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重賞(特別)回顧 アーカイブ

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8/29はまなす賞回顧

2021年8月31日(火)

カイセドクターが悲願の重賞初制覇

 8月29日(日)には重賞・はまなす賞(3、4歳オープン)が行われ、単勝3番人気のカイセドクターが優勝。障害2番手から追い上げ、3歳牝馬イオンとの接戦を制しました。

【出走馬】※カッコは負担重量、右の数字は単勝最終オッズ
 1.ゴールドハンター(700) 3.3
 2.イオン(660) 4.6
 3.イワキダイヤ(660) 12.3
 4.コマサンダイヤ(700) 96.1
 5.カイセドクター(700) 4.1
 6.ネオキングダム(670) 24.4
 7.トワトラナノココロ(700) 競走除外
 8.キョウエイリュウ(710) 3.1
 9.アルジャンノオー(670) 23.7

 昨年のばんえいダービーを含め重賞4勝を挙げ、4歳世代を代表するキョウエイリュウが単勝3.1倍で1番人気。昨年の覇者で柏林賞を制したゴールドハンターが3.3倍で2番人気。柏林賞2着のカイセドクターが4.1倍の3番人気と人気上位は4歳馬が占め、3歳馬で最も人気となったのは、ばんえい大賞典を制した牝馬イオンでした。

 イオンが好スタートから勢いよく第1障害を越えて先行しますが、イワキダイヤが徐々に押し上げて先頭に替わると、カイセドクターも差なく追走します。中間点を過ぎたあたりではキョウエイリュウも加わりますが、イワキダイヤとカイセドクターが並んで第2障害下へ最初に到達。ここまで56秒というペースでした。
 イワキダイヤとカイセドクターがほとんど同時に障害に仕掛けると、連れてキョウエイリュウ、アルジャンノオーに、イオンも登坂を開始。その中からイオンが力強く障害を先頭で降りて、カイセドクターが2番手で通過。その後はキョウエイリュウ、アルジャンノオー、イワキダイヤの順で続きます。
 障害を降りた勢いで後続に差をつけたイオンは一歩一歩、先頭で歩みを進めますが、残り20メートルを過ぎたあたりで脚色が鈍ります。そこに詰め寄ってきたカイセドクターが、残り5メートルあたりでイオンに並ぶと、最後は1秒2差をつけて勝利。3番手から追いかけたキョウエイリュウは、ゴール前で一杯になるも、立て直してそのまま3着での入線。なお、ゴールドハンターは障害で苦戦して8着と連覇とはなりませんでした。

 勝ったカイセドクターは、ここまで重賞で2着3回、3着3回となかなかタイトルには手が届きませんでしたが、4歳夏にして待望の重賞初制覇。4歳馬の重賞路線は9月銀河賞、年明け1月の天馬賞と続きますが、今後はどのようなパフォーマンスを見せてくれるのか楽しみな勝利になりました。
 また2着惜敗だったイオンは、3歳牝馬として2003年のヒーロクイーン以来、史上2頭目のはまなす賞制覇とはなりませんでしたが、1歳上の一線級相手に力を示しました。今後の重賞でも好勝負が期待できそうです。

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阿部武臣騎手「後ろから降りて届かず2着になったり、差されて2着、3着と良いレースはしてましたが、なかなか(タイトルを)獲ることができなかったので、今日は(タイトルを)獲れて本当に良かったです。ハンデはあったのですが、4歳ということもあるし、最近調子がずいぶん上向いていて絶好調の形で今日を迎えられたので自信を持って騎乗しました。道中も先行を取れて、手応えは凄く良かったのですが、2着の馬(イオン)が思ったより歩いたので必死になりました。重くても軽くても自在性のある馬で、降りても結構脚を使ってくれるので良い馬だと思います」

8/15ばんえいグランプリ回顧

2021年8月17日(火)

メムロボブサップが古馬重賞初制覇

 8月15日(日)には重賞・ばんえいグランプリ(3歳以上ファン選抜)が行われ、単勝1番人気のメムロボブサップが優勝。ファン投票1位に応える圧巻の逃げ切りを決めました。

【出走馬】※カッコは負担重量、右の数字は単勝最終オッズ
 1.ミノルシャープ(800) 26.1
 2.アオノブラック(800) 24.1
 3.ゴールデンフウジン(800) 143.2
 4.メムロボブサップ(800) 2.0
 5.ブチオ(780) 68.0
 6.アアモンドグンシン(800) 7.1
 7.メジロゴーリキ(800) 40.8
 8.センゴクエース(800) 2.4
 9.キタノユウジロウ(800) 15.6
 10.ウンカイタイショウ(800) 61.0

 ばんえい十勝オッズパーク杯2着、北斗賞3着、そして旭川記念2着と重賞で惜敗続きのメムロボブサップ。今度こそはと、単勝2.0倍で1番人気に支持されました。そのメムロボブサップを旭川記念で破り、目下3連勝のセンゴクエースが2.4倍で2番人気。2頭の一騎打ちムードとなり、旭川記念3着のアアモンドグンシンが3番人気で続きました。

 メムロボブサップが先行しますが、差なくアオノブラック、アアモンドグンシンが追走。メジロゴーリキ、キタノユウジロウ、センゴクエースも続きます。中間点ではメムロボブサップが抜け出し、そのまま先頭で第2障害下に到達。ここまで63秒というペースでした。
 全馬が第2障害下に揃う前に最初に仕掛けたのはキタノユウジロウでしたが、差なく続いたメムロボブサップがひと腰先頭でクリア。その後は少し離れてメジロゴーリキ、ミノルシャープと続き、センゴクエースは4番手から追いかける展開になります。
 メムロボブサップは一歩一歩、力強い脚取りで後続を突き放しゴールへ邁進。センゴクエースが残り20メートルを過ぎたあたりで2番手に上りメムロボブサップを追いかけますが、十分なリードを保っていたメムロボブサップが最後まで行き脚衰えず歩き切って勝利。6秒6差のセンゴクエースは18年に続きこのレース2度目の2着。粘りを見せたメジロゴーリキは昨年に続いて3着となりました。

 勝ったメムロボブサップは、これが古馬重賞初制覇で、重賞は通算9勝目。今季初戦こそ4着も、その後の8戦では馬場状態、条件を問わずすべて3着以内と抜群の安定感を誇っています。今後はより重量を課されることになりますが、引き続き重賞戦線で中心的存在となりそうです。
 なお、阿部武臣騎手、管理する坂本東一調教師はともにばんえいグランプリ初制覇となりました。

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阿部武臣騎手「今年春から調子が良くずっと来ていましたが、なかなか重賞を獲ることができなかったので、ここはひとつ(タイトルを)獲りたいなと思っていました。今日は時計が少し速いなと思って、それなりに仕掛けて行こうかなと思っていました。センゴクエースにここ2走は差されて負けていたのでその点は気になっていましたが、今日は(センゴクエースが)少し障害を降りるのが遅かったので助かりました。健康で走ってくれて最後はばんえい記念にも出走できればと思います」

8/1ばんえい大賞典回顧

2021年8月 3日(火)

牝馬イオンが三冠初戦を制す

 8月1日(日)には重賞・ばんえい大賞典(3歳オープン)が行われ、単勝2番人気のイオンが優勝。連勝中の勢いそのままに3歳三冠の一冠目を制しました。

【出走馬】※カッコは負担重量、右の数字は単勝最終オッズ
 1.ミソギホマレ(650) 競走除外
 2.カイセキングオー(670) 22.8
 3.イワキダイヤ(670) 5.9
 4.タカナミ(680) 出走取消
 5.アルジャンノオー(680) 20.8
 6.イオン(660) 3.0
 7.ネオキングダム(680) 5.6
 8.アバシリサクラ(650) 49.4
 9.オーシャンウイナー(690) 2.6
 10.シュトラール(670) 11.0

 翔雲賞を制したタカナミがレース前日に出走取消となり、当日にはイレネー記念3着馬ミソギホマレが競走除外となって8頭立てに。3連勝でイレネー記念を制したオーシャンウイナーが最大40キロの重量差がありながらも単勝1番人気に支持されました。黒ユリ賞勝ち馬で、2連勝中の牝馬イオンが2番人気。2歳シーズンの三冠すべて2着だったネオキングダム、自己条件の前走を快勝したイワキダイヤまでが単勝ひと桁台の人気となりました。

 イオンが第1障害を勢いよく越えて先行しますが、ひと息入れたところで後続も差を詰め、中間点では全馬がほぼ横並びの展開。雨の影響で馬場水分3.6%と軽い馬場の中、各馬軽快に歩を進めます。カイセキングオー、アルジャンノオー、イオンらが先頭を入れ替わりながら進みますが、わずかにシュトラールが先頭に替わったところが第2障害下となり、前半は54秒というペースでした。
 全馬が第2障害下に揃うと、アルジャンノオー、イオン、ネオキングダムらが一斉に登坂を開始。そのなかでイオンがすんなりと先頭で障害をクリア。アルジャンノオーが2番手で通過し、カイセキングオー、イワキダイヤと続き、単勝1番人気のオーシャンウイナーはその後ろ5番手から追いかける展開となります。
 イオンは第2障害を越えた勢いで後続を突き放して一人旅に。イワキダイヤとオーシャンウイナーがじわじわと差を詰めてきましたが、十分なリードを保ったままイオンが先頭でゴール。2着争いは接戦となりましたが、ゴール前ひと伸びしたオーシャンウイナーがイワキダイヤを交わしてのゴールとなりました。

 勝ったイオンは、牝馬としては15年シリウス以来となるばんえい大賞典制覇。この世代の2歳シーズン三冠はすべて勝ち馬が異なるなど、確固たる中心馬が不在の混戦ですが、今回の勝ちっぷりからこのあとの二冠、そしてばんえいオークスでの好走も期待できそうです。

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鈴木恵介騎手「馬場も軽くなって良い状態で迎えられて嬉しいです。順調に2連勝して馬は最高に良い状態でこのレースに臨めました。重い荷物だったので(馬場が)軽くなればゴール前ももつかなと思って期待はしていました。理想以上の走りをしてくれたと思います。障害が上手で、ハナも速いし、今年に入ってゴール前も辛抱強くなってきたので、今の状態だと言うことがないくらいの状態です。男勝りの牝馬だと思っています」

7/18旭川記念回顧

2021年7月19日(月)

センゴクエースが復活の勝利

 7月18日(日)には重賞・旭川記念(3歳以上オープン)が行われ、単勝2番人気のセンゴクエースが優勝。三冠馬同士のゴール前の争いを制し、約2年ぶりの重賞制覇となりました。

【出走馬】※カッコは負担重量、右の数字は単勝最終オッズ
 1.ミノルシャープ(790) 10.3
 2.メジロゴーリキ(790) 20.8
 3.アアモンドグンシン(790) 4.8
 4.マツカゼウンカイ(790) 56.8
 5.キタノユウジロウ(800) 4.6
 6.アオノブラック(800) 9.7
 7.センゴクエース(790) 4.1
 8.メムロボブサップ(800) 3.1

 単勝1番人気はメムロボブサップ。古馬重賞本格参戦となった今季はばんえい十勝オッズパーク杯2着、北斗賞3着と勝ち切れないながらも安定しており、今回こそはと高い支持を集めました。6月の復帰から3走目の前走を快勝した実力馬センゴクエースが4.1倍の2番人気。北斗賞を制したキタノユウジロウ、前走でメムロボブサップ相手に快勝したアアモンドグンシンが差なく続き、ばんえい十勝オッズパーク杯を制したアオノブラックまでが単勝10倍を切っており、上位拮抗の様相となりました。

 先行したのはアアモンドグンシンで、メジロゴーリキ、ミノルシャープらが差なく追走。メムロボブサップも位置取りを上げ、その直後にセンゴクエースが続きます。最後方のマツカゼウンカイは少し置かれますが、中間点を過ぎてからは徐々に前との差がつまり、アアモンドグンシンがわずかに先頭で第2障害下に到達。ここまで68秒と時計のかかる展開となりました。
 第2障害へ最初に仕掛けたのはアアモンドグンシンでしたが、登坂途中でひと息。これを見てミノルシャープ、キタノユウジロウ、メムロボブサップが揃って仕掛けると、その中からメムロボブサップがすんなりと先頭でクリア。その後、5番手で仕掛けたセンゴクエースがひと腰2番手。障害で膝を折りながらも立て直したミノルシャープが続き、キタノユウジロウ、メジロゴーリキの順で通過しました。
 先頭を行くメムロボブサップに、一歩一歩着実に迫ってきたのがセンゴクエース。4歳シーズンの三冠を制した2頭が後続を離しての一騎打ちになると、脚色で勝ったセンゴクエースがゴール前でとらえて先頭でゴール。メムロボブサップは1秒5差で2着。3着には障害6番手から追い込んだアアモンドグンシンが入りました。アオノブラックは障害で手間取り8着でした。

 勝ったセンゴクエースは、一昨年7月の北斗賞以来となる重賞制覇。スタート前にはゲートに突進するアクシデントもありましたが、その年3月のばんえい記念を制し、ばんえい競馬の頂点に立った同馬が復活をアピールしました。鈴木恵介騎手は旭川記念4勝目、管理する槻舘重人調教師は同5勝目となりました。

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鈴木恵介騎手「(スタート前の突進は)調子がいいのと、すごいやる気だったんだなと感じています。10キロハンデもらっていたので自分の思っていた通りの道中の流れになっていると思います。障害も少し膝を折りかけた場面もありましたが、馬の状態も本当に良く、辛抱して上がりきってくれました。まだ若い馬には負けないという気持ちがありそうです。今年はセンゴクエースで頑張ります」

7/4柏林賞回顧

2021年7月 5日(月)

ゴールドハンターが4歳一冠目を制す

 7月4日(日)には重賞・柏林賞(4歳オープン)が行われ、単勝3番人気のゴールドハンターが優勝。障害先頭通過からしぶとく粘り込み、手綱を取った金田利貴騎手は嬉しい重賞初制覇となりました。

【出走馬】※カッコは負担重量、右の数字は単勝最終オッズ
 1.ヤマトタイコー(700) 14.5
 2.トワトラナノココロ(700) 2.4
 3.カイセドクター(710) 31.0
 4.ブラックサファイア(700) 11.2
 5.キョウエイリュウ(720) 2.6
 6.コマサンダイヤ(710) 76.2
 7.ゴールドハンター(700) 6.8
 8.ヒメトラマジック(670) 51.9
 9.キタノボブサップ(690) 12.3
 10.エンゼルフクヒメ(670) 86.1

 9月の銀河賞、翌年1月の天馬賞へと続く4歳シーズン三冠の第1弾。4歳限定の特別戦、すずらん賞とライラック賞を制すなど今季7戦5勝の好成績を残すトワトラナノココロが単勝1番人気。2歳シーズン、3歳シーズンともに二冠を制した世代王者キョウエイリュウが僅差の2番人気で続き、3歳時にはまなす賞を制したゴールドハンターが3番人気と、ここまでが単勝ひと桁台の人気になりました。

 レースの主導権を取ったのはトワトラナノココロで、キョウエイリュウが追走。ヤマトタイコー、カイセドクター、ブラックサファイアらも続きます。中間点あたりではばらけた展開になりましたが、徐々に前との差がつまり、4頭がほぼ同時に第2障害下に到達。わずかにトワトラナノココロが先頭でここまで54秒というペースでした。
 第2障害では、まずトワトラナノココロが仕掛けますが、登坂途中でひと息。キョウエイリュウや、ヤマトタイコー、カイセドクターもひと息入れて続きます。各馬障害で苦戦する中、6番手で仕掛けたゴールドハンターが勢いよくひと腰先頭でクリア。カイセドクターが2番手で、キョウエイリュウ、トワトラナノココロ、ヤマトタイコーも差なく続きます。
 抜け出したゴールドハンターは、残り10メートルを過ぎたあたりで苦しくはなりましたが、続いたカイセドクターを4秒差で振り切って勝利。残り10メートル手前で一杯になったキョウエイリュウを交わしたヤマトタイコーがさらに6秒6差で3着に入りました。なお、人気を分けたキョウエイリュウとトワトラナノココロはともに踏ん張れず、それぞれ6着、7着という結果でした。

 勝ったゴールドハンターは、昨年のはまなす賞に続き重賞2勝目。得意の末脚勝負ではなく、障害先頭からしぶとく粘っての勝利と新たな一面を見せました。今後の三冠路線でも要注目の存在となるでしょう。
 また、金田利貴騎手にとってはこれが重賞初制覇。昨年12月12日の初騎乗から205日目での重賞勝利は、帯広市単独開催となった2007年以降では最速。若武者の今後の活躍にも期待です。

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金田利貴騎手「今日はここ何走かで一番折り合いがつかず、少し不安になる場面もありましたが、とてつもないパワーが第2障害で出て驚きました。初めて(障害を)先頭で降りるレースになったので、最後まで脚がもつか不安でしたが、力強く歩いてくれました。疲労があるかわかりませんが、しっかり厩舎で立て直して次(銀河賞)も狙っていきたいと思います」

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