10月12日に地方通算1000勝を達成した今津博之調教師(名古屋)。そのメモリアルを飾ったのは2歳時に重賞も勝ったダイセンハッピーです。大きな期待を寄せるがゆえに、JRA遠征を積極的に行っているとか。また、移転した新競馬場のメリットや、弟子でヤングジョッキーズシリーズ・ファイナル進出を決めた浅野皓大騎手についても伺いました。
1000勝おめでとうございます。1つ前のレース(第4レース)で追い比べを制し、(第9レース)連勝でのメモリアル達成でした。
ありがとうございます。999勝目はちょっとヒヤッとしたんですけど、ゴールして大畑雅章騎手はガッツポーズしたように見えました。もうリーチをかける頃だということは分かっていたので、一戦一戦勝ちにこだわっていましたし、乗り役も一生懸命乗ってくれました。
大きなメモリアルを前に、意識をしてらしたんですね。
今年の目標は昨年の115勝以上に勝つことで、上手くいけば今年中に1000勝を、と思っていました。6月くらいからカウントダウンをしていて、前半は結構よかったんですけど中間でちょっと足踏みをしていました。
999勝目に続き、1000勝目も大畑騎手で勝つと、口取りには多くの騎手や厩舎スタッフが集まりました。
本当にホッとしました。「ここで決める!」と思っていたので、手が空いた厩務員やスタッフも口取りに来てくれました。
(写真:愛知県競馬組合)
メモリアルを決めたのは一昨年ゴールドウィング賞を勝ったダイセンハッピーでした。どんな馬ですか?
当初から期待していて、「走りそう」と思ってオーナーと一緒に見て買った馬です。雰囲気があって、ゲート試験では3~4コーナーでちょっと仕掛けただけで他の馬とは瞬発力が違っていて「この馬は間違いないな」と確信しました。3歳になって同型のブンブンマル相手に敗れることが多くなって、馬が追って反抗するようになっていました。追い切りでも併せ馬の外だと、相手が格下馬で馬なりでも一杯いっぱいになって先着されるような状況でした。オーナーがわざわざ福島県のテンコー・トレーニングセンターに休養に出してくださり、今年に入ってまたレベルアップしました。
ダイセンハッピーで地方通算1000勝達成(写真:愛知県競馬組合)
テンコートレセンと言えば、JRAではウオッカ、地方競馬ではメイセイオペラやアブクマポーロも利用したことがある施設ですね。ダイセンハッピーは11月19日には4回目となるJRA遠征(福島芝1200m・3勝クラス・みちのくステークス、15着)を行いました。
オーナーに「今年いっぱいはJRAへ遠征できるので、JRAで揉まれてもう一段レベルアップさせたいです」と伝えて、快諾してくださいました。ホッコータルマエ産駒ですが意外と芝もよくて、生産牧場さんも「牧場としては芝も合うと思うんです」と話していました。
JRAと言えば、所属騎手の浅野皓大騎手がヤングジョッキーズシリーズ・ファイナルラウンドへ出場を決めました。
正直、まだまだですけど、これをきっかけに飛躍してほしいですね。「名古屋の騎手として恥ずかしいレースをするな」と、加藤聡一騎手など先輩たちが木馬に乗って教えてくれている、という話をチラッと聞きました。
名古屋競馬場は今年4月、厩舎や調教施設のある弥富トレーニングセンターに移転しました。新競馬場のメリットはどう感じていますか?
結構いいですね。例えば、うちの厩舎ではだいたい4分の3くらいはゲートで尾っぽ持ちをするんですけど、僕一人じゃ持ちきれない馬や、同じレースに2~3頭使っている時は厩務員に手伝いに来てもらっています。厩舎が近いのでそういうことがやりやすいですし、1000勝の口取りに厩舎スタッフが多く入ることができたのもそうですよね。
馬にとっては輸送がないのはやっぱり楽で、特に神経質な馬にとってはいいのかなと感じます。うちの厩舎は馬場側なので、競馬場が移転してくることで馬房の中でもイレ込むのではと心配しましたが、慣れたのか意外と大人しくしています。
これからの目標を教えてください。
勝ち星は今年より来年、来年より再来年と伸ばしていきたいですし、年に一つは重賞を獲りたいですね。重賞は若馬が育って獲るのが一番いいんでしょうけど、なかなかいい馬に当たるのも難しいです。今年の2歳はそれなりに走ってくれるので、これからの成長でどれだけ変わるのかな、と思っています。中には東海ダービーを逆算して考えている馬もいます。
最後に、オッズパーク会員のみなさんへメッセージをお願いします。
厩舎スタッフも乗り役も一生懸命やってくれるので、なるべく期待に応えられるように頑張りたいと思います。応援してもらえれば幸いです。
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※インタビュー / 大恵陽子
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5月29日に地方競馬通算1000勝を達成した松島壽(ひさし)調教師。現在は佐賀競馬に所属しますが、元々は荒尾競馬で騎手と調教師をしていました。つい先日、旧荒尾競馬場スタンドで営業していたBAOO荒尾が新施設に移転したニュースもあり、荒尾競馬の思い出も語っていただきました。
(写真:佐賀県競馬組合)
1000勝おめでとうございます。達成した時のレース名が『AKIさん来場記念(C2-11組)』と、オッズパークにも縁のありそうな名前でした。
ありがとうございます。本当はね、前日(第8レース)のリヴィエラボーイで1000勝を狙っていたんですけど3着だったんです。1000勝を達成したアイリステソーロはひと脚しか使えないタイプで、何回か乗っていて癖が分かっている金山昇馬くんに戻したタイミングでした。
前日に達成を期待していた分、1000勝を達成した時は喜びも大きかったのではないですか?
アイリステソーロはひと脚しかなくて予想していなかった馬でした(苦笑)。これまでも、手応えが良くてスーッと上がっていくと4コーナー過ぎでぽっと止まってしまうんです。だから金山くんには「手応えが良くてもそのまま上がっていかずに、先行型だけども追い込み馬だと思って乗ってくれ」と伝えました。それが上手くハマって、直線でまたひと伸びしてくれました。
1000勝を達成したアイリステソーロの鞍上は金山昇馬騎手(写真:佐賀県競馬組合)
松島厩舎では金山騎手をはじめ、中山蓮王騎手、山田義貴騎手など若手騎手を積極的に起用されていますね。
自分も荒尾競馬場で騎手として乗ってきましたから、若手はどんどん乗って勉強しなければいけないと思っています。いま、佐賀競馬は山口勲騎手がトップですけど、若手の中にもいい馬に乗って自信がつけば伸びるジョッキーはいっぱいいます。
成長への期待を込めて、いろんなアドバイスを送っているんですね。
金山くんとはレース後もビデオを見て「3~4コーナーはこんなに大きく回ったらダメだぞ」と話したりします。3コーナーを同じスピードと角度で2頭が並んで回ったとしたら、4コーナーを出る時には外にいる馬が半馬身~1馬身ほど遅れる、と教えています。1馬幅でも空けて回すと、内の馬がそこを狙ってきますから、前の馬のお尻をなめるくらいの距離で回らないと、とずっと教えていました。すると、以前はコーナーで内をすくわれて3着みたいなレースが多かったですが、最近はだいぶいい勝負をしているように思います。
所属厩舎の調教師だけでなく、こうして周りの方々からたくさんアドバイスを受けられることは本人にとって大きな財産でしょうね。
今春にデビューした中山くんと山田くんも一生懸命乗っていますから、うちの厩舎の馬に乗る時は指示をある程度伝えたりします。
そうしてレースの流れや騎乗について学んでいくんでしょうね。ご子息の慧(さとし)さんも荒尾があった頃はジョッキーをしていました。
うちの息子も育てていましたけど、その最中に荒尾競馬が廃止になったもんでね。「佐賀競馬場に来い」と言いましたけど、いまは追分ファーム・リリーバレーで乗っています。そこには荒尾から他にも何名か行きました。
荒尾から佐賀に移籍したのは騎手・調教師それぞれ数名でした。佐賀に移籍して調教師を続けようと思った理由は?
「佐賀で厩舎が空いているから、3名ほど受け入れられます」という話が荒尾側にありました。そこで「松島さん、どうじゃろか?」と相談がありました。そういう話が挙がっていることをお世話になっているオーナーに相談したら、「せっかく調教師免許を持っているんだから、ぜひ行きなさい」と勧めていただき、佐賀に移籍することを決めました。荒尾から移籍した調教師は幣旗(吉昭)さんと頼本(盛行)くんの3人でしたね。
昨年は佐賀移籍後のキャリアハイとなる43勝を挙げました。
今はただ「一鞍ひと鞍、勝っていければいいな」と思っています。だから、本当は1000勝は全然意識していなかったんですよ。それがいつの間にか「あと3勝ばい」と聞いて、「えぇ!嘘やろう?」という感じで気になりはじめました。
荒尾時代はどんな思い出がありますか?
荒尾は私の生まれ故郷でもありますし、競馬場からは雲仙普賢岳や島原半島が見えて、向正面の奥には有明海が一面に広がっていて、素晴らしい景色でしたね。
開催最終日の荒尾競馬場。コースの向こうに有明海や島原半島を望む
荒尾競馬場のスタンドだった建物は長らく場外馬券売り場として利用されてきましたが、6月3日に新施設へ移転したそうですね。
荒尾の時の馬主会会長さんが馬券好きで、「2コーナーあたりにいいのが建っているよ」と聞きました。
これからの競馬人生、何かやりたいことはありますか?
人馬安全が一番の目標です。あと、次男が佐賀で厩務員として頑張っていて、「あと何年かしたら調教師試験を受けようかな」と話しています。息子が私の跡を継いでくれたら一安心ですね。努力して頑張ってほしいと思っています。
最後にオッズパーク会員の皆さんにメッセージをお願いします。
荒尾競馬が廃止された10年前から比べると、売り上げもバンバン伸びています。これ以上伸びるのは難しいかもしれませんが、ファンの皆さんのご協力がなければ伸びませんので、どんどん馬券を買って盛り上げていただければと思います。
またうちの厩舎の馬で、JRA時代に一口出資していた方やその時からのファンの方が今でも応援してくれる馬もいます。そういう風に好きな馬がいれば、追いかけていくというのも楽しいと思います。
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※インタビュー / 大恵陽子
昨年は206勝を挙げ、3度目の全国リーディング第1位に輝いた打越勇児調教師(高知)。今年もすでに98勝(2022年5月10日現在)を挙げ、全国リーディング独走中。快進撃が続いています。
まずは昨年全国リーディング第1位、おめでとうございます。キャリアハイの206勝を挙げ、3度目のリーディング獲得でした。
ありがとうございます。これもたくさんのいい馬を預けてくれるオーナーの皆さまのお陰です。ただ昨年は早い段階で数字的に少し抜けてしまったので、逆に変なプレッシャーがあったというか、ここからひっくり返されて負けたらどうしようという不安はありました。無事にリーディングを獲ることが出来て嬉しいですし、ホッとしました。
一昨年は1勝差で第2位でしたが、その悔しさというのもありましたか?
所属の競馬場が違うので、そこまで意識はしていないですね。もちろんリーディングを獲りたいという気持ちはありますけど。一昨年は11月の段階で角田(輝也)先生に離されていましたから、正直よく1勝差まで追いつくことが出来たなという気持ちです。
例年、調教師リーディングは接戦になるイメージでしたが、昨年はキャリアハイである206勝を挙げ、圧倒的な差をつけました。この要因は何でしょうか?
先ほども言いましたが、やはりオーナーの皆さまがいい馬たちを預けてくれるということが大きいです。それから(宮川)実、妹尾(浩一朗)、(井上)瑛太という所属の騎手たち、スタッフも含めて周りのみんなに恵まれているなと思います。
昨年の全日本2歳優駿でお会いした時に、「今年は実とダブルで獲りますよ」と仰っていました。その言葉通り、ご自身は全国リーディング第1位でNARグランプリ・最優秀勝利回数調教師賞を受賞、そして宮川実騎手は勝率28.3%で最優秀勝率騎手賞に輝きました。
実が勝率を獲れたことが何より嬉しかったですね。周りの方々の応援もありましたし、実自身の頑張りが大きかったですから。ただ、目黒雅叙園での表彰式がなくなったのは本当にショックでした。一緒に表彰式に出席したかったですね。
それは本当に残念でした......。宮川騎手は1月9日に地方競馬通算2000勝を達成されましたね。こちらの記録に関してはいかがですか?
この数字をずっと目標にしていたので、僕としてもとても嬉しかったです。
2000勝を達成した時の騎乗馬ララメダイユドールは、その後に二十四万石賞を制しました。高知では3連勝と底を見せていませんね。
相当な能力の持ち主ですが、なかなか順調に行かない面もあって、調整するのが大変なんです。実と一緒に試行錯誤をしながらやっています。レースに行けば圧倒的な力を発揮してくれますから、これからも馬の様子を見ながら大事に育てて行きたいですね。
二十四万石賞(4月17日)を制したララメダイユドール
御厨人窟賞を勝ったブラックランナーもスピードのある馬で、逃げ馬が2頭揃いました。
意識しているわけではないですが、そういう風になりましたね。どっちもスピードのある馬で、どっちも普段とてもうるさいです(苦笑)。大変な部分もありますが、だからこそあのスピードが出せるというのもあるかもしれません。距離的にはブラックランナーが短め、ララメダイユドールが長めとある程度傾向が違うので、それぞれに合ったローテーションを考えています。
御厨人窟賞(3月27日)を制したブラックランナー
ララメダイユドールもブラックランナーも、主戦は宮川騎手が務めています。宮川騎手はどんな存在ですか?
もともと実はうちの父の厩舎所属だったので、私が厩務員になった当初からずっと一緒にやって来ました。なんというか、ある意味では家族みたいなものじゃないですかね。(宮川)真衣(調教師)の立場とは違いますけど、想いは強いです。改めて聞かれると難しいですけど。なんだか不思議な関係ですね。
打越調教師といえば、調教師同期の菅原勲調教師(岩手)との繋がりも深いですよね。
(電話インタビュー中)今、ちょうど隣にいるんですけど(笑)。セールの馬を見るために、一緒に北海道に来ています。勲先生のことは調教師試験を受けるまでは、まったく面識がなかったですし、TVの中でしか見たことない方でした。それが、一緒に調教師課程を受けたことでご縁が出来て、仲良くさせていただいています。馬のことなどいろいろ教えていただいて、本当に感謝しています。
それでは、今後の目標を教えてください。
高知競馬場ではもちろん、他の競馬場でも重賞を勝ちたいです。以前はけっこう遠征に行っていましたが、ここ何年か行く機会がなくて、昨年全日本2歳優駿で久しぶりに遠征に行って、改めて他場で勝ちたいと思いました。あとは高知生え抜きの馬で、他場で勝ってみたいです。
では、オッズパーク会員の皆さまにメッセージをお願いします。
いつも高知競馬を応援していただき、ありがとうございます。私が開業した2012年に比べると、大きく様変わりして、正直怖いくらいに良くなりました。注目度も上がって、馬の質も上がっていますので、これからも面白い競馬をお見せ出来るよう、一生懸命頑張ります。
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※インタビュー / 赤見千尋(写真:高知県競馬組合)
昨年の勝率31.7%で、NARグランプリ最優秀勝率調教師賞を受賞した川西毅調教師。6年連続9回目の受賞という、圧倒的な成績を誇ります。高い勝率を保つ要因は何でしょうか。さらに、オッズパーク地方競馬応援プロジェクトで今年デビュー予定のセブンカラーズについても伺いました。
NARグランプリ2021で最優秀勝率調教師賞受賞、おめでとうございます。
ありがとうございます。オーナーの皆さんのお陰です。僕の判断を尊重して使う使わないを決めさせていただいているので、本当にありがたいですね。それから一生懸命頑張ってくれる馬たち、スタッフたちにも感謝しています。
勝率に関しては、以前からこだわりを持っていると仰っていました。
そうですね。馬券を買ってくれるファンの方々にとっては、命の次に大事とも言えるお金を賭けていただいているわけですから。特にうちの厩舎は出走すれば人気になることが多いので、その期待を裏切りたくないですし、期待に結果で応えたいという気持ちが強いです。ただ昨年はそれほどいい成績ではないんですよ。NARグランプリをいただいたとはいえ勝率31.7%で、一昨年の33.7%より下がりました。重賞もそれほど勝てなかったですし、勝ち星的にも満足できる数字ではなかったです。
ここまで毎年活躍されていますが、ご自身に厳しい姿勢は変わらないですね。
日々勉強ですよ。満足したらそこから上には行けないですから。昨年のサマーセールからオッスパーク地方競馬応援プロジェクトに参加させていただいて、一緒に馬を選べたこともとても勉強になりました。今年デビュー予定の2歳馬セブンカラーズ(父コパノリッキー)を担当させていただいています。サマーセールで見た時にとてもいい馬だと感じたので、これからの成長が楽しみですね。
期待の2歳馬セブンカラーズ
どんなところに良さを感じましたか?
クビ差しが軽いところです。体は大きいのにクビ差しが軽くて、歩きに素軽さがあります。もちろんただ軽いだけではダメですが、そのバランスがとてもいいと感じました。今はまだ牧場で乗り込んでいるとことです。距離的には短いところだけの馬ではないと思っているので、慌てずじっくり育てていきたいです。
名古屋競馬は新競馬場がオープンしました。新しい競馬場はいかがでしょうか?
施設はキレイですし、コンパクトにまとまっているので動きやすいですね。以前は競馬場まで輸送がありましたが、それがなくなったことは大きいです。ただまだ馬場が安定していないんですよ。毎朝の調教で使いながら競馬でも使うという状況が初めてですから、こちらも気が付いたことは主催者に伝えて、馬場管理の方々とも話し合いながら、いい馬場を作っていきたいです。馬場というのは競馬をする上でとても大きいですし、馬も騎手も命を懸けて戦っていますから、真剣に検討していかなければいけないと考えています。
昨年(2021年)重賞3連勝をマークしたブンブンマル。写真は2月24日スプリングカップ(写真:愛知県競馬組合)
では、オッズパーク会員の皆さまにメッセージをお願いします。
いつも名古屋競馬を応援していただき、ありがとうございます。これからも皆さまの期待に応えられるよう、しっかり馬を育てていきます。セブンカラーズは順調に調教が進んでいますので、デビューを楽しみにしていてください。
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※インタビュー / 赤見千尋
10月17日、金沢競馬第11レースをビヨンドザシーンで勝利し、金田一昌調教師が地方競馬通算2,500勝を達成しました。そこから約1カ月半(2021年11月29日現在)でさらに25勝を挙げ、着々と勝ち星を積み上げています。
地方競馬通算2,500勝達成、おめでとうございます。
ありがとうございます。頑張ってくれる馬たちやオーナーの方々、スタッフのみんなのお陰です。
2,500勝という数字はいかがですか?
調教師としてスタートした頃にはまさかこんなに勝てると思っていなかったですね。騎手ならばまだ可能かもしれないですが、当時は調教師で1,000勝を超えることもあまりなかった時代ですから。うちの父(金田鼎元調教師・高崎)は通算770勝だったんでね、数字の上ではだいぶ超えたわけですが、まだまだ自分にとっては通過点だと思っています。
毎年100勝以上して全国の調教師リーディング争いをしていますが、今年はここまで132勝で第4位です。
毎年調教師リーディングの上位争いに参加出来るのは嬉しいです。ただ今年は高知の打越(勇児)先生が突き抜けていてすごいですよね。いつも上位争いをしている先生方とは仲が良くて、たまに電話して励まし合ったりしていますよ。また頑張ろうといい刺激をいただいています。特に高知は売り上げもすごいですし、活気があって見習いたい部分がたくさんありますから。
例えばどんなところですか?
やはりお客さんに注目してもらう工夫や、番組を面白くしようという努力をしていますよね。金沢ももっといろいろやれることはあると思うんです。例えばナイター競馬はたくさんあるからモーニング競馬をやってみるとか。朝7時頃から初めてメインレースをお昼休みくらいに設定すれば、注目してくれる方もいるのではないでしょうか。朝からレースをすることに関しては、そもそも調教が朝なので、馬もスタッフもそれほど負担はないですし、やってみる価値はあると思うんです。私がもともと所属していた高崎が廃止になって、もう17年経つわけですが、今でも高崎が続いていたらと考えることがあります。もしもあと何年か持たせられたら、インターネットでの発売が出来て、なんとか廃止を乗り越えられたのではないかと。悔しい想いをしている分、現状に満足せずいろいろ挑戦していきたいですね。
2019年石川ダービーをロンギングルックで制した際の表彰式
今年は金沢でJBCが行われ、注目度も上がっています。
JBCは売り上げ的にも大成功でしたし、何といっても地元の吉原寛人騎手の活躍が嬉しかったです。やっぱり吉原君は巧いなと思いましたし、吉原君の実力を改めて全国の方に見せられたことが嬉しいです。自分もJBCのような大舞台で活躍する馬を育てたいですね。今も勝ち星はあるんですが、スターホースがなかなか育たなくて。以前うちに居たジャングルスマイルのような、金沢の看板になれる馬をまた育てたいです。
調教師デビューから22年、モチベーションを保つ秘訣はなんですか?
なんでしょうかね。やっぱり馬が好きということでしょうか。仕事が終わって誰も厩舎にいない時間帯にも、馬房を覗いて1頭1頭馬たちを見るんです。飼い葉食いの良くない馬がいたらニンジンを足してあげたり、1頭1頭ケアすることが違うんですよね。どの馬も可愛いですし、そうやって毎日忙しく動いていることが情熱に繋がるのではないかと思います。
54歳で2,500勝を達成しました。今後の目標は何ですか?
数字的なことを言えば、まずは3,000勝を目指したいですし、生涯をかけて5,000勝を目指したいですね。それからやっぱり若馬の成長、飛躍ということをすごく考えます。2歳の強い馬を育てて、石川ダービーもまた勝ちたいです。
石川ダービーは今年まで5回中4回も勝っていますが。
ダービーは毎年勝ちたいですよ。もちろん他の重賞も勝ちたいです。今年はアイバンホーが頑張ってくれてダービーを勝ったわけですが、担当厩務員の辻加武斗君は23歳と若いんです。馬の成長はもちろんですが、スタッフの成長も嬉しいですね。こちらも刺激になりますし、毎日楽しく頑張っていますよ。
今年アイバンホーで金沢二冠制覇(写真は北日本新聞杯制覇時)
では、オッズパーク会員の皆さまにメッセージをお願い致します。
競馬ファンの皆さまに楽しんでいただけるよう、これからも強い馬づくりに精進してまいります。今年も開催が残り少なくなって来ましたが、引き続き金沢競馬をよろしくお願い致します。
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※インタビュー / 赤見千尋(写真:石川県競馬事業局)