ばんえい競馬情報局とは?

ばんえい競馬の最新情報を提供します。重賞を中心に予想や回顧のほか、ばんえい競馬に関するコラムなどもご覧いただけます。
カレンダー
リンク
おすすめコンテンツ

メイン

重賞(特別)回顧 アーカイブ

<<前へ 1112131415161718192021

1/2帯広記念回顧

キタノユウジロウが接戦を制す

 1月2日(日)には重賞・帯広記念(4歳以上オープン)が行われ、単勝5番人気のキタノユウジロウが優勝。障害先頭通過から押し切る快勝となりました。

【出走馬】※カッコは負担重量、右の数字は単勝最終オッズ
 1.アアモンドグンシン(910) 5.0
 2.カンシャノココロ(890) 36.8
 3.アオノブラック(920) 4.1
 4.メムロボブサップ(930) 4.1
 5.シンザンボーイ(900) 13.4
 6.メジロゴーリキ(910) 3.9
 7.キタノユウジロウ(900) 8.1
 8.コマサンブラック(890) 23.3
 9.ゴールデンフウジン(890) 40.7
 10.マルミゴウカイ(900) 49.6

 昨年2着で、今季は岩見沢記念を制しているメジロゴーリキが単勝3.9倍で1番人気。続いたのは強力な6歳世代を牽引するメムロボブサップとアオノブラック。単勝オッズは4.1倍で並び、票数の差でアオノブラックが2番人気。今季重賞3着3回で、オープン連勝中のアアモンドグンシン、昨年3着のキタノユウジロウまでが単勝ひと桁台の人気となりました。

 第1障害を越えて先行したのはアアモンドグンシンで、メムロボブサップ、メジロゴーリキも差なく続きます。負担重量が900キロ前後の高重量戦ともあって、各馬慎重に刻みながら歩を進めます。先頭はアアモンドグンシンとメムロボブサップが何度も入れ替わりましたが、中間点を過ぎたあたりからキタノユウジロウ、マルミゴウカイも前へ進出。第2障害下にはわずかにキタノユウジロウが先頭で到達し、前半は75秒というペースで流れました。
 第2障害ではマルミゴウカイが最初に仕掛け、キタノユウジロウ、アアモンドグンシン、メムロボブサップ、アオノブラックと続きますが、各馬苦戦。そのあと登坂を開始したメジロゴーリキがふた腰で越えようとしたところ、立て直したキタノユウジロウがわずかに先頭で通過。アオノブラックも2頭と差なくクリアし、以下はコマサンブラック、ゴールデンフウジン、アアモンドグンシンの順で障害を通過します。
 キタノユウジロウは力強く歩を進め、残り30メートルを過ぎたあたりでは1馬身ほど抜け出していましたが、メジロゴーリキが差を詰めにかかります。優勝争いは2頭に絞られると、懸命の粘りを見せたキタノユウジロウが振り切って勝利。メジロゴーリキは1秒2差で2着。一度も止まらずに歩いたアアモンドグンシンが3着。期待された6歳2強は、アオノブラックが5着、メムロボブサップは9着でした。

 勝ったキタノユウジロウは6月の北斗賞以来となる重賞4勝目。10月の北見記念は競走中止になるなど状態面が気になる近況でしたが、昨年僅差3着だったこの舞台で復調をアピールしました。年度末にはばんえい記念が控えていますが、同レースを制したオレノココロ、ホクショウマサル、センゴクエースが引退した今、昨年2着だったこの馬が大一番のタイトルに近い存在といえそうです。

成績はこちら
映像はこちら

菊池一樹騎手「(2走前に)久々に乗らせてもらって、少し調子が悪かったんですけど、先生(村上慎一調教師)が立て直してくれて、本当に良い状態で出してくれたと思います。展開は遅い方が良い馬だと思っているので、馬場は軽かったのですが、他の馬が障害で苦労してくれた分この馬の良さが出たと思います。膝さえ折らせなければ腰を入れて上がってくれている馬なので、本当に強い馬だなと思って乗りました。見せ場だけ作れればいいな、とは思っていましたが、(障害を先頭で越えた時は)勝てるかなと思って一生懸命乗りました。最後は一杯だったのですが、頑張ってくれました」

12/30ヤングチャンピオンシップ回顧

2021年12月31日(金)

南北海道産駒ヤマカツエースが3連勝で重賞制覇

 12月30日(木)には重賞・ヤングチャンピオンシップ(2歳、産駒特別選抜)が行われ、ヤマカツエースが単勝1番人気に応える勝利。早め先頭から押し切る快勝で、2歳シーズン二冠目を制しました。

【出走馬】※カッコは負担重量、右の数字は単勝最終オッズ
 1.グリフィス(600) 49.3
 2.キングフェスタ(620) 4.2
 3.クリスタルコルド(600) 5.3
 4.ミヤビウルフ(590) 106.8
 5.サウスグリン(580) 74.1
 6.ヘッチャラ(610) 5.1
 7.ニシキマリン(580) 15.4
 8.トワイチロ(590) 7.2
 9.カイセイマイヒメ(570) 50.1
 10.ヤマカツエース(600) 2.7

 ナナカマド賞僅差3着で、その後南北海道産駒特別を制して2連勝中のヤマカツエースが、600kgと重量面で恵まれたこともあり単勝1番人気。ナナカマド賞を制し、ここまで2歳馬では最多の8勝を挙げる南北海道産駒のキングフェスタが2番人気。ナナカマド賞2着で十勝産駒特別を制したヘッチャラ、釧路産駒特別2着を含め3戦連続で連対中のクリスタルコルド、前走2歳A級-1組を制した十勝産駒のトワイチロまでが単勝ひと桁台の人気になりました。

 クリスタルコルド、トワイチロが第1障害をほぼ同時に越え、キングフェスタが差なく追走。ミヤビウルフも位置取りを上げてきます。中間点を過ぎてからクリスタルコルドとミヤビウルフが抜け出し、隊列はややばらけながらも各馬ほぼ息を入れることなく、わずかにクリスタルコルドが先頭で第2障害下に到達。レース前半は31秒で進みました。
 第2障害に最初に仕掛けたのはミヤビウルフでしたが、差なく仕掛けたトワイチロがすんなりとひと腰で通過。クリスタルコルドもほぼ同時に障害をクリアし、ヤマカツエースとヘッチャラも続きます。
 トワイチロが抜け出そうとしたところ、残り30メートルを過ぎたあたりで勢いよくヤマカツエースが交わして先頭に立つと、そのまま後続を離して勝利。叩き合いになったトワイチロとヘッチャラに、障害6番手から猛然と追い上げたキングフェスタが加わって2着争いは接戦となりましたが、わずかにトワイチロが先着。ヘッチャラがコンマ2秒差で3着、キングフェスタはさらにコンマ3秒差の4着でした。

 勝ったヤマカツエースは3連勝で重賞初制覇。また南北海道産駒として初のヤングチャンピオンシップ制覇。ナナカマド賞で先着されていたキングフェスタ、ヘッチャラに対してリベンジを果たしました。三冠最終戦のイレネー記念は定量戦となりますが、引き続き好勝負が期待できそうです。なお、手綱を取った藤野俊一騎手は昨年のアルジャンノオーに続いての連覇で、重賞格上げ後では3勝目となりました。

成績はこちら
映像はこちら

藤野俊一騎手「馬場が軽かったので(600kgの)荷物は苦にしなかったです。ゲートに難があってそれさえクリアできればまずまずのレースができると思っていました。第2障害を越えてから勝ったと確信がありました。(勝ち時計1分8秒7について)荷物を積んでいってもだんだんタイムが速くなる不思議な馬場ですね。春先は体重がなく、弱い面もありましたが、今は身体ができてきてだんだん力もつけて強くなってきました」

12/29ばんえいダービー回顧

3歳王者もオーシャンウイナー

 12月29日(水)には重賞・ばんえいダービー(3歳オープン)が行われ、単勝2番人気のオーシャンウイナーが優勝。障害先頭から押し切る快勝で、昨季に続いて世代の頂点に立ちました。

【出走馬】※カッコは負担重量、右の数字は単勝最終オッズ
 1.サクラヒメ(710) 1.6
 2.ミソギホマレ(710) 27.3
 3.タカナミ(730) 14.5
 4.ネオキングダム(730) 35.7
 5.マルホンリョウダイ(730) 19.5
 6.アバシリサクラ(710) 36.9
 7.シュトラール(730) 55.9
 8.アルジャンノオー(730) 86.6
 9.オーシャンウイナー(730) 4.2
 10.イオン(710) 5.8

 単勝1番人気はサクラヒメ。ばんえい菊花賞、ばんえいオークスを含め目下5連勝で、1.6倍の圧倒的支持を集めました。今季1勝に留まるも、昨季イレネー記念を制したオーシャンウイナーが2番人気。黒ユリ賞、ばんえい大賞典と重賞2勝のイオンが3番人気で、ここまでが単勝ひと桁台。3連勝中と復調がうかがえるタカナミが4番人気で続きました。

 雪が舞う中行われた日本で一番遅い"ダービー"。10頭が勢いよくスタートを切ると、なかでもタカナミが好ダッシュを決めて先行します。イオン、オーシャンウイナーの8枠2頭が追走し、サクラヒメ、ミソギホマレ、ネオキングダムらも続きます。全馬一度も息を入れることなく歩を進め、タカナミが先頭で第2障害下に到達。ここまで35秒と速いペースで流れました。
 アルジャンノオーを除く9頭が第2障害下に並ぶと、最初にイオンが登坂を開始しますが、途中で膝をついてしまいます。差なく仕掛けたタカナミと、オーシャンウイナーがほぼ同時に先頭で障害をクリア。ネオキングダムとサクラヒメが続いて障害をクリアし、シュトラール、ミソギホマレも続きます。
 障害を越えた勢いがまさっていたのはオーシャンウイナーで、タカナミとの差を徐々に広げると、その後も脚色は衰えることなく先頭でゴール。タカナミも懸命に歩を進めますがゴール線上で一杯に。ネオキングダムがこれを交わして2着に入線。タカナミはすぐに立て直して3着。断然人気のサクラヒメは4着で、人気の一角となったイオンは10着でした。

 勝ち時計の1分16秒9は、過去のばんえいダービーと比べてもずば抜けて速い決着。勝ったオーシャンウイナーは今季の勝利はここまで6月のとかちダービーのみ。同世代相手では常にトップハンデを課され勝ち切れていませんでしたが、定量戦のここで本領を発揮。同じく定量戦だったイレネー記念以来となる重賞2勝目を挙げ、世代王者の座を不動のものにしました。

成績はこちら
映像はこちら

菊池一樹騎手「(今日の雪について)最初は本当に要らないなと思ってみてました。馬場が軽いので、先に(重量が)軽い牝馬に逃げられるのは嫌だったので行きました。一番強い馬だと思っているので早めに下した時点で勝ってくれるかなと思い、後はゴール前だけ気をつけて乗りました。(730kgの重量について)いつも710kgくらいは背負っていて、背負い慣れているので、定量だったことも良かったと思います。初めて乗らせてもらった時から強いなとは思っていましたが、イレネー記念も獲らせてもらって、今季はずっと勝てなくて悔しい思いをしていましたが、目標のレースを獲れてよかったです」

12/5ばんえいオークス回顧

2021年12月 7日(火)

サクラヒメが3歳女王の座に輝く

 12月5日(日)には重賞・ばんえいオークス(3歳牝馬)が行われ、単勝1番人気のサクラヒメが優勝。断然人気に応え、ばんえい菊花賞から重賞連勝となりました。

【出走馬】※カッコは負担重量、右の数字は単勝最終オッズ
 1.ミソギホマレ(670) 3.5
 2.ニュクス(670) 82.6
 3.イオン(670) 7.3
 4.サクラシュンカ(670) 32.2
 5.ミラクルクイーン(670) 78.3
 6.アバシリサクラ(670) 13.0
 7.コウシローレディ(670) 210.5
 8.ミススマイル(670) 119.3
 9.サクラヒメ(670) 1.4
 10.レッツゴーリータン(670) 127.5

 4連勝で一気にばんえい菊花賞を制したサクラヒメが、牝馬同士の定量戦ならと単勝1.4倍の圧倒的支持を集めました。ばんえい菊花賞2着を含め7戦連続で連対中のミソギホマレが2番人気。黒ユリ賞、ばんえい大賞典と重賞2勝のイオンが3番人気で、ナナカマド賞を制したアバシリサクラが4番人気と、実績上位馬が人気を集めました。

 第1障害を勢いよく越えたイオンが先手を取ると、内からミソギホマレが追走。サクラヒメも押し上げ、上位人気3頭が先行します。各馬慎重に刻みながら歩を進めますが、ミススマイルが少し離れた最後方を追走し、縦長の展開になりました。
 前3頭は第2障害手前ではほとんど横並びとなりましたが、イオンが障害下で止まらずそのままの勢いで登坂を開始すると、ひと腰先頭でクリア。2番手で仕掛けたミソギホマレは障害で苦戦し、続いたサクラヒメがひと腰で越え、イオンを追いかけます。
 サクラヒメが第2障害を越えた時点では、イオンとの差は10メートル近くありましたが、徐々にその差を縮めます。イオンは懸命に歩を進めるものの、残り20メートルで一杯に。一方のサクラヒメは止まらず一気に交わして先頭に立つと、そのまま押し切って勝利。ゴール前でもう一度苦しくなったイオンですが、立て直して11秒3差で2着。障害4番手からしぶとく伸びたサクラシュンカが3着。ミソギホマレは障害を越えられず競走中止となりました。

 勝ったサクラヒメはこれで5連勝。前走のばんえい菊花賞は重量にも恵まれての勝利でしたが、定量戦の今回は圧巻のレースぶりで勝利を飾りました。次の目標はダービー馬の称号で、03年サダエリコ以来となる変則三冠制覇も十分期待できそうです。なお、手綱を取った渡来心路騎手は、9月の銀河賞から、ばんえい菊花賞、ドリームエイジカップ、そして今回と、この秋以降で重賞を4勝。今季の重賞勝利数では、藤野俊一騎手、鈴木恵介騎手の3勝を上回り単独トップに立ちました。

成績はこちら
映像はこちら

渡来心路騎手「前回菊花賞を勝ってからここでも人気になると思っていたので、なんとか勝てて良かったです。(2カ月少々で重賞4勝の自身について)特にはないですが、何回勝っても嬉しいですね。特に何も考えず、全部馬に任せてレースをしました。馬場もそこまで重くなかったので前回の菊花賞のようなレースができれば勝てると思っていました。内側の馬(イオン)が結構前に行ってましたが、気にせずに自分のレースをしただけです。気持ちが強いというのがこの馬の良いところだと思います」

11/28ドリームエイジカップ回顧

2021年11月30日(火)

伏兵シンザンボーイが接戦を制す

 11月28日(日)には重賞・ドリームエイジカップ(4歳以上馬齢選抜)が行われ、単勝7番人気の10歳馬シンザンボーイが優勝。逃げ粘る5歳馬メムロボブサップとの叩き合いを制し、重賞2勝目を飾りました。

【出走馬】※カッコは負担重量、右の数字は単勝最終オッズ
 1.メジロゴーリキ(780) 33.5
 2.アオノブラック(780) 3.0
 3.カイセドクター(760) 94.5
 4.シンザンボーイ(760) 33.2
 5.マツカゼウンカイ(760) 16.8
 6.センゴクエース(790) 8.6
 7.ミスタカシマ(740) 36.5
 8.キョウエイリュウ(750) 27.1
 9.メムロボブサップ(790) 2.2
 10.アアモンドグンシン(780) 5.8

 単勝1番人気に推されたのは5歳馬メムロボブサップ。今季はばんえいグランプリ制覇を含め12戦連続で3着以内と抜群の安定感を誇っており、高い支持を集めました。同世代のライバル・アオノブラックにとっては連覇がかかる一戦。前走の北見記念ではばんえい十勝オッズパーク杯以来の勝利を挙げており、僅差で2番人気に。19年のこのレースの覇者で、前走のオープン特別でメムロボブサップを下した6歳馬アアモンドグンシン、北見記念は競走中止も実績上位の9歳馬センゴクエースが人気で続きました。

 第1障害を先頭で越えたのはアオノブラックも、ほぼ横一線の展開。中間点あたりからはミスタカシマ、アアモンドグンシン、シンザンボーイと先頭が入れ替わりながら進み、第2障害手前で再び先頭に立ったミスタカシマが最初に障害下に到達。前半は46秒というペースでした。
 ミスタカシマはひと呼吸入れてすぐに障害に仕掛けますが、登坂途中で膝をついてしまいます。少し間を置いてアアモンドグンシンが続きますが、最初にクリアしたのは3番手で仕掛けたメムロボブサップ。シンザンボーイが2番手で、カイセドクター、キョウエイリュウ、ミスタカシマの順で続々と障害をクリアします。
 メムロボブサップは力強くゴールに向かって歩みを進めますが、シンザンボーイがじわじわと差を詰めると残り20メートルで並びかけます。その後は2頭の激しい叩き合いとなりましたが、ゴール前でもうひと伸びしたシンザンボーイが差し切って勝利。メムロボブサップは1秒2差で2着。3着には障害8番手から追い上げたセンゴクエースが入りました。なお、人気上位のアオノブラックは8着、アアモンドグンシンは10着でした。

 勝ったシンザンボーイは19年の北見記念に続いて重賞2勝目。今季初戦は8月と遅れ、重賞も岩見沢記念(9着)のみと結果を残せておらず、今回は7番人気でしたが、その評価を覆す勝負強さを見せました。また、手綱を取った渡来心路騎手は今年9月の銀河賞が重賞初制覇でしたが、11月のばんえい菊花賞、そして今回と約2カ月で重賞3勝を挙げています。

成績はこちら
映像はこちら

渡来心路騎手「重賞は何回勝っても嬉しいですね。結構ハンデをもらえていて、馬場も軽そうだったので先行していこうかなと思っていました。出だしが遅いタイプの馬なので、そこさえ頑張ってくれればと思っていましたが、今日はスタートから走ってくれたので良い位置でレースができました。先に行っていた馬が障害で止まっていたので、障害の下でしっかり息を入れれば障害を上がってくれると思っていたので上手くいきました。障害を降りてから歩いてくれる馬なので、ハンデも結構あったので、最後まで頑張ってくれればなんとか良い結果になるんじゃないかと思って真剣に追いました。(シンザンボーイの良いところは)ハナは遅れますが、障害はしっかり上がってくれますし、降りてからもしっかり歩いてくれるところですね」

<<前へ 1112131415161718192021
Copyright (C) OddsPark Banei Management Corp. All Rights Reserved.