10月11日笠松競馬第3レースで、地方通算1500勝を達成した名古屋の大畑雅章騎手。地方競馬を代表する馬に育ったカツゲキキトキトとのコンビで、いよいよダートグレード制覇を目指します。
1500勝達成おめでとうございます。
ありがとうございます。区切りなので嬉しいですね。ここまで来ることができたのは関係者の方々のお陰ですし、がんばって走ってくれた馬たちのお陰です。これからも感謝の気持ちを忘れずがんばります。ただ、1500という数字はそれほど意識はしていなかったです。やはり2000勝が目標なので、ここは通過点だと思っています。
大畑騎手といえば、カツゲキキトキトとのコンビで全国的に活躍していますが、本当に強くなりましたね。
ですね。使うたびにどんどん力を付けてくれています。白山大賞典は2着にがんばってくれましたけど、レース前はJRAの強い馬たちがたくさんいるし、掲示板に乗れたらという気持ちもありました。でも最後までがんばってくれて、クリノスターオーとの叩き合いを制して2着になってくれて...。勝ち馬は強くて負けは負けですけど、本当に力を付けてくれたし、価値のある2着だったと思います。
去年の白山大賞典は6着でしたもんね。
去年と比べると相当力を付けてますね。3歳から4歳にかけてすごく強くなりました。具体的には馬が落ち着いたことが大きいです。もともとやんちゃというか、けっこううるさいんですよ(苦笑)。そのあたりが落ち着いてきて、いい方向に向かっているんだと思います。
カツゲキキトキトは、ゴールド争覇(10月27日・名古屋)でトウケイタイガーとの一騎打ちを制した(写真:愛知県競馬組合)
前々走のゴールド争覇は兵庫のトウケイタイガーとの一騎打ちを制しましたが、やはりトウケイタイガーは意識していましたか?
いや、まったく。まったくというか、ダートグレードを勝っている強い馬ですから、胸を借りるつもりで乗っていました。それに、1400mもこの馬には忙しくて苦手傾向があるので。でもレースは強かったですね。ダッシュがいまいちで後方からになりましたけど、道中は自分のリズムを大事にして進みました。3~4コーナー外からいい手ごたえで上がって行って、そこからすごく伸びてくれて。相当力をつけているなと思いました。
そして前走の東海菊花賞は6馬身差の圧勝でしたね。
得意の距離でしたし、メンバー的にも絶対に勝たないといけないと思っていました。すんなり2番手につけられましたし、最後まで手ごたえも良くて何も言うことないレースでした。
カツゲキキトキトは東海菊花賞(11月16日)で6馬身差圧勝(写真:愛知県競馬組合)
大畑騎手も自信を持って騎乗しているように見えます。
そうですね。この馬は前に馬がいればいくらでも追いかけるし、自分が先頭に立っても後ろから来る馬がいるだけ動きます。本当に根性があるし、闘争心が強いんですよ。
次は名古屋グランプリということでいいでしょうか?
はい。今年の最大目標です! 去年はまだ力をつけている段階で、たまたま3着に入れたという感じでした。今年は狙って勝ちに行きたいです。
こういう馬がいると、モチベーションも高まるんじゃないですか?
本当にすごい馬と出会うことができました。最初に乗った頃は、まさかここまで来るとは思っていなかったです。正直、なんでここまで強くなったのか(笑)。いきなり強くなりましたからね。最初は笠松デビューだったんですけど、ひ弱で体質が弱くてという感じで、負けるレースも多かった。もともと心肺機能は優れていたんですけど、3歳になってから体も増えていって、いろいろなものが身になったのかなと。ダートグレードを狙える馬に出会えるなんて、なかなかないですから。
普段の調教から大畑騎手がつきっきりだということですが、性格はどんな馬ですか?
多分やんちゃすぎて他の人では調教つけられないかもしれないですね(苦笑)。
全然落ち着いてないじゃないですか!
いや、前に比べればだいぶ落ち着いたんですけど、ちょっと油断するとどっか行っちゃいますから。力があるし、行ったらもうダメです。抑えられないです。それに、人を見て悪さをするんです。頭がいいんですよ。そういう意味でも普段から緊張感を持って乗っていますね。
ダートグレードや全国交流戦で注目されるというのは、プレッシャーもあると思いますが。
そこは以前乗せていただいていたピッチシフターでの経験が生きていると思います。いろいろな競馬場に行かせてもらって、ダートグレードの乗り方も教えてもらいましたから。やっぱりダートグレードは他のレースとは違うので。この馬にもいろいろ経験させてもらって、基本的には普段は緊張しなくなりました。ただ、地元重賞の方が緊張しますね。絶対に負けられないので。
では最後に、名古屋グランプリに向けて意気込みをお願いします。
ダートグレードでいいレースができる馬がいるというのは、周りの方々も応援してくれますし、期待していただけて嬉しいですね。去年は3着でしたけど、今年は勝ち負けを意識して乗ります。どういう競馬になるかわからないですけど、1つでも上の着順目指してがんばります。
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※インタビュー / 赤見千尋