昨年は206勝を挙げ、3度目の全国リーディング第1位に輝いた打越勇児調教師(高知)。今年もすでに98勝(2022年5月10日現在)を挙げ、全国リーディング独走中。快進撃が続いています。
まずは昨年全国リーディング第1位、おめでとうございます。キャリアハイの206勝を挙げ、3度目のリーディング獲得でした。
ありがとうございます。これもたくさんのいい馬を預けてくれるオーナーの皆さまのお陰です。ただ昨年は早い段階で数字的に少し抜けてしまったので、逆に変なプレッシャーがあったというか、ここからひっくり返されて負けたらどうしようという不安はありました。無事にリーディングを獲ることが出来て嬉しいですし、ホッとしました。
一昨年は1勝差で第2位でしたが、その悔しさというのもありましたか?
所属の競馬場が違うので、そこまで意識はしていないですね。もちろんリーディングを獲りたいという気持ちはありますけど。一昨年は11月の段階で角田(輝也)先生に離されていましたから、正直よく1勝差まで追いつくことが出来たなという気持ちです。
例年、調教師リーディングは接戦になるイメージでしたが、昨年はキャリアハイである206勝を挙げ、圧倒的な差をつけました。この要因は何でしょうか?
先ほども言いましたが、やはりオーナーの皆さまがいい馬たちを預けてくれるということが大きいです。それから(宮川)実、妹尾(浩一朗)、(井上)瑛太という所属の騎手たち、スタッフも含めて周りのみんなに恵まれているなと思います。
昨年の全日本2歳優駿でお会いした時に、「今年は実とダブルで獲りますよ」と仰っていました。その言葉通り、ご自身は全国リーディング第1位でNARグランプリ・最優秀勝利回数調教師賞を受賞、そして宮川実騎手は勝率28.3%で最優秀勝率騎手賞に輝きました。
実が勝率を獲れたことが何より嬉しかったですね。周りの方々の応援もありましたし、実自身の頑張りが大きかったですから。ただ、目黒雅叙園での表彰式がなくなったのは本当にショックでした。一緒に表彰式に出席したかったですね。
それは本当に残念でした......。宮川騎手は1月9日に地方競馬通算2000勝を達成されましたね。こちらの記録に関してはいかがですか?
この数字をずっと目標にしていたので、僕としてもとても嬉しかったです。
2000勝を達成した時の騎乗馬ララメダイユドールは、その後に二十四万石賞を制しました。高知では3連勝と底を見せていませんね。
相当な能力の持ち主ですが、なかなか順調に行かない面もあって、調整するのが大変なんです。実と一緒に試行錯誤をしながらやっています。レースに行けば圧倒的な力を発揮してくれますから、これからも馬の様子を見ながら大事に育てて行きたいですね。
二十四万石賞(4月17日)を制したララメダイユドール
御厨人窟賞を勝ったブラックランナーもスピードのある馬で、逃げ馬が2頭揃いました。
意識しているわけではないですが、そういう風になりましたね。どっちもスピードのある馬で、どっちも普段とてもうるさいです(苦笑)。大変な部分もありますが、だからこそあのスピードが出せるというのもあるかもしれません。距離的にはブラックランナーが短め、ララメダイユドールが長めとある程度傾向が違うので、それぞれに合ったローテーションを考えています。
御厨人窟賞(3月27日)を制したブラックランナー
ララメダイユドールもブラックランナーも、主戦は宮川騎手が務めています。宮川騎手はどんな存在ですか?
もともと実はうちの父の厩舎所属だったので、私が厩務員になった当初からずっと一緒にやって来ました。なんというか、ある意味では家族みたいなものじゃないですかね。(宮川)真衣(調教師)の立場とは違いますけど、想いは強いです。改めて聞かれると難しいですけど。なんだか不思議な関係ですね。
打越調教師といえば、調教師同期の菅原勲調教師(岩手)との繋がりも深いですよね。
(電話インタビュー中)今、ちょうど隣にいるんですけど(笑)。セールの馬を見るために、一緒に北海道に来ています。勲先生のことは調教師試験を受けるまでは、まったく面識がなかったですし、TVの中でしか見たことない方でした。それが、一緒に調教師課程を受けたことでご縁が出来て、仲良くさせていただいています。馬のことなどいろいろ教えていただいて、本当に感謝しています。
それでは、今後の目標を教えてください。
高知競馬場ではもちろん、他の競馬場でも重賞を勝ちたいです。以前はけっこう遠征に行っていましたが、ここ何年か行く機会がなくて、昨年全日本2歳優駿で久しぶりに遠征に行って、改めて他場で勝ちたいと思いました。あとは高知生え抜きの馬で、他場で勝ってみたいです。
では、オッズパーク会員の皆さまにメッセージをお願いします。
いつも高知競馬を応援していただき、ありがとうございます。私が開業した2012年に比べると、大きく様変わりして、正直怖いくらいに良くなりました。注目度も上がって、馬の質も上がっていますので、これからも面白い競馬をお見せ出来るよう、一生懸命頑張ります。
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※インタビュー / 赤見千尋(写真:高知県競馬組合)