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重賞(特別)回顧 アーカイブ

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10/26北見記念回顧

2014年10月27日(月)

フクドリが悲願の重賞初制覇!

 26日(日)は重賞・北見記念(3歳以上オープン)が行われ、単勝6番人気のフクドリが優勝。26度目の重賞挑戦で、悲願の初制覇を果たしました。

【出走馬】※馬名右の数字は単勝最終オッズ
  1.ホリセンショウ 20.6
  2.ニシキエーカン 4.3
  3.フジダイビクトリー 44.8
  4.フクドリ 11.7
  5.ホッカイヒカル 98.9
  6.ホクショウユウキ 7.9
  7.インフィニティー 3.9
  8.オイドン 4.0
  9.ニュータカラコマ 12.6
 10.キタノタイショウ 6.6

 基礎重量850キロの高重量戦。これだけ重量が増えてくると、最大ハンデ差30キロというのも重くのしかかります。一長一短があるメンバー構成で、オッズも割れ加減。まれに見る混戦模様のなか、馬場水分2.0%でスタートが切られました。

 高重量戦とあって、道中はゆったりとしたペースで横一線。どの馬がペースを握るということもなく、各馬とも他馬の出方をうかがいながらレースは進みました。
 真っ先に第2障害に挑んだのはホリセンショウ。それを見てインフィニティーも仕掛けます。静観していた各馬ですが、ひと呼吸置いてから一気に仕掛け始めます。しかし、どの馬もなかなか天板に脚をかけることができず大苦戦。それでも渾身の力を振り絞ってインフィニティーが障害を越え、ホクショウユウキもなんとかクリアし、これに食らいつきます。やや離れてキタノタイショウ、ホリセンショウ、フクドリ、さらに離れてニュータカラコマが突破しました。
 先頭を行く2頭の争いは激しく、残り30メートルを切ったところでホクショウユウキが前へ。しかし、その内から次元の違う脚でグイグイと伸びてきたのがフクドリ。持ち前の末脚をフルに発揮し、残り10メートルの手前でインフィニティーを捕らえると、さらにホクショウユウキも射程圏に。そのホクショウユウキは残り5メートルあたりで脚いろが鈍り、ゴール直前では完全に併走状態に。こうなれば、末脚に絶対の自信を持つフクドリのパターン。ゴール線上でグイッと抜け出し、先頭で荷物を運び切りました。ホクショウユウキは0秒6差で入線。さらに2秒7差の3着にインフィニティーが入りました。

 フクドリは重賞に挑戦すること26回目。今年のばんえい記念など、重賞での2着は4回を数えます。実力と、その切れのある末脚は誰しもが認めるところでしたが、これで名実ともに古馬トップクラスの1頭として、堂々と名を連ねることになりました。今後はより馬場が乾燥し、高重量戦も増えてくる季節。さらなるタイトル奪取が期待できそうです。
 惜しかったのはホクショウユウキ。岩見沢記念に続くビッグタイトルが、ゴール寸前でするりと抜け落ちてしまいました。ただ、今回はホクショウユウキとしても完璧な勝ちパターンであり、結果的にそれを差し切った勝ち馬の末脚の鋭さをほめるべき。地力の高さは明らかで、引き続き重賞戦線で活躍してくれるに違いありません。

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安部憲二騎手「他の馬より軽ハンデだったので、障害で負担をかけないレースを考えていました。乗り替わって今回で4戦目となりますが、障害で苦戦していたので、障害の練習を重ねてきました。今日は調子も良さそうだったので、結果を残せて良かったです。これから荷物が重いレースになりますので、この馬の良さを引き出せたらと思います」

10/12ナナカマド賞回顧

2014年10月13日(月)

期待の良血センゴクエースが重賞初制覇!

 12日(日)は重賞・ナナカマド賞(2歳オープン)が行われ、単勝1番人気のセンゴクエースが優勝。デビューからの5連勝で、この世代最初の重賞ウイナーとなりました。

【出走馬】※馬名右の数字は単勝最終オッズ
  1.ウィナーエミ 49.4
  2.テンカトウイツ 89.3
  3.コウリキ 30.8
  4.コウシュハシンザン 3.9
  5.センゴクエース 1.5
  6.ワタシハサクランボ 17.2
  7.ホクショウモモ 95.9
  8.タキニシサンデー 42.5
  9.コウシュハスパーク 7.9
 10.ホクショウキズナ 19.5

 キャリアにまさるコウシュハ2騎や重量恩典のある牝馬勢も魅力たっぷりでしたが、注目はやはり無敗の快進撃を続けるセンゴクエース。今シーズン初の2歳重賞で素質の高さを見せつけるか、注目が集まりました。

 馬場水分は1.9%と低めでしたが、基礎重量570キロだけに、各馬の脚どりは軽快。コウシュハスパーク、ホクショウキズナがわずかに遅れていたものの、ほぼ横一線で障害中間点を通過し、第2障害を迎えました。
 最初に仕掛けたのはセンゴクエース、ワタシハサクランボ、ホクショウモモの3頭。なかでもワタシハサクランボが抜群の登坂を見せて先頭で突破。一瞬ヒザを折ったセンゴクエースでしたが、即座に立て直して2番手で続き、仕掛けを若干遅らせたテンカトウイツが3番手でクリア。以下ホクショウキズナ、ホクショウモモと続き、勝負権はほぼこの5頭に絞られました。
 しかし先頭を行く2頭は快調。センゴクエースが障害を下りた直後に先頭に立ち、ワタシハサクランボも懸命にこれに食い下がります。一進一退の攻防が続きましたが、残り20メートルを切ったところで、ワタシハサクランボの脚いろが鈍り始めます。それを尻目にセンゴクエースは差を拡大。逆にワタシハサクランボは9番人気テンカトウイツの追撃に遭う苦しい展開となりました。結局、センゴクエースがそのまま逃げ切り、初タイトルをゲット。ジリジリと差を詰めたテンカトウイツが残り5メートルでワタシハサクランボをかわし、2着入線を果たしました。

 勝ったセンゴクエースは、これで5連勝。父ウンカイ譲りのパワー、母サダエリコ譲りのスピードを武器に、破竹の勢いを見せています。ファン垂涎の良血馬が、今後どのような成長を見せるのか。将来が本当に楽しみな一頭です。

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鈴木恵介騎手「強い勝ち方ができました。前走からレース間隔が空いての重賞挑戦だったので、少し不安はありましたが、調教師が最高の状態に仕上げてくれました。母のサダエリコは自分の初重賞を獲らせてくれた馬(02年ホクレン賞)。その息子の初重賞を獲らせてあげられてうれしいです。能力検査の一番時計を出した馬でまわりの期待も大きいですが、本当に強い馬だと実感できます」

9/28岩見沢記念回顧

2014年9月29日(月)

ホクショウユウキが古馬重賞初制覇!

 28日(日)は重賞・岩見沢記念(3歳以上オープン)が行われ、単勝9番人気の伏兵ホクショウユウキが優勝。昨年の4歳チャンプが古馬重賞初制覇を果たし、一躍頂点をうかがう存在となりました。

【出走馬】※馬名右の数字は単勝最終オッズ
  1.ホクショウユウキ 91.8
  2.ニシキエーカン 21.8
  3.フクドリ 124.0
  4.フジダイビクトリー 8.3
  5.キタノタイショウ 3.6
  6.オイドン 4.0
  7.インフィニティー 6.8
  8.ホッカイヒカル 62.4
  9.ニュータカラコマ 2.8
 10.ホリセンショウ 33.3

 今シーズンの重賞で安定した走りを見せるフジダイビクトリーが850キロ、ニュータカラコマが840キロと荷物を積まれ、実績馬インフィニティーが820キロ、キタノタイショウも830キロ止まり。勢いか地力か、非常に興味深い重量設定が混戦に拍車をかけるなか、馬場水分2.1%でスタートが切られました。

 ペースメーカー不在で、各馬とも互いに相手の出方をうかがいながらのレース。後方待機策のホッカイヒカルを除く9頭が横一線で進み、そのままの隊形で第2障害を迎えました。
 最初に仕掛けたのはインフィニティーで、軽量を生かして先手を打ちます。しかし他馬が続々と仕掛け、なかでもともに820キロのホクショウユウキとニシキエーカンが抜群の登坂力を発揮。この2頭が続けざまに下りて、逃げ込みを図ります。やや遅れて、オイドン、キタノタイショウ、インフィニティーがクリアし、追撃態勢に入りました。
 先頭の2頭は抜きつ抜かれつ、デッドヒートを展開。しかし残り10メートルを切ったところでニシキエーカンがストップ。対するホクショウユウキは脚いろこそ鈍っていたものの懸命に歩き続け、そのまま先頭でゴールを果たしました。ゴール直前でニシキエーカンを交わしたキタノタイショウが2着で入線。見せ場たっぷりだったニシキエーカンが3着となりました。

 勝ったホクショウユウキは、これが重賞5勝目。その実績から考えれば9番人気というのは低評価でしたが、出走取り消しを挟み近2走がともに9着という近況からは仕方のないところでしょう。ただ、先頭クリアから終始主導権を握り、ニシキエーカンをいったん引き付けながら最後に突き放すというレースぶりは、地力の高さの証明。今後もこうした余裕のあるレース運びができれば、さらにタイトルを積み重ねられるはずです。
 2着のキタノタイショウは実績のわりに重量に恵まれた印象。それでもゴール直前で見せた鋭い末脚は、さすがのひと言で、今後の重賞戦線でも軽視は禁物です。

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松田道明騎手「体調が良くレースの手ごたえもありました。障害をうまく越せたのが勝因ですね。4歳世代で重賞を数多く獲りましたが、古馬重賞は初めて。5歳馬でこれから伸び盛りですから、まずは一歩を踏み出せたと思います」

9/14銀河賞回顧

2014年9月15日(月)

オレノココロが底力を示し重賞3勝目!

 14日(日)は重賞・銀河賞(4歳オープン)が行われ、単勝4番人気のオレノココロが優勝。この世代のダービー馬が意地を見せ、重賞3勝目を挙げました。

【出走馬】※馬名右の数字は単勝最終オッズ
  1.ソウクンボーイ 51.9
  2.ナナノチカラ 22.9
  3.コウシュハウンカイ 10.8
  4.ダイコクパワー 26.7
  5.コウシュハクィーン 12
  6.ホクショウサスケ 4.5
  7.イッキフジ 16.6
  8.セイコークイン 3.5
  9.オレノココロ 8.3
 10.クインフェスタ 3.3

 牝馬20キロ減もあって、別定700キロで出走できた2頭クインフェスタ、セイコークインが1、2番人気。710キロのホクショウサスケが3番人気。これに実績最上位で、740キロのオレノココロがどう挑むか。馬場水分2.8パーセントの中、スタートが切られました。

 道中はセイコークイン、クインフェスタなど軽量馬がペースを握り、ソウクンボーイもこの一角。わずかにナナノチカラとイッキフジが遅れましたが他馬は離れず追走し、そのままの態勢で第2障害を迎えました。
 先鞭をつけたのはクインフェスタ。遅れまじとソウクンボーイ、セイコークイン、ダイコクパワー、オレノココロも仕掛けます。中でも抜群の登坂を見せたのがオレノココロ。多少重量に苦しんで体勢を崩しながらも、先頭で障害を突破しました。クインフェスタとコウシュハウンカイが並んで下り、セイコークイン、ホクショウサスケ、ソウクンボーイの3頭が横一線でクリアしました。
 その後は各馬が入り乱れる大混戦。しかし、これが底力なのか、オレノココロは後続との差を保ちながら先頭をひた走ります。そして、その驚異的な粘りはゴールまで続き、2着のホクショウサスケに1秒差をつけて荷物を運び切りました。最後に混戦から抜け出しのがホクショウサスケで、その1秒8差3着にコウシュハウンカイが入りました。

 トップハンデ740キロだけに苦戦が強いられると思われたオレノココロが、地力の高さを見せつけました。しかも、障害を先頭でクリアして押し切る正攻法で勝利。世代王者にふさわしい勝ち方でした。今後さらに重量を課せられるだけに厳しい戦いが続くと思われますが、それも真の王者となるための試練。そのレースぶりに注目していきたいと思います。
 ホクショウサスケは重量に恵まれたのも確かですが、最後に力を振り絞って脚を伸ばしたレース内容に成長ぶりがうかがえました。今後、重量を課せられても軽くは扱えそうにありません。

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鈴木恵介騎手「第2障害をどの程度で越せるかが今回のカギでしたが、うまくいったと思います。後ろから後続馬が続いていたのは見えました。ハンデがきつい展開になるかなと思っていましたが、馬がしっかりと結果を出してくれました」

8/24ばんえい大賞典回顧

2014年8月25日(月)

カイシンゲキが勢いを武器に重賞初制覇!

 24日(日)は3歳三冠初戦・ばんえい大賞典(3歳オープン)が行われ、単勝2番人気のカイシンゲキが勝利。はまなす賞(2着)に続く2度目の重賞挑戦で、見事にタイトルを獲得しました。

【出走馬】※馬名右の数字は単勝最終オッズ
  1.キサラキク 21.1
  2.カイシンゲキ 2.2
  3.ゴールデンフジ 47.4
  4.ブラックニセイ 23.9
  5.アサヒメイゲツ 33.1
  6.シンザンボーイ 6.9
  7.ホクショウメジャー 49.4
  8.カンシャノココロ 46.0
  9.ハクタイホウ 2.2
 10.アアモンドセブン 20.0

 牝馬20キロ減を含め、ハンデ差は最大でも30キロ。牝馬の活躍も目立つこの一戦ですが、オッズからは牡馬優勢ムード。ハンデを利した馬が制すのか、それとも地力ある馬がねじ伏せるのか。3.0%と多少湿った馬場の中、注目のスタートが切られました。

 馬群を引っ張ったのはカイシンゲキ、キサラキク、ブラックニセイ。中間点あたりまでは勢いよく進んだものの、その後は細かく刻み、ほぼ横一線の状態で第2障害を迎えました。
 最初に仕掛けたのはハクタイホウで、それを見てカイシンゲキも登坂を開始。他馬も続々と仕掛けますが、先に仕掛けた2頭が難なく突破。やや遅れてカンシャノココロ、そしてシンザンボーイと続きました。
 しかし先頭の2頭は軽快に脚を伸ばし、マッチレースの様相。一進一退の攻防を繰り返しながらゴールを目指します。残り15メートル付近ではハクタイホウの脚いろがよく見えましたが、残り10メートルを過ぎたところでガクッとペースが落ち、ここでカイシンゲキがクビほどリード。ハクタイホウも懸命に食い下がりますが、その差はいっこうに詰まらず、結局1秒7差をつけてカイシンゲキが先頭でゴールを果たしました。ハクタイホウから4秒9遅れた3着には、カンシャノココロが入線しました。

 カイシンゲキはこれで今季【5・5・1・0】。その名前のとおり、まさに快進撃を見せて初タイトルをゲットしました。前走のはまなす賞は重量に恵まれた印象もありましたが、最後に差し返した今回のレースぶりからも、着実に力をつけている様子がうかがえました。今後は逆に重量を課せられる立場となりますが、それでも快進撃を続けられるか、この馬の真価が問われることになりそうです。

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菊池一樹騎手「途中で雨が降り馬場が軽くなるかなと思いましたが、実際走ってみると重たかったです。前走のはまなす賞は暑い時期だったので体調面が崩れる不安もありましたが、無事に2着になってくれましたし、今回へ向けてもいい調教ができたと思います。(繰り上がり勝利のナナカマド賞に次ぐ重賞2勝目で)1着入線で重賞勝ちしたことがなかったので、1着で重賞を勝ててよかったです」

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