2009年にはNARグランプリ優秀新人騎手賞を受賞ししている長澤幸太騎手(26)。2月2日第5レースでキタノカツヒメに騎乗し通算300勝を達成しました。
デビュー7年目に入り300勝。おおよそ50勝ずつしている計算になりますね。
星(50勝の減量)がなくなってから騎乗が減ってしまいました。50勝の後、騎乗停止中に馬に蹴られて怪我をしたし。他の同世代よりは乗ってると思うんだけど、自厩舎の騎乗が多くても頼ってちゃだめ。ほかのところも手伝ったりして、乗る馬を確保しています。
長澤騎手も脅威の新人といわれてデビューしましたが、その後も若手の活躍が続きます。気になりますか。
気にしない。ゲート開けば、上下関係ない。上に遠慮してたら勝てないし。若い騎手は、みんな仲いいですよ。よく、(島津)新と飯行ったりする。
(北海道)浜中町出身で、子どもの頃から馬に乗っていたのですよね。
祖父が馬主、生産者です。家から出た馬で強い馬出ればいいんだけどね。それを夢見てやっているんだろうけど。4月で98歳ですよ(笑)。今だと、ミツボシ、ファーストクラスが走っています。
今期待している馬はいますか。
テンカトウイツ(牡3)はね、テスト(能力検査)からずっと乗っている馬。小さいけど真面目。ただ、気持ちが強すぎて、レースで空回りするタイプ。ハナ早いんだけど、それだと最後までもたない。こっちは我慢させようとするけど、頭に血が上って止まらない。(兄弟子の)カワ(大河原和雄)さんに「馬ごみ入れて、落ち着かせて乗ってみれ」って言われてから、そのようなレースをしています。
カゲホウトウ(牡4)は、山(障害)が上手なので、来年度からもっとよくなると思います。とぼけてるところがあって、かわいいよ。ああいう、かわいい馬好きなんだわ。でもレースは疲れる......。1、10コースだと人を見るんです。耳があちこち動いて、「はっ!」って顔する。人間に愛想よくて、装鞍所でもおばさんやおじさんに構われてる(笑)。
小学6年の時、初めて馬の扱いを教えてもらったハマナカキングの初年度産駒が2歳で、今年4月のテストに向けて入ってきています。速そう。当時、浜中の馬主さんと砂浜に行って調教しました。海に入っていくんだよ。自分で馬具をつけて走らせたら馬具がばらばら。「ちゃんとしないとこうなるんだ」って怒られた。危なかったですよ(笑)。
テンマデトドケ(2010年イレネー記念など重賞4勝、2013年に急逝)は残念でした。
これから大きいの獲れるから、泡食う必要ないって言ってた。力はあったからね。テレビの『ほこ×たて』でゴムシートやジーンズと対決したけど、余裕余裕。これからって時にね。腹痛で。24時間つきっきりだったんだよ。厩舎のみんなで交代して、点滴見たり。走れなくても種馬になれるかな、って言ってたんだけど。性格はね、こいつもとぼけているんだわ。気分屋でね。初めてのばんえい記念も乗せてくれたし。ゴールできるかな、と思ったけどね。いつか獲れるから、慣れさせるべって出走させた。
2013年ばんえい記念、テンマデトドケ
初めてのばんえい記念はいかがでしたか。
時間かかって面白いし、人はいっぱいいるし。普通のレースと違う雰囲気。賞金高いしね(笑)。
昨年は、カワさんが怪我をしてキタノタイショウに乗れなかったから、俺が乗るんだべな、って思ってたらまだ早いって言われた(笑)。
カワさんが慣らす馬は、断然乗りやすい。他の騎手も言う。乗ってるだけじゃだめ、育て方も勉強しなきゃ...。いい馬がいても、レースに行くまでも大事。それがうまくいかないんだわ...。調教は、カワさんと半分半分でやっています。うまくいかなくなると、カワさんが「どら、オレやる」って。
銀の匙には、騎乗しているカツラアスリートが出演しましたね。
自分はびっちりと、教える役でした。映画出てないのに(笑)。あの馬は、映画に出た後の方が引っ張ってる。役者だわ。
馬は一頭一頭違って、でかけりゃいいってものじゃなくて、体が小さくても気持ちあれば(活躍できる)。気持ちあるほうが良くなっていくかな。レースでも、普段ぼーっとしていても、ゲート入ったらやる気ある馬もいる。
それってパドックでわかりますか...?
見ててわからない? 顔つきでも、目きりっとしてるよ。
今、ふれあい動物園は工事中で広報馬のリッキーに会えません。服部厩舎にいるリッキーは元気ですか。
元気だよ。偉いわ。「じじ」って呼んでるけどね(笑)。リッキーみたいな馬、これから出てくるんだろうか。聞き分けいいし。イベント中はボロしなくて、トラック乗ったら一気にする。たまに行きたくない日あるけどね(笑)。帰り走って帰るんだよ。
心がけていることは。
俺、ファンサービスはいいと思うよ! 調教見学ツアーの時間には、おとなしい馬をつれていくようにして、そりに乗せてあげる。馬名言ったら気にかけてレース見てくれるし、それで100円でも買ってくれれば。自分が逆の立場なら、馬のこと気になるな、って考える。そりに乗っている時にファンの人としゃべると、ばんえいのことや自分たちの生活が、実際とは違うように思われているのがわかる。何でレースの途中で止めるんですか、とか聞かれて。ばんえいのことをもっと知ってほしい。
パドックも、外をまわって馬をみせるようにしています。(イベントを行っている所属厩舎の)服部(義幸)調教師見てるからね。イベントにも積極的に参加するようにしています。幼稚園行くと、みんな馬にわーーって寄ってくるよ。親は競馬場に来てくれる。このような活動をしているから、馬券も売れてきてるんだと思う。それでも、帯広にいてもまだばんえいを知らない人が多い。
レースでは、2着が多い。取りこぼし多いからな...。勝てると思った馬で勝てない時、一番腹立つね。もうちょっと勝ちたいな。焦ってもなんともならないけどね。
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※インタビュー・写真 / 斎藤友香
昨年は過去最高の195勝を挙げ、全国リーディング8位に食い込んだ、高知の永森大智騎手。今年に入ってからは高知リーディングを快走し、いよいよ、高知の帝王・赤岡修次騎手超えを目指します。現在の心境をお聞きしました。
去年はどんな年でしたか?
去年は今までで一番勝たせてもらいました。馬主さんや雑賀(正光)先生のバックアップのお蔭です。これまでずっと(赤岡)修次さんを追いかけてきましたけど、かなり遠い存在だったんですが、勝利数の差だけで言えば、少し近づけたのかなと思います。ただ、技術的な面で言えばまだまだですね。
具体的にはどんなところですか?
この前も修次さんに怒られたんですけど、2人で1着2着の争いになった時、内からステッキで叩いたら、馬がよれて修次さんの馬にぶつかってしまったんです。結果的には僕が勝ちましたけど、「これからみんなの手本にならなきゃいけない立場なのに、あんな騎乗してたらあかん」て。自分でも本当にそう思います。勝ちたいっていう気持ちが大きくて、意識し過ぎている面もあるので、その辺りを改善していきたいです。
永森騎手ほど勝っていても、そういう気持ちになるんですね。
なりますよ! 僕はまだ、修次さんや西川(敏弘)さんや中西(達也)さんみたいに、自分の位置を確立しているわけじゃないので。勝ち続けないと、何かの拍子に簡単に落ちてしまうと思ってます。去年は本当にたくさん勝たせていただきましたけど、それは僕が一番いい馬に乗せてもらってるから。だからこそ、絶対に負けたくないですね。
いよいよ今年は、"赤岡騎手超え"を意識するんじゃないですか?
修次さんは本当に偉大な先輩で、今でも敵わない部分はたくさんありますが、今年は超えたいと思っています。去年の10月頃、雑賀先生から、「来年はリーディングを獲れるように、いい流れを作って行け」って言ってもらって。そこまで言っていただいてすごく嬉しいですし、かなりバックアップもしてくれているので、今年はリーディングを目指します!
ただ、そのためには超えなければいけない壁は修次さん1人ではないと思っています。最近西川さんがうちの厩舎の馬に乗る時があるんですけど、それまで走っていなかった馬でも、イヤになるくらい前に持って来るんですよ(苦笑)。ゲートで癖のある馬とか、僕が乗ると出遅れる馬とかでも、なんでもないように乗って来て。中西さんはコース取りが本当に上手で、雑賀先生からも「中西のコース取りをよく見とけ」って言われます。ロスがない位置取りをするし、レースに隙がないんですよ。もちろん修次さんもすごいですからね。気の悪い馬でも、ゲートをポンと出て楽に前に付けるでしょう。ジョッキーレースでも結果を出してますし、本当にさすがだと思います。こういう上手なジョッキーたちに囲まれて、まだまだ勉強することは多いですけど、その分刺激になるし、もっともっと上手くなってやる!っていう気持ちになりますね。
永森騎手は2011年頃から爆発的に勝ち星を増やしましたが、何かキッカケはありますか?
具体的にこれっていうのはないですけど、その年にリワードレブロンで初めて重賞(黒潮菊花賞)を勝たせてもらったんです。他場で重賞を勝たせてもらったのもレブロンが初めてで、本当に感謝しています。
去年の笠松『オグリキャップ記念』ですね。
あのレースは自信になったというか、他場でもやれるっていう手応えを感じさせてもらいました。道中はロスなく進めたし、いい感じに外に出せたので。雑賀先生からいつも、「馬場を味方につけろ」と言われていて、その通りのレースが出来たと思います。
笠松・オグリキャップ記念(2014.4.22)
リワードレブロンは、年末のグランプリレース『高知県知事賞』も圧勝でした。永森騎手自身は、このレース3連覇でしたね。
強いレースをしてくれましたね。やっぱり、『高知県知事賞』と『福永洋一記念』は特別なので、その2つを連覇出来ているというのは嬉しいですね。本当に強い馬に乗せてもらっているので、大きいところで結果が出せて嬉しいです。
『福永洋一記念』は、高知の看板レースになりましたね。
あのレースを勝つのは特別嬉しいですよ。洋一さんもいらっしゃいますし、表彰式で表彰してもらえると、すごく感動して...。他のレースとはまた違った重みがあるので、今年も絶対に勝ちたいです!
そして、今年の1月27日には、『佐々木竹見カップ』初参戦でした。
5着、14着で、全く結果を出すことが出来ませんでした...。特に最初のレースはチャンスがあったのに、人間が冷静でいられなくて、何も出来ませんでした...。左回りということもありますし、あれだけのメンバーの中に入って自分のレースが出来るほど甘くないなと。もっともっと勉強しなきゃいけないと痛感しました。
では改めて、今年の目標をお願いします。
今年は絶対にリーディングを獲ります! たくさんの方々にバックアップしていただいてますし、今年リーディングを獲れなかったから一生獲れないくらいの気持ちで頑張ります。
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※インタビュー / 赤見千尋 (写真:斎藤修)
キングシャークこと、佐賀の鮫島克也騎手。昨年はスーパージョッキーズトライアルのワイルドカードで見事優勝を果たし、本戦でも第2位と健闘しました。デビューから35年の大ベテランに、昨年の振り返りと、今後の夢を語っていただきました。
2014年は、振り返ってみるとどんな年でしたか?
そうですねぇ...、一番に思い浮かぶのはケガですね。去年は2回も入院したので、それが辛かったです。特に最初の入院はひどかったんですよ。馬が転んで落馬して、すぐに病院に行ったんですけど、打撲っていう診断で。打撲ならっていうことで、その後も調教に乗ったり小倉に遠征に行ったりしたんですけど、もう体が痛くてどうしようもないんですよ。小倉の時なんか、レース中は集中しているし、気持ちも高ぶっているから大丈夫でしたけど、ゴールした後に力が入らなくなって、馬が全然止められなくて...。結局、もう1度病院に行ったら肋骨が5か所も折れてるって言われて、即入院になりました(苦笑)。
5か所も骨折?! よく乗っていましたね。
まぁケガは何度もしていますから、痛みには慣れているつもりですけど、それでも今回はめちゃくちゃ痛かったですよ。2回目の入院は、前に鎖骨を骨折した時に入れたプレートを取るためだったんですけど、もうケガも入院もイヤです。これが一番辛いですから。今年は1年、ケガなく過ごしたいですね。
では、レースに関してはいかがですか?スーパージョッキーズトライアル(SJT)のワイルドカードでは、見事優勝しましたね。
ああいうレースは、乗っていて本当に楽しいですね。地元開催ということで、自分の乗る馬も周りの馬も、能力や脚質がある程度はわかっているじゃないですか。アドバンテージは大きかったと思います。プレッシャーという感じではなかったですけど、地元でやるからには、勝って当たり前だと思っていました。実際に優勝できて嬉しかったです。
SJTワイルドカード第2戦
SJT本戦は惜しくも第2位でした。
盛岡の時は、ちょっとクジ運もなかったかなと思うんですけど、名古屋の時にはいい馬が当たりました。第3戦で勝てた時は、「これは行けるんじゃないか?」と思ったんですけど...。第4戦のクビ負けが大きかったですね。あと一歩だったので本当に悔しかったですけど、でもやっぱり楽しかったです。
鮫島騎手は、ワールドスーパージョッキーズシリーズ(WSJS)で優勝したご経験もあります。WSJSへまた出場したい!というお気持ちは、強いんじゃないですか?
そうですね。あの時は人生分のツキを全部使い果たしたんじゃないかっていうくらいでした(笑)。絶対に忘れられない経験をさせてもらいましたね。またあの舞台に立ちたいですし、そのためにはまず地元で頑張らないと。昔は佐賀もJRA認定競走が多かったですから、WSJSの他にも中央へ遠征する機会はけっこうあったんです。でも今は認定レースが減ってしまったし、権利を獲ってもなかなか遠征に行かないんですよ。中央へ行って乗るっていうのは、ジョッキーにとってすごく刺激になることですから、今年も目指したいです。
最近の騎乗馬についてはいかがですか?
今はやっぱりエスワンプリンスですね。去年は『園田FCスプリント』を勝つことができたし、『JBCスプリント』にも参戦させてもらいました。中央勢には歯が立たなかったですけど、ゲートのタイミングが合った時にはめちゃくちゃ速い馬で、ダッシュ力がすごいんです。ずっと脚元と相談しながら大事に大事に使っているので、明け6歳ですけどまだまだ若いですよ。ただ、最近喉が気になるようになったので、今は北海道で手術をしているんです。帰って来てどのくらい走るか、また楽しみですね。この馬と一緒に、今年もいろいろな場所へ遠征に行きたいです。
エスワンプリンス
長男の良太騎手はJRAで活躍中ですが、もうすぐ次男の克駿(かつま)くんも、JRAでデビューしますね。
そうなんですよ。先日東京競馬場へ行って、模擬レースを見て来ました。騎乗に関しては、まだまだまだまだ...。コーナーで膨れていたので、その辺りのこととか、いろいろ注意しました。競馬学校卒業で一区切りですけど、騎手はデビューしてからが勝負ですからね。長男は苦労しているみたいなので。減量があった時はけっこう乗せてもらっていたんですけど、その後がね。厳しい世界だということは僕自身もわかっていますから、心配な気持ちもあります。でも、次男はおしゃべりで明るい性格なので、上手くやっていけるんじゃないかなとも思ってます。
息子さんがお2人も騎手になるというのは、嬉しいんじゃないですか?
まぁそうですよね。嬉しいことは嬉しいです。自分の背中を見ていてくれたのかなって思いますから。いつか3人でレースに乗ってみたいですね。なかなかJRAに行く機会がないですし、難しいかもしれないですけど。今はそれが夢です。そのためには、1つ1つのレースを大切に乗って、人馬ともに無事に走り続けていきたいです。
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※インタビュー / 赤見千尋
デビュー5年目を迎えた赤塚健仁騎手(24)。大レースに騎乗する機会も多い期待の若手騎手のひとりです。昨年はばんえい菊花賞をハクタイホウで勝ち、念願の初重賞制覇となりました。
ばんえい菊花賞について教えてください。
レース前は緊張しました。重賞だって考えないようにしていた。ゴール前はあせった。(2着のキサラキクが)来てるな、と思いました。重賞を勝つチャンスは結構あったのに、取りこぼしていた。やっと勝ってほっとしました。いい馬に乗せてもらえて感謝しています。
その後のばんえいダービーは自身の誕生日を飾れず残念でした(3着)が、積極的ないいレースでした。
菊花賞ほどは緊張はしなかったけれど、もう少し前に行ってもよかったかな。あれだけ刻んだんだから、もっと行けるかと思ったけれど、レース使っていなかったからかな(菊花賞からぶっつけ)。ばんえい大賞典(2着)と刻み方は似たイメージだったけれど。
ダービーは10日前、菊花賞は1週間くらい前から、調教師に自分で触りたいと言ってみずから調教をしていました。自分で納得できるし、疲れさせないことを意識しました。
ハクタイホウの性格は、ちょっときつい。馬房の前や、つなぎ場でも前を通るとかかってくる。でも、ゴール際弱いところはあります。これからはハンデとの戦いですね。
ハクタイホウでばんえい菊花賞制覇
思い出の馬は? 初勝利(2011年1月15日)はエンジュオウカン(2004年ダービー、オークスなど重賞7勝)でした。
(ゴール前)ぎりぎりでしたね。馬になめられながら乗ってました(笑)。
あと、カツダイヤのオークス(2012年、2着)は緊張しました。馬もですが、騎手も頑張った(笑)。
カツラ、カツと付く馬は祖父の馬。祖父は根室の実家の近くに住んでいて、一緒に草ばん馬を見たり、2人でそりに乗って運動したりしていました。ばんえいのレースも小学校の時から一緒に見ていて、そのうち自分で乗りたくなって騎手を目指しました。
若手騎手が騎乗することの少ないばんえい記念に、デビュー2年目の2012年、アアモンドヤマトで出走しました。
オーナーから、レース直前に「乗って」と言われてびっくりした(笑)。「行けたら行け」とだけ言われましたが、慌てないようにしました。オーナーとはほとんどしゃべったことがないし、息子さんに飲みに誘われることはありますが、馬の話はしない。なぜなんでしょうか(笑)。
同じ根室出身だからでしょうか。好きなレース展開は。
先行、逃げが好き。どれだけ馬をもたせられるか。でも、2着が多い。カツダイヤも、山降りてからもうちょっと行ってよかった。
ハクタイホウも、(ばんえいダービーは)もう少し前行ってれば、ぎりぎり逃げ切ったかな......。くよくよしても仕方ないとはいえ、もう少し考えていれば、と思います。これからは、道中周りを見ながら、臨機応変に展開を読めるようになりたいです。
現在所属している久田厩舎で、以前騎手だった高橋洋典さんのフォームをビデオで見て研究しています。一緒に仕事をしたことはないですが、祖父の馬に乗っていました。ソリの上でものすごく体を動かします。(名騎手だった)久田先生も、叩き方とか教えてくれます。
いつもにこにこしていますね。ポーカーフェイス?
心の内がわからないように(笑)
デビュー5年目、変わったと思うことは。
昔よりあせらなくなった。
これから期待している馬は。
レジーナ(牝3)は、真面目な女の子。来年、再来年によくなるかも。ハナ早いし障害もうまい。ダントツ(牡3)も成長しています。上に背が伸びている。それと、カツオーカン(牡5)かな。
最近の競馬場について。
若い人増えましたね。若い女の子がいると気になります(笑)
でも、帯広に住んでいても、まだばんえいを見たことがない人が多い。映画の『銀の匙』などが、いいきっかけになればと思います。
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※インタビュー・写真 / 斎藤友香
東海地区のリーディング常連である丸野勝虎騎手。今年は名古屋競馬トップの座に立ち、スーパージョッキーズシリーズ初出場を果たしました。そんな丸野騎手に今年1年を振り返っていただきました(インタビューは12月23日)。
2014年は現在141勝(12月23日時点)で、名古屋リーディングですね。
今年は、年初めに重賞をポンポンと勝って(新春盃、名古屋記念)幸先の良いスタートでした。前半は調子が良くてけっこう勝てたのですが、後半が全然ダメ。その辺がまだ詰めが甘いですよね。まだまだ勝てたんじゃないかと思います。
これまでで年間勝利数は最高ですよね。何か変わったところは?
特に変わった、変えたという事はないですよ。でも、昨年以上の勝てたというのは良かったです。
前半の調子が良かったということで、スーパージョッキーズトライアル(SJT)に初出場しましたね。どんな気持ちで臨んだのですか?
初めてだったのでウキウキしました。トップジョッキーばかりですし、どんなレースができるのかなって。周りの応援もすごくて、厩務員や調教師から「やるしかないだろ!」などと言われましたね。
第1ステージは1位となり、最終的には6位という成績でした。レースはいかがでしたか?
初戦はしんがりで、2戦目は最低人気で1着、それでまた3戦目はしんがり......、両極端でした(笑)。でもとにかく第2ステージの地元名古屋にはいきたいと思っていたので、第1ステージで予選落ちしなくて良かったです。結果は残念でしたが、楽しかったです。
また出場したいと思いましたか?
出たいです! こんな体験なかなかできないですし、また来年この舞台に来たいという気持ちが強くなりました。優勝して東京競馬場でも乗りたいですし。そのためには、まず名古屋でトップとらないとなりませんね。
今年、SJT以外で何か印象に残っているレースや、出来事はありますか?
それがあまりないんですよ......。去年は強い馬、サイモンロードがいたんですが、今年は不調でしたからね。
では、そのサイモンロードについてお聞きします。不振の原因は?
去年はすごく勝っていた馬ですが、今年は最初の2勝のみ。レースを嫌がる癖がでてきてしまったんですよ。気性難が出てきてからは、最後は止まるそぶりを見せるようになって。だから力負けではないし衰えでもないんです。秋に去勢手術をしたので、それが良い方向に向いてくれると良いのですが。来年のお正月の重賞に出走する予定ですので復活してほしいですね。
今年は40歳という節目の年でもありました。
もうベテランになっちゃいましたね。
10年前、30歳の時と比べると何がちがいますか?
体力は衰えたなと思います。昔はどれだけ追っても大丈夫だったのに、今は勝負どころを間違えると息切れしたりしますもん(笑)。その代り技術は上がりましたけどね。
後輩もたくさんいますが、今の若手を見ていて思うことは?
なかなか伸びてくる若手がいないんですよね。自分が若い時はとにかくがむしゃらで、乗りたくて乗りたくて仕方なかったんですけど、今はハングリー精神を持ってる子が少ないように思います。
丸野騎手自身は何歳くらいまで騎手でいたいですか?
大井の的場さん(的場文男騎手)を見ているとすごいなと思うけど......、若手が育ってもう辞めろよと言われたら辞めますよ。自分を追い越してくれるような存在ができて、「ああ、もう引退かな」って時まで乗っていたいと思います。でも、去年、3人目の子供が生まれたばかりなんですよ。だからまだまだがんばらないとね。
では来年2015年の目標を教えてください。
毎年そうなんですが、「去年以上」ということですね。あと、またSJTに出場したいです。それと、なかなか行くのも難しいですが中央の重賞も勝ちたいです。
11月にはキーアシストで東海菊花賞を制覇
(写真:愛知県競馬組合)
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※インタビュー / 秋田奈津子