11月26日に地方競馬通算1000勝を達成した、金沢の藤田弘治騎手。昨年は初の金沢リーディングに輝き、今年もここまでトップを走っています。
1000勝おめでとうございます。大きな区切りですね。
ありがとうございます。でも実はあんまり気にしてなかったです(笑)。全然知らなかったくらいで。あと1勝くらいの時に、「実況で言ってたよ」って検量室にいるおばちゃんたちに聞いて、「あ、そうなん?」て。聞いてからもそんなに意識はしなかったですね。達成しても数字的なものは何も感じなかったんですけど、ここまで来られたのは本当に周りの方々のお陰だなって思いました。
1000勝の中で印象の強いレースはありますか?
やっぱり重賞を獲った馬は思い入れが強いです。去年の北國王冠を勝ったトニーポケットや、今年のサラブレッド大賞典を勝ったヤマミダンスとか。
特にヤマミダンスは金沢を代表する馬ですけれども、どんな馬ですか?
川崎のロジータ記念の時は、揉まれても普通に走っていたので、精神的に成長してくれたなと感じました。前は揉まれると本当にパッタリだったらしくて。それを考えると、着順うんぬんより内容は良かったかなと思いますね。性格的には気難しい女の子ですよ(苦笑)。ハナに行ったら強いのに、番手だと全然伸びなかったり。初めて乗ったのがMRO金賞だったんですけど、3番手について手ごたえが良くて、まくれるものだと思っていたら、追って全然伸びなくて、「あれ?」って感じでした。2戦目(加賀友禅賞)は躓いてしまって全然ダメで、3戦目のサラブレッド大賞典で逃げて勝つことができたんですけど、その後も番手だと負けてしまって。あの馬に乗ったら常に人気になるし、2着じゃダメなんですよね。
精神面がかなり大きいようですね。
そうなんですよ。相手うんぬんよりも自分との戦いなんです。すごく力のある馬ですし、注目される馬に乗せていただいて、自分にとってもいい経験をさせてもらってます。ただ...、中日杯は52キロだったので、お断りさせていただいて...。52キロでも乗れないことはないんですけど、ムリな減量で迷惑をかけてもいけないし。乗れなくて申し訳なかったですし、残念でした。
2001年にデビューして17年。ここまでを振り返っていかがですか?
1000勝するのは遅かったと思います。リーディングを獲っている人はもっと早いですからね。ここまでを振り返ると...、デビューの頃は全然乗れなかったので、よくここまで来られたなと。初勝利まで3カ月も掛かりましたし、その後も順調じゃなかったですし。
よく挫けなかったですね。辞めたいと思ったことはなかったんですか?
それはなかったんですよね。キツイ時期もありましたけど、なんだかんだやってました。やっぱり馬が好きですし、毎年去年の自分の成績を目標に、それを上回るようにとコツコツやってきた感じです。今年は去年の自分に負けそうですけど...。
去年は121勝を挙げて初のリーディングを獲得しましたもんね。
リーディングはすごく嬉しかったです。リーディングを獲りたいという意識は強いので。去年は勝ち星的に上がったんですけど、特に自分がどうとかじゃなくていい馬に乗せてもらったことが大きかったです。その馬たちががんばってくれたおかげでリーディングになることができました。
去年の飛躍は何かきっかけがあったんですか? その前の年のスーパージョッキーズトライアルで優勝して、ワールドオールスタージョッキーズに出場したこととか。
それはいい経験になりましたけど、リーディングとは特に関連はないかなと思います。常に上手くなりたいと思ってますし、どうやったら上手くなれるかというのは考えていますけど、去年に関しては流れが良くて、いい馬にたくさん乗せてもらえたというのが一番大きかったと思います。
2015年ワールドオールスタージョッキーズに出場しJRA初勝利
今年も現在リーディングを走っていますね。
今年はずっと混戦で、最近ちょこっと抜けてリーディングなんですけど、まだまだわからないですよね。まったく油断はできないです。ただ、リーディングは絶対獲りたいと思っています。そこは特別なので。
リーディングとなると、金沢の看板を背負う存在ですよ。
そういう風に見られてるんですかね? もしそうなら嬉しいですけど。気持ち的にはプレッシャーとかはないですね。
先日同じ金沢所属の吉原寛人騎手が、JRAの京阪杯を勝ちましたね。
やっぱりすごいですよね。吉原とは同期で同じ金沢所属で。デビューの頃からものすごかったですけど、今でもすごいと思います。目の前に大きな目標としていてくれるので、すごく刺激を受けますね。
では、オッズパーク会員の皆さんにメッセージをお願いします。
今年はもちろんリーディングを狙っていますし、来年も再来年もずっと獲り続けられるようにがんばります。そして次は2000勝を目指します。一生懸命がんばりますので、今後も金沢競馬、藤田弘治を応援していただけたら嬉しいです。
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※インタビュー / 赤見千尋