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重賞(特別)回顧 アーカイブ

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1/3天馬賞回顧

2024年1月 4日(木)

キングフェスタが4歳シーズン三冠達成

 1月3日(水)には重賞・天馬賞(5歳オープン)が行われ、単勝1番人気のキングフェスタが優勝。柏林賞、銀河賞に続いての勝利で、ばんえい4歳シーズン三冠を制覇しました。

【出走馬】※カッコは負担重量、右の数字は単勝最終オッズ
 1.ツガルノヒロイモノ(760) 4.3
 2.シンエイアロイ(740) 100.5
 3.ヘッチャラ(760) 6.8
 4.アローリキヒメ(740) 121.8
 5.クリスタルコルド(760) 11.3
 6.ヤマノコーネル(760) 36.1
 7.キングフェスタ(760) 2.2
 8.ヤマカツエース(760) 3.9
 9.ダイヤカツヒメ(740) 58.7
 10.ホクセイウンカイ(760) 44.0

 ここまで柏林賞、銀河賞を含め世代重賞7勝を挙げているキングフェスタ。近走は古馬オープンで掲示板止まりという成績でしたが、同世代同士の定量戦ならと単勝2.2倍で1番人気となりました。2歳時にヤングチャンピオンシップを制しているヤマカツエースが3.9倍で2番人気。近走古馬オープン(混合含む)で4連勝など成長著しいツガルノヒロイモノが4.3倍で3番人気。今季はまなす賞を制しているヘッチャラが6.8倍の4番人気で、ここまでが単勝ひと桁台となりました。

 キングフェスタが第1障害を先頭で越えますが、道中先行したのはヘッチャラで、ツガルノヒロイモノが追走。少し離れてダイヤカツヒメ、ヤマカツエースらが続きます。前の馬たちは軽快に歩を進め、ヘッチャラが先頭で第2障害下に到達。ここまで53秒というペースで流れました。
 第2障害はヘッチャラとツガルノヒロイモノがほとんど同時に仕掛け、ヘッチャラがすんなりひと腰でクリア。ツガルノヒロイモノが2番手で、ヤマカツエース、キングフェスタ、クリスタルコルド、ダイヤカツヒメの順で続きます。
 キングフェスタは障害を降りると一気の脚で追い上げ、先頭に立っていたツガルノヒロイモノを並ぶ間もなく抜き去ります。そのまま後続を引き離して先頭でゴール。ツガルノヒロイモノが2着。ヘッチャラも最後まで止まらずに歩き切って3着に入りました。

 勝ったキングフェスタは、2歳シーズンはナナカマド賞、イレネー記念、3歳シーズンはばんえい菊花賞、ばんえいダービーとそれぞれ二冠でしたが、メムロボブサップ(20年度)以来となる史上5頭目のばんえい4歳シーズン三冠を達成。今後は古馬重賞戦線での活躍にも注目です。
 手綱を取った鈴木恵介騎手はヤングチャンピオンシップ(ライジンサン)、帯広記念(メジロゴーリキ)に続き、年末年始の重賞で3連勝を飾りました。

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鈴木恵介騎手「近走いい結果を出せてなかったので不安でしたが、今日は馬の力で勝つことができたと思います。三冠(がかかっていた)ということもあり、近走いいレースができてなかったこともあり、若干プレッシャーはありました。パドックでも今日は落ち着いていたので、馬任せで騎乗しようと思い、馬なりでレースをしました。(前へ)行って障害でミスするのは嫌だったので、降りてからはあれだけ歩ける馬なのでそこを信じて騎乗しました」

1/2帯広記念回顧

メジロゴーリキが今季初勝利で重賞10勝目

 1月2日(火)には重賞・帯広記念(4歳以上オープン)が行われ、単勝4番人気のメジロゴーリキが、1番人気メムロボブサップを振り切っての勝利となりました。

【出走馬】※カッコは負担重量、右の数字は単勝最終オッズ
 1.ミノルシャープ(890) 54.4
 2.センリョウボス(900) 101.5
 3.インビクタ(910) 28.9
 4.メムロボブサップ(930) 1.6
 5.コマサンブラック(900) 12.1
 6.メジロゴーリキ(900) 12.8
 7.アオノブラック(920) 2.7
 8.コマサンエース(900) 42.5
 9.コウテイ(900) 48.1

 単勝1番人気に支持されたのはメムロボブサップ。今季10戦8勝(うち重賞3勝)、2着1回とほぼパーフェクトな成績で、2着だった昨年と同じトップハンデ930キロでも単勝1.6倍と断然の人気。昨年のこのレースを制し、今季重賞2勝と充実のアオノブラックが2.7倍の2番人気でこの2頭に人気が集中。昨年のこのレース3着で2連勝中のコマサンブラック、今季重賞2着4回のメジロゴーリキが人気で続きました。

 第1障害をメムロボブサップが最初に越えると、コマサンブラックが位置取りを上げ、メジロゴーリキ、アオノブラックも追走。コウテイも位置取りを上げ、中間点を過ぎたあたりでは先頭に立ちます。900キロ前後の高重量戦ともあって各馬慎重な脚取り。メムロボブサップ、コマサンブラック、メジロゴーリキ、コウテイがほとんど同時に第2障害下に到達。前半は72秒というペースで流れました。
 第2障害ではコウテイが最初に仕掛け、すんなりとひと腰で通過。メジロゴーリキが差のない2番手で、メムロボブサップは3番手でクリア。その後ろは離れてコマサンエース、ミノルシャープと続きます。
 障害を降りた勢いでメジロゴーリキが先頭に立つと、じわじわと後続に差をつけます。メムロボブサップが追走しましたが、メジロゴーリキは脚色衰えることなく歩き切って先頭でゴール。メムロボブサップは2年連続2着。コウテイも離されず3着に入り、先行3頭での決着となりました。

 勝ったメジロゴーリキは、昨年2月のチャンピオンカップ以来の勝利で重賞10勝目。帯広記念は4年連続の挑戦で初制覇となりました。シーズン最後の大一番・ばんえい記念では2年ぶり2度目の制覇に期待がかかります。

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鈴木恵介騎手「ハンデがあったのでそれをどういうふうに生かせるか考えて騎乗しました。今日はスタートから出がよく、道中の手ごたえもよかったし、障害ではいいカカりをしてひと腰で上がってくれました。ハンデがある分、今日は歩いてくれたので何とかなるかなと思っていました」

12/30ヤングチャンピオンシップ回顧

2023年12月31日(日)

釧路産駒ライジンサンが制す

 12月30日(土)には重賞・ヤングチャンピオンシップ(2歳、産駒特別選抜)が行われ、単勝2番人気のライジンサンが優勝。障害6番手から勢いよく抜け出し、2歳シーズン二冠目を制しました。

【出走馬】※カッコは負担重量、右の数字は単勝最終オッズ
 1.アヤノダイマオー(600) 2.1
 2.ウルトラコタロウ(600) 4.5
 3.トカチヒロ(590) 20.8
 4.クリスタルイプセ(580) 88.8
 5.ディーホワイト(590) 59.3
 6.グランドスターダム(600) 7.2
 7.ミチシオ(600) 41.9
 8.ライジンサン(600) 3.6
 9.コトブキテンザン(600) 27.1
 10.フレイムファースト(600) 34.3

 ナナカマド賞馬ホクセイポルシェが不在で混戦模様。1番人気に支持されたのはナナカマド賞、十勝産駒特別ともに2着のアヤノダイマオーで単勝2.1倍。釧路産駒特別、2歳A級-1組と連勝中のライジンサンが3.6倍で2番人気。十勝産駒特別でアヤノダイマオーを下しているウルトラコタロウが4.5倍の3番人気で続き、南北海道産駒特別2着で、前走はアヤノダイマオーと差のない3着だったグランドスターダムが7.2倍で4番人気となりました。

 ディーホワイトが第1障害を勢いよく最初に越え、グランドスターダム、ウルトラコタロウ、アヤノダイマオーが追走。果敢に逃げたディーホワイトが後続を引き離したまま前半36秒というハイペースで第2障害下に到達します。
 2番手以下が続々と第2障害下に揃うなか、息を入れたディーホワイトが最初に仕掛けるとそのままひと腰でクリア。ウルトラコタロウもすんなり障害を越え、トカチヒロ、グランドスターダム、フレイムファースト、ライジンサンと続きます。
 ディーホワイトにトカチヒロとウルトラコタロウが並びかけようとしたところ、一気の脚で追い上げてきたライジンサンが、残り30メートルあたりで並ぶ間もなく抜き去るとそのまま後続を引き離し、追ってきたフレイムファーストを振り切って先頭でゴール。3着にはウルトラコタロウが入りました。1番人気アヤノダイマオーは障害9番手から一旦は追い上げましたが9着でした。

 勝ったライジンサンは、一冠目のナナカマド賞は6着でしたが、今回は目の覚めるような脚を披露し初のタイトルを獲得。これで3連勝と充実しており、三冠目のイレネー記念にも期待がかかります。また、管理する大河原和雄調教師は開業6年目でうれしい重賞初制覇となりました。

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鈴木恵介騎手「障害もいいですし、降りてからの脚もあるので道中置いていかれないようにと考えていました。ある程度思った通りの位置が取れたので、上手くいったら勝てるかなと思っていました。馬の能力が良いのかなと思います。(三冠目のイレネー記念も)頑張ります」

12/29ばんえいダービー回顧

3歳王者はタカラキングダム

 12月29日(金)には重賞・ばんえいダービー(3歳オープン)が行われ、単勝5番人気のタカラキングダムが優勝。障害3番手から差し切り最後の一冠を制しました。

【出走馬】※カッコは負担重量、右の数字は単勝最終オッズ
 1.キタノミネ(730) 77.3
 2.ジェイヒーロー(730) 出走取消
 3.ホウエイチャン(730) 15.5
 4.アシュラダイマオー(730) 36.2
 5.タカラキングダム(730) 19.9
 6.ジェイライフ(730) 75.0
 7.ホクセイタイヨウ(730) 4.9
 8.キョウエイプラス(730) 49.0
 9.マルホンリョウユウ(730) 1.3
 10.スーパーチヨコ(710) 10.9

 ジェイヒーローが出走取消で9頭立て。注目を集めたのは、ばんえい大賞典、ばんえい菊花賞ともに制し、三冠に王手をかけるマルホンリョウユウ。定量730キロの今回は単勝1.3倍で断然人気。二冠とも2着のホクセイタイヨウが4.9倍で2番人気。ほかは10倍以上で、ばんえいオークス2着のスーパーチヨコ、今季5勝と力をつけているホウエイチャン、ナナカマド賞勝ち馬タカラキングダムと続きました。

 第1障害をホクセイタイヨウがわずかに先頭で越え、マルホンリョウユウ、ジェイライフ、スーパーチヨコらも先行。ホウエイチャン以外の8頭がほとんど差なく進みます。各馬軽快に第2障害へと向かい、ホクセイタイヨウ、マルホンリョウユウ、スーパーチヨコがほとんど同時に障害下へと到達。ここまで54秒というペースで流れました。
 第2障害ではスーパーチヨコが最初に仕掛け、後続も続々と登坂を開始。2番手で仕掛けたマルホンリョウユウがすんなりひと腰先頭で、スーパーチヨコが差のない2番手でクリア。タカラキングダム、ホクセイタイヨウ、キタノミネの順で続きます。
 マルホンリョウユウが降りた勢いのまま先頭でしたが、徐々に差を詰めてきたタカラキングダムが残り10メートルあたりで交わすと、そのまま押し切って先頭でゴール。障害を降りてからの脚色が良かったホクセイタイヨウがマルホンリョウユウをわずかにとらえて2着。ゴール前は3頭接戦の決着でした。

 勝ったタカラキングダムは、2歳シーズンにはナナカマド賞含め9勝を挙げた実力馬。今季ここまでとかちダービーの1勝のみと、同世代相手ではハンデを課され、自己条件ではクラスの壁で結果が出ていませんでしたが、三冠最終戦で見事復活の勝利となりました。
 ホクセイタイヨウは三冠すべて2着。マルホンリョウユウは三冠とはなりませんでしたが、勝ち馬とはコンマ6秒の僅差。引き続きこの世代の中心的存在であることは変わりません。

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金田利貴騎手「うれしい気持ちとびっくりした気持ちがあります。(初騎乗でしたが)激しく乗れば応えてくれそうな馬だと思っていたので、上手くいったのかなと思っています。馬場が軽いことで、この馬にもチャンスがあると思っていました。障害が課題だと思っていましたが、ひと腰目が勢いよく、止まらずに上がってくれました。ちょっと届かないかと思ったんですけど、ゴール際で近づいて、ちょっとでも前に出てくれればと思っていました」

12/3ばんえいオークス回顧

2023年12月 4日(月)

充実ルイズが重賞初制覇

 12月3日(日)には重賞・ばんえいオークス(3歳牝馬オープン)が行われ、単勝2番人気のルイズが逃げ切って勝利。2度目の重賞挑戦での初タイトルで、見事3歳女王の座に就きました。

【出走馬】※カッコは負担重量、右の数字は単勝最終オッズ
 1.リバティクイーン(670) 51.7
 2.ルイズ(670) 2.6
 3.ココロホマレ(670) 53.7
 4.タカラヴェルベーヌ(670) 25.9
 5.ミュウ(670) 23.1
 6.バンユウジョオー(670) 55.4
 7.ゴールドクイーン(670) 39.3
 8.アバシリモミジ(670) 11.4
 9.ベニサクラ(670) 10.9
 10.スーパーチヨコ(670) 1.8

 3歳牝馬女王を決める争いで、単勝1番人気に支持されたのは、昨季黒ユリ賞を制したスーパーチヨコ。10月の秋桜賞では、のちの3歳二冠馬マルホンリョウユウに僅差2着と好走しており、同世代の牝馬相手ならと単勝1.8倍の支持を集めました。ルイズは黒ユリ賞では4着に敗れましたが、今季は出走馬最多の5勝と充実。今季に入ってから馬体重も1000キロの大台を超え、単勝2.6倍の2番人気に。この2頭に人気が集中し、以下は黒ユリ賞2着のベニサクラ、前走で今季3勝目を挙げたアバシリモミジ、黒ユリ賞3着のミュウと続きました。

 第1障害を越えて先行したルイズが3、4馬身ほど抜け出し、2番手以下はアバシリモミジ、リバティクイーン、ミュウらがほぼ横一線という形でレースが進みます。ルイズは道中行きたがる様子を見せ、手綱を取る鈴木恵介騎手が我慢させて刻むシーンもありましたが、前半70秒というペースで第2障害を直行、ひと腰でクリアします。ベニサクラ、スーパーチヨコが離れた2、3番手で障害を通過し、さらに離れてタカラヴェルベーヌ、ミュウと続きます。
 懸命に逃げ込みを図るルイズに、ベニサクラ、スーパーチヨコの8枠2頭が競り合いながら追い上げてきます。ゴール前では3頭の接戦となりましたが、ルイズがスーパーチヨコをわずかに振り切って重賞初制覇。3着にはベニサクラが入り、上位人気3頭の決着となりました。

 勝ったルイズは、黒ユリ賞以来2度目の重賞挑戦で世代女王の座に。今季は15戦して3着以内13回と安定感抜群。管理する槻舘重人調教師は21年8月のばんえい大賞典をイオンで制して以来、久々の重賞勝利となりました。ばんえいダービーを含め牡馬相手の重賞でも好勝負を期待したいところです。
 また、手綱を取った鈴木恵介騎手はばんえい大賞典、ばんえい菊花賞をマルホンリョウユウで制しており、今季の3歳重賞をここまで3戦全勝としています。

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鈴木恵介騎手「いつも道中折り合いをつけるのが難しい馬ですが、荷物が荷物なので上手く折り合いがつけばなんとかなるかなと思っていました。なるべく馬とケンカしないように、止まっている状態を長く保てていたので良かったと思います。いつも障害の下も(止まらず)行ってしまう馬なので、それを想定して手前で多めに止めて、馬が行く気ならそれに任せて行こうと思いました。いつもよりは途中まで歩いていてくれましたが、ゴール前で外の馬が追い込んできたのが見えたときには、厳しいかなと思いましたが、よく粘ってくれました。ゴール前は勝ったか負けたかわからなかったので、レース後に勝っていたのをテレビで見てホッとしました」

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