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5/8カーネーションカップ回顧

2022年5月10日(火)

アーティウィングが悲願の重賞初制覇

 5月8日(日)には重賞・カーネーションカップ(3歳以上牝馬)が行われ、単勝3番人気のアーティウィングが障害2番手から抜け出し、重賞初制覇を飾りました。

【出走馬】※カッコは負担重量、右の数字は単勝最終オッズ
 1.ヒメミヤ(660) 47.8
 2.ヒメトラマジック(660) 66.6
 3.フォルテシモ(680) 7.7
 4.ニセコヒカル(660) 10.1
 5.ミソギホマレ(650) 54.6
 6.シンエイボブ(680) 1.9
 7.アーティウィング(670) 6.6
 8.マオノクイーン(660) 88.2
 9.サクラヒメ(670) 3.7
 10.シャンハイオトメ(660) 54.6

 単勝1番人気に推されたのはシンエイボブ。昨年のこのレースの覇者で、今季初戦のA1級特別を快勝と好調ぶりもうかがえることから単勝1.9倍と高い支持を集めました。サクラヒメは同レースがタイム超過で失格も、昨年秋にはばんえい菊花賞、ばんえいオークスを連勝した実績を買われて2番人気。1月のヒロインズカップで僅差2着のアーティウィング、そのヒロインズカップを制したフォルテシモまでが単勝ひと桁台の人気となりました。

 第1障害を越えた勢いで先行したのはヒメミヤで、ニセコヒカルが差なく追走。その後はフォルテシモ、ヒメトラマジック、アーティウィングが続き、シンエイボブも先行勢に加わります。中間点あたりからニセコヒカルが抜け出すと、そのまま先頭で第2障害下に到達。朝方の雨で馬場水分1.0%とやや湿った馬場で、ここまで52秒というペースで進みました。
 ひと息入れたニセコヒカルが最初に仕掛け、ひと腰先頭でクリア。アーティウィングもすんなりひと腰で続き、その後はフォルテシモ、サクラヒメ、シャンハイオトメの順で障害を通過します。
 残り30メートルでアーティウィングがニセコヒカルをとらえて先頭に立つと、サクラヒメも追い上げ3頭の争いとなります。しかし力強く歩を進めたアーティウィングがそのまま押し切って先頭でゴール。ニセコヒカルも止まらず歩き切って2着。サクラヒメは残り10メートルで一杯になり、追い上げたシャンハイオトメが3着。断然人気のシンエイボブは障害で苦戦し6着でした。

 アーティウィングは、ヒロインズカップではフォルテシモにコンマ7秒届かずの2着でしたが、今回は同じ5歳のニセコヒカルとの競り合いを制し、5度目の重賞挑戦で見事初制覇となりました。今後の牝馬戦線でも中心的存在として活躍が期待できそうです。

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島津新騎手「勝ちたいと思って乗って勝てたので嬉しいです。あの時(ヒロインズカップ)は重量も積んでいたので、脚を溜める競馬をして2着と届きませんでしたが、今日は重量も軽かったので先行してみたことが勝ちに繋がったと思います。藤野騎手(のニセコヒカル)が先行していましたが、降りてからの勝負ではこちらに分があると思い、焦らず自分のペースで行きました。(ゴール前は)結構辛そうな感じだったので、あとは頑張れ、と念を込めてゴールまで押し切りました」

5/1ばんえい十勝オッズパーク杯回顧

2022年5月 3日(火)

6歳馬アオノブラックが連覇達成

 5月1日(日)は今シーズン初の重賞・ばんえい十勝オッズパーク杯(4歳以上オープン)が行われ、単勝4番人気のアオノブラックが優勝。昨年に続く連覇を達成し、重賞8勝目を挙げました。

【出走馬】※カッコは負担重量、右の数字は単勝最終オッズ
 1.アアモンドグンシン(720) 5.2
 2.メムロボブサップ(720) 1.3
 3.アオノブラック(720) 14.0
 4.マツカゼウンカイ(720) 50.0
 5.カイセドクター(720) 28.4
 6.キョウエイリュウ(720) 23.1
 7.メジロゴーリキ(720) 9.4
 8.ゴールドハンター(720) 67.3
 9.ヤマトタイコー(720) 82.8

 5~8歳の9頭全馬が開幕週のスプリングカップで対戦しており、そこで快勝したメムロボブサップが状態面の良さ、そしてハンデ差もつかないことで単勝1.3倍と圧倒的な支持を集めました。スプリングカップ2着のアアモンドグンシンが2番人気。同3着で昨季ばんえい記念を制したメジロゴーリキ、このレース連覇を狙うアオノブラックが人気で続きました。

 アオノブラックとメムロボブサップの6歳馬2頭が勢いよく第1障害を越えて先行。内から位置取りを上げたアアモンドグンシンが中間点をを過ぎたあたりで先頭に替わります。小雨が降るなか前3頭が後続を離して軽快に歩を進め、わずかにアアモンドグンシンが先頭で第2障害下に到達。ここまで41秒と速いペースで流れました。
 第2障害で最初に仕掛けたのはアアモンドグンシンでしたが登坂途中でひと息。差なくメムロボブサップとアオノブラックが仕掛け、わずかにメムロボブサップが先頭で、差なくアオノブラックが続き、アアモンドグンシンは少し離れた3番手で通過。その後はカイセドクター、マツカゼウンカイの順で障害を通過します。
 6歳馬2頭の争いとなり、残り30メートルで前に出たアオノブラックが、しぶとく食い下がるメムロボブサップに1秒8差をつけて勝利。アアモンドグンシンがやや離れて3着に入りました。

 アオノブラックはスプリングカップ6着からの参戦で今回は人気を落としていましたが、見事ばんえい十勝オッズパーク杯連覇を達成。2着メムロボブサップとのワンツーは昨年と同じで、今年もこの6歳馬2頭が古馬重賞戦線を牽引していくことになりそうです。

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藤野俊一騎手「馬の状態は良かったのですが、年度末のばんえい記念で重い荷物を曳いたせいか前走は悩んでいました。(軽い馬場について)悪い印象はなかったですが、メムロボブサップも(軽い馬場では)速いのでどうかなという気持ちはありました。道中は向こう(メムロボブサップ)のほうが手応えが良いように感じていたのですが、こちらは追って追ってという感じでした。障害を並んで降りた時点で勝ったと思って乗っていました。夏場は少し弱いですが、今時期と秋口は調子が良くなるタイプで、また高重量戦にも強い印象だけに今年も活躍してくれると思います」

3/20ばんえい記念回顧

2022年3月22日(火)

メジロゴーリキが逃げ切って頂点へ

 3月20日(日)には重賞・ばんえい記念(4歳以上オープン)が行われ、単勝4番人気のメジロゴーリキが優勝。2度目のばんえい記念挑戦で初制覇となりました。

【出走馬】※カッコは負担重量、右の数字は単勝最終オッズ
 1.キタノユウジロウ(1000) 競走除外
 2.マルミゴウカイ(1000) 29.5
 3.シンザンボーイ(1000) 37.9
 4.アアモンドグンシン(1000) 2.5
 5.メムロボブサップ(1000) 2.6
 6.アオノブラック(1000) 5.2
 7.キンツルモリウチ(1000) 71.0
 8.メジロゴーリキ(1000) 5.4
 9.ゴールデンフウジン(1000) 35.1

 昨年の2着馬キタノユウジロウが競走除外となり、8頭立てとなった年度末の最強馬決定戦。ばんえい記念優勝馬が1頭もいないなか、単勝1番人気となったのはアアモンドグンシン。初挑戦となった20年は競走中止となりましたが、今年に入って5戦4勝で、唯一敗れた帯広記念も3着と好走し、2.5倍と高い支持を集めました。2月のチャンピオンカップで重賞10勝目となった6歳馬メムロボブサップが、初挑戦ながら2.6倍で差のない2番人気。メムロボブサップと同世代のライバルで、同じく初挑戦のアオノブラックが3番人気。初挑戦となった昨年は6着も、今年の帯広記念で僅差2着のメジロゴーリキが4番人気でここまでが単勝ひと桁台の人気。以下は離れて、この4頭に人気が集まりました。

 レース前日の降雪により馬場水分4.8%となった今年のばんえい記念。第1障害を先頭で越えたのはメムロボブサップで、アオノブラックが差なく追走。アアモンドグンシンが先頭に替わると、マルミゴウカイとメジロゴーリキも位置取りを上げてきます。各馬何度も刻みながら1トンのソリを曳き、第2障害下にはアオノブラックが最初に到達。前半は97秒とゆったりとしたペースで流れました。
 アオノブラックは、じっくり息を入れて最初に第2障害へ挑戦しましたが、坂の中腹でひと息。少し遅れてアアモンドグンシン、さらに続いたメジロゴーリキが障害をひと腰先頭でクリアすると、メムロボブサップがふた腰2番手。その後ろは離れてアオノブラックが3番手で障害を通過しました。
 前2頭のマッチレースは、残り10メートルでメムロボブサップが詰まったところ、メジロゴーリキは一度も止まることなく歩き切って先頭でゴール。すぐに立て直したメムロボブサップが2着、差を詰めてきたアオノブラックが3着に入りました。

 メジロゴーリキは、ばんえい記念初挑戦となった昨年は6着でしたが、今シーズンは岩見沢記念1着、北見記念、帯広記念でともに2着と高重量戦で結果を残し、2度目の挑戦で見事頂点に立ちました。また、メジロゴーリキの父であるニシキダイジンもばんえい記念を2勝、手綱を取った西謙一騎手の父である西弘美調教師も騎手時代にばんえい記念を5勝しており、人馬ともに親子での制覇となりました。
 2着メムロボブサップ、3着アオノブラックにとっては初の1トンでしたが、この6歳馬2頭もまた来シーズンのばんえい競馬を牽引していく存在であることは間違いないでしょう。

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西謙一騎手「普段通りに乗ろうということだけを考えていました。(馬の状態は)ずっと良い調子で調教師が仕上げてくれました。昨年よりも(道中は)楽に追走できていたので、あとは障害だけかなと思っていました。障害は最後の天板だけ気を付けるようにしていました。(馬場が)軽い分辛抱して歩いてくれました。これだけ時計がかかるようであれば出番がある馬ですね。(来シーズンは)馬の状態を見ながらまた頑張りたいと思います」

松井浩文調教師「(調整は)普段と変わりなく、岩見沢記念のような重馬場だったら上位に行けると思っていました。(北見記念と帯広記念の2着について)そこはハンデなどいろいろな部分がありますし、全部のレースを勝てるわけではないので我慢しました。昨年は初のばんえい記念で、重い重量には耐えられると思っていましたが、馬場が軽すぎたために持ち味が出せませんでした。今回も前日降雪で軽馬場となりハラハラしていましたが、なんとか勝ってくれて良かったです。メムロボブサップと争っている時は良かったのですが、相手が止まった時には、今度はメジロゴーリキも止まらないようにと応援していました。(来シーズンは)馬体重に気を付けて普段通りにやりたいと思います」

3/19イレネー記念回顧

2022年3月21日(月)

キングフェスタが世代最強を示す

 3月19日(土)には重賞・イレネー記念(3歳オープン)が行われ、断然人気のキングフェスタが優勝。障害5番手の一線から一気の脚で抜け出し、世代の頂点に立ちました。

【出走馬】※カッコは負担重量、右の数字は単勝最終オッズ
 1.ヘッチャラ(690) 7.7
 2.トワイチロ(680) 23.2
 3.キングフェスタ(690) 1.4
 4.ヤマカツエース(690) 11.3
 5.サツキヤッテマレ(670) 86.5
 6.ホクセイサクランボ(670) 47.4
 7.ニシキマリン(670) 97.5
 8.ダイヤカツヒメ(670) 63.5
 9.ツガルノヒロイモノ(690) 12.4
 10.クリスタルコルド(690) 6.6

 2歳シーズン(明け3歳)の頂点を決める一戦。一冠目のナナカマド賞、牡馬限定の翔雲賞を制したキングフェスタが定量で臨める今回は単勝1.4倍と断然の人気に。翔雲賞3着などデビューから18戦すべてで掲示板を確保しているクリスタルコルドが2番人気。ここまでの重賞3戦ですべて3着以内のヘッチャラが3番人気で、ここまでが単勝ひと桁台。キングフェスタ一強という構図になりました。

 第1障害を先頭で越えたのはトワイチロで、ツガルノヒロイモノ、ヘッチャラも先行します。キングフェスタ、ヤマカツエースも続き、中間点を過ぎたあたりからサツキヤッテマレを除く9頭がほとんど横並びの展開。第2障害下にはヘッチャラ、ニシキマリン、ツガルノヒロイモノがほとんど同時に先頭で到達。レース当日の降雪の影響により馬場水分5.3%という軽い馬場のなか、レース前半は46秒で進みました。
 第2障害ではツガルノヒロイモノが最初に仕掛けますが、登坂途中でひと息。差なく仕掛けた中から、わずかにヘッチャラが先頭で障害をクリアし、ヤマカツエース、ニシキマリン、トワイチロと続々とひと腰で続きます。
 障害を降りた勢いでヤマカツエースが先頭に立ちますが、障害5番手の一線から一気に伸びてきたキングフェスタがキングフェスタが交わすと、みるみるうちに後続を引き離して先頭でゴール。ヤマカツエースは残り20メートルから脚色が鈍くなり、盛り返したヘッチャラにトワイチロが迫ると、2頭が並んだところがゴールで、2着は同着となりました。

 キングフェスタは、断然人気に応える勝利で重賞3勝目。昨年12月のヤングチャンピオンシップは4着でしたが、2歳シーズン二冠制覇となりました。現時点では同世代の中で頭ひとつ抜けており、この世代を牽引していく存在になるでしょう。

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鈴木恵介騎手「今日雪が降るのが分かっていたので、どこまで(馬場が)軽くなるのかなと考えていました。荷物が荷物なので同重量ということもあり、そこまで負ける気はしませんでした。今のところは馬の気性もよく、障害力、降りてからの末脚も抜群なので、それを壊さないで良い馬に育てていきたいと思います。今日は120点です。課題はとりあえず身体が増えているわけではないので、もう少し身体ができてくれば面白いかなと思っています」

3/13ポプラ賞回顧

2022年3月15日(火)

4歳馬オーシャンウイナーが押し切る

 3月13日(日)には重賞・ポプラ賞(4、5歳オープン)が行われ、単勝6番人気のオーシャンウイナーが優勝。第2障害を通過してすぐに先頭に立つと、ネオキングダムの追撃をしのいで重賞3勝目を挙げました。

【出走馬】※カッコは負担重量、右の数字は単勝最終オッズ
 1.カイセドクター(790) 1.8
 2.キョウエイリュウ(800) 6.8
 3.ヤマトタイコー(790) 6.4
 4.オーシャンウイナー(790) 9.7
 5.ネオキングダム(750) 9.2
 6.ミソギホマレ(730) 45.8
 7.ニセコヒカル(730) 20.3
 8.ゴールドハンター(790) 7.7

 今季はまなす賞を制し、チャンピオンカップで3着など重賞でも大崩れの少ないカイセドクターが単勝1.8倍と断然の1番人気。2月の5歳オープン・ダイヤモンドダスト賞を勝利したヤマトタイコーが2番人気。天馬賞を制したキョウエイリュウ、柏林賞を制したゴールドハンターと5歳馬が上位人気に支持され、軽量の4歳馬ネオキングダム、ばんえいダービー馬オーシャンウイナーまで単勝ひと桁台の人気となりました。

 第1障害はオーシャンウイナーが先頭で、カイセドクターが差がなく追走。ヤマトタイコー、ネオキングダムも徐々に位置取りを上げて先行勢に加わると、中間点を過ぎたあたりからヤマトタイコーが抜け出します。ネオキングダム、カイセドクターが差を詰めにかかりましたが、わずかにヤマトタイコーが先頭で第2障害に到達。ここまで58秒というペースでした。
 第2障害下にキョウエイリュウ、ゴールドハンターを除く6頭が横に並ぶと、まず最初に仕掛けたのはネオキングダムで、差なくニセコヒカルも登坂を開始し、この2頭はともにひと腰でクリア。以下はオーシャンウイナー、ヤマトタイコー、カイセドクターの順で続きました。
 先頭のネオキングダムをオーシャンウイナーがとらえて抜け出しますが、ネオキングダムも食い下がって再び差を詰めます。オーシャンウイナーは脚色が鈍くなりながらも粘り切って先頭でゴール。ネオキングダムは1秒0差の2着で4歳馬のワンツー。人気のカイセドクターも障害5番手から差を詰めましたが3着でした。

 勝ったオーシャンウイナーは、昨年末のばんえいダービーに続いて重賞3勝目。1歳上の有力馬カイセドクター、ヤマトタイコーらと同じ790キロと重量的に厳しい条件でしたが、世代王者の力を示しました。過去10年で4歳馬が制したのは14年オレノココロ、16年センゴクエース、20年アオノブラックと名だたる馬ばかり。今後の活躍が楽しみになる結果となりました。

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菊池一樹騎手「ハンデも重たかったので少し厳しいかなと思っていました。道中は(重量に)そこまで堪えていない感じだったので、ある程度の位置が取れるように乗りました。障害を降りてから見せ場は作れるなとは思っていましたが、そこからもってくれるかというのは半信半疑でした。(残り)20メートルで本当に苦しそうでしたが、頑張ってしのいでくれました。来シーズン以降もどんどん強くなってほしいと思います」

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