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重賞(特別)回顧 アーカイブ

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10/30北見記念回顧

2022年11月 1日(火)

アオノブラックが連覇達成

 10月30日(日)には重賞・北見記念(3歳以上オープン)が行われ、単勝1番人気のアオノブラックが優勝。昨年に続く連覇を達成し、重賞10勝目を挙げました。

【出走馬】※カッコは負担重量、右の数字は単勝最終オッズ
 1.カイセドクター(860) 31.0
 2.キタノユウジロウ(850) 8.1
 3.アオノブラック(870) 2.5
 4.メジロゴーリキ(860) 3.7
 5.ミノルシャープ(860) 5.2
 6.マツカゼウンカイ(850) 28.7
 7.ゴールデンフウジン(860) 13.2
 8.コマサンブラック(850) 45.0
 9.キョウエイリュウ(850) 63.0
 10.インビクタ(870) 10.7

 重賞2勝を含む今季5勝の実力馬メムロボブサップが不在となりましたが、フルゲート10頭が参戦。今季重賞2勝で、このレース連覇を狙うアオノブラックがトップハンデながら単勝2.5倍で1番人気。20年1着、21年2着とこのレースと相性がよいメジロゴーリキが2番人気。ばんえいグランプリ3着、岩見沢記念2着と復調うかがえるミノルシャープ、昨季重賞2勝の実績馬キタノユウジロウが人気で続き、ここまでが単勝ひと桁台のオッズとなりました。

 アオノブラックが第1障害でバランスを崩したものの先頭で越え、カイセドクター、ミノルシャープ、キタノユウジロウらが差なく追走。850~870キロの高重量戦ともあって、各馬慎重に歩を刻み、何度も先頭が入れ替わりながら進んでいきます。中間点を過ぎてからも前はほとんど横一線で、カイセドクター、キタノユウジロウ、ミノルシャープ、ゴールデンフウジンがほぼ同時に第2障害下に到達。ここまで71秒とゆったりとしたペースで流れました。
 障害下で各馬じっくりと脚を溜め、まずインビクタが最初に仕掛けますが、登坂途中で膝をついてしまいます。連れて仕掛けた内の5頭のなかからアオノブラックがひと腰先頭でクリア。少し離れてキタノユウジロウ、ゴールデンフウジン、ミノルシャープ、コマサンブラックの順で障害を通過しました。
 逃げるアオノブラックは残り20メートルで止まると、キタノユウジロウとゴールデンフウジンが迫ります。しかし立て直したアオノブラックがそのまま押し切って勝利。2番手のキタノユウジロウはゴールを通過する寸前で一杯になり、ゴールデンフウジンが交わして2着。立て直したキタノユウジロウが3着に入りました。なお障害で遅れたメジロゴーリキは6着。インビクタは第2障害を越えられず、競走中止となりました。

 勝ったアオノブラックは、今季ばんえい十勝オッズパーク杯、北斗賞に続く重賞3勝目、通算では重賞10勝となりました。トップハンデでの価値ある勝利で、このあと帯広記念、ばんえい記念と続く高重量戦では、あらためてライバル・メムロボブサップとの再戦が楽しみになりました。

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藤野俊一騎手「馬場が少し落ち着いたので、慌てないで他の馬と一緒に行こうと考えていました。(第1障害の)上のほうで、少しぐらつきましたが我慢して登ってくれました。(残り20メートルで止まったことについて)ハンデも一番重いので辛抱はできないかなと思っていましたが、計算には入っていました。今年は夏場はレースを休ませて、秋口には順調に回復してくれました。障害力と降りてからの力強さが特徴の馬です。今日の賞金加算でハンデが増えますのでまた頑張っていきます」

10/16ナナカマド賞回顧

2022年10月17日(月)

タカラキングダムが2歳一冠目を制覇

 10月16日(日)には重賞・ナナカマド賞(2歳オープン)が行われ、単勝2番人気のタカラキングダムが優勝。障害先頭から後続を寄せ付けず、2歳シーズン三冠の初戦を制しました。

【出走馬】※カッコは負担重量、右の数字は単勝最終オッズ
 1.ホクセイスーパー(570) 46.8
 2.タカラキングダム(580) 2.5
 3.ジェイヒーロー(580) 24.7
 4.コーワクイーン(560) 17.6
 5.マルホンリョウユウ(570) 4.7
 6.ニシキエース(570) 106.1
 7.タイヨウ(570) 43.4
 8.アバシリモミジ(550) 58.4
 9.コーワホープ(570) 62.5
 10.キョウエイプラス(580) 2.1

 2歳世代最初の重賞にフルゲート10頭が参戦。1番人気に支持されたのは牡馬限定の特別戦・青雲賞の勝利を含め最多の7勝を挙げるキョウエイプラスで単勝2.1倍。近3戦で同馬と1、2着を分け合っているタカラキングダムが差のない2番人気。近2戦で上記2頭に続く3着も10キロ軽いマルホンリョウユウが4.7倍の3番人気で、この3頭が人気を集めました。

 第1障害を降りて先行したのはタカラキングダムで、ジェイヒーロー、マルホンリョウユウ、コーワクイーンらが追走。1.9%の馬場水分のなか各馬軽快に歩を進めますが、中間点を過ぎたあたりからタカラキングダムが後続を引き離して先頭で第2障害下に到達。ここまで40秒と比較的速いペースで流れました。
 2番手以下が続々と障害下に到達するなか、ひと息入れたタカラキングダムが仕掛けると難なくひと腰で障害をクリア。やや離れてキョウエイプラス、ジェイヒーローもひと腰で続き、その後ろはタイヨウ、アバシリモミジという順で追いかける展開となりました。
 タカラキングダムはその後も脚色は衰えず、十分なリードをとったまま押し切って勝利。2番手のキョウエイプラスも止まらず歩いたものの、差を詰めることができず2着。3着争いは5頭による接戦となりましたが、障害9番手から追い上げたマルホンリョウユウが制し、人気上位3頭による決着となりました。

 勝ったタカラキングダムは、ここ2走キョウエイプラスに惜敗していましたが、見事重賞の舞台で雪辱を果たしました。また父キタノオーロラにとっては3世代目の産駒で重賞初制覇となりました。
 2着のキョウエイプラスは、1番人気に応えられなかったものの、デビューから9戦連続で連対。3着以下に差をつけたレース内容から、タカラキングダムとともに今後も2歳戦線を沸かしてくれそうです。

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島津新騎手「重量自体そんなに心配してなくて、馬もまっすぐさえ走ればいいところまでいけるなと思っていました。最近障害の下で結構落ち着いてくれることが多かったので、道中で止めるよりも障害の下で待った方が良いなという作戦で行きました。ここを目標にしていたので獲れてうれしいです。障害はスムーズに越えることができて、降りてからも衰えることなく、全然心配なくゴールできました。結構やんちゃなところがありますが、それが今はいい方向に向いているので、これから落ち着きも出てくればレースに集中できるし、力も発揮できると思います」

9/25銀河賞回顧

2022年9月26日(月)

牝馬ミソギホマレが重賞初制覇

 9月25日(日)には重賞・銀河賞(4歳オープン)が行われ、単勝3番人気のミソギホマレが優勝。障害先頭から難なく押し切る圧勝で、4歳シーズン二冠目を制しました。

【出走馬】※カッコは負担重量、右の数字は単勝最終オッズ
 1.オーシャンウイナー(740) 1.6
 2.マサタカラ(720) 10.2
 3.ミソギホマレ(710) 4.9
 4.アルジャンノオー(710) 16.0
 5.イワキダイヤ(720) 72.5
 6.リアンドノール(710) 73.7
 7.ネオキングダム(720) 83.3
 8.アバシリサクラ(690) 47.4
 9.コウシュハハリアー(710) 4.9
 10.マルモタイショウ(710) 45.5

 4歳シーズン一冠目・柏林賞を制し、世代最多の重賞4勝を挙げているオーシャンウイナーがトップハンデながら単勝1.6倍と断然の人気。前哨戦・山鳩賞3着など4戦連続で馬券圏内を確保しているコウシュハハリアー、3連勝で山鳩賞を勝利した牝馬ミソギホマレが単勝4.9倍で並びましたが、票数の差でコウシュハハリアーが2番人気に。柏林賞2着のマサタカラ、2歳時にヤングチャンピオンシップを制したアルジャンノオーが続き、あとは離れた人気となりました。

 オーシャンウイナーとミソギホマレが先行し、マサタカラが追走。アルジャンノオーとイワキダイヤもこれに続きます。中間点を過ぎてからは前は激しく入れ替わりながら進み、わずかにイワキダイヤが先頭で第2障害下に到達。前日までの降雨の影響で1.9%の馬場水分のなか、前半は51秒というペースで進みました。
 アバシリサクラとマルモタイショウが第2障害下に到達する前に、イワキダイヤが最初に登坂を開始しますが、途中で一息。連れて仕掛けたオーシャンウイナーも止まり、ミソギホマレがすんなりとひと腰で通過。立て直したイワキダイヤが2番手で、ネオキングダム、オーシャンウイナー、アルジャンノオーの順で続きます。
 ミソギホマレは障害を降りた勢いで後続に差をつけると、その後も脚色は衰えず。むしろ残り20メートルを過ぎてからは2番手のイワキダイヤをさらに引き離して圧巻のゴール。イワキダイヤは粘りを見せましたが、残り10メートルで一杯になると、止まらずに歩いたオーシャンウイナーがこれを交わして2着。立て直したイワキダイヤは3着でした。

 勝ったミソギホマレは、黒ユリ賞、ばんえい菊花賞で2着、イレネー記念、柏林賞で3着と好走歴はあったものの、これが重賞初制覇。10度目の重賞挑戦で悲願達成となりました。また牝馬としては04年サダエリコ以来、18年ぶりの銀河賞制覇となりました。残る一冠は翌年1月の天馬賞。同世代の牡馬相手に互角の勝負を続けているこの馬なら16年キサラキク以来、史上2頭目の牝馬による天馬賞制覇も期待できそうです。
 2着に敗れたオーシャンウイナーは、一冠目・柏林賞同様、最大50キロ差のトップハンデながら崩れなかったのは力がある証拠。定量の天馬賞で巻き返しを狙います。

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阿部武臣騎手「少し障害が苦手なところがあったので、重賞で重たい荷物を曳いたら膝を折ったりしてなかなか勝つことができなかったのですが、今日は上手くひと腰で越えてくれたので良かったです。(障害を)降りてからはいい脚が使えるので、(他の馬に)差されることはないと思っていたので降りた時点で勝ったな、とは思っていました。710キロだったのですが、夜になって馬場も軽くなってきたのでその分カバーもできるかなと思っていました。(残る一冠・天馬賞について)レースなのでやってみないと分かりませんが、優勝目指して頑張りたいと思います」

9/18岩見沢記念回顧

2022年9月20日(火)

最低人気インビクタが粘る

 9月18日(日)には重賞・岩見沢記念(3歳以上オープン)が行われ、9頭立て単勝9番人気のインビクタが優勝。障害先頭から最後まで粘りを見せて重賞初制覇を飾りました。

【出走馬】※カッコは負担重量、右の数字は単勝最終オッズ
 1.ミノルシャープ(820) 4.3
 2.インビクタ(820) 68.4
 3.マツカゼウンカイ(820) 13.6
 4.コウシュハレガシー(840) 14.7
 5.キョウエイリュウ(820) 61.8
 6.アオノブラック(840) 2.5
 7.メムロボブサップ(850) 2.7
 8.コマサンブラック(820) 55.0
 9.メジロゴーリキ(830) 12.0

 アオノブラックは今季ばんえい十勝オッズパーク杯、北斗賞を制覇。8月のばんえいグランプリを回避し、叩き2走目を迎える今回はライバル・メムロボブサップより10キロ重量が恵まれたことから1番人気に推されました。そのメムロボブサップは今季旭川記念、ばんえいグランプリの重賞2勝で、連対を外していないことからトップハンデながら差のない2番人気。前走での今季初勝利で復調がうかがえるミノルシャープが3番人気で、オッズでは三つ巴の様相になりました。

 夕方から小雨が降り、馬場水分は2.1%。まずアオノブラック、メムロボブサップの人気2頭が先行しますが、後続も差のない展開。各馬800キロ台前半の高重量戦ともあって慎重に刻みながら歩を進めますが、中間点を過ぎたあたりからインビクタが先頭に立ってそのまま最初に第2障害下に到達。ここまで52秒というペースでした。
 全馬が2障害下に揃う前にインビクタが果敢に仕掛けると、すんなりとひと腰で通過。後続はキョウエイリュウを除く7頭が一斉に仕掛けますが、そのなかからミノルシャープが2番手でクリアし、メジロゴーリキ、メムロボブサップと続きました。
 逃げるインビクタに一気に迫ったのがミノルシャープで、残り30メートルを過ぎたあたりで先頭に立ちます。しかし残り20メートルに差し掛かったところで一杯になると、再び先頭に立ったインビクタが粘り強い走りを見せ、そのまま押し切って勝利。立て直したミノルシャープが再び迫りましたがわずかに届かず2着。ミノルシャープに一旦は並びかけたメムロボブサップでしたが、ゴール直前で脚色が鈍ったところをメジロゴーリキがわずかにとらえて3着。結果的に上位は障害通過順での決着となりました。なお、1番人気のアオノブラックは障害6番手から追い上げるも5着でした。

 勝ったインビクタは、20年のポプラ賞、柏林賞で2着、今季の旭川記念でも3着と好走していましたが、これが重賞初制覇。ばんえいグランプリの競走中止もあってか、今回は9番人気でしたが、その評価を覆す粘り強さを見せました。メムロボブサップ、アオノブラックと同じ6歳で、今季力をつけている印象だけに、今後も古馬重賞戦線を賑わす存在になりそうです。

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船山蔵人騎手「先行馬なので前の方でレースができるように、また(障害の)天板で膝を折らないように気を付けていました。早くゴールが来てくれと思って追っていました。(ゴール前では)横に馬がいましたが、なんとか1番で駆け抜けてすごくうれしかったです」

8/28はまなす賞回顧

2022年8月29日(月)

3歳クリスタルコルドが接戦を制す

 8月28日(日)には重賞・はまなす賞(3、4歳オープン)が行われ、単勝3番人気のクリスタルコルドが優勝。しぶとい粘りを見せ、同じく3歳のヤマカツエースとの接戦を制しました。

【出走馬】※カッコは負担重量、右の数字は単勝最終オッズ
 1.ツガルノヒロイモノ(670) 3.8
 2.トワイチロ(670) 26.8
 3.ミソギホマレ(680) 2.4
 4.ヘッチャラ(690) 9.6
 5.マサタカラ(690) 40.4
 6.ヤマカツエース(680) 5.3
 7.ネオキングダム(690) 70.1
 8.クリスタルコルド(680) 4.8
 9.イワキダイヤ(690) 競走除外

 4歳イワキダイヤの競走除外により3歳5頭、4歳3頭の8頭立てとなった今年のはまなす賞。単勝1番人気は紅一点の4歳ミソギホマレ。柏林賞3着後、3連勝中と絶好調で2.4倍と高い支持を集めました。3歳のツガルノヒロイモノは1番人気に支持されたばんえい大賞典では9着でしたが、得意の軽馬場ならと2番人気。ばんえい大賞典を制した3歳クリスタルコルド、同5着も当時より重量が有利となった3歳ヤマカツエース、ばんえい大賞典3着を含め重賞で2、3着が続いている3歳ヘッチャラまでが単勝ひと桁台。4歳ミソギホマレに3歳馬がどう対峙するかが焦点となりました。

 全馬が勢いよくスタートし、ほとんど横並びで第1障害を越えます。ツガルノヒロイモノが一旦は抜けだしたものの、ミソギホマレ、トワイチロ、ヤマカツエースらが追走し、道中はほとんど横並びの展開。中間点を過ぎたあたりからクリスタルコルドが位置取りを上げると、わずかに先頭で第2障害下に到達。前日の雨の影響で馬場水分1.9%と軽馬場のレース前半は41秒とハイペースで流れました。
 第2障害ではひと息入れてクリスタルコルドが最初に仕掛けるとすんなりひと腰でクリア。連れて仕掛けたヘッチャラ、ヤマカツエースも差なく続き、ツガルノヒロイモノが4番手で通過。その後ろは離れ、優勝争いはこの3歳馬4頭に絞られます。
 障害を降りた勢いでヤマカツエースが先頭に立ちますが、後続の3頭も脚を伸ばし、激しい叩き合いになります。残り10メートル手前でツガルノヒロイモノ、さらにヘッチャラが劣勢となり、最後はヤマカツエースとクリスタルコルドの争いに。ゴール前、クリスタルコルドがヤマカツエースをとらえたところがゴール。3着にはヘッチャラが入り、3歳馬が上位を独占しました。

 勝ったクリスタルコルドは、ばんえい大賞典に続いて重賞を連勝。今シーズンは世代ナンバーワンのキングフェスタの出走がまだありませんが、残る二冠(ばんえい菊花賞、ばんえいダービー)での対戦に期待したいところです。

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西謙一騎手「切れがそこまである馬ではないので、(馬場が)軽すぎて正直ダメかなと思っていましたが、馬が頑張ってくれました。最後までしぶとく歩いてくれるのでその辺は何も心配しませんでした。安定して成績を残してくれるのが一番の強みです。これからクラスも上がって強い相手と対戦していくので、そこで少しでも経験を積んで強くなってくれればと思います」

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