12月23日(祝・日)に行われる、佐賀のグランプリレース中島記念。ファン投票第1位に選出されたのは2011年の覇者ウルトラカイザーです。昨年のこのレースは惜しい2着でしたが、10歳の今年はここまで8勝を挙げ絶好調。7年ぶりの中島記念制覇を目指すウルトラカイザーについて、真島元徳調教師にお話を伺いました。
見事ファン投票1位に選出されましたね。
本当に有難いことです。1番人気にしてもらいましたし、ちょっと距離が長いかなとは思いますけど、状態もすごくいいんでね、今年も挑戦してみようと思っています。
真島厩舎からデビューして、道営移籍などもありつつ、長年活躍していますね。
デビューからケタ違いに強かったです。もう、能力がずば抜けていました。性格はおとなしくて、基本的には全然手のかからない馬なんですけど、レースになるとテンションが上がるので、若い時にはちょっと苦労しましたね。特に輸送競馬は大変でした。本当に長く活躍してくれて、頭が下がります。
昨年はご子息の大輔騎手(大井)が騎乗して惜しい2着でした。
悔しかったですね。もう一度このレースを勝ちたいと思うんですけど、この馬にはちょっと距離が長いんですよ。最近はずっと1400メートルを使っているんですけど、だんだん年をとってきて、短い方が力を発揮できるようになって。年寄りの割にはムキになるんですよね(笑)。
年齢を重ねると、ズブくなる馬が多い印象ですけど。
前に馬がいるとムキになって追いかけるんです。それで抜いて1頭になると今度はズブくなるという(笑)。乗り難しいとまではいかないけれど、そのあたりかな。今年は多分弟(真島正徳騎手)に乗ってもらうことになると思いますが、うまいことなだめてもらえればなと。今年は夏も元気だったし、ずっといい状態をキープしていますから。
10歳で吉野ヶ里記念を制したウルトラカイザー(2018年7月22日、写真:佐賀県競馬組合)
勝ったら2011年以来7年ぶりということです。
すごいですよね。長い間頑張ってくれているからこそ、そういう記録も狙えるので、ぜひもう1回勝ちたいです。中島記念というのは佐賀競馬にとって、中央の有馬記念と同じグランプリレースですから。毎年勝ちたい気持ちは強いです。もちろん、どのレースも負けたくないですけどね。たくさんのファンの方に応援していただいて、ファン投票1位に選出していただきましたし、負ける姿は見せたくないです。どれだけ折り合ってレースに集中してくれるかだけ。状態はいいですし、期待しています。
他にも中島記念出走予定馬はいますか?
イッシンドウタイとデリッツァリモーネの2頭も出走するつもりです。イッシンドウタイは1800メートルが合っているし、自分のペースで行ければなかなか止まらないですから。佐賀ではまだ重賞を勝っていないけれど、力はあるしいいところはあると思っています。気になるのは枠順ですね。スタート自体はウルトラカイザーの方が速いけど、イッシンドウタイもマイペースで行けたら面白い。同厩舎で喧嘩したくはないし、理想を言えばイッシンドウタイの方が内枠だと競馬はしやすいかなと思っています。
デリッツァリモーネは自分の競馬に徹するだけ。中団前くらいで、前を見ながらついて行くという競馬に徹すれば、脚は必ず使ってくれる馬です。佐賀記念を使ってからガタッと来て、春先体調が良くなかったんですけど、ようやくここに来て状態が上がって来ました。3頭ともチャンスはあると思うので楽しみです。
続いては真島調教師ご自身のことを伺いたいのですが、昨年の12月から船橋の岡村健司騎手を期間限定騎乗で受け入れていました。当初、岡村騎手はレース経験があまりありませんでしたが、真島厩舎のバックアップで一気に成長し、年明けしばらくは山口勲騎手とリーディングを争うほどの活躍でしたね!
健司にはこちらがお世話になりました。たくさん勝ってくれて、お陰でうちはいい仕事をさせてもらいました。11月に船橋に帰りましたけど、たくさん経験を積んで上手くなりましたね。やっぱり騎手は乗ることが大事だと思うので、目に見えて成長してくれて、結果も出してくれて嬉しいです。
岡村健司騎手で佐賀皐月賞を制したリンノゲレイロ(2018年4月22日、写真:佐賀県競馬組合)
真島調教師はこれまでにも、若手騎手や一度辞めてしまった騎手を受け入れて来ました。その心意気、素晴らしいと思います。
ありがとうございます。でも面倒見ているようでいて、結局はこちらが見てもらっているんですよ。佐賀はジョッキーが足りないから、来てくれるととても助かるんです。地方競馬教養センターにも何度か行ってアピールしているんですけど、なかなかデビューから佐賀へという子は少なくて。もっと頑張らないといけないですね。
騎手を育てるための環境を真島調教師が中心になって作っているんですね。
そう取ってもらえると有難いです。今年は出水騎手がデビューして頑張っていますし、もっと若い人が増えてくれたら嬉しいです。自分の厩舎だけではなく佐賀全体のことも考えていかないと。結局自分のところだけ良くたって、競馬というのは相手がいてこそだから。みんなが団結した上で争うのが競馬で、負ける人がいなければ勝つ人もいないわけですから。
では、オッズパーク会員の皆さんにメッセージをお願いします。
いつも佐賀競馬を応援していただき、ありがとうございます。中島記念には3頭出走を予定していますので、このまま好調キープして出走できるよう、厩舎一丸となって頑張ります。これからも佐賀競馬を楽しんでいただけたら嬉しいです。よろしくお願いします。
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※インタビュー / 赤見千尋(写真:佐賀県競馬組合)
今年4月にデビューした出水拓人騎手(佐賀・中川竜馬厩舎所属)は同期で2番目に初勝利を挙げ、以降も順調に勝ち星を積み重ねています。動物が大好きというアプローチから騎手という職業を知った彼は、デビューした今も毎日馬房に行って馬と触れ合っているといいます。8月11日のレース中の落馬による骨折で休養中ですが、デビューしてからの4カ月間について振り返っていただきました。
まずは出水騎手ご自身のことを教えていただきたいと思います。ご出身や騎手になろうと思ったきっかけは何でしたか?
出身は神奈川県厚木市です。小学2年生から中学3年生まで野球をやっていたのですが、背が低くてクラスで前から2~3番目でした。動物が大好きで、学校で飼育係をしたり、家では犬、猫、金魚、カブトムシなどいろいろ飼っていました。それを父が見て、僕に合った仕事を調べて、「騎手をやってみないか?」と言ってくれたんです。「騎手って何だろう?」と思って調べていくうちに「なりたい!」と思い、目指しました。
中学卒業と同時に地方競馬教養センターに入学しましたが、どんな思い出がありますか?
毎日怒られっぱなしでした。入学するまで馬に関わってなかったので、僕だけ何もできず分からないことだらけでした。辛いことばかりでしたが、馬が好きなので手入れが楽しかったです。
神奈川県の出身ですが、佐賀競馬所属を選ばれた理由は何ですか?
地元に近い南関東よりもレースに乗せてもらえて、チャンスがあるかなと考えました。実際、1日に9レースも乗せていただけたりと、すごく恵まれた環境です。とにかく数が乗りたかったんです。乗る度に自分の引き出しが増えていって、「この前はこうだったから、今回はこうしよう」ってレース中に考えてできるようになりました。乗ることで勉強になります。
2018年4月7日佐賀第2レース、アラロケでデビュー戦を迎えました。初めての実戦はどうでしたか?
「ハナを取りに行け」という指示でした。教養センターの競走実習で教わった通りにやろうと思って、ゲートを出てから追っ付けてハナを取りに行ったんですが、逃げることができませんでした。アラロケは小柄な馬であんまり外を回したくなかったので、3~4コーナーはなるべく内々を回りましたが、5着でした。ゴールして「これがレースなんだ」って思いました。それまでは画面上からしか見られなかった景色が、自分で見ることができました。パドックでは家族も応援に来ていて、レースでは実況やお客さんの声が聞こえたり、周りに先輩ジョッキーがいたり、とにかく新鮮でしたね。
初勝利は4月22日の佐賀第5レース、ダークガーランド。同期で2番目に初勝利を挙げましたね。
こんなにたくさん乗せてもらっているから、本当は最初に勝たないといけないんですけど、勝てそうで勝てないレースが多くて焦りがありました。初勝利の前のレースでも逃げたんですが、向正面で後ろから他馬が来たのにジーっとしていたので「それではダメだぞ」と怒られました。だからこのレースでは向正面の早い段階で岡村さん(健司騎手)が来たのが見えた瞬間に追っ付けました。そうしたらそのままスーッと後続を離して勝ちました。馬が強かったですね。31戦目での初勝利で結構遅かったので、「やっと勝ったんだ」とホッとしました。
その後も順調に勝ち星を積み重ね、8月17日時点で18勝です。
強い馬に乗せていただいていますし、プラン通りに上手くレースができた時にだけ勝っています。まだまだ腕がないので、勝てるか勝てないかのギリギリのレースで勝ちを逃すことが多いです。上手く乗って勝つっていうレースを増やしていきたいです。
レースではどんなポイントに気を付けて乗っていますか?
一つは馬場です。佐賀競馬場は内側を空けて走りますが、内が重い日もあれば、梅雨は内を通っても大丈夫だったりしました。半馬幅、通る場所が違うだけで勝ち負けが変わります。経験が浅いので自分では明確に判断できないですが、その日の1レースや2レースを見て、勝った人がどこを通り、どこを通れば伸びるかを考えたり、先生に教えてもらっています。ベテランジョッキーは一瞬で見抜きますし、すごい人は「向正面はそんなに重くないけど、直線は重い」とか細かいところまで分かっているんですよね。教養センターでは馬場状態を気にしてレースをしたことがなかったので、勉強することばかりです。
内ラチ沿いを空けて走る競馬場と言えば高知競馬場もそうです。ヤングジョッキーズシリーズ(YJS)ではトライアルラウンド高知に参戦しましたが、どうでしたか?
佐賀と似ているかなと思ったんですが、仕掛ける場所が違いました。高知は馬場が重たい分、早めに仕掛けても勝てないと感じました。また、普段のレースでは3キロ減で乗っているので、やや速いペースで逃げても勝てることもあるんですが、YJSのように減量がないと「ここから伸びるだろう」と思っても伸びませんでした。いろいろ難しいです。
目標の騎手は誰ですか?
山口勲さんです。初めて見た時は「よく勝たれるな」くらいにしか思っていなかったんですが、僕もレースに乗るようになって少しづつ...と言ってもまだ全然なんですが分かるようになって、どれだけ繊細に乗ってらっしゃるかというのを感じています。馬場状態を細かく読んでいますし、騎乗馬の特徴だけでなく相手の馬の特徴や状態など全部頭に入っての計算されたような騎乗なのですごいと思います。僕もそういう騎乗ができるようにがんばります。
出水騎手は8月11日の第6レースで前を走っていた馬が故障したのに躓き、ご自身も落馬。いまの状態などはいかがですか? 勝負所でかなり勢いがついた状態での落馬だっただけに心配されているファンも多いと思います。
左鎖骨遠位端骨折で8月13日から約3週間の入院予定です。落馬したレースで馬券を買ったり応援してくださっていたみなさんには申し訳ないです。しばらく馬にも会えないので、入院する日の朝に馬を触ってきました。来月のYJS佐賀は乗れるか分からなくて、復帰はリハビリ次第になると思います。デビューして初めてレースで落馬して落ち込みますが、これも経験と捉えます。
しっかりと治していただいて、また佐賀競馬場での騎乗を見られる日を楽しみに待っています! 最後にオッズパークの会員のみなさまへメッセージをお願いします。
いつも応援していただいているおかげで今、佐賀競馬が良くなってきていると思います。僕も復帰をしたら全能力発揮でがんばりますので、応援よろしくお願いします。牛乳を飲んで、怪我を早く治します。
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※インタビュー・写真 / 大恵陽子
2015年4月にデビューした山口以和(もちかず)騎手。昨年は45勝と勝ち星を伸ばし、通算勝利数でも2月25日現在97勝と、100勝が間近に迫っています。
騎手デビューして、新年度から4年目に入ります。
ここまで3年、山あり谷ありという感じで来ていますね。うーん、いや、山はあったかなあ。昨年の秋、(ヤングジョッキーズシリーズ・トライアルラウンドの)園田で山が来たかなと思ったんですが......。あのときのことは一生、悔やむと思います(トライアルラウンド園田では2戦とも4着。どちらかで勝利していれば、ファイナルラウンドに進出できた)。それを含めて『なんか持っていないなあ』と思ったりして。もちろん、こういうのって気持ちひとつだとは思うんですよね。ただ、そうならないときもあるんです。競馬自体は楽しくできているのですが。
ということは、壁に当たっているような感じなのでしょうか?
この間、先生(所属の手島勝利調教師)にも「心がめげてる」と言われました。それでも積極的な競馬をしようと心がけていますよ。1300メートル、1400メートルのレースの1コーナーで内から3頭目を回るとかはしたくないですから。でも流れによってはジッとしすぎたり、かと思ったら早すぎたり、もちろんうまく仕掛けが決まるときもあるんですが、いまひとつ一定しない感じがするんです。
それでも昨年は600回以上も騎乗しています。
たくさん乗せてくださるのは本当にありがたいことだと思いますし、佐賀に来てよかったと思います。でも自分の技術ってどうなんでしょう。上手くなったのかなあ。デビュー当初のほうがもしかしたら上手かったかも。最初のころは何も考えずに積極的に行っていましたからね。それがよかったのかもしれないなとも思いますし。
とはいえ、それだけ乗っていれば経験値は確実に上がると思うのですが。
競馬はちょっとの差で結果が変わりますからね。デビュー当初は多少のロスがあってもとにかく前を狙っていましたが、減量が減っていくにつれて、それでは勝てなくなってきました。そのあたりで、考えかたが少しずつ変わってきました。
でも現在はちょっと悩みがあるというか。
そうですね。個人的にはインを回る競馬が落ち着いて乗れるというか理想というか、そういう感じに考えているのですが、今の馬場は外が伸びますからね。それを頭に入れていても、仕掛けられる時と仕掛けられないときがあるんです。そのせいか、最近は"うまくハマった"というか、馬の力と自分の力が合わさってギリギリ勝った、みたいなレースがあまりないように思うんですよね。そういうレースができたときは、あとで何回でも見たいじゃないですか。でも今はそれが少ないので、最近はレースVTRを見まくっています。ふがいなかったレースも含めて。
それでもデビューから3年で100勝近くという数字を残しました。
うーん、最初のころの想像よりは遅いペースですね。でもそれは、競馬の難しさが分かってきたからこそ、こういう思いになっているのだと思います。考えることはとても大切ですし、今はガマンの時かなと。だから、そんなにへこんでいるわけではないんです。悩む自分には悩んでいないといいますか(笑)。
普段の生活は以前と変わりない感じですか?
調教は夜の12時半から。自厩舎の馬にはほとんど乗ります。休みは週に1日ですが、最近は自分の部屋でゆっくりすることが多いですね。そうなると考える時間も増えることになるわけですが、これを越えていかないと。越えたらきっと、新しいものが見えてくるんだと思います。
正月はエスワンノホシで佐賀若駒賞を勝ちました。あれは会心の騎乗ではなかったのですか?
それ以降の2戦がいまひとつの結果ですから......。でも、まだ伸びしろがありますし、飛燕賞は着差があっても、そこまでの差ではないと思いますので、エスワンノホシで大きいところを狙いたいですね。そして今年は50勝という数字を目標にしています。落ち込んでいるところは人に見せたくないですし、これからうれしいところをいっぱい見せていきたいと思っています。
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※インタビュー・写真 / 浅野靖典
3年連続佐賀リーディングを目指す九日俊光調教師。今年はスーパーマックスで九州ダービー栄城賞を勝ち、古馬に混じっても大活躍を続けています。
今年ここまで119勝(2017年11月27日現在)を挙げて佐賀リーディングを走っています。2015年から3年連続でのリーディングトレーナー目前ですね。
馬ががんばってくれてますからね。馬主さんがたくさんのいい馬たちを預けてくれて、スタッフたちが一生懸命やってくれて、それで馬たちが走ってくれているので。自分としては何とも。周りのお陰です。
リーディングはあまり意識していないんですね。
全然していないです。ひとつひとつのレースに真剣に向き合っていった結果として、年間を通してリーディングということになるわけですから。目の前のレースは勝ちたいですけど、リーディングというのはまったく意識してないですね。
今年は3歳馬スーパーマックスが大活躍ですね。
本当にがんばってくれてますね。この馬はデビューからうちにいたわけではないので、生みの親ではなくて育ての親になるわけですけど、九州ダービーを目指して春にうちにやってきて、そこから順調に育ってくれています。
九州ダービー栄城賞を制したスーパーマックス
佐賀でデビューして無敗の5連勝後に南関東へ移籍していたわけですが、その後転厩して来た時はどんな印象でしたか?
うちは去年あまり2歳馬がいなかったもので、実はこの馬のこともよくわかっていなかったんですよ。だから、まっさらな状態からこの馬を見たんですけど、とてもいい馬ですし、一生懸命走ってくれる仔だなと思いました。普段はやんちゃなんですけど、調教は鮫島(克也騎手)くんに任せているので安心です。
九州ダービー栄城賞は1番人気での勝利でしたが、勝負所でオヒナサマが早めのマクリを決め、一瞬届かないんじゃないかと思ってしまいました。
わたしもそう思って、4コーナーを回る時には帰り支度をしようかと思いました(笑)。佐賀の短い直線で、よく差し切ってくれましたよね。ダービーを獲りたいということでうちに来たので、結果を出せて本当に良かったです。
続く高知優駿では、故障馬の影響で落馬となってしまったのが残念でした。
そうですね。幸いにも大きなケガがなくて良かったです。あの高知のフリビオンは強いですね。西日本ダービーも勝ちましたから。うちの馬は途中で落馬となってしまいましたけど、高知の深い馬場も合わないなと感じました。もっと軽い馬場とか、芝が合っているんですよ。だからJRAにも挑戦しているんですけど、さすがにオープンでは相手が強いですね。
12月2日には阪神競馬場でチャレンジカップに参戦予定だと伺っています。
重賞なのでさらに相手は強いですけど、状態もいいですし、芝は合うと思うので。せっかくの認定馬ですから、相手が強くても胸を借りるつもりで挑戦してきます。
芝が合うということは、来年は盛岡の芝というのはいかがですか?
いつか行ってみたいとは思っています。実は先日の水沢のダービーグランプリも行ってみようかなという気持ちはあったんですよ。でも佐賀からだと遠いですからね。まだ3歳ですし、今回は諦めました。テレビで見ていたんですけど、すごい吹雪の中のレースで。いつか岩手に遠征に行く時には、いろいろな対策をしていかないといけないなと思いました。
それでは、オッズパーク会員の皆さまにメッセージをお願いします。
いつも佐賀競馬を応援していただき、ありがとうございます。わたしはあまり目立ちたい方ではないので......これからも地道にコツコツがんばります。
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※インタビュー / 赤見千尋(写真:佐賀県競馬組合)
7月8日に通算300勝を達成した、佐賀の小松丈二騎手。2002年に岩手でデビューし、佐賀に移籍して13年。現在のお気持ちを伺いました。
300勝達成、おめでとうございます。1日で(騎乗機会)3連勝して一気に達成しましたね。
ありがとうございます。自分ではあんまり意識していなかったんですけど、達成した時には「確か、そうだったかな」って思いました。
299勝目は珍しく降着からの繰り上がり勝利でしたね。
そうですね。それでリーチが掛かったとかは意識しなかったです。300勝目のレースも勝ちを意識しなかったのが良かったのかなと。馬の状態も良かったですし、道中は思った以上に手ごたえがあって。4コーナーの手前では止まる感じもなかったので、勝ったと思いました。ゴールした後に周りの方から「300おめでとう」って言われて、嬉しかったですね。それに所属の武藤敏明厩舎の馬で達成できたというのも嬉しかったです。
300勝積み重ねてきましたが、どんな想いがありますか?
節目の数字で嬉しいですけど、他の人はもっといっぱい勝ってますから。もっともっとがんばらないといけないなと思います。
今年はすでに37勝(7月20日現在)を挙げ、これまで以上の活躍ですね。
馬がよくがんばってくれているお陰です。自分としては、精神的に良くなってきたのかなと。最近は前よりも数字や結果にこだわりすぎないようにしているので、そういうのがいい結果に繋がって来たのかもしれません。
勝ちを意識しないようにするのは難しいですよね。
そうなんですよ! でも最近は、勝ちをあんまり意識していないです。そっちの方がいいとは思っていたんですけど、やっと気持ちをコントロールできるようになってきました。実際、自分の気持ちってすごく馬に伝わっているんだなって思って。ゲートの中とかも違うじゃないですか。人間が力が入っていると中でガチャガチャしちゃったり、出遅れてしまったり。でもこちらがリラックスしていると馬もリラックスしてくれるので。だから、何も考えないようにしています。「緊張しないようにしよう」って思ってる時点でもうダメなんですよ。そういうことは何も考えないようにするのが一番だって気づきました。
佐賀リーディング6位ですよ。
たまたまです。自分の下手さが最近、ヒシヒシと伝わってきているんですよ(苦笑)。下手なのは知っていたけど、ここまでひどかったのか......って。だから、馬たちのお陰ですし、関係者の方々のお陰なんです。このままじゃダメだって思うので、もっと上手くなりたいです。
特に気になるところはありますか?
まず硬いですよね、乗ってて。もっと柔軟に乗れるようになりたいです。あとは折り合いですね。もっと上手く折り合いをつけられるようにしたいです。
自分に厳しいですね。
いやいや、だって上手くなりたいじゃないですか。レースに乗せてもらえるのは楽しいですし、もっと努力して少しでも早く上手くなりたいです。
もともとは岩手デビューですよね?
そうなんです。実家の近くに盛岡競馬場があって、騎手に憧れました。ただ、人よりもだいぶ下手くそだったので、なかなか乗せてもらえる機会がなくて。岩手所属の3年間はキツかったですね。シーズンオフの時に佐賀で乗せてもらって、レースに乗れる喜びを感じました。それで、思い切って移籍したんです。
地元も岩手ですし、移籍するのは大きな決断でしたね。
若かったからできたことです。それに、岩手と佐賀の関係者の方々が理解してくれたからこそ実現できました。周りの方々には、本当に感謝しています。今はすごく楽しいですし、とても環境に恵まれていて...。本当に有り難いです。
辞めたいと思ったことはないですか?
ありますよ、いっぱい(笑)。心が弱いので。でも辞めなかったのは、やっぱり負けたくないですから、自分に。こんな下手くそのままじゃ辞められないです(笑)。まだまだ足りないところがいっぱいあって、下手を直すって難しいですけど。少しでも上手になりたいので、日々試行錯誤しています。
今の目標は?
具体的な数字はないんですけど、とにかく自分の乗り方が少しでも良くなればと思っています。先のことって、正直どうなるかわからないじゃないですか。30過ぎてから、「この先どうなんだろう」って考えるようになりました。20代の時はあんまりそういうこと考えなかったんですけどね。「あと何年続けられるんだろう」ってことは考えるようになりました。まだまだ乗りたいからこそ、そういう風に思うのかもしれないですけど。
騎手と言う仕事が好きなんですね。
そうですね。僕は本当に環境に恵まれていて、先生やスタッフと一緒に馬を育てていくのがすごく楽しいです。良くなっていくのを近くで見れたり、一緒にレースで勝ったりしたら本当に嬉しいですから。それに、馬を育てる上で確実な答えがないんですよ。そこも面白いです。
では、オッズパーク会員の皆さんにメッセージをお願いします。
これからも一生懸命がんばりますので、応援よろしくお願いします。
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※インタビュー / 赤見千尋(写真:佐賀県競馬組合)