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重賞(特別)回顧 アーカイブ

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12/20ばんえいダービー回顧

2015年12月21日(月)

センゴクエース圧倒的な力を見せる!

 20日(日)は重賞・ばんえいダービー(3歳オープン)が行われ、単勝1.5倍の断然人気に推されたセンゴクエースが優勝。ばんえい菊花賞に続く二冠を制し、3歳世代の頂点に君臨しました。

【出走馬】※馬名右の数字は単勝最終オッズ
  1.タキニシサンデー 25.1
  2.バウンティハンター 52.6
  3.コウシュハスパーク 41.3
  4.キンメダル 3.3
  5.メムロコマチ 55.0
  6.ホクショウモモ 14.3
  7.シリウス 38.3
  8.センゴクエース 1.5
  9.コウリキ 14.2
 10.ホクセイボス 27.9

 注目はやはりセンゴクエース。これまで3歳馬同士では無敗を誇っており、前走も古馬重賞級を相手に5着に健闘。同世代では一枚上の存在で、定量戦のここは、どう勝つかが焦点となりました。1.7%の馬場水分のなか、ゲートが開きました。

 ダッシュ良く飛び出したのはタキニシサンデーとセンゴクエース。ホクショウモモもこの一角で、コウリキ、キンメダルも差なく追走します。とはいえ、各馬離れず追走し、集団のまま第2障害を迎えました。
 最初に動いたのはホクショウモモとタキニシサンデーで、即座にキンメダルとセンゴクエースが反応します。しかし、タキニシサンデーとキンメダルはヒザを折ってしまい苦戦。さらにホクショウモモも天板付近で脚を止めてしまいます。そうしたなか、ひと腰でクリアしたのがセンゴクエース。立て直したキンメダルが、やや遅れて2番手で突破。さらに遅れてホクショウモモが3番手で続きます。
 ただ、3頭の差はどこまで行っても詰まらず、むしろ差は広がるばかり。先頭を行くセンゴクエースに至ってはなおさらで、危なげない脚どりでゴールを目指します。そして残り10メートルを切ったあたりで勝負は決し、大きなリードを保ったままゴールしました。2番手を追走していたキンメダルはしまいに苦しくなり、ゴール線上でストップ。その間隙を突いてコウリキ、シリウスが鋭く追い込み、きわどい勝負となりましたが、結果、立て直したキンメダルがわずかに0秒1差で先着。3着にはコウリキが入線しました。

 圧倒的な力を見せつけて世代チャンプの座に就いたセンゴクエース。父ウンカイ、母サダエリコという血統背景を武器に、これで世代限定戦では11戦無敗。ばんえい大賞典で競走除外となり、父子三冠という偉業は成し得なかったですが、父、母、子でばんえいダービーを制す金字塔を打ち立てました。障害を難なく越えたレースぶりに成長も見られ、世代限定重賞では今後も破竹の勢いを見せつけるに違いありません。
 キンメダルは積極的なレースを展開して2着。真っ向勝負を挑んだぶん、最後は苦しくなりましたが、このレースは大きな経験となるでしょう。ただ、振り返ればイレネー記念、ばんえい菊花賞、ばんえいダービーのすべてで2着。世代上位の力があるのは確かで、悲願の金メダルを獲得するチャンスはいくらでもあるでしょう。
 コウリキは障害6番手から猛然と追い上げての3着。しかもキンメダルとは0秒1差だけに、中身の濃い内容でした。馬場や展開次第で、今後もタイトル奪取が期待できそうです。

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鈴木恵介騎手「ばんえい菊花賞では障害のミスがあったので、今回はすんなりいけるように心がけてレースをしました。うまく越せたと思います。障害を降りてからは脚のある馬なので、ゴールまではこのまま何とかなると思って馬にあわせて騎乗しました」

11/29ばんえいオークス回顧

2015年11月30日(月)

ホクショウモモが女王戴冠!

 29日(日)は重賞・ばんえいオークス(3歳牝馬オープン)が行われ、単勝4番人気のホクショウモモが優勝。2月の黒ユリ賞では10着だった同馬が成長ぶりを示し、3歳牝馬の頂点に君臨しました。

【出走馬】※馬名右の数字は単勝最終オッズ
 1.メムロコマチ 4.3
 2.ワタシハサクランボ 5.7
 3.シリウス 2.1
 4.タキニシサンデー 7.6
 5.レジーナ 37.1
 6.ホクショウモモ 6.1
 7.アスリート 47.7
 8.サンノハヤヒメ 41.4
 9.サカノメイホウ 132.1

 黒ユリ賞馬で、牡馬相手のばんえい大賞典も制しているシリウスが1番人気。以下ばんえい菊花賞4着のメムロコマチ、5連続連対中のワタシハサクランボが続き、ホクショウモモ、タキニシサンデーまで5頭が単勝ひと桁台と、上位は拮抗したオッズになりました。一筋縄ではいきそうにない、という戦前予想に、馬場水分2.5%の馬場がどう作用するか注目が集まりました。

 軽めの馬場とあって、各馬とも積極的なレース運び。ホクショウモモが軽快に飛ばし、タキニシサンデー、メムロコマチも遅れず追走。これにシリウスも加わり、レース序盤から激しい争いが繰り広げられました。やや縦に長い展開の中、ホクショウモモが先頭で第2障害にたどり着き、タキニシサンデー、シリウス、メムロコマチの順で勝負どころを迎えました。
 ここで勝負に出たのは松田道明騎手とホクショウモモ。5頭がまだ障害にたどり着いていない段階で、いち早く登坂を開始します。これに3頭も素早く反応。各馬とも鋭い登坂を見せ、次々と障害を突破していきました。
 ここから先は、しまいの我慢比べ。残り15メートル付近からは各馬の脚いろが鈍りはじめ、唯一、障害でひと息入れていたメムロコマチがジワジワと脚を伸ばします。そして残り5メートルを切ったあたりでホクショウモモのスピードが落ち、タキニシサンデーが猛追。そして2頭が並んだところでゴール。結果はわずか0秒2差、ホクショウモモが粘り切りました。タキニシサンデーが2着で、さらに1秒9差の3着にメムロコマチが入線しました。

 道中は完全にペースを掌握し、仕掛けのタイミングも絶妙。馬場と重量を考慮しながら、強気に運んだ松田騎手の好騎乗でした。そして、その叱咤に応えてゴールまで粘り通したホクショウモモの、比類なき勝負根性。女王の座にふさわしい、力強いレースを見せてくれました。ひと夏を越してのパワーアップは明らかで、今後の牝馬戦線でも軽視できない存在となりそうです。
 タキニシサンデーは悔しい2着。多少後手に回った面は否めませんが、それ以上に勝ち馬にうまく乗られてしまった印象です。ただ、ハイペースを追走しながら、しまいまでしぶとく脚を伸ばした内容は高く評価できるもの。今後もタイトル奪取のチャンスがありそうです。
 3着のメムロコマチは中間点あたりから大事に刻んでおり、それが最後の伸びにつながった印象を受けました。馬場や重量、多少の展開利さえあれば、引き続き好勝負ができるでしょう。

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松田道明騎手「今日は馬場も湿っているし、速い決着のレースが続いていたので、前の位置取りでレースを進めていこうと考えていました。第2障害も早めに仕掛けようと狙っていました。ゴール際は少ししんどくなりましたが、厩舎関係者がしっかり仕上げてくれた結果が最後の一押しにつながったと思います。本当に良い結果を残せてよかったです」

11/22ドリームエイジカップ回顧

2015年11月23日(月)

オレノココロがスピードを見せつける!

 22日(日)は重賞・ドリームエイジカップ(4歳以上馬齢選抜)が行われ、単勝2番人気の5歳馬オレノココロが優勝。今年のばんえい十勝オッズパーク杯に続く重賞7勝目を挙げ、冬の重賞戦線へ向け、さい先のいいスタートを切りました。

【出走馬】※馬名右の数字は単勝最終オッズ
  1.インフィニティー 12.8
  2.オレノココロ 5.9
  3.アサヒリュウセイ 23.5
  4.ニュータカラコマ 2.3
  5.フジダイビクトリー 7.6
  6.ホクショウユウキ 7.8
  7.ソウクンボーイ 104.8
  8.キサラキク 6.1
  9.カイシンゲキ 27.5
 10.キタノタイショウ 16.1

 昨シーズンのばんえい記念2着馬ニュータカラコマが重量面で恵まれたうえ、前走できっちり勝利して臨むこともあって、1番人気に支持されました。少し離れた2番人気に5歳のオレノココロ、ほぼ並ぶような形で4歳牝馬キサラキクと、若駒が続くオッズ。実績馬か新鋭か、まさに今後のばんえいを引っ張っていく"ドリームエイジ"決定戦の様相を呈しました。

 馬場水分1.5%でスタート。馬群を引っ張ったのはオレノココロ。ハイペースで逃げる形となりましたが、他馬は慎重に歩を進め、1頭を除いてほぼ横一線という態勢。第2障害の手前で若干差が詰まりましたが、結局はオレノココロがリードして障害を迎える形となりました。
 真っ先に仕掛けたのもオレノココロ。抜群の登坂を見せ、一気に障害を駆け上がります。天板に乗ったところで一瞬ヒザを付きかけますが、これを何とかこらえると、そのまま先頭で突破しました。他馬は少し後手にまわるような展開となりましたが、やや遅れてニュータカラコマ、フジダイビクトリー、ホクショウユウキとクリア。勝負はこの4頭に絞られました。
 先頭を行くオレノココロに迫ってきたのは、実績馬ニュータカラコマ。ハンデ差も10キロあるだけに、みるみるうちに差が詰まります。ところが残り20メートルを切ってから、オレノココロが再加速。軽快なピッチでニュータカラコマを引き離しにかかり、結局これに3秒8差をつけて先頭で荷物を運び切りました。さらに4秒1差の3着にはフジダイビクトリーが入り、人気サイドでの決着となりました。

 冬場を前に、オレノココロが持ち前のスピードを見せつけて勝利。みずからレースを作って押し切ったレース内容は圧巻でした。今後は重量が増えるために障害での立ち回りがカギとなりますが、混戦が続く古馬戦線にまた1頭、楽しみな存在が現れたと言えるでしょう。

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鈴木恵介騎手「いつもの重賞より軽い770キロで、馬場も軽めだったので、条件はちょうど良かったです。道中は軽ハンデの馬もいたので、自分でレースを作るよう積極的に行きました。障害でヒザが甘いところがあり、そこさえうまくできればと思っていましたが、よく立て直してくれました」

11/8クインカップ回顧

2015年11月 9日(月)

フェアリードールが重賞初制覇!

 8日(日)は重賞・クインカップ(4歳牝馬オープン)が行われ、単勝1番人気のフェアリードールが優勝。目下のデキの良さを生かし、重賞初制覇を果たしました。

【出走馬】※馬名右の数字は単勝最終オッズ
  1.キタノカツヒメ 99.3
  2.アサヒメイゲツ 7.4
  3.フェアリードール 2.0
  4.キサラキク 7.1
  5.アアモンドセブン 6.8
  6.ツルマキイチバン 7.1
  7.センゴクイチ 10.9
  8.マルタウンカイ 117.9
  9.センショウレディー 15.6
 10.キクノカンターレ 30.3

 牝馬重賞2勝を誇るキサラキクが720キロのトップハンデ。最大40キロのハンデ差があるだけに、キサラキクの取捨がまずはキーポイントとなりました。A2、B1で好勝負を演じているアアモンドセブン、アサヒメイゲツ、フェアリードールなどとは10~20キロの差。これがレースにどう作用するか、注目を集めました。

 小雨の降る中、馬場水分は2.8%でスタート。道中はアアモンドセブン、センゴクイチが飛ばし、キサラキクもこの一角。フェアリードール、アサヒメイゲツも差なく追走します。先行勢は快調に飛ばし、アアモンドセブン、センゴクイチ、フェアリードールが先頭で第2障害にたどりつきました。
 ひと呼吸入れただけでアアモンドセブンとフェアリードールが登坂開始。あっさりと荷物を曳き上げ、ゴール前の平坦路に向かいます。遅れて仕掛けたセンゴクイチは、いったん止まったものの、すぐに立て直して3番手で突破。キサラキクも直後に下り、勝負権を持ったまま最後の攻防に備えます。
 先頭を行くフェアリードールの脚いろは軽快でしたが、それ以上の末脚で迫ってきたのがキサラキク。残り20メートル付近から馬体を併せにかかり、懸命に脚を伸ばします。しかし、フェアリードールもしぶとい粘りを発揮。クビほどの差を保って先頭をキープします。残り10メートルを切っても、そのままの差。そしてゴール前でも激しい叩き合いが演じられましたが、結局その差は縮まらず、0秒7差だけフェアリードールが先着しました。キサラキクから5秒2差の3着にはセンゴクイチが入線しました。

 勝ったフェアリードールは昨年のばんえいオークス(2着)の雪辱を果たし、重賞初制覇。ハンデ差が味方したのは否めませんが、最後までキサラキクの猛追をしのぎきったのは、たぐいまれな勝負根性のたまものでしょう。自分でレースを作った内容も良く、今後も活躍が期待できそうです。

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安部憲二騎手「朝から雪や雨が降って馬場が軽く、あまり速いレースは得意ではないのですが、結果を出せて良かったです。今日はハンデがあったので恵まれた部分はありましたが、油断せず気を引き締めて騎乗しました。若い馬なので、これからも力をつけていいレースをしていきたいと思っています。そして何より、馬主になって30年以上のオーナーに優勝をとってあげることができて良かったです」

11/1ばんえい菊花賞回顧

2015年11月 2日(月)

センゴクエースが豪脚で"奪冠"!

 1日(日)は重賞・ばんえい菊花賞(3歳オープン)が行われ、単勝1.4倍の断然人気に推されたセンゴクエースが優勝。三冠初戦のばんえい大賞典で競走除外となり、出走できなかった無念をここで晴らしました。

【出走馬】※馬名右の数字は単勝最終オッズ
  1.アスリート 36.5
  2.コウシュハシンザン 59.7
  3.バウンティハンター 22.6
  4.エーチャン 7.0
  5.メムロコマチ 24.1
  6.タキニシサンデー 23.8
  7.キンメダル 5.6
  8.センゴクエース 1.4
  9.テンカトウイツ 107.8
 10.コウリキ 13.9

 注目はやはり昨季9戦無敗のセンゴクエース。今シーズンはばんえい菊花賞こそ競走除外となりましたが、前走で古馬A1を相手に3着に食い込むなど、随所で3歳馬とは思えないようなレースを見せています。それだけに重量も720キロと、最大50キロのハンデ差。この厳しい条件を克服できるか、注目が集まりました。

 馬場水分は1.0%と乾ききった状態でスタート。とはいえ700キロ前後の重量だけに、各馬軽快に第1障害を突破します。多少の出入りはあったものの、ほぼ横一線で推移し、各馬とも差なく第2障害を迎えました。
 最初に動いたのはキンメダルで、タキニシサンデーとコウシュハシンザン、コウリキも登坂を開始。やや遅れてセンゴクエースが仕掛けますが、天板で痛恨のヒザ折りを喫します。その間にキンメダルが余力十分に障害をクリア。一気に差を広げ、独走態勢を築きます。じっくりためていたメムロコマチがひと腰で上がり、離れた2番手から追撃態勢。立て直したセンゴクエースが3番手で、以下バウンティハンター、タキニシサンデー、テンカトウイツ、コウリキと続きました。
 先頭を行くキンメダルは楽勝ムード。残り10メートル標識付近で多少脚いろが鈍りましたが、セーフティリードを保ちます。1度脚が止まり、センゴクエースに差を詰められますが、それでも先頭をキープ。なんとか逃げ切るか、と思われたところ、センゴクエースがゴール寸前で渾身の追い込みを見せ、2頭がなだれ込むようにしてゴール。結果、わずかに0秒1差、センゴクエースに軍配が上がりました。メムロコマチとコウリキの3番手争いも激しい叩き合いとなりましたが、ゴール線上でメムロコマチがストップし、コウリキが3着で入線しました。

 センゴクエースはこれで重賞4勝目。世代限定戦では10戦無敗と、無類の強さを誇っています。今回は辛勝でしたが、三冠馬ウンカイ、女傑サダエリコの遺伝子が生み出す底力。ばんえいダービーはもちろん、その後の重賞戦線でも要注目の存在です。
 惜しかったのはキンメダル。悲願の重賞初制覇が、ゴール寸前でこぼれ落ちてしまいました。ただ、障害を難なく越えたレースセンスは今後も武器となるでしょう。馬場や重量次第で、またチャンスが巡ってくるに違いありません。

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鈴木恵介騎手「ハンデがきつかったので条件は厳しかったですね。ヒザをついてしまったのは想定外で、その後の返事(手ごたえ)が遅かったので、降りたときは届かないかな、と。結果は勝てましたがギリギリのレースでした。これでオープンクラスに上がったので、使うところを調教師と考えながら、12月のばんえいダービーを視野に入れて調整していきたいと思います」

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