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重賞(特別)回顧 アーカイブ

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7/16旭川記念回顧

2023年7月18日(火)

メムロボブサップが連覇達成

 7月16日(日)には重賞・旭川記念(3歳以上オープン)が行われ、メムロボブサップがアオノブラックとの一騎打ちを制し、断然人気にこたえました。

【出走馬】※カッコは負担重量、右の数字は単勝最終オッズ
 1.コマサンエース(790) 65.3
 2.インビクタ(800) 21.1
 3.メジロゴーリキ(790) 8.3
 4.メムロボブサップ(800) 1.3
 5.コマサンブラック(790) 54.3
 6.アオノブラック(790) 4.6
 7.キョウエイリュウ(790) 52.9
 8.アアモンドグンシン(790) 27.3
 9.ミノルシャープ(790) 24.1

 今季5戦4勝で、北斗賞を含む目下3連勝と好調のメムロボブサップが、10キロ増の800キロでも単勝1.3倍の断然人気に支持されました。アオノブラックは、今季は金田利貴騎手とコンビを組んで3戦目で初勝利。前回の北斗賞は出走取消でしたが2番人気に。ばんえい十勝オッズパーク杯、北斗賞でともに2着のメジロゴーリキが3番人気で、4番人気以下は離れたオッズとなりました。

 メムロボブサップが果敢に先行すると、アオノブラック、メジロゴーリキが差なく追走。アアモンドグンシン、コマサンエースも続き、レース前日の降雨の影響もあって、馬場水分2.6%と軽い馬場のなか、先行勢は軽快に歩を進めます。第2障害手前ではメジロゴーリキとメムロボブサップが抜け出し、わずかにメジロゴーリキが先頭で障害下に到達。ここまで50秒と比較的速いペースで進みました。
 第2障害ではメジロゴーリキが最初に仕掛けると、メムロボブサップ、アオノブラック、ミノルシャープも一斉に登坂を開始。そのなかからメムロボブサップとアオノブラックがほとんど同時にひと越で通過。メジロゴーリキとミノルシャープは障害で膝をつき、その隙にコマサンエースが3番手でクリアします。
 障害を降りてからはメムロボブサップ、アオノブラックの一騎打ちとなり、わずかにリードしたメムロボブサップが残り20メートルから徐々にアオノブラックを引き離すと、最後は2馬身ほどの差をつけて旭川記念連覇。コマサンエースが止まりかけながらも歩き切って最低人気ながら3着と健闘。上位は障害通過順での決着となりました。

 勝ったメムロボブサップはこれで4連勝。重賞は通算15勝としました。ファン投票の中間発表で圧倒的1位に支持されているBG2・ばんえいグランプリ(8月13日)には3連覇がかかります。また7月9日に通算2,000勝達成した阿部武臣騎手とのコンビにも引き続き注目です。

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阿部武臣騎手「(トップハンデでも)いつも通りのレースを考えて乗っていました。今日は朝から軽馬場だったのでスピード競馬になるなと思っていましたが、得意の先行力を生かして十分息を入れることができ、上手く障害をクリアしてくれたので良かったです。ライバルのアオノブラックが来たので負けられないなと思って一生懸命に追いました。(馬場が)重くても軽くても強いレースをしてくれる馬なのですごいなと思っています」

7/2柏林賞回顧

2023年7月 3日(月)

キングフェスタ、まず一冠

 7月2日(日)には重賞・柏林賞(4歳オープン)が行われ、キングフェスタが断然人気にこたえ、重賞6勝目を飾りました。

【出走馬】※カッコは負担重量、右の数字は単勝最終オッズ
 1.ヘッチャラ(720) 16.8
 2.ヤマカツエース(720) 53.7
 3.トワイチロ(700) 89.2
 4.クリスタルコルド(710) 75.2
 5.レグルス(700) 112.5
 6.ツガルノヒロイモノ(710) 5.8
 7.キングフェスタ(720) 1.2
 8.ホクセイウンカイ(700) 9.5
 9.ヤマノコーネル(700) 22.2

 4歳シーズンの一冠目に9頭が出走。この世代はBG1のイレネー記念、ばんえいダービーを含む重賞5勝のキングフェスタが実績断然で、最大重量差は20キロとあまり差がない今回は単勝1.2倍の圧倒的1番人気に支持されました。ここまで4歳世代最多の18勝を挙げ、ライラック賞でも2着だったツガルノヒロイモノが2番人気。すずらん賞でキングフェスタの2着があるホクセイウンカイが3番人気で、以下、3月のポプラ賞を制したヘッチャラ、ばんえい菊花賞2着馬ヤマノコーネルが人気で続きました。

 まずトワイチロ、ヤマカツエース、ヘッチャラが先行しますが、この3頭がひと息入れるとクリスタルコルドが先頭に替わります。そのうしろから断然人気のキングフェスタが徐々に位置取りを上げ、第2障害手前で先行勢に加わると、クリスタルコルドがわずかに先頭で障害下に到達。レース前半はゆったりとした展開で、54秒で進みました。
 第2障害で最初に仕掛けたのはヘッチャラで、難なくひと腰先頭でクリアします。差なく仕掛けた後続から、ホクセイウンカイが2番手で、ヤマカツエースも続き、障害で膝をついたキングフェスタは立て直して4番手から追いかけます。
 脚色が鈍った先頭のヘッチャラにホクセイウンカイが並びかけたところ、一気に伸びてきたキングフェスタが残り30メートルで並ぶ間もなく抜き去ると、そのまま後続を引き離しての快勝となりました。2着争いは残り10メートル手前でヤマカツエースが一旦は前に出ましたが、止まりかけたところをヘッチャラが差し返してのゴールでした。
 勝ったキングフェスタはこれで重賞6勝目。今季は古馬オープンでも善戦しており、同世代を相手にその実力を存分に見せつける結果となりました。2歳・3歳シーズンは、それぞれ二冠制覇にとどまりましたが、4歳シーズンであらためて三冠を目指すことになりそうです。

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鈴木恵介騎手「第2障害で若干膝をついたので少しびっくりしました。(障害を)降りてからの脚は抜群なのでなんとかなるかなと思いました。走路開放に出した時に少し元気がないように感じていたので不安なところはありました。正直に言うと手応えはあまりよくありませんでした。やっぱり勝負根性がいいというところが最強の武器だと思います。若い時からみたら周りのものを気にしなくなってだいぶ大人になったなと思っています。(4歳シーズン三冠について)そこはもちろん狙って勝っていきたいと思っています」

6/18北斗賞回顧

2023年6月20日(火)

メムロボブサップが王者の貫禄示す

 6月18日(日)には重賞・北斗賞(3歳以上オープン)が行われ、断然人気のメムロボブサップが難なく逃げ切り、重賞14勝目を飾りました。

【出走馬】※カッコは負担重量、右の数字は単勝最終オッズ
 1.メジロゴーリキ(770) 5.0
 2.コマサンブラック(770) 9.5
 3.アアモンドグンシン(770) 13.3
 4.インビクタ(790) 8.5
 5.メムロボブサップ(770) 1.4
 6.ミノルシャープ(770) 59.4
 7.オーシャンウイナー(770) 28.0
 8.アオノブラック(770) 出走取消
 9.カイセドクター(770) 106.5

 ばんえい十勝オッズパーク杯ではまさかの8着に敗れたメムロボブサップでしたが、続くスタリオンカップを勝利。今回は同世代のライバル・アオノブラックが出走取消となって単勝1.4倍の圧倒的な1番人気に。ばんえい十勝オッズパーク杯2着を含め今季3戦すべて馬券絡みと好調のメジロゴーリキが2番人気で、以下、ばんえい十勝オッズパーク杯を逃げ切ったトップハンデのインビクタ、同5着のコマサンブラックと続きました。

 レースはメジロゴーリキが第1障害を降りてから先行し、アアモンドグンシンが追走。コマサンブラック、メムロボブサップ、ミノルシャープも位置取りを上げてきます。前は5頭がほとんど横並びで軽快に進み、第2障害下にはわずかにミノルシャープが先頭で到達。ここまで55秒というペースでした。
 第2障害下に到達した5頭がひと息入れるとまずミノルシャープが仕掛けますが、登坂途中で一杯に。アアモンドグンシンは天板で膝をつきます。メムロボブサップが先頭でクリアすると、メジロゴーリキが続きます。その後ろはやや離れてミノルシャープ、アアモンドグンシンの順で障害を越えていきます。
 メジロゴーリキが先頭を懸命に追いかけますが、その差は一向に縮まらず、メムロボブサップが最後まで脚色衰えることなく歩き切って快勝。メジロゴーリキは2着。ミノルシャープは残り30メートル手前で一杯になり、一旦はアアモンドグンシンに交わされますが、立て直したミノルシャープが3着。上位は障害通過順での決着となりました。

 勝ったメムロボブサップは今年3月のばんえい記念以来となる重賞14勝目。ばんえい十勝オッズパーク杯では障害で苦戦し人気に応えられませんでしたが、ここは王者の貫禄を示す結果となりました。昨季は17戦して馬券圏外は1度のみ(9月岩見沢記念・4着)だっただけに、今後ハンデが課される立場になっても実力を見せてくれそうです。

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阿部武臣騎手「春から調子がすごくよかったのですが、(ばんえい十勝オッズパーク杯は)ちょっとしたアクシデントがあったので、そこを修正して、ここは必ず獲りたいと思っていました。(道中で)十分息を入れることができたので、障害だけしっかり上げることを考えました。770キロにしては重くもなく軽くもなくちょうどいい馬場だったと思います。(障害を)降りてしまえばしっかり歩いてくれるので(後続に)差されることはないと思っていました」

5/7カーネーションカップ回顧

2023年5月 8日(月)

ダイヤカツヒメが難なく逃げ切る

 5月7日(日)には重賞・カーネーションカップ(3歳以上牝馬オープン)が行われ、単勝2番人気のダイヤカツヒメが逃げ切り、重賞2勝目を挙げました。

【出走馬】※カッコは負担重量、右の数字は単勝最終オッズ
 1.サクラヒメ(690) 1.6
 2.サクラシュンカ(670) 51.2
 3.ミソギホマレ(690) 12.8
 4.ヒメトラマジック(670) 94.6
 5.ダイヤカツヒメ(660) 4.1
 6.ナカゼンガキタ(680) 競走除外
 7.アバシリサクラ(670) 22.7
 8.ホクセイサクランボ(650) 11.6
 9.ピュアリーナナセ(650) 22.1
 10.シンエイボブ(680) 8.9

 有力馬の1頭ナカゼンガキタが競走除外。天馬賞を制すなど重賞4勝のサクラヒメがトップハンデながら単勝1.6倍と断然の人気に。昨年のばんえいオークス馬ダイヤカツヒメが2番人気で、一昨年のこのレースの覇者シンエイボブが3番人気。ここまでが単勝ひと桁台で、以下はホクセイサクランボ、ミソギホマレ、ピュアリーナナセと人気で続きました。

 第1障害を勢いよく越えて先行したのはダイヤカツヒメでしたが、サクラヒメが降りて間もなく先頭に替わると、外からシンエイボブも位置取りを上げてきます。この3頭が先行するかたちで後続は少しばらけながら進み、第2障害下にはわずかにサクラヒメが先頭で到達。前日の降雨の影響もあり馬場水分は2.3%と軽めで、前半は51秒というペースで進みました。
 第2障害ではダイヤカツヒメが最初に仕掛け、止まりかけながらもひと腰先頭で通過。サクラヒメは障害の天板で膝をつきながらも立て直して2番手でクリアし、ピュアリーナナセが離れた3番手で通過しました。
 逃げるダイヤカツヒメに、サクラヒメがじわじわと差を詰めにかかりますが、残り20メートルで一杯に。これに対してダイヤカツヒメは最後まで止まることなく後続を突き放して先頭でゴール。ピュアリーナナセが一旦はサクラヒメを交わしますが、その直後に詰まり、立て直したサクラヒメがそのまま歩き切って2着。ピュアリーナナセは残り10メートルでも一杯になりましたが、立て直して3着に入りました。

 ダイヤカツヒメは昨年12月のばんえいオークス以来となる重賞2勝目。昨季終盤にはチャンピオンカップに挑戦し、古馬一線級相手に5着と健闘していました。地力強化がうかがえる今回のレース内容なら、4歳重賞戦線では牡馬相手でも楽しみな存在と言えるでしょう。

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赤塚健仁騎手「強気に行って失敗しなければ大丈夫だなと思いました。(手応えには)まあまあ余裕はあったと思います。(道中でライバルに先手をとられる場面も)そこまで焦りはありませんでした。(第2障害は)少し仕掛けに失敗しましたが、馬が頑張ってくれたので障害をひと腰で上げれて、それからは上手くゴールまで保てばいいなと思いました。(この馬は)すごい素直で真面目で頑張り屋さんです」

4/30ばんえい十勝オッズパーク杯回顧

2023年5月 1日(月)

インビクタが逃げ切って快勝

 4月30日(日)には重賞・ばんえい十勝オッズパーク杯(4歳以上オープン)が行われ、単勝3番人気のインビクタが優勝。障害先頭から押し切り、重賞2勝目を挙げました。

【出走馬】※カッコは負担重量、右の数字は単勝最終オッズ
 1.カイセドクター(720) 147.1
 2.コマサンブラック(720) 16.6
 3.インビクタ(720) 13.9
 4.アオノブラック(720) 3.9
 5.ブラックサファイア(710) 50.3
 6.ヤマノコーネル(690) 63.0
 7.ミノルシャープ(720) 147.9
 8.ゴールデンフウジン(710) 189.8
 9.メジロゴーリキ(720) 20.7
 10.メムロボブサップ(720) 1.3

 今季最初の重賞にはフルゲート10頭が参戦。3月のばんえい記念、今季開幕日のオープン-1組・スプリングカップと連勝中のメムロボブサップが単勝1.3倍と断然の人気。近2走ともメムロボブサップの2着で、このレース3連覇がかかるアオノブラックが2番人気。この2頭に人気が集中し、以下はインビクタ、コマサンブラック、メジロゴーリキと人気で続きました。

 第1障害を越えて先行したのはインビクタで、アオノブラック、ブラックサファイア、メジロゴーリキらが追走。人気のメムロボブサップもこの位置からレースを進めます。中間点を過ぎたあたりからメジロゴーリキが先頭に替わると、後続もほとんど差なく進み、そのまま第2障害に到達。ここまで55秒というペースで進みました。
 第2障害ではインビクタとメジロゴーリキがほとんど同時に仕掛け、インビクタがすんなりとひと腰先頭で通過。メジロゴーリキが差なく2番手で、コマサンブラック、アオノブラックと続き、以下は離れます。
 障害を降りて後続を離したインビクタに、残り30メートルからメジロゴーリキがじわじわと差を詰めにかかりましたが、インビクタは最後まで脚色衰えることなく押し切って勝利。メジロゴーリキは2着。アオノブラックが3着で、このレース3連覇とはならず。メムロボブサップは障害で苦戦し8着という結果でした。

 インビクタは昨年9月に最低人気で制した岩見沢記念以来となる重賞2勝目。同じ7歳のメムロボブサップ、アオノブラックの2強ムードを覆す会心の逃げ切りでした。次回6月の古馬重賞、北斗賞では2強の巻き返しなるかにも注目です。

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島津新騎手「流れは思っているくらいのペースで進んでいたので、自分で行き過ぎないように道中は乗っていました。雨もインビクタにとても味方してくれたと思います。今季の1走目から馬の調子が良く、ばんえい記念の影響はまったくないと思って臨みました。最後まで勝利の確信はしていませんでしたが、本当にこの馬は成長してくれています」

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