2021年12月19日、地方通算5,000勝を達成した山口勲騎手(佐賀)。2020年4月末には調教中の落馬・骨折で騎手引退の危機に立たされましたが、復活し、佐賀歴代1位の勝利数を目指して歩みます。
地方通算5,000勝、おめでとうございます。
ありがとうございます。まさかね、ここまでいくとはさすがに思わなかったです。2年近く前に調教中の落馬で胸椎を破裂骨折して、あと数ミリで下半身不随だったと言われました。手術をする時に医師からは「前傾姿勢が取れないかも。再起は難しいだろう」と言われていたので、復帰できた後は余計に5,000勝をしたくなりました。
2021年12月19日、地方通算5,000勝達成
たしか1カ月ほどで復帰されたと記憶していますが、そんな大怪我だったんですね。
満足いく騎乗ができなかったら調教師に切り替えないと、という思いもあって、ちょっと無理して早く戻ってきました。もしダメなら、冬に調教師課程の研修にも行ける、と思って。
第二の人生を覚悟していたところ、見事ジョッキーとして復帰できたわけなんですね。
ボルトが入ったままなので、また落馬した時にリスクはあるんですけど、こういう経緯があったので、これまであんまり考えたことがなかったような思いがありました。
偶然にも5,000勝達成のレースは『的場文男レジェンドカップ』で、7,300勝以上を挙げて日本最多勝記録を持つ的場騎手ご本人も騎乗していましたね。
たまたま的場さんが来ている時に5,000勝をするとは思わなくて、何かの縁かなと思いました。レジェンドと一緒に5,000勝の写真を撮って、記念になりました。
5,000勝の口取りには的場文男騎手も(プラカードの左下)
的場騎手からはどんな言葉をかけられましたか?
いつもの感じで、「山口さんならすぐ交わすよ~」って。いやいや、通算7,000いくらって、まだ2,000回乗るのも難しかろうにって思いました(笑)。
コロナ禍でも的場節炸裂ですね(笑)。
そうそう、いつもの感じでした。でも、いまはコロナでリーディングジョッキーが集うレースがないからね......。佐々木竹見カップとか、そういう騎手交流戦は刺激になっていて、「また頑張ろう!」とモチベーションになっていたのが今はないので、以前ほどモチベーションがないかもしれません。競馬を開催できるにはできているけど、荒尾もないし、今は地元だけでね。
2019年まで7年連続でNARグランプリ最優秀勝率騎手賞を受賞されていますが、そういった数字は意識していないと話していましたし、何か目標がほしいところですね。昨年、佐賀三冠に輝いたトゥルスウィーの状態はいかがですか?
昨夏、ちょっと夏負けしていて、ロータスクラウン賞は勝ちましたけど、九州ダービー栄城賞の頃の勢いはなかったです。12月の中島記念まで行こうか、という話にもなったのですが、オーナーが一度休養させようということで、休んでいました。2月のレースは牧場から帰ってきてわりとスグ使ったんですけど、思ったよりはいい感じで、春先になればさらに良くなるんじゃないかなと思います。
ロータスクラウン賞を勝って佐賀三冠を制したトゥルスウィー
20年10月から始まった『ほとめきナイター』はジョッキーの間で定着しましたか?
暗さはあまり気にならないですけど、冬場のナイターで寒さがみんなキツそうですね(苦笑)。次の日の朝の調教もキツいでしょうけど、それはジョッキーだけじゃなくて厩務員さんも同じ。他の競馬場も上り調子ですけど、佐賀も平均的には売れていて、ありがたいです。
最後にオッズパーク会員さんへメッセージをお願いします。
復帰したからには少しでも長く、と思っていますけど、以前のように体が動かなくなってきています(苦笑)。それでも、とにかく次の1勝を頑張るだけですし、鮫島(克也)さんの記録(地方通算5054勝)を抜いて、佐賀歴代トップの勝利数を積み重ねたいなと思います。応援よろしくお願いします。
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※インタビュー / 大恵陽子(写真:大恵陽子・佐賀県競馬組合)