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12/29ばんえいダービー回顧

キングフェスタが末脚発揮し圧勝

 12月29日(木)には重賞・ばんえいダービー(3歳)が行われ、キングフェスタが断然人気に応え圧勝。昨季に続いて世代の頂点に立ちました。

【出走馬】※カッコは負担重量、右の数字は単勝最終オッズ
 1.ピュアリーナナセ(710) 72.7
 2.レグルス(730) 14.7
 3.ヘッチャラ(730) 8.4
 4.ダイヤカツヒメ(710) 34.9
 5.ヤマノコーネル(730) 20.0
 6.キングフェスタ(730) 1.4
 7.トワイチロ(720) 29.1
 8.ツガルノヒロイモノ(730) 37.5
 9.クリスタルコルド(730) 32.5
 10.ヤマカツエース(730) 5.4

 単勝1番人気は3月のイレネー記念を含む重賞4勝と、断然の実績があるキングフェスタ。3歳二冠目・ばんえい菊花賞では最大50キロ差のトップハンデ730キロを課されながら完勝しており、730キロ定量になる今回は単勝1.4倍と断然の人気。2歳時にヤングチャンピオンシップを制したヤマカツエースが2番人気。重賞勝ちはないものの2、3着各3回と安定のヘッチャラが3番人気。以下、3連勝中と勢いに乗るレグルス、ばんえい菊花賞2着のヤマノコーネルと続きました。

 レースはキングフェスタが第1障害を先頭で越えますが、ひと息入れたところでダイヤカツヒメとヘッチャラが交わして先行。ヤマカツエース、クリスタルコルド、ツガルノヒロイモノの外3頭も位置取りを上げてきます。馬場水分2.3%で比較的軽い馬場のなか、前は軽快に進み、ヘッチャラが先頭で第2障害下に到達。レース前半は40秒で進みました。
 第2障害下に全馬そろう前に、ひと息入れたヘッチャラが仕掛けるとすんなりと先頭でクリア。続いた外3頭のなかからヤマカツエースがひと腰2番手で続き、キングフェスタ、ツガルノヒロイモノ、クリスタルコルドの順で障害を越えました。
 障害を越えて一気の脚で追い上げたのがキングフェスタ。ばんえい菊花賞の再現のように抜け出すと、そのまま後続を突き放し、圧倒的な支持に応える勝利となりました。2着争いは際どい勝負となりましたが、ヘッチャラがヤマカツエースを振り切って2着に入りました。なお、12月10日にデビューを果たしたばかりのルーキー・中村太陽騎手が手綱を取ったヤマノコーネルは4着でした。

 勝ったキングフェスタは、一冠目・ばんえい大賞典には出走せず、今季の始動は10月で、ばんえい菊花賞、ばんえいダービーと重賞を連勝。2歳シーズンに続いて二冠制覇となりました。ばんえいダービーの勝ち馬には13年オレノココロ、14年ホクショウマサル、15年センゴクエース、17年メジロゴーリキなど、のちにばんえい記念を制した馬も多数おり、キングフェスタもいずれはばんえい競馬を代表する存在になりそうです。
 また、手綱をとった鈴木恵介騎手にとってこの勝利が重賞88勝目。金山明彦元騎手(現調教師)がもつ最多重賞勝利数記録(87勝)を塗り替える快挙達成となりました。

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鈴木恵介騎手「今日はノーハンデだったので、絶対はないですが、勝たなければいけないと思ってレースに挑みました。(時計が出る馬場は)割り切っていたので、周りを見ながら、馬と相談しながらレース運びはしました。位置取り的には良かったですが、第2障害手前から少し(馬が)障害につきたくないなという感じはありましたが、それでも立て直してくれました。降りてからは歩ける馬なので、障害さえ上がればそんなに慌てることはないなと思って乗っていました。来年からは古馬とも戦っていけるのかなと思っているので、相談しながら挑んでいきたいと思います」

12/4ばんえいオークス回顧

2022年12月 6日(火)

伏兵ダイヤカツヒメが早め先頭から押し切る

 12月4日(日)には重賞・ばんえいオークス(3歳牝馬)が行われ、単勝9番人気のダイヤカツヒメが優勝。障害2番手から勢いよく抜け出しました。

【出走馬】※カッコは負担重量、右の数字は単勝最終オッズ
 1.スイ(670) 21.6
 2.ダイヤカツヒメ(670) 82.5
 3.サツキヤッテマレ(670) 23.9
 4.ホクセイサクランボ(670) 7.8
 5.シンエイアロイ(670) 5.5
 6.サウスグリン(670) 25.9
 7.ニシキマリン(670) 6.9
 8.スーパードリーム(670) 51.5
 9.アローリキヒメ(670) 115.7
 10.ピュアリーナナセ(670) 1.5

 定量670キロで争われる3歳女王決定戦。単勝1番人気は黒ユリ賞を制し、2歳女王に輝いたピュアリーナナセ。出走メンバー中最上位のB1格付けであることからも単勝1.5倍と圧倒的な支持を集めました。B2格付けで、前走がピュアリーナナセの2着だったシンエイアロイと、同3着ニシキマリンがそれぞれ2、3番人気。ここ2走は掲示板外も、今秋3連勝しているホクセイサクランボが4番人気で、ここまでが単勝ひと桁台となりました。

 勢いよくダイヤカツヒメが第1障害を越えて先行し、スイ、サツキヤッテマレが追走。サウスグリンとニシキマリンも位置取りを上げますが、断然人気のピュアリーナナセは後方からのレースとなります。前は軽快な歩みで、ダイヤカツヒメとニシキマリンがほとんど同時に先頭で第2障害下に到達。前半は35秒とかなり速いペースで流れました。
 ひと息入れたニシキマリンが最初に仕掛けるとそのままひと腰でクリアし、ダイヤカツヒメが差のない2番手。サツキヤッテマレとスーパードリームがほとんど同時に3番手で続き、スイ、サウスグリン、シンエイアロイが追いかける展開となります。
 障害を越えてすぐにダイヤカツヒメが先頭に立つと、後続を引き離します。内からスイがじわじわと差を詰めにかかりますが、ダイヤカツヒメが1馬身半ほどの差を保ってゴール。スイは2着。3着争いは3頭の接戦でしたが、障害10番手から一気に追い込んできたホクセイサクランボがわずかに抜け出しました。なお、障害で苦戦したピュアリーナナセは伸び脚も見られず10着でした。

 勝ったダイヤカツヒメは、前走でB3に昇級したばかりで、単勝は9番人気でしたが、昨季は黒ユリ賞で2着に好走し、イレネー記念にも出走した実績馬。同世代の牝馬同士の対戦で、その評価を覆しての勝利となりました。

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赤塚健仁騎手「先行して障害を先に降りてどこまで逃げれるかな、と思っていましたが、最後まで逃げられたのは驚きでした。馬場が軽く、馬も軽い方が得意なので、障害まではいい勢いで行ってくれたので楽な感じでした。障害の下で少し息を入れて、うまく上がってくれたのがよかったです。ゴール前まできっちり粘って頑張ってくれているところが成長だと思います」

11/27ドリームエイジカップ回顧

2022年11月29日(火)

8歳メジロゴーリキが逃げ切る

 11月27日(日)には重賞・ドリームエイジカップ(4歳以上馬齢選抜)が行われ、単勝6番人気のメジロゴーリキが勝利。ゴール前で迫るカイセドクターを振り切っての逃げ切りでした。

【出走馬】※カッコは負担重量、右の数字は単勝最終オッズ
 1.キョウエイリュウ(760) 94.1
 2.メムロボブサップ(800) 1.7
 3.ミノルシャープ(770) 21.6
 4.メジロゴーリキ(770) 22.2
 5.カイセドクター(770) 77.8
 6.アオノブラック(790) 4.2
 7.キタノユウジロウ(760) 5.3
 8.マサタカラ(730) 8.5
 9.コウシュハレガシー(780) 36.3
 10.ネオキングダム(740) 189.8

 4~7歳、そして8歳以上の各世代から2頭ずつ賞金上位馬が選抜される世代対抗戦。今季10戦して6勝(うち重賞2勝)、2着3回と安定感抜群の6歳メムロボブサップが当レース史上初めて800キロを課されながら単勝1.7倍の断然人気に支持されました。同じ6歳で今季メンバー最多の重賞3勝を挙げているアオノブラックが2番人気。北見記念3着で別定760kgと恵まれた7歳キタノユウジロウが3番人気。最軽量730キロの4歳マサタカラが4番人気で、ここまでが単勝ひと桁台となりました。

 第1障害を越えてメムロボブサップが先行し、メジロゴーリキが差なく追走。キョウエイリュウ、カイセドクター、ミノルシャープが続きますが、レース序盤から各馬ばらけた展開になります。中間点を過ぎたあたりからメジロゴーリキが先頭に立つと、ムチで気合をつけながら最初に第2障害下に到達。ここまで39秒とハイペースで流れました。
 2、3番手追走のカイセドクターとミノルシャープが第2障害下に到達すると、ひと息入れたメジロゴーリキが最初に仕掛け、そのままひと腰先頭で通過。カイセドクターが続き、断然人気のメムロボブサップは3番手でクリア。やや離れてミノルシャープとアオノブラックが続きました。
 2番手から追いかけるカイセドクターが徐々にメジロゴーリキとの差を詰めましたが、最後は脚色が一緒になり、メジロゴーリキが半馬身ほどの差を保ったまま、カイセドクターを振り切っての勝利。3着に1番人気のメムロボブサップが入りましたが、3連単で20万9880円という波乱の決着。2番人気アオノブラックは4着でした。

 勝ったメジロゴーリキはこれが今季2勝目。10月以降の4戦が掲示板外だったこともあり単勝では6番人気でしたが、今年3月のばんえい記念以来となる重賞8勝目としました。1月の帯広記念は過去2回とも2着惜敗でしたが、三度目の正直となるか、期待がかかります。

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西謙一騎手「自分でもびっくりしています。朝、調教師と話して、こういう形で行こう(先行)と決めていました。馬場が軽すぎたのでこの馬には不向きかなと思い、行けるところまで行こうと思いました。馬もだいぶやる気で、最後詰められたときにはどうかなと思いましたが、最後まで頑張ってくれました。これから帯広記念とばんえい記念があるので、そこに向けてまた頑張りたいと思います」

11/13クインカップ回顧

2022年11月14日(月)

オークス馬サクラヒメが完勝

 11月13日(日)には重賞・クインカップ(4歳牝馬オープン)が行われ、サクラヒメが断然人気に応えて勝利。3歳時にばんえいオークスを制し、4歳でも女王の座を不動のものにしました。

【出走馬】※カッコは負担重量、右の数字は単勝最終オッズ
 1.ブルーレジーナ(690) 24.0
 2.アバシリサクラ(690) 26.5
 3.ニュクス(690) 54.7
 4.ミソギホマレ(720) 7.9
 5.チハヤブル(690) 22.1
 6.アアモンドカズミ(690) 13.6
 7.サクラシュンカ(700) 8.8
 8.サクラヒメ(720) 1.3
 9.ミラクルクイーン(690) 45.6
 10.ジェイマリア(690) 43.9

 単勝1番人気は前哨戦・紅バラ賞を圧勝したサクラヒメ。紅バラ賞より重量面で恵まれたここは単勝1.3倍と圧倒的な支持を集めました。紅バラ賞は10着も牡馬相手の銀河賞を制しているミソギホマレが2番人気。今季7月から掲示板を外さない成績で、紅バラ賞も2着だったサクラシュンカが3番人気、7戦連続で連対中と地力強化がうかがえるアアモンドカズミが4番人気で続きました。

 第1障害を越えてまず先行したのはチハヤブルで、アバシリサクラが差がなく追走。ブルーレジーナ、サクラシュンカ、アアモンドカズミも位置取りを上げ、断然人気のサクラヒメはその後ろにつけます。中間点を過ぎたあたりでブルーレジーナが先頭に立ちますが、これをチハヤブルがすぐ交わすとそのまま先頭で第2障害下に到達。ここまで41秒と比較的速いペースで流れました。
 チハヤブルはひと息入れてすぐに障害に仕掛けますが、天板に差し掛かったところで膝をついてしまいます。続いたアアモンドカズミ、サクラシュンカ、ブルーレジーナも障害で苦戦するなか、5番手で仕掛けたサクラヒメがすんなりひと腰先頭でクリア。アバシリサクラと立て直したサクラシュンカが続き、そのうしろは少し離れてジェイマリア、ニュクス、ミソギホマレの順で障害を越えていきます。
 先頭のサクラヒメは障害を降りてからも力強く歩を進めると、後続を寄せ付けず圧巻のゴール。2番手のアバシリサクラは懸命に粘りますがゴール前で一杯になり、6番手から一気に追い上げたミソギホマレがこれを交わして2着。立て直したアバシリサクラが3着に入りました。

 勝ったサクラヒメは、ばんえい菊花賞、ばんえいオークスに続いて重賞3勝目。今シーズン、3連勝で臨んだ柏林賞ではゴール前で転倒し、競走中止となりましたが、その後再び3連勝。同世代の牝馬同士では圧倒的な強さを見せています。牡馬相手にも引けを取らない実績だけに、年明けの天馬賞でも注目となりそうです。

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渡来心路騎手「ここを目標にしていたので(勝てて)ホッとしています。馬場が軽かったので流れがすごく速くなるなとは思っていましたが、馬に任せてレースができれば勝てると思っていたので良かったです。ハンデも結構あったので少し息を入れて、降りてからいい脚があるので焦らずにいきました。馬体が成長してますし、レースを馬自身が組み立ててくれるので、馬に任せていればいいと思います」

11/6ばんえい菊花賞回顧

2022年11月 7日(月)

2歳王者キングフェスタが実力の違い示す

 11月6日(日)には重賞・ばんえい菊花賞(3歳オープン)が行われ、単勝2番人気のキングフェスタが優勝。障害5番手通過から一気に抜け出す圧勝劇でした。

【出走馬】※カッコは負担重量、右の数字は単勝最終オッズ
 1.ヘッチャラ(720) 15.0
 2.ホクセイサクランボ(680) 32.7
 3.トワイチロ(700) 26.9
 4.ヤマノコーネル(700) 5.3
 5.キングフェスタ(730) 2.8
 6.ヤマカツエース(720) 2.3
 7.ピュアリーナナセ(680) 42.9
 8.レグルス(690) 82.9
 9.クリスタルコルド(720) 14.9
 10.ツガルノヒロイモノ(710) 19.8

 単勝1番人気は前哨戦・秋桜賞をトップハンデで勝利したヤマカツエース。4戦連続で連対中と近走好調なことからも単勝2.3倍と高い支持を集めました。イレネー記念など重賞3勝の2歳チャンピオン・キングフェスタがトップハンデながら2番人気。秋桜賞2着で、重量面で恵まれたヤマノコーネルが3番人気。この3頭が単勝ひと桁台で人気を集めました。

 第1障害を先頭で越えたのはキングフェスタで、ヤマカツエース、クリスタルコルドが追走。前は横一線で、何度も先頭が入れ替わりながら軽快に進み、トワイチロとクリスタルコルドがほとんど同時に第2障害下に到達。レース前半は52秒で流れました。
 第2障害下に10頭全馬が揃い、最初に仕掛けたのはホクセイサクランボでしたが、登坂途中でひと息。後続も一斉に仕掛けると、レグルスが先頭でクリアし、ほとんど差なくクリスタルコルド、ヤマカツエース、ツガルノヒロイモノと続きます。
 障害5番手で通過したキングフェスタが残り30メートルで一気に抜け出し、後続を引き離してゴール。5頭による2番手争いのなか、キングフェスタと差のない障害6番手から追い上げたヤマノコーネルが残り10メートルで抜け出して2着。3番手で粘るレグルスをクリスタルコルドがゴール前で交わして3着。1番人気のヤマカツエースはゴール前一杯になって5着でした。

 勝ったキングフェスタの今季始動は10月。復帰初戦の軽量戦・疾風賞で2着に好走。前走の秋雲特別(オープン-2組混合)では7着に敗れていましたが、叩き3走目の今回、トップハンデをモノともせず、圧巻の歩みで同世代を完封。ナナカマド賞、翔雲賞、イレネー記念に続き4つ目のタイトルを獲得しました。12月のばんえいダービーは定量戦だけに、2歳シーズンに続く二冠制覇も大いに期待できるでしょう。

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鈴木恵介騎手「終わってみればやっぱり強かったです。どうしてもハンデ面が心配でした。ずっと(レースを)使ってない分、どこまでレース感覚が戻っているかなと心配していましたが、工藤厩務員が最高の仕上げをしてくれました。ハンデがある分、馬も少ししんどそうでしたが、それなりに対応してくれました。障害は結構スムーズに上がれました。降りてからは相当反応も良かったので、逆に乗ってる方がびっくりさせられました。今日は勝てて自分がびっくりしているのですが、あとは(一番の目標である)ばんえいダービーを狙ってなんとか優勝したいです」

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