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11/5ばんえい菊花賞回顧

2017年11月 5日(日)

大混戦を制したのはコウシュハサマー!

 5日(日)は重賞・ばんえい菊花賞(3歳オープン)が行われ、単勝7番人気の伏兵コウシュハサマーが優勝。2着に最低人気のナカゼンガキタが入り、牝馬ワンツー決着の結果、馬連単は2万5000円超、3連単は22万円超の波乱となりました。

【出走馬】※馬名右の数字は単勝最終オッズ
  1.コウシュハサマー 13.7
  2.ナカゼンガキタ 32.7
  3.ホクショウムゲン 17.0
  4.メジロゴーリキ 3.1
  5.シンエイボブ 6.0
  6.マツカゼウンカイ 7.5
  7.ウンカイタイショウ 6.2
  8.カネサスペシャル 11.8
  9.ミノルシャープ 5.6
 10.センショウニシキ 21.0

 ばんえい大賞典の2着馬で、近況の安定感が光るメジロゴーリキが1番人気に推されましたが、5番人気のマツカゼウンカイまでが単勝ひと桁台のオッズ。以下もそれなりに票が入っており、混戦模様の一戦となりました。

 馬場水分は1.6%と若干重めで、各馬2度3度、脚を止めますが、メジロゴーリキが引っ張った流れは若干速めの印象。脚を止めては即座に歩き出し、他馬に息をつかせず、第2障害を迎えました。
 ナカゼンガキタ、メジロゴーリキ、ウンカイタイショウが並んで仕掛け、やや遅れて動いたコウシュハサマー、シンエイボブ、ミノルシャープ、センショウニシキの、実に7頭が切れのある登坂。あっという間に障害を突破し、最後の平坦路に向かいました。
 残り30メートル付近でナカゼンガキタ、コウシュハサマーが馬体を併せるようにして先頭。ミノルシャープも切れのある末脚を見せ、ぐんぐん差を詰めにかかります。ほか4頭に、後方から差を詰めてきたカネサスペシャルが加わり、5頭が差のない4番手集団として機をうかがいます。8頭が3馬身ほどで続く大接戦で、残り10メートルを突破。しかし先頭の2頭の脚いろは衰えず、追走組の末脚もひと息。結局、2頭による叩き合いを0秒2差で制したコウシュハサマーが、悲願の重賞初制覇を果たしました。1番人気のメジロゴーリキは勝ち馬から2秒3差でゴールしたものの6着。9着のマツカゼウンカイまでが10秒以内にゴールするという激戦で、3歳二冠目は幕を閉じました。

 コウシュハサマーは牝馬ながら、ばんえい大賞典3着、はまなす賞2着と、牡馬顔負けのレースを見せてきましたが、今回が初の重賞タイトル。隣枠のナカゼンガキタと併せるような形になったのが有利に働いたのは否めませんが、それをきっちりものにしたあたり、抜群の勝負根性がうかがえます。牝馬同士の一戦となるばんえいオークスはもちろん、3歳の頂上決戦・ばんえいダービーでも要注目の存在です。
 一方、大魚を逃したのはナカゼンガキタ。数少ないタケタカラニシキの産駒で、父子重賞制覇はなりませんでした。ただ、今回のレースを見る限り、またチャンスは巡ってきそう。今後のレースぶりに注目です。

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西謙一騎手「前走の結果は悪かったですが、今回は持ち直すことができてよかったです。道中は思い通りの展開になって、障害もすんなりいけました。隣の馬も頑張っていたので、最後の接戦では勝てたかどうか半信半疑でした。これからは来月のオークスに向けて頑張りたいと思います」

10/29北見記念回顧

2017年10月29日(日)

コウシュハウンカイが完勝!

 29日(日)は重賞・北見記念(3歳以上オープン)が行われ、単勝3番人気のコウシュハウンカイが優勝。惜敗続きにピリオドを打ち、ビッグレースが続く冬シーズンへ向けて、さい先のいいスタートを切りました。

【出走馬】※馬名右の数字は単勝最終オッズ
 1.フジダイビクトリー 5.5
 2.コウシュハウンカイ 3.7
 3.オレノココロ 2.9
 4.キサラキク 24.0
 5.ニュータカラコマ 3.5
 6.シンザンボーイ 7.4

 今のばんえいを代表する面々が集い、少頭数でも難解なメンバー構成。実績と地力を買われたオレノココロが1番人気に推されたものの、オッズは2.9倍。以下、3.5倍でニュータカラコマ、3.7倍でコウシュハウンカイと、差のない数字で続きます。馬場水分2.2%の馬場もどう作用するか、興味の尽きない一戦となりました。

 800キロ台後半の高重量戦とはいえ、湿った馬場により道中はテンポ良く進みます。いったん置かれかけたシンザンボーイも馬群に追いつき、各馬とも横一線の状態で第2障害を迎えました。
 最初に仕掛けたのはキサラキクで、ニュータカラコマ、コウシュハウンカイも早めに登坂を開始。フジダイビクトリー、オレノココロもこれに続きます。しかし、高重量戦での障害では、やはりニュータカラコマの安定感が光るところ。確かな脚どりで突破し、最後の平坦路に向かいました。コウシュハウンカイも差のない2番手でクリア。やや離れてキサラキクが突破し、フジダイビクトリーが4番手。障害でヒザを折ったオレノココロは、シンザンボーイと並んで最後方から逆転を狙います。
 先頭を行くニュータカラコマは徐々に脚いろが鈍り、残り20メートル付近でコウシュハウンカイが先頭へ。こうなればもうコウシュハウンカイの独壇場。そのままゴールまできっちり脚を伸ばし、先頭で荷物を運び切りました。いったん脚を止めたニュータカラコマをキサラキクがかわし、2番手に浮上。しかし、さらにゴール寸前で脚いろ良く伸びたフジダイビクトリーがキサラキクをかわし、2着で入線しました。オレノココロも良く追い上げたものの4着止まり。ニュータカラコマも5着に敗れました。

 勝ったコウシュハウンカイは、4月のばんえい十勝オッズパーク杯以来となる重賞6勝目。勝ち切れなかったこれまでのうっぷんを晴らすような、完璧なレースを見せました。高重量戦での安定感は抜群で、今年度もシーズン後半の活躍が存分に期待できそうです。
 昨年のこのレースの覇者、フジダイビクトリーが2着。今季は勝ち切れないまでも堅実なレースを演じており、やはり重賞戦線では軽視できない存在です。今後も馬場や展開次第でチャンスが巡ってくるでしょう。

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藤本匠騎手「スタートから自分で走ってくれたので、第2障害までにどれだけ息を入れられるかを考えて騎乗しました。障害を越えてからもしっかり歩いてくれたので、前にいたニュータカラコマ号をうまくかわしてくれてよかったです」

10/15ナナカマド賞回顧

2017年10月15日(日)

世代初の重賞ウイナーはミスタカシマ!

 15日(日)は重賞・ナナカマド賞(2歳オープン)が行われ、単勝1番人気のミスタカシマが優勝。この世代で最初のタイトルウイナーとなり、牡馬が相手でも互角以上の力を証明しました。

【出走馬】※馬名右の数字は単勝最終オッズ
  1.ジェイコマンダー 9.4
  2.バンリュウブラック 24.3
  3.ジェイフラワー 78.4
  4.カネサダイマオー 4.7
  5.ミスタカシマ 3.2
  6.ハマノダイマオー 4.8
  7.コウシュハレガシー 47.7
  8.ブラックエース 46.3
  9.オレワチャンピオン 3.3
 10.ウィナーサラ 30.9

 2歳戦らしく、上位に推された各馬のオッズは接近。いちい賞を制したミスタカシマがわずかに1番人気となり、オレワチャンピオンが2番人気。以下、5番人気のジェイコマンダーまでが単勝ひと桁台で続き、いわゆる"上位拮抗"の戦前評価となりました。

 馬場水分は徐々に下がり、このレースを迎えたころには1.5%。そうはいっても、軽量の2歳戦だけに、道中は横一線のままハイペースで進みます。わずかにミスタカシマが先頭をうかがいますが、他馬も遅れず追走。10頭がほぼ並んだままで第2障害を迎えました。
 オレワチャンピオンが動いた瞬間に、各馬も反応。ミスタカシマ、ハマノダイマオー、カネサダイマオーが仕掛け、ウィナーサラもこの一角。なかでも抜群の登坂を見せたのはオレワチャンピオンとミスタカシマで、この2頭が並んで障害を突破します。やや遅れてハマノダイマオー、さらに離れた4番手でジェイコマンダー、カネサダイマオーなどがクリアしていきました。
 最後の平坦路に入ったあたりではハマノダイマオー、ジェイコマンダーの脚いろに切れが見られましたが、残り20メートル付近から先行2頭と同様の脚どり。ミスタカシマが先頭を死守しながら、残り10メートルを迎えます。その後も、追っていたオレワチャンピオンの脚いろが鈍り、さらに後続の伸びも今ひとつ。結局ミスタカシマが最後まで粘り切り、最初の世代チャンピオンに輝きました。オレワチャンピオンが後続の追撃を振り切って2着。ジェイコマンダーも懸命に脚を伸ばして3着を確保しました。

 勝ったミスタカシマの母は、2007年のばんえいプリンセス賞2着、黒ユリ賞3着、そしてばんえいオークス4着のアグリタカラ。母が成し得なかった重賞制覇を、2歳最初の重賞で早くも成し遂げました。牝馬によるナナカマド賞制覇は1997年のキリツレディ以来、20年ぶりのこと。第2障害を下りてからのしぶとい末脚が印象的で、今後も底力が問われる重賞路線での活躍が期待できそうです。

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工藤篤騎手「状態は調教師から良いとは聞いていました。先手を取って、馬と喧嘩しないでまっすぐ走ってくれたら結果はついてくると思っていました。障害もスムーズに上がってくれましたね。馬はまだまだ強くなると思います。ミスタカシマともども、これからも応援よろしくお願いいたします」

9/24銀河賞回顧

2017年9月24日(日)

マルミゴウカイが実力を見せつける!

 24日(日)は重賞・銀河賞(4歳オープン)が行われ、単勝1番人気のマルミゴウカイが優勝。昨年の3歳二冠馬、そして今年の柏林賞も制している実力馬が、トップハンデをものともせず重賞4勝目を挙げました。

【出走馬】※馬名右の数字は単勝最終オッズ
 1.フナノクン 12.7
 2.マルミゴウカイ 1.4
 3.アラワシキング 70.2
 4.コウシュハローヤル 16.4
 5.ツルイテンリュウ 17.9
 6.プレザントウェー 28.7
 7.フウジンライデン 6.4
 8.ホクトノホシ 188.2
 9.ホクショウディープ 6.6

 実績上位のマルミゴウカイが、トップハンデ750キロながら圧倒的な1番人気。離れた2番人気にイレネー記念馬のフウジンライデンで、柏林賞2着のホクショウディープが差のない3番人気で続きます。単勝ひと桁台はこの3頭でしたが、オッズが示すとおり、戦前評価は歴然。マルミゴウカイが強さを見せつけるのか、それともハンデ差を味方に台頭する馬が現れるか、注目を集めました。

 馬場水分1.8%、昼間開催のため太陽光が残るなかでのスタートとなりました。道中はフナノクンが大逃げを打ち、他馬は様子を見ながらの追走。極端に遅れる馬もなく、フナノクンと、その他8頭の集団に分かれてレースを進めました。ひとあし先に障害下にたどり着いたフナノクンが息を整える間に、8頭もぞくぞくと勝負どころに到着しました。
 各馬がそろい切るタイミングで、フナノクンが登坂を開始。他馬はその様子をうかがっていましたが、天板付近で脚を止めたところでツルイテンリュウとフウジンライデン、マルミゴウカイが動きます。一度は迫られたフナノクンでしたが、二の腰を入れて障害を突破。他馬に先駆けて最後の平坦路に歩を進めました。やや離れた2番手でマルミゴウカイ、フウジンライデンがクリアし、コウシュハローヤル、ツルイテンリュウ、プレザントウェー、ホクショウディープも差なく障害を下りていきました。
 積極的に運んだフナノクンは残り30メートルで脚いろが鈍り、軽快な脚どりでマルミゴウカイが先頭を奪取。これを追うのはツルイテンリュウで、フウジンライデンもじわじわと脚を伸ばします。さらに、その外から豪快に伸びてきたのがホクショウディープで、2番手争いは熾烈を極めます。その一方、先頭のマルミゴウカイは後続との差を保ったまま、残り10メートル標識を通過。トップハンデながら他馬と同様の脚どりを見せ、トップで荷物を運び切りました。注目は2着争い。懸命に粘るツルイテンリュウと、外を伸びたホクショウディープはほぼ同時にゴール線を通過しましたが、わずかに0秒2差だけ、ホクショウディープが先着しました。

 終わってみれば、マルミゴウカイが実績どおりに完勝。2着のホクショウディープとは20キロ、3着のツルイテンリュウとは30キロのハンデ差があっただけに、見た目以上の強さを発揮したレース内容だったといえます。これで柏林賞に続く4歳二冠を制し、当然1月の天馬賞でも最有力候補。今後も目が離せない存在です。
 ホクショウディープは柏林賞と同様にマルミゴウカイの2着。勝ち馬以外と比べれば10キロ以上、余計に積まれていただけに、世代上位の力は示した格好です。これだけの力があれば、いつかはチャンスが巡ってくるはずで、引き続き好勝負が期待できそうです。

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藤本匠騎手「フナノクンが大きく先行していましたが、いつも通り自分の競馬を心掛けました。第2障害まで4回ほど刻んだ割には第2障害で止まってしまいましたが、すぐに越えられたのでよかったです。トップハンデだったので先頭を捉えられるか心配でしたが、最後までしっかり走ってくれました。年明けの天馬賞も勝てるよう頑張りますので、応援をよろしくお願いします」

9/17岩見沢記念回顧

2017年9月18日(月)

オレノココロが貫禄の勝利!

 17日(日)は重賞・岩見沢記念(3歳以上オープン)が行われ、単勝1番人気のオレノココロが優勝。旭川記念に続く今シーズン2度目、通算15度目の重賞制覇を果たしました。

【出走馬】※馬名右の数字は単勝最終オッズ
 1.セイコークイン 55.4
 2.カイシンゲキ 53.5
 3.オレノココロ 2.2
 4.フジダイビクトリー 3.6
 5.サクラリュウ 11.7
 6.コウシュハウンカイ 2.6
 7.キサラキク 36.5

 7頭立てとなったものの、上位勢は力が拮抗。1番人気はばんえい記念馬オレノココロで、堅実なコウシュハウンカイが差のない2番人気。復調気配を示しているフジダイビクトリーも3.6倍で続き、この3頭による三つどもえの戦前評価となりました。これに割って入る馬が現れるか、馬場水分1.5%のなかスタートが切られました。

 さすがに歴戦のオープン馬だけあって、800キロオーバーの重量でも第1障害を難なく突破。わずかにフジダイビクトリーが前に出るも、極端に遅れる馬はなく、横一線の攻防を繰り広げます。サクラリュウ、オレノココロ、フジダイビクトリーが代わるがわる先頭に立つような展開で第2障害を迎えました。
 最初に動いたのはサクラリュウとフジダイビクトリー。これに呼応してコウシュハウンカイも登坂を開始します。オレノココロもスムーズに天板まで駆け上がり、この4頭が一団となって第2障害を突破しました。
 残り30メートル地点で敢然と抜け出したのはコウシュハウンカイ。重賞での3連続2着にピリオドを打つべく、懸命に脚を伸ばします。しかし、オレノココロとサクラリュウが食い下がり、この3頭が並んだまま残り20メートル。激しい追い比べは残り10メートルを切っても続きましたが、ここで前に出たのはオレノココロ。持ち前の末脚を誇示し、1馬身ほど抜け出て先頭ゴールを果たしました。しぶとい粘りを発揮したコウシュハウンカイでしたが、ゴール手前で失速。サクラリュウがこれをかわして2着となりました。

 障害をスムーズに越えられれば、やはりオレノココロの勝ちパターン。コウシュハウンカイには最後まで粘られましたが、レースぶりには余裕さえ感じられました。今後は高重量戦が増えてくるだけに、よりこの馬の持ち味が発揮できそう。引き続き要注目の存在です。
 2着のサクラリュウは重賞勝ちこそありませんが、オープン戦線で堅実な走りを見せています。昨年もこの時期から成績が上向いており、今後も重賞での好勝負が期待できそうです。

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鈴木恵介騎手「僕自身、岩見沢記念を優勝できたのは初めてなので、とても嬉しいです。オレノココロはもともと障害に不安がある馬ですが、ひと腰で上げられたらなんとかなると思い、様子を見ながら仕掛けました。障害を降りてからは一生懸命進んでくれましたが、他の馬も結構走っていたので、ギリギリかわせるかと思いながら追っていました。これからも重賞戦線で活躍していきますので、ばんえい競馬とオレノココロの応援をよろしくお願いします」

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