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田中 淳司 調教師(北海道)

田中淳司調教師は2015~17年と、ホッカイドウ競馬で3年連続リーディングを獲得中。5月16日の門別8レースでは、地方・中央通算900勝を達成しました。今年はシーズンオフにハッピーグリンがセントポーリア賞を制して念願のJRA初勝利を達成。北海道所属のまま牡馬クラシック戦線に挑戦するなど、各地への遠征でも結果を残しています。

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ここまで3年連続でリーディングを獲得中です。活躍の原動力を教えてください。

まずはスタッフが一生懸命やってくれたからというのが大きいですね。開業当初からずっと1番を目指して、みんなが同じ方向を向いて仕事をしてくれた結果だと思います。3年連続でリーディングを取らせていただき、自分自身に余裕が出てきたような気もします。勝てないからイライラするということもなくなりましたし、周囲を冷静に見渡せるようになったというか。

お父様(田中正二調教師)も早くから調教師として活躍されています。競馬の世界に入るのは自然なことだったのでしょうか。

もともと競馬が好きだったというか、とにかく馬に興味があったんですよね。最初は騎手になりたかったんですけど、体格の問題であきらめて。高校を卒業してすぐに親父の厩舎に入りました。厩務員時代は、厩舎にベテランの厩務員さんが多かったですし、親父も「調教師の息子」ということで気を使ったのか、あまりいい馬を担当させてもらえなかったですね。重賞では3着が最高だったと思います。でも、そういった馬でいかにいい結果を出すか、自分で調教しながら試行錯誤していったことが、いま思えばいい経験になっているんでしょうね。

調教師への転身を意識されたのはいつ頃だったのでしょうか。

それほど早く調教師になることは意識していなかったんですが、両親も「試験なんて一発で受かるわけないんだから、早いうちから受けておきなさい」と薦めたので受けてみたら、1次試験を1回目で合格したんです。ところが2次試験の1週間前に、親父と牧場へ馬を見に行ったときに、走ってきた馬に蹴られて腎臓を傷めてしまって。それから数日間は絶食で、傷口も痛かったんですけど、どんな試験なのか自分でも覚えたかったのでなんとか根性で受けたんですが、乗馬の試験もろくに受けられず落ちてしまいました。ちょうどサクちゃん(佐久間雅貴調教師)と一緒に教養センターまで行って、体が痛いなか行き帰りに荷物を持ってもらったりして、本当に助けてもらったことを覚えています。試験に合格したのは2回目ですね。

開業当初はどうだったのでしょうか。

初年度から「絶対にリーディングを取ってやる!」という意気込みでやっていました。最初のころは頭数も少なかったので、いま考えたら「バカだなあ」と自分でも思うんですけど(笑)。ただ、初勝利がその年最初のフレッシュチャレンジ(2007年4月19日門別5レース、アイファーダイオー)で、それが「前代未聞だ」と大きく取り上げていただいたおかげか、そこから馬もだんだん集まってきましたね。

ここまで重賞47勝という実績を挙げられています。なかでも思い出に残っている馬を教えてください。

やっぱりハッピースプリントですよね。「これは負けないだろう」というほどの手応えを初めて感じさせてくれて、馬もそれに応えてくれましたし。初めてリーディングを取らせてもらった年の道営記念(2015年)をグランプリブラッドで勝たせてもらえたのも思い出深いですね。連覇を目指した道営記念の最終追い切りで故障してしまい、かわいそうなことをしてしまったという意味でも印象に残っています。

今年はハッピーグリンがJRAに参戦したことでも話題になりました。

「屋内坂路などの施設に恵まれた門別競馬場から、冬場も中央に挑戦したい」という馬主さんのご理解があったおかげで、今回の挑戦に至りました。昨年の夏、札幌競馬場へ遠征に行ったとき(コスモス賞、すずらん賞)も、必ずしもいい状態とは言えないなかで、いずれも3着に来ましたからね。道中の行きっぷりなんかを見ても、やはり芝向きだろうと思っていました。

セントポーリア賞の末脚は鮮やかでしたね。

夏の遠征のあと、秋口からトモの状態がどんどんよくなってきて、北海道2歳優駿にしても全日本2歳優駿にしても、自信を持ってレースに臨んだにもかかわらず結果が出ず、「おかしいなあ」と思っていました。2走とも内枠が当たって内々を進む形になってしまい、道中で馬がストレスを溜めるような形になってしまったことが敗因だと判断したので、大野(拓弥)騎手には「どこかで外に出してほしい」とだけ指示したんですが、しっかりと結果を残してくれました。「中央で勝ちたい」と思ってきて、それまでに62回挑戦して、あと一歩のレースもあったなかで、本当に夢が叶った一戦でした。

その後スプリングステークス→プリンシパルステークスと、中央のクラシック競走のトライアルに挑みます。

トライアルで結果を出さなければ本番に進めない立場で、毎回納得のいく状態まで持っていくのは大変でした。レース後にケアをしながら、自分でもほとんど毎日調教に乗って感覚をつかみつつ、「大丈夫だ」と判断したら坂路を1日3本入れたりもしました。2歳のうちは自分たちのほうが早くから競馬に使っているというメリットがありますけれど、年を越えてくると、中央の血統馬相手に同じことをしてはダメだと思ったので。今年に入って3回輸送して、そのたびにめいっぱいまで馬を仕上げていって。それでプリンシパルステークス(4着)も初めての2000メートルで33秒台の上がりを使ってくれましたから、一生懸命走ってくれた馬をほめるしかないですよね。

今後のローテーションについても気になるところです。

いまは競馬場近くの育成場に短期放牧に出ています。次走は巴賞(7月1日、函館競馬場)の予定です。52キロで出られるのは好材料ですし、ここを勝てば向こう1年間はGIのステップ競走を使いに行けるようなので。

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ハッピーグリン

遠征といえば、エグジビッツもグランダム・ジャパンで2歳女王になり、今年も3歳シーズンで上位争いを演じています。

のじぎく賞は残念な結果に終わってしまいましたが、今年初戦の若草賞(名古屋)のときはカイ食いも十分でなく、体も減ってしまっていたことを考えると、馬の状態自体はかなりよくなっていますよね。2歳の頃はダートグレード競走で戦うにはちょっと頼りないかなと思っていましたが、今の感じだったら、中央勢はともかく、地方馬のなかではそう遜色なくやれるのではと思っています。開業当初から「チャンスがあれば他地区のレースも勝ちたい」と思ってやってきましたが、地理的な制約もあるなかで、遠征で結果を出してホッカイドウ競馬の名前をアピールすることにはやりがいを感じます。

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エグジビッツ

今年の2歳馬についても教えてください。

動きのいい馬からフレッシュチャレンジに使っていますが、おかげさまでこれまで3頭勝たせてもらっています。ラブミーリチャードはスピードがある馬で、初戦は自信を持って臨むことができました。今のところ、最初のウィナーズチャレンジ(6月7日)を目標にしています。オスピタリタは、乗ったときのトビがノットオーソリティ(全姉)に近いですよね。ハナに立つとソラを使うようなところも似ていますので、そのあたりが課題だと思いますけど。オーナーサイドも「函館2歳ステークス(7月22日)を目指してほしい」と期待されているので、まずは権利取りを目指していくことになりますね。ホワイトヘッドはまだ前半のエンジンのかかりがちょっと遅い気がするので、距離が伸びてからも楽しめそうですね。使っていくうちに、馬もさらによくなってきそうです。

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田中淳司厩舎所属として重賞を制したノットオーソリティの全妹オスピタリタ

今年は所属の落合玄太騎手がデビューしました。先生ご自身にとっても、1からジョッキーを育てていくのは初めてだと思います。

本人にもご両親にも、「リーディングで上位に入るジョッキーは2~3年でそれなりの数字を残すものだから、そのつもりでがんばってほしい」と伝えていますが、真面目に馬乗りに取り組んでいると思います。落ち着いて乗れているのもいいですね。北海道には「調教を手伝ってくれた子は乗せる」という風習がありますから、いろいろな厩舎に行って調教に乗せてもらって、自分自身の土台を作ってほしいです。いまの一生懸命さを忘れず、細かな指示を出さなくても結果を出せるジョッキーになってほしいですね。

tanaka-j05.jpg

今後の目標について教えてください。

4年連続のリーディングももちろんですが、やはりグレードレースを勝ちたいですよね。ハッピーグリンも中央の重賞戦線で勝負するためには、もうワンランク上の段階に成長しなければなりません。

最後に、オッズパーク会員の皆様へメッセージをお願いします。

ホッカイドウ競馬でデビューする2歳馬は、南関東をはじめとする他地区での活躍ももちろんですけど、昨年のダブルシャープやハッピーグリンのように、中央でも活躍できる素質馬も少なくありません。今年もそういった未来のスターホースがわんさかいると思うので、ぜひとも注目して見てもらいたいですね。

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※インタビュー・写真 / 山下広貴

2018/05/31
ホッカイドウ

坂下 秀樹 騎手(北海道)

1986年にデビューし、32年目のシーズンを迎えている坂下秀樹騎手。8月30日の門別第4レースでオイランドウチュウに騎乗し、地方・中央通算1,500勝を達成しました。ホッカイドウ競馬では5番目の年長ジョッキーに、これまでの歩みと今シーズンの戦いぶりについて伺います。

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デビューから32年目での1,500勝達成となりました。率直なところ、デビューした当初はこれまで続けられるとお思いでしたか?

正直、この年齢まで乗れるとは考えていなかったですね。同期で今でも現役で乗っているのも、浦和にいる吉留(孝司)と愛知の宇都英樹くらいになりました。

この年齢まで現役を続けてこられた要因とは何なのでしょうか?

やっぱり好きじゃないとやれないですよね。小さなレースでも大きなレースでも、やっぱり勝てば面白いし。あと、独身の頃は考えたこともなかったですけれど、結婚して子どもができてから、家族を背負っているということを考えるようになりました。それが一番大きいです。

これまでのなかで印象に残っているレースを教えてください。

ホーエチャンピオンでアラブの重賞を7勝したこともそうでしたが、やっぱり初騎乗のことは今でも鮮明に覚えているかなあ(1986年10月1日札幌4R・ギャラントエイコウで初騎乗初勝利)。いまお世話になっている(米川)伸也先生もまだ現役だった頃でね。たしかあまり人気もなくて、乗っているだけでいっぱいいっぱいだったけど、道中で最後方だったのを3コーナー過ぎから上がって行って、直線でごぼう抜きでしたね。山中(静治)先生が乗っていた馬を交わしたんだと思います。須藤三千夫元調教師の馬だったのですが、須藤厩舎の馬には他にもいろいろ乗せていただいて、道営記念も勝たせてもらいましたからね(98年ハセミイホー)。本当にお世話になりました。

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今のデザインの勝負服は、2008年から使われていますね。

前の年にケガで4カ月ほど休んでしまい、当時所属していた原(孝明)先生と「今の服はもう合わないんじゃないか」という話になって、占い師に見てもらったんです。それで「あまりよくない」と言われて、じゃあ替えるかと。黒とピンクは好きな色ですね。デザインも自分で考えました。デビュー4年目くらいに一度デザインを替えているので、今の勝負服は3代目です。

デビュー当初は各地の競馬場(旭川・岩見沢・帯広・札幌)をまわる形式でしたが、2010年から門別に開催が一本化されました。レースの面で何か変化はありましたか?

一番は砂質の違いですね。中央でも使っていた競馬場は、やっぱり地盤もよかったです。勝負服に付いた砂も、少し払っただけですぐ落ちましたし。今の門別は馬場も変わりやすく、雨が降ると泥がなかなか落ちにくいですね。冬場調教で使うときに塩化カルシウムを撒くと、馬場が負けてしまうんですよね。

2012年には、門別競馬場に屋内坂路コースができました。調教の面での変化はいかがですか?

やっぱり坂路ができたのは大きいです。脚元を気にせずに調教できますし、少し歩様の硬い馬でも、坂路に上げると馬が変わってきますから。ただ、やりすぎると今度はトモに疲れが出てきますから、難しい部分もありますけどね。デビュー前の2歳馬の調教も、基本的には変わっていませんけど、今は育成場で基礎を教わった状態でこちらに入ってくることが多くなりました。

今年の戦いぶりについても伺っていきます。これまで昨年よりも大幅に勝数や勝率を伸ばしていますが。

おかげさまで、勝ち負けできる馬に多く乗せてもらっていますからね。乗り鞍も決して多くはないですが、ひとつひとつチャンスがあると思って乗っているのは変わらないです。

9月28日の道営記念トライアル(ドゥラメンテ・プレミアム、勝ち馬ワットロンクン)など、人気薄でアッと言わせる逃げ切りも印象に残ります。

やっぱりワットロンクンは元々実績もある馬でしたからね。ただ、それまでの2走で乗ったときになかなかハミを取らず、少しズブくなっているのかなと感じました。先生とも相談して、1回叩いてハナに行ってみようと思ったんですけど、道中もなかなかハミを持って行かないですし......。ただ、それでかえって息が入ったんだと思います。マイナス10キロと体が減っていたのもよかったのでしょうね。本番も2,000mですが、距離の面では全く問題ないですね。

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ドゥラメンテ・プレミアムを逃げ切ったワットロンクン

脚質的に好きな戦法は何ですか?

個人的な理想は先行や差しですね。レースを覚えさせていく感じが好きです。でもこれまで勝っているのは、逃げや先行がいちばん多いですかね。たぶん戦法的に合っているから勝っているんだと思います。

今後の具体的なビジョンについても教えてください。

いつまで現役を続けられるかは分かりませんが、これからもケガをしないで、少しでも長く、ひとつひとつ大事に乗っていきたいです。将来的には調教師になるための準備も進めていかなければならないですね。

競馬場を離れて、心が落ち着くのはどんなときですか?

近所の海に釣りに行くときですかねえ。趣味らしい趣味といえば釣りですね。今の季節は秋アジがいいです。あとは家で犬と遊んでいるときでしょうか。小型犬を1匹飼っています。

では最後に、オッズパーク会員の皆さまへメッセージをお願いいたします。

馬券を買うときは色々な楽しみ方があると思います。ジョッキーや馬で選んだり、分からない場合は例えば自分の誕生日で選んだり。たとえ最低人気の馬であっても、お客さんの大切なお金がかかっていることを忘れず、これからも馬券を買ってくださった方に納得していただけるようなレースをしていきたいですね。

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※インタビュー・写真 / 山下広貴

2017/11/02
ホッカイドウ

桑村 真明 騎手(北海道)

2005年のデビューから13年目を迎えた桑村真明騎手。昨年はシーズン自己最多の101勝を挙げ、2013年以来2度目となる北海道リーディングジョッキーの座に輝きました。"若手"というフィールドから一歩先へ進み、さらなる飛躍を遂げる桑村騎手にお話を伺いました。

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2012年のインタビューでは「リーディングをとってみたい」とお話されていたと思いますが、その後実際に2度リーディングを獲得されて、心境面での変化はありましたか?

リーディングというのは自分だけの力ではなく、馬主さんや調教師さん、厩務員さんなど、周りの方々のバックアップがあって初めて取らせていただけるものだということに気付きました。あらためて、自分の環境であったり、周りの人たちへの感謝の気持ちを意識するようになりましたね。

昨年は自己最多の101勝を挙げられましたが、この数字に関してはご自身でどう捉えられていますか?

いい馬にもたくさん乗せていただきましたし、もうちょっと伸ばせてもよかったと思います。

リーディング争いは終盤までもつれましたね。

その頃になると、周りの調教師さんや馬主さんもリーディング争いを気にしてくださって、いい馬を用意してくれたんですよね。最後に頭ひとつ抜け出すことができたのは、そのおかげだと思っています。

所属先の角川秀樹調教師は、最近の騎乗ぶりについて「勝ち星を積み重ねていくうちに自信がついたのか、咄嗟の判断ができるようになってきた」と評されていましたが。

昔に比べてだいぶ周りが見えてきたというのはあると思います。大きな舞台でもけっこう乗せていただけたので、そういった経験も糧になっていますね。

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いま「大きな舞台」というお話があったと思いますが、昨年はリンダリンダで東京プリンセス賞(大井)を制しました。かつてのお手馬と、南関東のクラシックで再びコンビを組んでの勝利だっただけに、感慨もひとしおだったのではありませんか?

2歳時に乗ったときと比べても、馬がさらに力強くなっていましたよね。僕らは基本的に南関東などへ移籍した馬に乗る機会はないんですが、3歳の全盛期、クラシックシーズンを迎えた馬の成長力を感じられたことはとてもいい経験になりました。個人的にも、ホッカイドウ競馬開幕の日に(スティールキングで北斗盃を)勝った次の日にまた重賞を勝てて、勢いをつけることができました。

タイニーダンサーとも、ブリーダーズゴールドカップで2歳時以来のコンビ(2着)を組みましたね。

もう少し引っかかるのかなと思っていましたが、2歳時よりも落ち着きが出てきて、折り合いも結構ついて乗りやすくなってきました。今年もまた門別に来てくれたらいいですね。

北海道スプリントカップでは、負傷したジョッキーに替わって急遽JRAのノボバカラに騎乗することになりました。

騎乗依頼をいただいたときは素直にうれしかったですね。レースではゲートの出もよかったので、自分のペースで行こうかなと。けっこう流れも速かったんですけど、「これだけ速いペースで行ってもまた直線伸びるんだ」と、心肺機能の違いを感じましたね。

最後は惜しくも2着に敗れましたが、ミルコ・デムーロ騎手が操るダノンレジェンドとの叩き合いは見応えのあるものでした。

そうそうないチャンスだったので、結果を出したかったというのは正直な気持ちですが、強い馬の背中を感じることができたので、本当にいい経験をさせてもらったと思います。

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2016年北海道スプリントカップ、ノボバカラで2着

今シーズンも始まったばかりですが、ここまでの戦いぶりを振り返っていかがですか?

いい馬に乗せてもらったおかげでポンポンっと勝つことができているので、いいスタートを切れていると思います。

今年の目標として具体的にイメージされていることはありますか?

昨年同様、年間100勝以上を目標に頑張っていきたいです。門別だと開催期間も短いですし、最初のうちはレース数も少ないので、なかなか難しいですけれど。

ホッカイドウ競馬は冬場の休催期間も長いですが、冬期間の2歳馬の調教から実戦モードへ切り替えていくときに心がけていることはありますか?

僕は能検である程度気持ちを入れて、開幕に向かっていく感じですね。3月に能検が始まる時期に徐々に体重が落ちてきて、スイッチが替わっていくというか。

「今年はこれで上へ行きたい」という馬がいれば教えてください。

開幕日のスーパーフレッシュチャレンジを勝たせてもらったキタノシャガールですね。距離ももつと思いますし、調教や実戦でもう少し折り合いを覚えていけば、まだまだ上を目指せると思います。まずは栄冠賞(6月29日)まで順調に進んでほしいですね。

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スパーフレッシュチャレンジを制したキタノシャガール

桑村騎手個人としても、6月にはスーパージョッキーズトライアルが控えています。前回出場時(2013年)は惜しくも1ポイント差で次点という結果でしたが。

前回は初戦でシンガリ負けになってしまい、「ああ、ダメだな」と思ったら、かえってリラックスできたので(笑)。デビュー前から知っている人たちと一緒に乗れたこともあって、楽しんでレースに臨めました。もちろん、自分自身も巧く乗らないとポイントは稼げませんが、乗り馬次第の面もあるので、今回もまずは楽しんで乗って、その上で結果を残せるよう頑張りたいですね。

ワールドオールスタージョッキーズは札幌競馬場で行われます。

比較的乗り慣れている場所なので、もし出られたら面白いと思いますけどね。

普段から師匠の角川調教師を尊敬されていることが我々にも伝わってきます。桑村騎手にとって、角川先生はどんな存在ですか?

先生のおかげでここまでいい結果を出せるようになったと思っているので、感謝してもしきれないですね。人としても尊敬できる先生です。例えば僕がよその厩舎の馬で勝ったときも、うちの先生が「よかったな」ってその調教師さんに連絡してくれたりするんですよ。

弟弟子の阿部龍騎手の活躍もめざましいですね。

すごく刺激になりますね。龍が活躍すればするほど、自分も頑張んなきゃいけないなという気持ちも強くなります。お互いに高め合っていける存在です。

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では、最後にオッズパーク会員の皆さんへメッセージをお願いします。

今年も北海道から全国区になる2歳馬が多く出てくると思うので、特に2歳戦に注目しながら観ていただければうれしいですね。出世する馬たちを早くから見つけられるのが、ホッカイドウ競馬の楽しみだと思います。

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※インタビュー・写真 / 山下広貴

2017/05/16
ホッカイドウ

五十嵐 冬樹 騎手(北海道)

10月12日(水)門別第10レースで、地方・中央通算2,000勝を達成した五十嵐冬樹騎手。昨年は6季ぶりのリーディング奪回を果たすなど、今なお、ホッカイドウ競馬のトップランナーとしての存在感を保つ五十嵐騎手ですが、2014年には調教中に右アキレス腱断裂の大ケガを負いました。「騎手人生で一番大きなケガだった」と本人が語るケガからの復活、そして「ベテラン」と呼ばれる立場となった現在のことを尋ねました。

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通算2,000勝達成おめでとうございます。2,000という数字の重みについて、ご自身ではどのようにお考えですか?

ホッカイドウ競馬生え抜きのジョッキーで、まだ2,000勝を達成された方がいないなか、関係者の皆さんに乗せていただいたおかげでこのような数字を達成することができて、本当に光栄です。

2,000勝を達成されたときには、娘さんも同じ勝負服姿で記念撮影に収まっていましたね。

小3になる下の娘がポニー乗馬を始めて、この前の浦河の競馬祭で初めてレースに出たんですけど、それで作ったんですよ。普段は学校が終わった後に練習しているんですが、いまは馬に乗るのが大好きでしょうがないという感じですね(笑)。

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2,000勝のなかでも、特に印象に残る勝ち星は何ですか?

レーシングクィーン(1996年・黄菊賞)での初重賞もそうですし......もちろん、コスモバルクでもいい経験をさせてもらいましたし、あとは交流重賞なんかでも、イングランディーレでブリーダーズゴールドカップを勝たせてもらったり、プリンシパルリバーの全日本2歳優駿だったりとか。2,000勝となると、ひとつひとつが思い出深いです。

園田競馬場で行われているゴールデンジョッキーカップの出場権も獲得しました。

今まで権利がなかったので、達成してすぐに出られるのかどうか分かりませんけど、やはりそういうレースに出られるのはありがたいことですね。

2014年には右アキレス腱断裂という大ケガも経験されましたが。

ここ何年か痛み止めの注射を打ちながら左膝の痛みを抑えていたんですが、そのせいで自分の歯車が狂っていた部分があって。それが、アキレス腱を切ったおかげでというのも変な話かもしれませんが、その膝を直す時間も一緒に与えられたので、万全の状態でレースや攻め馬に臨めるようになったんですよね。

ケガをされるまでは重賞制覇があり、勝率や連対率も前年以上の成績を残されていましたが、「せっかくいい流れだったのに馬に乗れなくてどうしよう」という焦りはありませんでしたか?

たしかに「せっかく調子よかったのになあ」というのはゼロではありませんでしたが、絶望感には襲われなかったですね。これが初めてリーディングを取れるチャンスだったら違ったかもしれませんけれど。それよりも、アキレス腱を切って、入院しながら膝を診てもらったときに、左膝の手術を決断したときのほうが不安は大きかったですね。

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生まれつき左膝の皿が割れていたということですが、あえて腱を切りっぱなしにする手術も行ったそうですね。

そうですね。そこが引っ張られて痛みが出ていたので。馬に乗らないのであれば手術しなくてもよかったんですけど、やっぱりこれからも乗り役を続けていくつもりだったんで、手術した方がいいなって。ただお医者さんとしても、若いスポーツ選手ならまだしも、この年になって膝を酷使するような職業があまり前例がないみたいで、普通に馬に乗る分には回復できても、果たしてレースに乗るまで筋力が戻るかどうかという不安はありましたよね。

アキレス腱断裂を機に、元々抱えていた膝まで手術に踏み切ったのは、ある意味では「ケガの功名」というか......。

本当にそうですね。膝だけで手術に踏ん切りがついていたかどうかは分からないです。ケガするまでは注射を打ちながらあと2~3年くらい頑張って、それこそ2,000勝したら調教師に......くらいに思っていたんで。

手術が終わって、リハビリ中はどのようなことを考えていましたか?

手術してから1週間は完全に固定していて、それから軽く歩き始めたんですが、術後の経過が思った以上によかったので、体に関しては特に心配はなかったですね。その年に騎乗していた馬のことも気になっていたので、門別のレースに関しては全部チェックしていました。あと、レースに乗っていなかった時期に、騎手としてだけでなく人としてどうあるべきかとか、「若い頃からもっとこうしておけばよかったかなあ」ということも思い出して考えたりしていました。それが後々、気持ちの面で余裕ができたことにつながってきたのかもしれません。

体も思うように動くようになって、精神面でも余裕ができるようになったということで、ケガでレースを休んでいた期間というのは、その後の騎手人生にとってはプラスになったということですか?

いま思えばプラスだったと思いますね。いい意味での時間が与えられたというか。膝のストレスがなくなったというのはやはり大きいです。

2015年のシーズン初めに復帰し、その年は106勝を挙げて6年ぶりのリーディングの座に立ちました。何か意識の面で変わったことはありましたか?

特に新しく意識したことはありませんが、年をとると馬に乗るときの姿勢が崩れたりとかはしていたので、例えば技術の低下をなるべく少なくするとか、常にそういったモチベーションを保つことは今でも考えています。

「レース後のケアもしっかりしていきたい」ということも以前お話しされていましたが。

今よりはたくさん乗せてもらっていて、毎週のようにJRAにも遠征させてもらっていた頃は、週1回マッサージへ行っていたんですよね。それがレースや調教の後に「まあストレッチでもしてみるか」と思ってストレッチを入念に行うようになってからは、疲れが軽減するというか、マッサージもあまり行かなくて済むようになって、終わった後のケアが重要だと思うようになりました。

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今年のリーディング争いは例年以上に激しいですね。

お客さんにとってはすごく面白いんだろうなというふうには思います。若手が育っている部分もありますし、また育ってこなければ困るし。そうやって世代交代の時期に来ていることを感じながらも、まだやれている部分はあるので、どうにかして頑張っていかなければと思います。食らいついていくのも簡単ではないけれど(笑)。

そんななかでも、連対率は現在ナンバーワンに立っていますね(10月20日現在)。

やはり可能性がある限りは、ひとつでも上へ着順を持っていきたいということは常に考えていますよね。去年は複勝率5割を達成できたのが自分のなかでも大きくて、そこを維持するくらいの気持ちで。ひとつひとつを大事にして上を狙う気持ちが、最後の結果に出ますからね。

今年騎乗されてきた馬のなかで、「この先楽しみだな」と感じる馬はいますか?

ストーンリバーとリコーソッピースですね。どちらもまだ課題は残っていますが、いいものを持っていると思います。ストーンリバーがブリーダーズゴールドジュニアカップを勝ったとき、僕は(同じ厩舎で3着の)ミルグラシアスに乗っていましたが、立ち回りもよく1600向きなので、一発あるんじゃないかと警戒していましたね。

そろそろ重賞勝ちを見たいというファンの皆さんの声もあると思いますが。

馬の巡り合わせや相手関係もあることなので、簡単なことではありませんが、少しでもいい馬を作って、なんとか久々に勝っていきたいなという気持ちはありますね。

(注:10月16日のインタビューの3日後、フライングショットでサッポロクラシックカップを制覇)

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サッポロクラシックカップで2年5カ月ぶりの重賞制覇

今シーズンも残り少なくなりました。ぜひホッカイドウ競馬のアピールをお願いします。

拮抗しているリーディング争いも楽しみにしながら、最後までホッカイドウ競馬を応援していただきたいと思います。自分も何とか2年連続のトップに向けて頑張りたいですね。

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※インタビュー・写真 / 山下広貴

2016/10/27
ホッカイドウ

石川 倭 騎手(北海道)

2014年、2年目で57勝を挙げ、NARグランプリ優秀新人騎手賞を受賞した石川倭(やまと)騎手。昨年度はホッカイドウ競馬で71勝を挙げリーディング4位、今年も順調に勝ち星を挙げ、8月10日には通算200勝を達成。ついにリーディングジョッキーの座にまで上り詰めました(8月25日現在)。

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絶好調ですね。

関係者の方々のおかげでたくさん馬に乗せてもらい、経験を積めた結果だと思います。恵まれたチャンスを生かせている。レースのビデオを見て振り返ってきたことで、成績がついてきているのだと思います。

重賞もいくつか勝っています。昨年は北海優駿を自厩舎(米川昇厩舎)のフジノサムライで勝ち、ダービージョッキーにもなりました。

アクシデント(1番人気のオヤコダカがスタート直後に落馬)はありましたが、逃げというこの馬のレーススタイルを貫けたのが勝利につながりました。スタートしてしばらくは(逃げていたので)落馬は気付かなかったですが、途中で空馬が見えて描いていたレース展開が変わった。逃げればいいところがある、とその時に判断して、レースを進めました。

全体的に、逃げ馬での勝利が多いように思います。

単に、ダートは前でレースをした方が自らレースを作りやすく有利ということだと思います。好きな脚質は差し。ゴールした時にうれしい。

初重賞は2014年イノセントカップのコールサインゼロ。最低人気での勝利でした。

人気はなかったけれど、力があることはわかっていた。それまでは、2歳ということもあって気性面で力を出し切れていなかっただけ。馬の力を出せたことと、馬が所属していた原孝明先生の指示通り、馬のペースに合わせた結果です。

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故・原孝明調教師と

コールサインゼロをはじめ、今年5月に急逝された原孝明先生の所属馬にも多く騎乗していましたね。

2年目の中盤からたくさん乗せてくれた。いまの結果は原先生のおかげです。一回一回、騎乗するごとにコミュニケーションを取っていたことが勉強になった。今は、原先生のところにいた活躍馬のオヤコダカ、アウヤンテプイ、シセイカイカなどが自厩舎にいて、僕が攻め馬をしています。これからも結果が出せるようにしないといけない。

因縁のオヤコダカにも騎乗しています。

北海優駿のことは特に気にはしていません。実績のある馬だし、乗せていただいているので感謝しています。パドックでは色気を出したり、うるさいところもありますが、本馬場に向かうとどっしりと構える。レースではスピードとパワーがある。カッとなることもあるけど、溜めが聞いたときの瞬発力や、追い出した時の反応の良さはすごい。このチャンスをいかしたいです。
オヤコダカだけではなく、どの馬も勝てるよう、結果にこだわっていきたいです。自分は、内回りの勝率、連対率が高いんです。直線が短いけれど、展開や位置取り、馬とのコンタクトをそこは瞬時に判断して考えています。

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オヤコダカで星雲賞(7月7日)を制覇

昨年末は大井競馬で短期騎乗しました。その経験も、内回りの結果に結びついているのでしょうか。

そうなんですかね...? 大井の方が内回りのコーナーはきついです。調教は馬も人も多いし、馬の作り方や雰囲気も違う。人がたくさんいるので、騎手のフォームや重心の使い方など、刺激を受けることが多かったです。今年は、昨年のイメージを備えにして、雰囲気に慣れ、たくさん乗れるようにしていきたい。

背が高いですよね。

171センチあるので、減量に苦労することはあります。体調管理には気をつけたい。大事にしているのは柔軟な体を作ること。道営にもいますが、特に南関東には体が柔らかい人が多かった。
目の前のレースのことはもちろん、怪我をしないことを目標にしています。毎年怪我をしているんです。去年は8月に2週ほど休んだが、道営は半年競馬なのでそれが結果に響いてくる。

冬は馴致があります。

馬から教わることもあります。どうすれば馬が良くなっていくのか、毎年考えている。試行錯誤です。

8月13日の札幌10Rコスモス賞は、JRAの芝レースで初騎乗でした(ブラックプールで4着)。

新鮮だし、気持ちも良かったですが、緊張することもなくレースに集中していました。力は出せたと思います。

ブラックプールの川島洋人調教師もですし、騎手、調教師ともに道営では若手が頑張っています。

川島雅人調教師は、騎手時代、自厩舎に手伝いに来ていたから教わることも多かった。雅人さんの厩舎の馬で勝って恩返しをしたいです。

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200勝達成時もそうでしたし、最近表彰式では、若手騎手が表彰される騎手の勝負服を皆で来ていますよね。微笑ましいです(笑)。

表彰があると、もうそういう流れになっているんですよね。服が並んでいるところから勝手に取ってきます(笑)。若手はみんな仲がいいです。
200勝は、いい馬に乗せてもらっているということなので、感謝したい。これからも結果に応えられるよう、取りこぼすことのないようにしたいです。

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※インタビュー / 小久保友香(写真:小久保巌義・小久保友香)

2016/08/26
ホッカイドウ

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