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重賞(特別)回顧 アーカイブ

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2/15黒ユリ賞回顧

2015年2月15日(日)

シリウスが3歳牝馬の一番星!

 15日(日)は重賞・黒ユリ賞(3歳牝馬オープン)が行われ、単勝3番人気のシリウスが優勝。牡馬オープン相手でも互角の立ち回りを見せていた好素材が、初タイトルを手にしました。

【出走馬】※馬名右の数字は単勝最終オッズ
  1.アアモンドハナビ 14.2
  2.タキニシサンデー 2.4
  3.アキバビジン 45.4
  4.メムロコマチ 20.7
  5.シリウス 5.4
  6.サンノハヤヒメ 22.0
  7.アスリート 16.3
  8.ホクショウモモ 8.0
  9.ワタシハサクランボ 3.6
 10.キタクリーン 90.3

 昨秋の牝馬特別・いちい賞を制し、2歳A-1戦でも勝ち鞍を挙げているタキニシサンデーが1番人気。ナナカマド賞3着のワタシハサクランボが続き、以下シリウス、ホクショウモモまでが単勝ひと桁台となりました。ただ、3歳牝馬戦で、未知の重量640キロ。どの馬にも十分にチャンスがある一戦となりました。

 馬場水分も3.3%と、多少力の要る状態。ただ、ペースを握ったアアモンドハナビが軽快に進み、他馬もそれに引っ張られるように早め早めの競馬。これが後半にどう影響してくるか、目の離せない展開となりました。
 真っ先に障害にたどり着いたアアモンドハナビが、最初に登坂を開始。しかし、じっくりとためたタキニシサンデーが抜群の登坂力を発揮し、ひと腰で突破します。遅れて仕掛けたメムロコマチとシリウスが、やや離れてクリア。以下アアモンドハナビ、サンノハヤヒメと続きました。
 先頭を行くタキニシサンデーでしたが、障害を下りた直後から進みは今ひとつ。併せ馬の状態で追いかけてきたメムロコマチとシリウスが、残り30メートル付近でこれを捕らえます。しかし残り15メートルでシリウスがストップ。さらに残り10メートルを切ったところで、メムロコマチも脚を止めてしまいます。そこへスルスルと伸びてきたのがタキニシサンデー。2頭をかわして先頭に立ち、これで勝負あったかと思われたところ、立て直したシリウスが強襲。メムロコマチも最後の力を振り絞って脚を伸ばします。一進一退の攻防の末、先頭で荷物を運び切ったのはシリウス。0秒7差でメムロコマチが入線し、タキニシサンデーはさらに0秒7差の3着となりました。

 勝ったシリウスはこれが重賞初制覇。力の要る馬場のなか未知の重量を曳き、追い比べの末に勝利をもぎ取る好内容でした。この勝負根性は、のちの重賞戦線においても大きな武器となることでしょう。今後の成長が楽しみです。
 同じく最後まで我慢したメムロコマチも好内容のレースでした。勝ち馬との力差は感じられないだけに、今後も展開次第で好勝負を演じてくれるに違いありません。

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藤本匠騎手「朝から馬場が渋めで展開はあまり早くならないだろうと想定していたので、シリウスには都合が良いと思っていました。障害は3番手、4番手で降りて追い比べになるかと思っていましたが、早めにクリアできました。ゴール付近では危ない場面もありましたが、最後は本当に馬が我慢して良い結果をもたらしてくれました」

1/25ヒロインズカップ回顧

2015年1月26日(月)

クインフェスタ有終の美を飾る!

 25日(日)は重賞・ヒロインズカップ(4歳以上牝馬オープン)が行われ、単勝3番人気のクインフェスタが優勝。引退レースで見事に重賞初制覇を果たしました。

【出走馬】※馬名右の数字は単勝最終オッズ
  1.タケノビジン 58.5
  2.アアモンドマツカゼ 5.6
  3.ナナノチカラ 2.8
  4.タカラハヤヒメ 72.3
  5.セイコークイン 17.1
  6.クインフェスタ 5.1
  7.ダイリンビューティ 4.1
  8.ニシキエース 19.1
  9.コウシュハクィーン 27.9
 10.キュートエンジェル 8.8

 ばんえいオークスなど重賞3勝を誇る5歳馬ナナノチカラが1番人気。しかし2番人気以降は混戦で、ダイリンビューティからアアモンドマツカゼまではほぼ実力差がないという評価。それらにA2で連続連対中のキュートエンジェルがどこまで迫れるか。馬場水分2.7%のなか、注目のスタートが切られました。

 積極的に先行したのはナナノチカラ。第1障害を抜けて、やや後続を引き離します。しかし、レースはまだ序盤。各馬も徐々に差を詰め、ほぼ横一線の状態で第2障害を迎えました。
 最初に仕掛けたのはダイリンビューティ。ニシキエースがこれに続き、他馬もいっせいに登坂を開始します。しかしダイリンビューティは抜群の登坂を見せ、先頭でこれを突破。リードを広げにかかりますが、そうはさせじとナナノチカラ、キュートエンジェルが続き、その直後にタカラハヤヒメ、クインフェスタ、セイコークイン、アアモンドマツカゼと、続々と障害をクリアしていきました。
 最初に突破したダイリンビューティでしたが思ったほど進まず、障害を下りた直後にナナノチカラが先頭へ。快調に飛ばしたナナノチカラは、残り20メートル付近でも2~3馬身ほどのリードを保ちます。ダイリンビューティも懸命に前進するものの徐々に苦しくなり、代わってクインフェスタが2番手に浮上。クインフェスタはさらに脚を伸ばして、ナナノチカラに迫ります。そしてゴール線上での逆転劇。怒濤の末脚を発揮したクインフェスタが寸前でナナノチカラを捕らえ、悲願の重賞初制覇を果たしました。
 さらにナナノチカラは寸前で脚を止めてしまい、そこへしぶとく歩き続けたダイリンビューティが肉薄。そのままかわし去ったダイリンビューティが、2番手でゴールを果たしました。ナナノチカラはさらに遅れること1秒6差の3着となりました。

 クインフェスタは今回が引退レース。これまで重賞ではナナノチカラの後塵を拝してきましたが、ラストチャンスでリベンジを果たしました。牝馬での力上位を示しただけに引退は残念ですが、今後は仔に夢を託したいところです。
 ダイリンビューティは昨年のこのレースを制して以来となる重賞連対。勝ったクインフェスタには完敗でしたが、その他の5歳勢に先着を果たしたように、8歳を迎えた今年も衰えのないことを証明しました。古馬の牝馬重賞はこの一戦だけですが、これまでと同様に条件戦なら、牡馬相手でも好勝負を演じ続けてくれることでしょう。

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浅田達矢騎手「このレースで引退が決まっていたので、勝ちたかったです。レースではもう少しタイムがかかるかと思っていましたが速い展開でしたね。障害を降りてから、あんなに走るとは正直思っていませんでした。クインフェスタは自分の恋人みたいな存在。馬主さん、生産者、調教師、厩舎関係者のみなさん、なかなか結果を出せずにすみませんでした。最後に結果を残せて良かったです。ありがとうございました」

1/3天馬賞回顧

2015年1月 4日(日)

オレノココロが圧巻の勝利!

 3日(土)に行われた重賞・天馬賞(5歳オープン)は単勝1番人気のオレノココロが勝利。重賞4勝目を挙げ、世代チャンピオンの座を不動のものとしました。

【出走馬】※馬名右の数字は単勝最終オッズ
  1.クインフェスタ 30.2
  2.ソウクンボーイ 34.2
  3.ホクショウサスケ 34.1
  4.コウシュハクィーン 53.3
  5.コウシュハウンカイ 3.6
  6.セイコークイン 16.2
  7.ダイコクパワー 8.9
  8.ショウチシマシタ 27.9
  9.イッキフジ 4.7
 10.オレノココロ 2.2

 定量戦ということもあり、ばんえいダービーなど世代重賞3勝を誇るオレノココロが1番人気。ばんえい菊花賞勝ちがあるコウシュハウンカイが続き、4連続連対中のイッキフジが3番人気で、この3頭が他馬をやや離して人気を集めます。実績か勢いか注目が集まるなか、馬場水分2.2%の力の要る馬場状態でスタートが切られました。

 勢いよく飛び出した10頭は、そのまま軽快に第1障害を突破。横一線のまま中間点近くまで進みます。その後も一進一退を繰り返すものの、ほぼ横並びで第2障害を迎えました。
 真っ先に仕掛けたのはショウチシマシタで、隣枠のイッキフジも登坂を開始。コウシュハウンカイも抜群のかかりを見せ、天板近くまで登ります。しかし、ひと呼吸入れて仕掛けたオレノココロが一気に障害を突破して先頭へ。さらにイッキフジ、コウシュハウンカイ、ショウチシマシタも僅差で続き、最後の平坦路を迎えました。
 しかし、ここからはオレノココロの独壇場。同じ重量を曳いているとは思えないスピードを見せ、スッと他馬を引き離しにかかります。これには後続もなすすべがなく、完全に独走態勢。最後は鈴木恵介騎手の手もまったく動かず、余裕の手ごたえでゴールを果たしました。懸命に食い下がろうと脚を伸ばしたコウシュハウンカイが、6秒7差の2着。さらに12秒0差の3着には、障害6番手から歩き続けたセイコークインが入りました。

 単勝人気が示すとおり、"定量戦なら"という期待感はあったものの、その期待以上の圧勝を演じたオレノココロ。特に障害を下りてからの、持続力のある末脚は圧巻でした。今後は古馬相手の戦いとなりますが、持ち前のパワーとスピードで活躍していくに違いありません。
 コウシュハウンカイは唯一これに食い下がっての2着。終始歩き続けたレースぶりも悪くありませんでした。ただ勝ち馬が強すぎただけで、今後もメンバー次第でチャンスが巡ってきそうです。
 セイコークインは障害でじっくりためたのが、しまいに生きた印象。今後もこの切れを生かせれば、展開や馬場次第で台頭してくることでしょう。

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鈴木恵介騎手「ハンデのない定量戦でしたので、ファンの期待に応えられるよう頑張りました。隣に馬のいない10コースの端枠に入ったので、スタートが少し出遅れましたが、道中でカバーできましたので、思っていた内容のレースができました。力強い脚どりを見せてくれましたし、これからの古馬戦でも力を発揮してくれる馬だと思います」

1/2帯広記念回顧

2015年1月 2日(金)

フクドリが本格化を示す!

 2日(金)は重賞・帯広記念(4歳以上オープン)が行われ、単勝6番人気のフクドリが優勝。北見記念に次ぐ重賞2賞目を挙げ、高重量戦での強さを見せつけました。

【出走馬】※馬名右の数字は単勝最終オッズ
1.ホクショウユウキ 7.4
2.ニュータカラコマ 3.9
3.フクドリ 8.8
4.インフィニティー 3.5
5.ホッカイヒカル 27.6
6.ホリセンショウ 4.4
7.フジダイビクトリー 45.9
8.シベチャタイガー 59.9
9.トレジャーハンター 24.9
10.キタノタイショウ 7.8

 一長一短がある難解なメンバー構成。実績を買われてインフィニティー、ニュータカラコマがともに単勝3倍台。ただ、6番人気のフクドリまで単勝ひと桁台と大混戦の様相で、馬場水分2.3%のなかスタートが切られました。

 力の要る馬場のなかでの高重量戦とあって、ゆったりと進みます。ニュータカラコマ、フクドリあたりが馬群を引っ張り、キタノタイショウ、トレジャーハンターなども先行。ただ、各馬とも一進一退を繰り返し、ほぼ横一線の状態で第2障害を迎えました。
 じっくりと脚をためたのちホリセンショウが仕掛けますが、トレジャーハンターもそれを見て登坂を開始。しかし両馬とも掛かりは今ひとつで、さらにひと息入れていた他馬がいっせいに仕掛けはじめます。高重量もあって苦戦が続くなか、なんとか先頭でクリアしたのはホリセンショウ。ホッカイヒカルが差なく続き、やや離れてトレジャーハンター、インフィニティー、フクドリ、ニュータカラコマ、シベチャタイガーが並んで突破しました。
 先頭で軽快に障害を下りたホリセンショウでしたが、重量と馬場の影響もあったか早々と脚を止め、ホッカイヒカルが先頭へ。ところがそのホッカイヒカルも、残り20メートル付近でストップ。ここで先頭に立ったのが、末脚に絶対の自信を持つフクドリ。900キロ前後の重量に各馬が苦しむなか、確かな脚取りでゴールを目指します。残り10メートルを切って再度ホッカイヒカルが差を詰めにかかりますが、追撃はそこまで。最後は脚いろが一緒になり、フクドリが先頭で荷物を運び切りました。ホッカイヒカルは2秒7差の2着。さらに7秒3差の3着に、障害9番手から追い込んだフジダイビクトリーが入線しました。

 26度目の挑戦で重賞初制覇を飾った北見記念からおよそ2カ月。これまでの詰めの甘さがうそのように、フクドリが重賞連勝を果たしました。得意の力の要る馬場での高重量戦が増えたことに加え、最近は障害の安定感が増してきた印象。これなら昨年のばんえい記念(2着)の雪辱も期待できそうです。
 ホッカイヒカルは2013年の岩見沢記念以来、久々の重賞連対。もともと重い荷物も曳けるタイプでしたが、ここでの快走には驚かされました。積極的に運んだレースぶりもよく、復調のきっかけをつかんだと言ってよいでしょう。今後も、そのレースぶりに注目です。
 3着にはフジダイビクトリーが入線しました。今季の旭川記念、ばんえいグランプリの勝利で重量を積まれていましたが、それをものともしない鋭い末脚はこの馬の実力を示すもの。多少でも重量面で恵まれた際には要注目の存在です。

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安部憲二騎手「北見記念を優勝していただけあって期待も大きく、今は無事勝つことができてホッとしています。マークしていた馬が思っていたほどペースが速くなかったので、自分のレースに徹しました。近走は障害をうまく上がっていたので、このレースも呼吸さえ合えばいいところまで登るのではないかと考えてましたし、実際天板近くまで上がることもできました。第2障害後は先に行っているのが意外な馬だったので少し焦りましたが、止まることなくゴールできたので良かったです」

12/28ヤングチャンピオンシップ回顧

2014年12月29日(月)

センゴクエースが力の違いを見せつける!

 28日(日)は重賞・ヤングチャンピオンシップ(2歳産地選抜)が行われ、北見産駒特別を勝ち抜いた単勝1番人気センゴクエースが優勝。デビューから8連勝を果たし、ナナカマド賞に続く重賞2勝目を挙げました。

【出走馬】※馬名右の数字は単勝最終オッズ
  1.コウリキ 25.5
  2.シリウス 67.6
  3.ワタシハサクランボ 9.7
  4.センゴクエース 1.3
  5.イワキテンショウリ 32.6
  6.サカノメイホウ 71.0
  7.キンメダル 15.2
  8.ホクショウキズナ 8.7
  9.テンカトウイツ 17.1
 10.メムロコマチ 23.0

 破竹の快進撃を続けるセンゴクエースを巡る争い。これに、安定した走りを見せるホクショウキズナ、ナナカマド賞3着のワタシハサクランボがどこまで迫れるかが焦点となりました。

 馬場水分2.5%でスタート。若駒のレースらしく、各馬勢いよく第1障害を突破します。その後も軽く脚を止める程度で推移し、やや縦長の展開で第2障害下にたどり着きました。
 ひと呼吸置いて仕掛けたのはホクショウキズナ。続いてワタシハサクランボ、センゴクエースなど人気どころも登坂を開始します。他馬が障害に苦しむなか、この3頭が早くも第2障害を突破。三つどもえの様相を呈して、ゴールまでの平坦路を迎えました。
 ところが残り30メートルを切ったところで、勝負は早くも終幕へ。ホクショウキズナの脚いろが一瞬鈍ったところでセンゴクエースが敢然と抜け出し、独走態勢を築きます。立て直したホクショウキズナも懸命に食い下がろうとしますが、差はむしろ開く一方。そのまま余力十分の手応えでセンゴクエースが逃げ切り、世代ナンバーワンの実力を見せつけました。ホクショウキズナはゴール前で苦しくなり後続の追撃にさらされますが、何とか粘って2着を確保。障害4番手で下りたキンメダルが3着、テンカトウイツが4着となりました。なお障害を3番手でクリアしたワタシハサクランボは、残り20メートル付近でパッタリと脚が止まってしまい、9着に敗れました。

 良血センゴクエースの勢いはとどまることを知らず、これで8連勝。現2歳世代では圧倒的な力を見せつけています。しまいもきっちり歩けており、1戦ごとにレースぶりが良くなっている印象。今後も順調に成長していけば、父母に並ぶような活躍が期待できそうです。
 2着のホクショウキズナは最後に後続に迫られたものの2着を堅守。センゴクエースに真っ向勝負を挑んでの結果だけに、価値の高い2着と言えます。一時の不振を完全に脱したのは明らかで、今後チャンスが回ってくる可能性も十分です。

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鈴木恵介騎手「ハンデがありましたが、能力のある馬なので自信はありました。無敗での出走ということにはプレッシャーは感じませんでした。レースでは最高のスタートを切ることができ、道中では先行の2頭がペースを速くしていたので、様子をみる感じで進めました。センゴクエースは能力のある馬だし、オープンクラスにも上がると思います。これからのばんえいを引っ張ってくれるスターホースに成長してくれると思います」

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