昨年は過去最高の195勝を挙げ、全国リーディング8位に食い込んだ、高知の永森大智騎手。今年に入ってからは高知リーディングを快走し、いよいよ、高知の帝王・赤岡修次騎手超えを目指します。現在の心境をお聞きしました。
去年はどんな年でしたか?
去年は今までで一番勝たせてもらいました。馬主さんや雑賀(正光)先生のバックアップのお蔭です。これまでずっと(赤岡)修次さんを追いかけてきましたけど、かなり遠い存在だったんですが、勝利数の差だけで言えば、少し近づけたのかなと思います。ただ、技術的な面で言えばまだまだですね。
具体的にはどんなところですか?
この前も修次さんに怒られたんですけど、2人で1着2着の争いになった時、内からステッキで叩いたら、馬がよれて修次さんの馬にぶつかってしまったんです。結果的には僕が勝ちましたけど、「これからみんなの手本にならなきゃいけない立場なのに、あんな騎乗してたらあかん」て。自分でも本当にそう思います。勝ちたいっていう気持ちが大きくて、意識し過ぎている面もあるので、その辺りを改善していきたいです。
永森騎手ほど勝っていても、そういう気持ちになるんですね。
なりますよ! 僕はまだ、修次さんや西川(敏弘)さんや中西(達也)さんみたいに、自分の位置を確立しているわけじゃないので。勝ち続けないと、何かの拍子に簡単に落ちてしまうと思ってます。去年は本当にたくさん勝たせていただきましたけど、それは僕が一番いい馬に乗せてもらってるから。だからこそ、絶対に負けたくないですね。
いよいよ今年は、"赤岡騎手超え"を意識するんじゃないですか?
修次さんは本当に偉大な先輩で、今でも敵わない部分はたくさんありますが、今年は超えたいと思っています。去年の10月頃、雑賀先生から、「来年はリーディングを獲れるように、いい流れを作って行け」って言ってもらって。そこまで言っていただいてすごく嬉しいですし、かなりバックアップもしてくれているので、今年はリーディングを目指します!
ただ、そのためには超えなければいけない壁は修次さん1人ではないと思っています。最近西川さんがうちの厩舎の馬に乗る時があるんですけど、それまで走っていなかった馬でも、イヤになるくらい前に持って来るんですよ(苦笑)。ゲートで癖のある馬とか、僕が乗ると出遅れる馬とかでも、なんでもないように乗って来て。中西さんはコース取りが本当に上手で、雑賀先生からも「中西のコース取りをよく見とけ」って言われます。ロスがない位置取りをするし、レースに隙がないんですよ。もちろん修次さんもすごいですからね。気の悪い馬でも、ゲートをポンと出て楽に前に付けるでしょう。ジョッキーレースでも結果を出してますし、本当にさすがだと思います。こういう上手なジョッキーたちに囲まれて、まだまだ勉強することは多いですけど、その分刺激になるし、もっともっと上手くなってやる!っていう気持ちになりますね。
永森騎手は2011年頃から爆発的に勝ち星を増やしましたが、何かキッカケはありますか?
具体的にこれっていうのはないですけど、その年にリワードレブロンで初めて重賞(黒潮菊花賞)を勝たせてもらったんです。他場で重賞を勝たせてもらったのもレブロンが初めてで、本当に感謝しています。
去年の笠松『オグリキャップ記念』ですね。
あのレースは自信になったというか、他場でもやれるっていう手応えを感じさせてもらいました。道中はロスなく進めたし、いい感じに外に出せたので。雑賀先生からいつも、「馬場を味方につけろ」と言われていて、その通りのレースが出来たと思います。
笠松・オグリキャップ記念(2014.4.22)
リワードレブロンは、年末のグランプリレース『高知県知事賞』も圧勝でした。永森騎手自身は、このレース3連覇でしたね。
強いレースをしてくれましたね。やっぱり、『高知県知事賞』と『福永洋一記念』は特別なので、その2つを連覇出来ているというのは嬉しいですね。本当に強い馬に乗せてもらっているので、大きいところで結果が出せて嬉しいです。
『福永洋一記念』は、高知の看板レースになりましたね。
あのレースを勝つのは特別嬉しいですよ。洋一さんもいらっしゃいますし、表彰式で表彰してもらえると、すごく感動して...。他のレースとはまた違った重みがあるので、今年も絶対に勝ちたいです!
そして、今年の1月27日には、『佐々木竹見カップ』初参戦でした。
5着、14着で、全く結果を出すことが出来ませんでした...。特に最初のレースはチャンスがあったのに、人間が冷静でいられなくて、何も出来ませんでした...。左回りということもありますし、あれだけのメンバーの中に入って自分のレースが出来るほど甘くないなと。もっともっと勉強しなきゃいけないと痛感しました。
では改めて、今年の目標をお願いします。
今年は絶対にリーディングを獲ります! たくさんの方々にバックアップしていただいてますし、今年リーディングを獲れなかったから一生獲れないくらいの気持ちで頑張ります。
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※インタビュー / 赤見千尋 (写真:斎藤修)