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8/10ばんえいグランプリ回顧

2014年8月11日(月)

フジダイビクトリー本格化を示す!

 10日(日)は重賞・ばんえいグランプリ(3歳以上、ファン選抜)が行われ、2番人気のフジダイビクトリーが優勝。重賞4勝目を挙げるとともに、今季の充実ぶりを見せつけました。

【出走馬】※馬名右の数字は単勝最終オッズ
1.クロフネオーザン 40.7
2.ホッカイヒカル 42.5
3.アオノレクサス 14.7
4.トレジャーハンター 18.1
5.インフィニティー 19.2
6.フジダイビクトリー 2.9
7.キタノタイショウ 14.1
8.オイドン 2.5
9.ホクショウユウキ 46.6
10.ニュータカラコマ 4.8

 勢いのある6歳馬3頭フジダイビクトリー、オイドン、ニュータカラコマに対し、インフィニティー、キタノタイショウといった実績馬がどう立ち向かうか。直前の雨で3.3%に上昇した馬場水分のなか、スタートが切られました。

 馬場水分が上がったことで、各馬ともあまり息を入れずに障害中間点を通過。アオノレクサストレジャーハンターが馬群を引っ張りますが、他馬も遅れず追走し、6、7頭が横並びの状態で第2障害を迎えました。
 トレジャーハンター、インフィニティー、フジダイビクトリーがほぼ同時に動き、これを見てアオノレクサスも登坂を開始。なかでもフジダイビクトリーが抜群のかかりを見せて障害を登り切り、さらにトレジャーハンターもクリア。やや遅れてインフィニティーも突破し、以下ニュータカラコマ、キタノタイショウと続きます。
 しかし先頭はフジダイビクトリー。残り20メートル付近で敢然と抜け出し、2馬身ほどのリードで終盤を迎えます。しかし、そうはさせじと鋭く伸びてきたのがキタノタイショウ。ジワジワと差を詰め、残り10メートルで射程圏、残り5メートルで馬体を併せにかかります。しかし、フジダイビクトリーもしぶとい粘りを発揮。二の脚を使ってこれを振り切ろうと、懸命に歩を進めました。その結果、わずかにフジダイビクトリーが凌ぎきり、夏のグランプリホースに輝きました。キタノタイショウはよく追い込んだものの、わずか0秒5差で無念の2着。3着には先団からジワジワと伸びたニュータカラコマが入線しました。なお1番人気のオイドンは、障害で苦戦を強いられて5着に敗れました。

 勝ったフジダイビクトリーは今年の旭川記念に続く重賞4勝目。今季はこれで【4・4・1・1】と抜群の安定感を見せており、いよいよ本格化。6歳トリオのなかでも特に安定したレースを見せており、頭ひとつ抜け出した印象です。今後も多少湿ってややスピード寄りの馬場になった際には好勝負を演じてくれることでしょう。
 キタノタイショウは今季のばんえい十勝オッズパーク杯を制したのち、今ひとつのレースが続いていましたが、ここで復活ののろし。重賞10勝の実績はダテではなく、ここから巻き返してくれるに違いありません。
 ニュータカラコマは前走で7着に敗れていましたが、巻き返しての3着。高重量にも対応できるだけに、基礎重量が重くなってくるこれからが、この馬のシーズンともいえるでしょう。さらなる活躍を期待したいところです。

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西謙一騎手「だいぶ馬のクセも把握してきていたので、結果を残せて良かったです。レースでは他の馬を気にせず、この馬のペースだけを守りました。軽めの馬場が合っているので、恵みの雨だったとも思います」

7/27はまなす賞回顧

2014年7月28日(月)

コウシュハウンカイ4歳の意地を見せる!

 27日(日)は重賞・はまなす賞(3、4歳オープン)が行われ、2番人気の4歳馬コウシュハウンカイが優勝。ばんえい菊花賞以来となる重賞2勝目を挙げました。

【出走馬】※馬名右の数字は単勝最終オッズ
1.ホクショウメジャー 62.4
2.ダイコクパワー 9.4
3.カンシャノココロ 78.8
4.コウシュハウンカイ 3.4
5.キサラキク 24.5
6.コウシュハクィーン 3.9
7.ブラックニセイ 65.0
8.カイシンゲキ 3.3
9.オレノココロ 4.9
10.ソウクンボーイ 85.2

 地力にまさる4歳馬か、ハンデが魅力の3歳馬か。どちらに主眼を置くか判断に迷うメンバー構成となりましたが、結局は11戦連続3着以内の3歳馬カイシンゲキ(670キロ)が1番人気。ほとんど差なく4歳馬のコウシュハウンカイ(710キロ)が続き、やや離れて4歳牝馬のコウシュハクィーン(680キロ)というオッズに。この重量差が、馬場水分4.8%という軽めの状態でどのように影響してくるかが焦点となりました。

 軽い馬場もあって、道中は息の入らない展開。障害中間点を過ぎてようやく脚を止める馬も出てきましたが、半数近くの馬がノンストップで第2障害下までたどり着きました。
 ひと呼吸入れて仕掛けたのはコウシュハウンカイで、ほぼ同時にカイシンゲキ、オレノココロも登坂を開始。それを見て、他馬も動き始めます。しかし、カイシンゲキとコウシュハウンカイが抜群のかかりを見せて突破。1度ヒザを折ったオレノココロもすぐに立て直し、この3頭が横並びで障害を下っていきました。やや離れてコウシュハクィーンもクリアし、勝負の行方はこの4頭に絞られました。
 軽量にモノを言わせてカイシンゲキが逃げ切りを図りますが、コウシュハウンカイも4歳馬の意地を見せるかのように食い下がります。そして残り20メートル付近から徐々にカイシンゲキの脚いろが鈍り、一歩ごとにコウシュハウンカイが差を詰めると、残り5メートルで完全に併走状態に。こうなれば底力にまさるコウシュハウンカイ。最後はきっちり1秒差をつけて、2つめのタイトルを手にしました。障害を下りてからジワジワと脚を伸ばしたコウシュハクィーンが2着から1秒1差の3着に入り、人気サイドでの決着となりました。

 最後はまさに底力。4歳世代を牽引してきたコウシュハウンカイが、小差で敗れた前走・柏林賞のうっぷんを晴らすかのように快勝しました。トップハンデではなかったものの、今回もそれなりに課せられた中での快勝劇。軽い馬場ながら軽ハンデ馬をきっちり捕らえきった内容も良く、レース運びに安定感が出てきた印象も受けました。今後もその安定感を武器に、重賞戦線で好勝負を演じてくれることでしょう。

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藤本匠騎手「ハンデもあって苦しい展開でしたが、最後はなんとか交わしてくれました。切れを生かすというより、ジワジワと力強く歩くタイプですので、あまり雨は降ってほしくなかったですが、今日はうまく時計を出してくれましたね。次からオープンの格付けになります。急いで結果を出すというよりは、オープンの中で勝ち進めるよう成長させていきたいと思っています」

7/13北斗賞回顧

2014年7月14日(月)

ニュータカラコマがワンサイドレースで勝利!

 13日(日)は重賞・北斗賞(3歳以上オープン)が行われ、単勝2番人気のニュータカラコマが優勝。昨年の岩見沢記念以来となる、重賞5勝目を挙げました。

【出走馬】※馬名右の数字は単勝最終オッズ
 1.フクドリ 90.2
 2.キタノタイショウ 6.7
 3.ニシキエーカン 10.3
 4.ホッカイヒカル 32.4
 5.ホリセンショウ 40.3
 6.ニュータカラコマ 3.4
 7.インフィニティー 16.5
 8.ホクショウユウキ 33.9
 9.フジダイビクトリー 3.9
10.オイドン 3.2

 混迷しているばんえいオープン界を象徴するような人気の割れ方で、状態の良し悪しが結果に直結しそうな印象。馬場水分2.5%という多少力の要る中でゲートが開きました。

 ホッカイヒカルの行き脚がつかず後方からとなりましたが、他馬は砂煙を巻き上げながら横一線。キタノタイショウ、ホリセンショウ、フジダイビクトリーあたりが入れ替わりながらゆったりと進み、勝負どころの第2障害を迎えました。
 じっくりと脚をためたのち、フジダイビクトリーとホリセンショウが登坂を開始。インフィニティーもこれに続きます。しかし遅れて仕掛けたニュータカラコマが抜群のかかりを見せて一気に天板まで駆け上がると、そのままひと腰で障害を突破しました。多少遅れてホリセンショウがクリアし、これにフジダイビクトリー、インフィニティーが続きました。
 しかし、ニュータカラコマの逃げ脚は軽快。藤野騎手の手綱もほとんど動かない状態で着実に歩を進め、他馬をまったく相手にしないワンサイドレースを展開。結局ゴールでは10秒近い差をつけ、先頭で荷物を運び切りました。2番手追走のホリセンショウはその後苦しくなり、残り20メートル付近でこれをかわしたフジダイビクトリーが2着。障害6番手から追い込んできた1番人気のオイドンが3着で入線しました。

 ばんえい十勝オッズパーク杯と旭川記念でともに4着に敗れたニュータカラコマですが、大きく崩れていなかったのも確か。今回見せた抜群の登坂、そして障害後の軽快な脚どりからも今の状態の良さがうかがえました。今後も状態をキープできれば、さらにタイトルを積み重ねていくに違いありません。

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藤野俊一騎手「先行する馬もいましたが、気にすることなくこの馬のペースでレースをすることができました。今日は考えていた通りのレースを行うことができましたので次のレースでも頑張りたいと思います」

6/22柏林賞回顧

2014年6月23日(月)

ダイコクパワーが世代上位の力を示す!

 22日(日)は重賞・柏林賞(4歳オープン)が行われ、単勝4番人気のダイコクパワーが優勝。悲願の重賞初制覇を果たしました。

【出走馬】※馬名右の数字は単勝最終オッズ
 1.オレノココロ 16.3
 2.ショウチシマシタ 27.1
 3.クインフェスタ 6.0
 4.セイコークイン 13.5
 5.オホーツクノタカラ 76.1
 6.コウシュハウンカイ 4.1
 7.コウシュハクィーン 1.8
 8.ナナノチカラ 27.7
 9.ダイコクパワー 10.2

 もっとも重量を課せられたオレノココロが720キロ、最低重量がコウシュハクィーン、クインフェスタ、セイコークインの680キロ(牝馬20キロ減を含む)と、最大40キロ差がついた一戦。このハンデ差が、馬場水分2.7%の舞台でどう作用するかが焦点となりました。

 道中はオレノココロ、ダイコクパワー、コウシュハクィーンあたりが先行。オホーツクノタカラとナナノチカラがやや離れて追走しましたが、他馬はほぼ横一線で第2障害を迎えました。
 各馬じっくりためたのち、最初に動いたのはショウチシマシタ。それを合図に他馬もいっせいに仕掛けます。ヒザを折る馬も出ているなか、最初に登り切ったのはコウシュハウンカイ。やや遅れてダイコクパワー、オレノココロ、コウシュハクィーンもクリアし、追撃態勢に入りました。
 先頭を行くコウシュハウンカイの脚いろは上々でしたが、追ってきたダイコクパワーがそれを上回る瞬発力を発揮。1歩ずつ差を詰めにかかります。そして残り10メートルでコウシュハウンカイに並び掛けると、勢いそのままにこれを抜き去り、1馬身ほどの差をつけてゴールしました。1秒3差の2着にコウシュハウンカイ。障害7番手から猛追したナナノチカラが3着で入線しました。

 ダイコクパワーは今回、牡馬のなかでは最低重量の690キロでした。牝馬20キロ減を考慮すれば、もっとも軽い重量で出走したことになり、そのハンデ差が末脚の差に直結したといえるでしょう。ただ、これまでもはまなす賞で2着、ばんえいダービー4着などがあり、この世代での力上位は疑いのないところ。今後の重賞でも、重量や展開次第で好勝負を演じてくれることでしょう。

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大口泰史騎手「直前の雨で馬場が軽くなりタイムも速くなりましたが、よく差し切ってくれました。ゴール前では軽ハンデと、その湿った馬場が味方してくれました」

6/15旭川記念回顧

2014年6月15日(日)

フジダイビクトリーが今後へ飛翔!

 15日(日)は重賞・旭川記念(3歳以上オープン)が行われ、単勝1番人気のフジダイビクトリーが優勝。2012年の柏林賞以来、重賞3勝目を挙げました。

【出走馬】※馬名右の数字は単勝最終オッズ
 1. ホクショウユウキ 10.4
 2. ニュータカラコマ 6.5
 3. オイドン 4.2
 4. フジダイビクトリー 2.4
 5. ニシキエーカン 59.4
 6. ホッカイヒカル 43.4
 7. キタノタイショウ 6.1
 8. ホリセンショウ 20.4
 9. インフィニティー 12.7
 10.フクドリ 48.2

 基礎重量770キロ、馬場水分3.6%という、ややスピード優先の舞台設定。フジダイビクトリーやオイドンといった、これから充実期を迎える6歳馬に対し、8歳馬キタノタイショウ、インフィニティーなど古豪がどう対峙するかが焦点となりました。

 勢いよく飛び出したのはフジダイビクトリー、ニシキエーカン、キタノタイショウあたり。ホクショウユウキもこの一角でレースを進めます。オイドン、ホッカイヒカルが多少離れて追走していたものの、それ以外の8頭はほぼ横一線のまま、第2障害を迎えました。
 ひと呼吸入れて仕掛けたのはホリセンショウで、ほぼ同時にフジダイビクトリーも登坂を開始。ニシキエーカン、ホクショウユウキ、ニュータカラコマも積極的に運びます。しかし、フジダイビクトリーが難なく障害を突破し、ゆうゆうとトップで坂を下り始めます。やや遅れてニュータカラコマ、ニシキエーカンがクリアし、以下オイドン、キタノタイショウと続きました。
 ニュータカラコマとニシキエーカンが一気に先頭との差を詰めますが、まるで相手を待っていたかのようにフジダイビクトリーが再加速。残り10メートルからジワジワと追撃勢を引き離しにかかります。追撃する2頭も懸命に食い下がりますが、結局は馬体を併せるところまでも行かず、フジダイビクトリーが3秒0のリードを保って勝利しました。2着争いは追撃2頭に、ゴール前で鋭く脚を伸ばしたオイドンが加わって横一線。結局ニシキエーカンが先着し、0秒1差の3着にオイドン、さらに0秒4差の4着にニュータカラコマとなりました。

 フジダイビクトリーは3歳時のばんえい菊花賞、4歳時の柏林賞に続く重賞3勝目。古馬重賞は今回が初勝利で、今季【3・3・1・0】という成績からも、これからの飛躍を感じさせます。当然、重量を背負ってどうか、というのはありますが、今回のような安定したレース運びができれば、今後もタイトルを積み重ねていくに違いありません。

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西謙一騎手「もともと障害が良いタイプなのはわかっていました。770キロという荷物と、雨で馬場が軽くなったことが功を奏しました。ゴール前に詰まってしまうことがありますが、しっかり力強い歩きを見せてくれました。気持ちが前に前に行きすぎてしまうタイプでしたが、だいぶ我慢できるようになったと感じます」

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