりから、ちょっと期待できそうな雰囲気になってきたんです。距離を伸ばしたブロッサムカップでも2着といい競馬をしてくれていたので、「これはもしかしたら、来年あたり重賞戦線でも楽しみが持てるんじゃないか」と思いましたね。

冬場から春先にかけて川崎・水沢と遠征したのですが、調教に跨っていても、順調さをキープしていたように感じました。

北斗盃のレース当日はどうだったのでしょう。

返し馬からちょっと入れ込んでいたんですよね。それでゲート裏でもちょっとテンションが高かったので、もしかしたら引っかかってしまうかもしれないな、と思っていたんですが、ゲートを出てしまったらいつも通りだったんで安心しました。

「ある程度前は速くなるだろうな」と予想していたので、後方2番手というのはイメージ通りでした。直線半ばで先頭に立って、1頭になったときはちょっと遊ぶようなところが出てしまったんですけど、最後は2着の馬(アッカレッツァーレ)が迫ったところをよくしのいでくれました。

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北斗盃を制したレッドカード

レッドカードの成長ぶりと、今後の展望について伺います。

2歳の頃から大きく変わった印象は感じないんですけど、2歳の秋ごろから、いい雰囲気通りの走りはできているんじゃないかと思います。この後は北海優駿(6月18日)になるのかヒダカソウカップ(6月17日)になるのかは未定ですが、北海優駿の2,000mという距離はもしかしたら多少長いのかもしれません。ただ、折り合いの心配はありませんから、このまま無事に行ってくれればと思います。

期待している2歳馬についても教えてください。

おかげさまで、これまで自厩舎の3頭でフレッシュを勝たせてもらっています(5月28日終了時点)。厩舎の2歳馬としては、全体的なレベルとしては例年と同じくらいかなという印象ですが、期待している馬も結構いますね。

リーチ(5月6日6R・1着)は能検を受けた頃から馬がかなり変わってきて、走りそうな雰囲気が出てきました。直前の調教ではまだトモ(後肢)に緩さが残る点が気になったんですけど、レースではしっかりと、気持ちを入れていい時計(1分00秒5・重馬場)で走ってくれましたよね。素直で乗りやすい馬ですし、馬格もあるぶんどっしりと構えているというか、頼もしさを感じます。

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5月6日のフレッシュチャレンジを制したリーチ


ラッキードリーム(5月26日6R・1着)も調教からいい動きをしていたので、デビュー戦の前から期待をしていました。初戦はコーナーで少々外に張る面があったんですけれども、直線に入るとまっすぐ走ってくれましたね。普段はおとなしい馬なんですけれども、少しスイッチが入るとカッとなる面があるので、そのあたりが成長してくれればと思います。

セカイノホシはまだちょっと気性が幼いというか、おてんばな感じですけれども、デビュー前から坂路で3ハロン36秒を切るくらいでしたからね。デビュー戦(5月14日5R・1着)はテンの速い馬がそろったなかでハナに立ったので、ラストで脚が上がらないか心配していたんですけど、よく最後までこらえてくれたと思います。

2歳馬については、いつもまずはフレッシュチャレンジを勝つことを目標に調教しています。今年はJBC2歳優駿(11月3日)が行われますが、自厩舎でも出走できたら最高ですよね。

門別競馬場では今年から、2歳新馬戦限定で1,100mコースが新設されました。

1,200mは2コーナー奥のポケット部分からの発走なので、2歳の幼い馬だと2コーナー側に突っ込んでいく馬もいたりして、特に内枠だと僕らも少し気が引けるようなところがあったんですよね。100m短くなってそれが解消されるようになったので、乗っている側としても、内枠が当たっても安心してレースに向かうことができます。

乗った感触としては、1,000か1,200かで言えば、どちらかと言えば1,000mに近いような気がします。何回か乗せてもらってなんとなくペースもつかめてきましたが、行き脚のある馬が残るケースも増えてきたんじゃないですかね。

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井上騎手自身の今後の目標について教えてください。

目標らしい目標は特にないですね(笑)。年も年なんで、乗れるうちは普通に、しっかりと乗っていくことが一番なのかなと思います。

レースが終わっても、深く考え込みすぎないようにはしています。あまり引きずっても、そんなの仕方ないですから。

平常心でいることも長く続けられる秘訣なのかもしれませんね。では最後に、オッズパーク会員の皆さんへメッセージをお願いします。

早くコロナウイルスが収束して、門別競馬場にたくさんのお客さんが来てくださることを待っています。門別は今年開幕からずっと無観客競馬が続いていますが、レースでも能検に乗っているみたいな感覚で、なんか寂しいですね。

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※インタビュー・写真 / 山下広貴

2020/06/05
ホッカイドウ

小野 楓馬 騎手(北海道)

2019年に門別競馬場でデビューした小野楓馬(おのふうま)騎手は、両親が日高の牧場スタッフという"馬産地競馬"ならではの出自。ヤングジョッキーズシリーズ(YJS)トライアルラウンド門別当日(8月21日)にはその第2戦を含む1日5勝、翌週29日のリリーカップでは、デビューからわずか4カ月で重賞初制覇を果たすなど、1年目からめざましい活躍を見せています。

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ご両親が牧場にお勤めとのことで、名前にも「馬」がついていますが、小さいころから馬には興味があったのでしょうか。

小さいころは父が勤めていた牧場の社宅に住んでいて、玄関を出たら目の前に牧場があるような環境でした。名前は両親が一緒に考えて、母が「楓」という字を使いたかったそうなんですけど、「馬」の字も自然とついたんでしょうね。この牧場で育った馬が将来競馬場を走るということは子どもながらに理解していましたし、小学1年生くらいのときから、テレビでディープインパクトや武豊さんを観て「強いんだなあ」と思っていました。その頃、家の近所にあったカントリー牧場で生まれたウオッカがダービーを勝ち、なおさら親近感が湧いてきましたよね。

騎手を目指したのも自然な流れだったんでしょうか。

もともと体が小さくて、両親から「ジョッキーになったら?」と勧められた影響もあって、4~5歳の頃から「大きくなったら騎手になる」と周囲に言い回っていました。小学生のころから三木田乗馬学校というところでポニーに乗っていて、馬に乗る楽しさは感じていたんですけど、本当に決意を固めたのは中学生になって進路を考え始めたときですね。小さい頃から言ってきたせいで周りからも「騎手になるんでしょ?」っていう雰囲気が固まっていて、今さら後に引けなかったのもあるんですけど(笑)。

最初は中央を目指していたんですけど、高2のはじめに母の知り合いから「小野望先生が騎手を欲しがっている」という話を聞いて、ホッカイドウ競馬に目が向くようになりました。ちょうど門別競馬場で子どもたちのポニーレースがあって、ゴールした馬を捕まえるバイトで行ったときにレースを観たんですけど、「地元から近くて、歓迎も応援もしてもらえるなら、ここで騎手になるのもいいな」とシンプルに思いましたね。

教養センター時代大変だったことを教えてください。

ホロシリ乗馬クラブや静内農業高校の馬術部でも経験があったので、乗馬に関しては未経験の子よりは余裕があったつもりでしたけど、だんだん技術が追いつかれるにつれて焦りを感じたことですね。自分がケガをして2週間くらい馬に乗れなかったときに、他の子たちはどんどん訓練を進めて巧くなっていきましたからね。そのぶん、自分ももっと頑張らなければと思えたのはプラスでしたし、同期とはお互い助け合って、一緒に高め合っていけるような関係でした。

デビュー当初はどうだったのでしょう。

デビュー戦(4月17日門別3R・ジェイドリームで2着)は田中淳司先生がいい馬を用意してくださったんですけど、馬に遊ばれてゴール前に差し返されてしまい、改めて自分の力不足に気づかされました。最初のころは緊張もしましたけど、周りからの歓声も届いていましたし、テレビで見ていた騎手の方々と一緒にレースをしているというのは新鮮な感覚で、そのとき騎手になった実感がわいてきましたね。

師匠の小野望調教師からはどのような指導を受けているのでしょう。

基本的に馬のリズムに合わせ、馬の気持ちを尊重することを教えていただいています。レース前には「この馬がこういうレースをするだろう」とか、レース後も「こうすればこうなるからこういう結果になる」と、1年目の自分でもイメージしやすいように馬のことやレースのことを教えてくださるのは本当にありがたいですね。自分が馬の上にいるだけでは気づかないような視点をいつも与えてくださっています。

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1年目から当初の目標としていた30勝をクリア。8月にはプリモジョーカーとのコンビでリリーカップを制し、重賞も勝利しました。

キッカケを与えてくださった関係者の皆さんと馬に感謝というか、本当にいい経験をさせてもらっているということを実感しています。1年目から重賞に乗せてもらえるということ自体なかなかないことだと思いますし、馬が走ってくれたおかげというのはもちろん大きいですが、ひとつ重賞を勝たせてもらったおかげで、気持ちの面でも少しゆとりを持ってレースに臨めることができるようになった気がします。

プリモジョーカーのグランド牧場の伊藤社長は、自分が所属していた柔道の少年団で会長をなさっていて、社長のお子さんともよく一緒に練習していたんです。実績のある馬だったので、乗せていただけるという話を聞いたときはさすがにビックリしましたが、変に緊張とかプレッシャーとかを考えたりせず、角川(秀樹)先生から要求されたことを当たり前に実行して、馬の力を信じてさえいれば、少なくとも馬の能力を出し切ることはできるとすぐ切り替えたつもりです。

レースでは内目の枠から果敢に逃げました。

先生からは「最初はハナを取るつもりで出していって、自分よりも速い馬がいたら2番手でも仕方ないね」という話を聞いていましたが、この週はインコースが特に軽かったので、「行けるならハナへ行ってやろう」というつもりで乗っていました。ゲートを出てから自然といいハミがかりで行けたので、コーナーに入っても馬の邪魔をせず、気持ちだけは抜かさないようにすることをいちばんに意識していましたね。直線はとにかくしっかり追うことだけを考えていたんですけど、最初聞こえていたムチの音や足音がだんだん聞こえなくなってきたときは内心とても驚きましたし、馬に対して「お前すごいんだな」っていう思いを抱えながらゴールまで乗っていました。検量室で出迎えてくれた小野先生もすごく喜んでくれましたし、ほかのジョッキーからも「おめでとう」と声をかけられて、やっと緊張がほぐれて喜びを噛みしめられましたね。

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プリモジョーカーでリリーカップを制し重賞初制覇

地元で行われたヤングジョッキーズシリーズでは第2戦を勝利。この日は5勝を挙げる活躍でした。

2戦目で騎乗したレルシュタープは転入初戦で、中央では馬なりでもハナに立つような競馬をしていたので、無理しなくても逃げられるかなと思っていましたが、2番手の馬が引っかかってきたので、流れは速かったですよね。道中はなるべくリラックスさせることに専念し、勝負どころで抑えていた手綱を放して「気持ちよく行ってもいいよ」と合図を出して最後は馬の力を信じたら、直線ではこちらの叱咤にもしっかり応えてくれました。

それまでの4勝は、人気になるような馬も多かったですからね。そういう馬を任せてもらえるのは本当にありがたく思いますし、だからこそ気をさらに引き締めて、期待に応えていくしかないと。ちょうど当日、同期の福原杏(浦和)もYJSに乗りに来ていて、「昨日ようやく楓馬に勝ち星で追いついたんだ」という話を聞いていたので、「自分も負けてられないぞ」と余計に燃えました(笑)。

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YJSトライアルラウンド門別第2戦を制して、1日に5勝

次のトライアルラウンドは11月19日の川崎です。

門別で1回勝たせてもらって、いい位置にいさせてもらえる以上、ファイナルに残れるようにしたいですよね。川崎は最後のトライアルラウンドなので、あと何ポイント必要か計算しやすいのはありがたいです。左回りのレースはおそらく初めてになりますが、いい経験をさせてもらいながら、冷静に、ひとつでも上の着順を目指したいと思います。去年は(山本)咲希到さんと落合(玄太)さんがファイナルに進出されたので、自分もそれに続きたいです。

今シーズンもあと2か月を切りました。今後の目標と課題を教えてください。

当初の目標だった30勝は達成できましたが、これからも目の前の勝利を1つ1つ積み重ねていき、今度は50勝を目指したいですね。去年落合さんが1年目から57勝(門別のみ。ほか1勝)を挙げられたので、「もっと上がある」と考えられるのは、自分にとって恵まれた環境だと思います。まだ臨機応変さが足りないというか、レース中に慌てて、中途半端な位置取りになることもあるのが課題ですね。あとはやっぱりスタートですかね。ゲートの中で同じ体勢を取っても出たり出なかったり、「どうして今回は出なかったんだろう」とか試行錯誤しています。やっぱり考えて乗るのはいちばん大事だなと思います。

では、最後に、オッズパーク会員の方へメッセージをお願いします。

これからも馬主さんや厩舎スタッフの方、そしてファンの方に、見ていて面白いと思ってもらえるような、魅力ある騎乗を心がけたいです。乗せていただけることを当たり前だと思わず、謙虚に、ひとクラひとクラしっかりレースに臨みたいですね。

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※インタビュー・写真 / 山下広貴

2019/10/07
ホッカイドウ

石川 倭 騎手(北海道)

石川倭騎手はデビュー7年目の今シーズン、155戦32勝(6月13日終了時点)という成績でホッカイドウ競馬のリーディング単独首位をキープ。一昨年はダブルシャープでクローバー賞(JRA札幌)を制してJRA初勝利。昨年はアークヴィグラスとのコンビでエーデルワイス賞JpnIIIを制しダートグレード初制覇と、近年は大きな舞台での活躍も目立ち、トップジョッキーへの階段を着実に上り続けています。

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前年と比べて大幅に成績を伸ばしています。ここまでのご自身の戦いぶりを振り返っていかがですか。

いい馬にたくさん乗せていただいたなかで、リーディングトップという位置に立つことができているのは素直にうれしいですね。もちろん、「もう少しここをこうしていればこのレースも勝てたんじゃないか」と思うこともありますが、自分のなかでやれることはできているんじゃないかという手応えはあります。

一昨年はJRA初勝利、昨年はダートグレード制覇と、ここ最近は大きな舞台での活躍も目立ちます。

何事でも経験があるというのは自信になります。アークヴィグラスもデビュー3戦目(7月31日・カーネリアン特別5着)がチグハグな内容になってしまったんですけど、そこでの経験が重賞3連勝につながったんだと思います。当時はまだ小柄でテンションも高かったなかで、厩舎の皆さんがいい状態をキープしてくださったおかげです。

これから週3日間開催が中心になると思いますが、ご自身のコンディションについてはいかがでしょう。

今シーズンに関しては、今のところ体の状態をうまくキープできているのではと思います。自分は身長が高いほうなので、体重管理には特に気をつけています。他の人より手が長く、馬を追うときにより腕を伸ばせるというメリットもあるんですけどね。あと、自分は体が硬くなりやすいので、特に股関節のストレッチを入念に行うようにしています。

自厩舎のお手馬・オヤコダカも、復調の兆しを見せていると思います。

昨シーズンは思うような結果を残せなくて、もちろん原因はひとつではないと思うんですけど、特に秋の2戦がどうしてここまで負けたのかよくわからなかったんです。今年は2月から坂路で乗り込みを始めたんですけど、普段の調教でも、牝馬を見ると色気を出すようなうるささが戻ってきていると感じました。毛ヅヤも良くなり、歩様に柔らかみも出ていましたが、なにしろ去年のことがあったので、コスモバルク記念のレース前も半信半疑でした。
コスモバルク記念では1コーナーで速い流れになったこともあって、普段より後ろの位置取りになってしまったのですが、道中のハミがかりはいい頃にだいぶ近づいていました。向こう正面では進路が開かなくてそのままジッとしていたんですけど、3~4コーナーの手ごたえは「いつものオヤコダカ」という感じでしたね。

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ノヴェリスト・プレミアム(5月22日)で久々の勝利を挙げたオヤコダカ

5月のノヴェリスト・プレミアムでは、一昨年の旭岳賞以来の白星を挙げました。

本当は前々で運びたかったのですが、テンに出ていかなかったので、控える形に切り替えました。道中で砂を被ってもモチベーションが全く変わらず、引っかかるほどの行きっぷりでしたし、勝負所での反応もいいころの感じにだいぶ戻ってきた印象です。
次走は星雲賞(7月17日)になると思います。今の少し行き脚がつかなくなってきた状態で内回りのマイルに対応できるかどうかですけど、促さなくても自分からハミを取って動いていけるので、いかにオヤコダカ自身のリズムを邪魔しないかをいちばんに意識したいですね。

2歳馬についてもうかがいたいと思います。開幕日のスーパーフレッシュチャレンジ競走では、石川騎手が鞍上のヨハネスボーイが勝ちました。

1歳の12月ころ、桧森邦夫きゅう舎で調教を手伝わせてもらったときに初めて跨ったんですけど、そのころから背中の感触が良くて、いいイメージを持っていた1頭でした。3月の能検でも道中で砂を被せることができ、試したかったことは試せたつもりでしたし、スーパーフレッシュでもその期待通りの走りをしてくれたと思います。血統的なものなのかはわからないんですけど、ちょっと気が強くてテンションが高いのは課題ですね。まだ余裕のある範囲内だと思いますが、ムダな力は使わないに越したことはないので。
2戦目のウィナーズチャレンジは、パドックからちょっと馬がトボけていたような感じで、返し馬のアクションや仕掛けどころの手応えなんかも多少反応が薄かったですね。ただ、レース間隔が開いていたので、使われた分の上積みはあると思います。体も成長途上で、まだベスト体重がどれくらいかは分かりませんけど、460kgくらいはあってもよさそうです。次は栄冠賞(6月27日)になると思いますが、芝が合いそうなフットワークをしているので、何とか夏の北海道シリーズに挑戦できたらいいですね。

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スーパーフレッシュチャレンジ(4月17日)を制したヨハネスボーイ

2歳の牝馬で楽しみな馬はいますか。

6月6日のフレッシュチャレンジを勝ったモリデンナイスですね。これも桧森邦夫厩舎で手伝わせてもらった時に初めて跨ったんですけど、能検や調教の時点からとにかく悪いところがなく、注文のつく点が何もなかったので、デビュー戦は自信をもって臨むことができました。トビが大きくて、スピードやスタミナといった全体的なポテンシャルが高いですね。デビュー戦ではちょっと引っ掛かるところもあったんですけれど、オープンのペースなら却ってすんなりと追走できるのではと思います。

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フレッシュチャレンジ(6月6日)を制したモリデンナイス

今シーズンこれからの目標について聞かせてください。

開幕当初は特に具体的な目標を決めずにいたんですけど、おかげさまで今の位置に立たせてもらっているので、シーズン終了までこの位置をキープしたいですね。1日1日、1つ1つのレースにしっかりと取り組めば、結果はおのずとついてくると考えています。2年前はいい流れで来ていたときにケガをしてしまったので、ケガをしないようにレースに集中して臨み、またレースに集中できるように自分自身の調子を整えていきたいですね。

最後に、オッズパーク会員の皆様へメッセージをお願いします。

これからも迫力のあるレースを皆さんにお見せできればと思うので、機会があればぜひ現地までレースを観に来てください。

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※インタビュー・写真 / 山下広貴

2019/06/26
石川 倭騎手

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