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11/14クインカップ回顧

2021年11月16日(火)

4歳女王の座はニセコヒカル

 11月14日(日)には重賞・クインカップ(4歳牝馬オープン)が行われ、単勝1番人気のニセコヒカルが優勝。障害先頭から押し切り、重賞初制覇を飾りました。

【出走馬】※カッコは負担重量、右の数字は単勝最終オッズ
 1.アーティウィング(690) 10.8
 2.アバシリルビー(690) 5.0
 3.ニセコヒカル(690) 4.1
 4.フォルテシモ(700) 4.7
 5.エンゼルフクヒメ(700) 4.6
 6.ヒメトラマジック(690) 25.6
 7.ドラゴンチナツ(690) 46.6
 8.ゲッカビジン(690) 6.9
 9.コウシュハハイジー(690) 22.8
 10.ヒメミヤ(690) 21.6

 ニセコヒカルは競走除外明けでしたが、昨年のばんえいオークス2着馬で、前哨戦の紅バラ賞でも僅差2着の実績を買われ、単勝1番人気に支持されました。2歳シーズンに黒ユリ賞を制し、紅バラ賞1着のエンゼルフクヒメが2番人気。銀河賞3着の実績があり、格付け上位のフォルテシモ、ばんえいオークス馬アバシリルビーが人気で続き、ここまで4頭が単勝4.1倍~5.0倍と上位拮抗の様相になりました。

 馬場水分3.4%と軽い馬場のなか、全馬がスタートから勢いよく歩きます。第1障害を先頭に越えたのはアバシリルビーで、ニセコヒカル、アーティウィングが追走。フォルテシモも続き内の4頭が先行するかたちになります。中間点を過ぎたあたりでゲッカビジンも位置取りも上げますが、間もなく第2障害というところでニセコヒカルが抜け出してそのまま最初に障害下に到達。レース前半は46秒というペースで流れました。
 ひと息入れたニセコヒカルは全馬が第2障害下に揃う前に仕掛け、すんなりと障害をひと腰先頭でクリア。連れて仕掛けたなかからフォルテシモが2番手で通過。さらにゲッカビジン、アバシリルビー、ヒメトラマジック、ヒメミヤの順で続きます。
 残り30メートルを切って2番手に上がったアバシリルビーが前との差を詰めてきますが、軽快に歩を進めたニセコヒカルの脚色は衰えず、最後はアバシリルビーに1秒8差をつけて先頭でゴール。粘りを見せたフォルテシモが3着に入りました。

 勝ったニセコヒカルはこれが重賞初制覇。ばんえいオークスではアバシリルビーの2着でしたが、見事雪辱を果たしました。また、藤野俊一騎手と平田義弘調教師のコンビは昨年のジェイカトレアに続いての連覇となりました。

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藤野俊一騎手「とても嬉しいです。馬場が軽い分先に行こうと考えていました。降りてから脚のいい馬がいるので、なるべく早く障害を昇って先に降りようと考えていました。障害は完ぺきに越えてくれました。(レース前に降雨があり)少し馬場が軽くなった分辛いかな、と思っていましたが、それも良かったと思います。前々回(紅バラ賞)もあとちょっとのところで負けたり、その前にも負けたりしていたのでようやく勝ててよかったです」

11/7ばんえい菊花賞回顧

2021年11月 9日(火)

牝馬サクラヒメが4連勝で重賞初制覇

 11月7日(日)には重賞・ばんえい菊花賞(3歳オープン)が行われ、単勝1番人気のサクラヒメが優勝。障害先頭から押し切る圧勝で重賞初制覇を飾りました。

【出走馬】※カッコは負担重量、右の数字は単勝最終オッズ
 1.オーシャンウイナー(710) 4.5
 2.タカナミ(700) 31.5
 3.ネオキングダム(700) 5.7
 4.アバシリサクラ(670) 34.4
 5.イワキダイヤ(700) 50.4
 6.アルジャンノオー(700) 28.6
 7.ミソギホマレ(680) 5.3
 8.サクラヒメ(680) 2.8
 9.シュトラール(690) 56.3
 10.イオン(690) 5.4

 単勝1番人気はサクラヒメ。今年2月の黒ユリ賞(10着)以来の重賞挑戦となりましたが、前哨戦の秋桜賞を含め目下3連勝の勢いから2.8倍と高い支持を集めました。イレネー記念を制し、3歳一冠目・ばんえい大賞典でも2着だったオーシャンウイナーが2番人気。近2走がともにサクラヒメと僅差2着のミソギホマレ、ばんえい大賞典を制したイオン、2歳シーズン三冠すべて2着のネオキングダムが差のない人気で続きました。

 第1障害先頭はイオンでしたが、タカナミ、オーシャンウイナー、ネオキングダムの内3頭も差なく追走。サクラヒメも位置取りを上げると、中間点あたりで先頭に替わり、そのまま最初に第2障害下に到達します。ここまで49秒と比較的速いペースで流れました。
 2番手で第2障害下に到達したイオンが先に仕掛けますが、サクラヒメも差なく続いて2頭がほとんど同時に障害をクリア。後続は少し離れてミソギホマレ、オーシャンウイナー、ネオキングダムの順で続きます。
 障害を越えた勢いでサクラヒメが抜け出すと、軽快に歩を進めてイオンとの差を広げにかかります。イオンは残り20メートル手前で一杯になると、追い上げてきたミソギホマレが2番手に押し上げますが、サクラヒメは脚色が衰えることなく押し切って先頭でゴール。ミソギホマレは8秒5差の2着。障害9番手から追い上げたアバシリサクラが3着に入り、牝馬が1~3着を独占する結果となりました。

 勝ったサクラヒメは4連勝で一気に重賞タイトルを獲得。前哨戦の秋桜賞からハンデ差は詰まっていたものの後続を寄せ付けない圧勝で3歳二冠目を制しました。この世代はここまで重賞を複数勝っているのがイオンの2勝だけ。新たな重賞勝ち馬の誕生で、ますます混戦となりそうです。

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渡来心路騎手「チャンスはあるかなと思っていたので(勝てて)ホッとしました。凄い乗りやすい馬なので相性は良いと思います。(馬場も)結構軽かったのでそれも良かったのかなと思います。気持ちがすごく強い馬なので前半から凄く走ってくれますが、降りてからもゴールまでしっかり歩いてくれるので凄い乗りやすいです」

10/31北見記念回顧

2021年11月 1日(月)

アオノブラックが今季重賞2勝目

 10月31日(日)には重賞・北見記念(3歳以上オープン)が行われ、単勝2番人気のアオノブラックが優勝。5月のばんえい十勝オッズパーク杯以来となる勝利を飾りました。

【出走馬】※カッコは負担重量、右の数字は単勝最終オッズ
 1.マルミゴウカイ(860) 出走取消
 2.メジロゴーリキ(860) 3.3
 3.センゴクエース(880) 3.2
 4.キタノユウジロウ(860) 7.4
 5.アオノブラック(860) 3.2
 6.アアモンドグンシン(860) 4.7

 マルミゴウカイが出走取消となり、今年の北見記念は5頭立てと少し寂しいメンバー構成に。7月の旭川記念を制したセンゴクエースと、前走2着で復調気配のアオノブラックが単勝3.2倍で並びましたが、票数の差でセンゴクエースが1番人気に。前走岩見沢記念で久々の勝利を飾ったメジロゴーリキが3.3倍と差のない3番人気で、他2頭も単勝はひと桁台と実力伯仲の人気となりました。

 第1障害先頭はアオノブラックで、メジロゴーリキ、アアモンドグンシンが追走。センゴクエースも加わり、キタノユウジロウだけが少し置かれる展開となりました。800キロ台後半の重量で各馬前半は慎重な脚取り。アアモンドグンシンがわずかに先頭で第2障害に到達し、ここまで81秒とスローペースになりました。
 前4頭が第2障害下に集まると、まずアオノブラックが仕掛けますが、登坂途中でひと息。続いたアアモンドグンシンも坂の中腹で止まり、3番手で仕掛けたメジロゴーリキがふた腰先頭で障害をクリア。立て直したアオノブラックが2番手で続きます。
 後ろ3頭は障害で苦戦し、前2頭のマッチレース。残り30メートルあたりでアオノブラックがとらえると、メジロゴーリキも懸命に食い下がりますが、じわじわと引き離したアオノブラックが先頭でゴール。メジロゴーリキは2秒0差で2着。メジロゴーリキがゴールしたあとようやく障害を越えたアアモンドグンシンが3着で入線。センゴクエースとキタノユウジロウは第2障害を越えられず競走中止となりました。

 勝ったアオノブラックは、5月のばんえい十勝オッズパーク杯以来の勝利で、7つ目のタイトルを獲得。オッズパーク杯のあとはハンデ増加や、夏場は馬体減などもあって成績が振るいませんでしたが、今回はセンゴクエース以外の馬と同重量となり、その力を遺憾なく発揮しました。シーズン終盤に向けても活躍が期待されます。

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藤野俊一騎手「春先の重賞を勝ったことでハンデを背負う立場になって、また夏負けして調子が悪かったので焦らずじっくりとやってきました。少し涼しくなって馬もだいぶ調子が上がってきていい感じになってきました。(レースプランは)ゲートが開いてからでぼちぼちと考えながら行きました。練習で軽い荷物で走らせたことがよかったかなと思いますが、重量が重量なので途中でちょっと堪えていました。(メジロゴーリキとの競り合いについて)向こうも強い馬なので頑張って止まらずにゴールしてくれることを祈っていました」

10/17ナナカマド賞回顧

2021年10月18日(月)

キングフェスタが断然人気に応え快勝

 10月17日(日)には重賞・ナナカマド賞(2歳オープン)が行われ、単勝1番人気のキングフェスタが優勝。障害2番手から抜け出す快勝で世代最初のタイトルを奪取しました。

【出走馬】※カッコは負担重量、右の数字は単勝最終オッズ
 1.クリスタルコルド(570) 23.4
 2.サツキヤッテマレ(550) 25.9
 3.ツガルノヒロイモノ(570) 34.4
 4.ピュアリーナナセ(550) 55.8
 5.ヘッチャラ(580) 4.9
 6.ヤマカツエース(570) 9.7
 7.キングフェスタ(580) 1.3
 8.キョウエイハンター(580) 26.0
 9.シンエイアロイ(550) 49.9
 10.ジェイホースワン(570) 22.8

 今季デビューした2歳馬による初めての重賞にフルゲート10頭がエントリー。中心となったのはキングフェスタ。ここまで牡馬の前哨戦、青雲賞を勝利するなど9戦7勝の実績は断然で、単勝1.3倍と高い支持を集めました。青雲賞を含め近2走ともにキングフェスタの2着ヘッチャラが2番人気で続き、青雲賞不出走もデビューから4着以内を外していない堅実ヤマカツエースまでが単勝ひと桁台の人気となりました。

 第1障害を最初に越えたのはシンエイアロイでしたが、ツガルノヒロイモノやクリスタルコルドも差がなく先行。ヘッチャラが続き、キングフェスタも位置取りを上げてきます。ピュアリーナナセが少し置かれますが、前はほとんど横一線で、先頭が入れ替わりながら進み、わずかにシンエイアロイが先頭で第2障害下に到達。レース前半は42秒というペースでした。
 ひと息入れたシンエイアロイが最初に仕掛けると、連れてツガルノヒロイモノ、ジェイホースワン、サツキヤッテマレも登坂を開始。その中でジェイホースワンが先頭で障害を通過すると、ほとんど差なくキングフェスタもクリア。その後はヘッチャラ、ヤマカツエース、クリスタルコルドの順で続きます。
 障害を越えた後の脚色が良かったキングフェスタがすぐに先頭に立つと、残り30メートルあたりから後続との差を広げにかかります。ヘッチャラとヤマカツエースが食い下がりますが、最後まで力強い伸び脚を見せたキングフェスタが先頭でゴール。2着争いは接戦となりましたが、障害を越えた後すぐに2番手に浮上したヘッチャラがヤマカツエースをコンマ5秒差で振り切り、上位3頭は人気順の決着となりました。

 勝ったキングフェスタの母は、2015年のヒロインズカップを制したクインフェスタ。半兄には現5歳のコマサンエースがいる良血で、素質の高さをアピールする結果となりました。
 これで通算8勝とすでに世代で頭ひとつ抜けた存在となっており、今後も順調なら残る二冠も当然最有力となるでしょう。

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鈴木恵介騎手「2連勝してずっと調子の良い状態で今日を迎えられて良かったです。昨日雨が降りましたが、昨日よりはそれほど時計の速い馬場にならなかったのが余計良かったと思います。道中びっくりして横に逃げた場面もありましたが、それでも上手く修正できて、障害も上手で、降りてからも余裕があるくらい頑張ってくれました。降りた瞬間に止まらなければ勝てると思っていました。血統も本当に良くて、馬も真面目で、これからが凄い有望な馬だと思っています。今のところは若い面が少し出るくらいですが、これから年を取れば落ち着いて、いずれオープン馬になれるような馬だと思います」

9/26銀河賞回顧

2021年9月28日(火)

伏兵ヤマトタイコーが逃げ切り快勝

 9月26日(日)には重賞・銀河賞(4歳オープン)が行われ、単勝7番人気のヤマトタイコーが優勝。2着に10番人気のコマサンダイヤ、3着には6番人気のフォルテシモが入り、3連単は100万円を超える大波乱の決着となりました。

【出走馬】※カッコは負担重量、右の数字は単勝最終オッズ
 1.コマサンダイヤ(730) 104.0
 2.フォルテシモ(690) 14.9
 3.ヤマトタイコー(720) 15.8
 4.ブラックサファイア(730) 14.3
 5.コウシュハボブ(710) 76.0
 6.エンゼルフクヒメ(690) 18.2
 7.キョウエイリュウ(740) 1.8
 8.トワトラナノココロ(730) 8.9
 9.ゴールドハンター(730) 6.0
 10.カイセドクター(750) 7.0

 ばんえいダービーなど重賞4勝の世代王者キョウエイリュウは、柏林賞では6着でしたが、当時より重量面で恵まれた今回こそはと単勝1.8倍と高い支持を集めました。その柏林賞を制したゴールドハンター、前走はまなす賞で重賞初制覇を飾ったカイセドクター、イレネー記念2着の実績があるトワトラナノココロまでが単勝ひと桁台で続きました。

 先行したのはコマサンダイヤとフォルテシモで、ヤマトタイコーも差なく追走。断然人気のキョウエイリュウも続きます。一旦は全馬がほとんど横並びになりましたが、中間点あたりでヤマトタイコーが先頭に替わると、積極的なレースぶりでそのまま第2障害下に先頭で到達。ここまで54秒というペースでした。
 位置取りを下げたコマサンダイヤやゴールドハンターが第2障害下に到達する前に、最初に仕掛けたのはヤマトタイコーで、すんなりひと腰でクリア。続いたフォルテシモは天板で詰まりますが、立て直してふた腰2番手での通過。コウシュハボブが続き、少し離れてキョウエイリュウ、コマサンダイヤ、エンゼルフクヒメの順で障害を通過しました。
 先頭で突き進むヤマトタイコーに後続が一気に押し寄せ、2番手以下は横並びになりますが、ヤマトタイコーの行き脚は衰えることなく、そのまま振り切って勝利。残り20メートルあたりで2番手に押し上げたコマサンダイヤが5頭による2着争いを制し、牝馬フォルテシモが3着。二冠を狙ったゴールドハンターは障害9番手から一気の脚で追い込むも4着が精一杯。キョウエイリュウは伸び切れず7着でした。

 勝ったヤマトタイコーは、重賞初挑戦となったばんえい菊花賞が5着で、ばんえいダービー2着、柏林賞3着と善戦。しかしその後の特別戦で大敗が多く、今回は人気を落としていましたが、その評価を覆す鮮やかな逃げ切り勝ち。手綱を取った渡来心路騎手とともに重賞初制覇を飾りました。
 2着コマサンダイヤは、ばんえい大賞典を制した後、成績が振るいませんでしたが、障害を5番手で越えてからの脚は目を見張るものがありました。タイトル馬の復活となれば、三冠最終戦である1月の天馬賞はより楽しみな一戦となりそうです。

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渡来心路騎手「(自身の重賞初制覇について)結構惜しい時はありましたが、なかなか勝てることができず、それでもいつかは勝てるだろうと思って騎乗していたので勝てて良かったです。真面目な馬なので、馬場も軽そうだったし、馬に任せて行きました。障害は得意なので上がってくれました。切れる脚はありませんが、止まらずに歩いてくれる馬なので、ゴールまでしっかり頑張ってくれました。(勝利を確信したのは)10メートル前くらいです。2歳の時からずっと真面目に引っ張ってくれているので良かったです」

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