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重賞(特別)回顧 アーカイブ

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2/16黒ユリ賞回顧

2014年2月16日(日)

キサラキクが牝馬戦線の主役に名乗り!

 16日(日)は重賞・黒ユリ賞(3歳牝馬オープン)が行われ、単勝1番人気のキサラキクが優勝。牡馬混合のA-1戦で好勝負を演じてきた実力をいかんなく発揮し、重賞初制覇を果たしました。

 馬場水分は5.0%と軽めで、道中もやや速めのペース。各馬とも2、3度脚を止めましたが、ほぼ横一線のまま進み、障害前でわずかにアアモンドセブンが抜け出す形で勝負どころを迎えました。
 最初に仕掛けのは、そのアアモンドセブン。一気に天板近くまで駆け上がると、他馬も登坂を開始します。その間にアアモンドセブンが先頭で障害を突破。1馬身ほどの差でキサラキク、センゴクイチが続き、やや離れてメモリアルサマー、アサヒメイゲツが追撃態勢に入りました。
 先頭の3頭は横並びでしたが、残り30メートル付近でアサヒメイゲツが追いつき、4頭による争いに。しかし、それを合図としたかのようにキサラキクがグングン加速して、3頭を突き放しにかかります。その後も確かな脚いろで歩き続け、結局3秒2の差をつけ、キサラキクが先頭でゴールを果たしました。2番手追走のアサヒメイゲツが残り5メートルでストップし、結果2着はアアモンドセブン。1秒差の3着にセンゴクイチが入りました。

 障害でいったん前のめりになったキサラキクでしたが、終始落ち着いたレースぶりが光りました。特に障害を下りてからアサヒメイゲツが迫ったところで、もう一段高いギアに入ったあたり、奥の深さも感じさせました。障害には多少の不安を残しているものの、今後も牝馬戦線での活躍が期待できそうです。
 2着のアアモンドセブンは終始レースをリードしながら、最後もしぶとい粘りを見せました。その先行力は今後も武器となりそうで、軽馬場の際にはまた上位争いを演じてくれるに違いありません。

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藤野俊一騎手「以前から障害が課題でしたが、それさえうまくクリアできれば、なんとかなるという手ごたえはありました。きょうのレースも少し危なかったですが、しっかり持ちこたえてくれましたね。良いレースができました」

1/26ヒロインズカップ回顧

2014年1月27日(月)

ダイリンビューティが女王戴冠!

 26日(日)は重賞・ヒロインズカップ(4歳以上牝馬オープン)が行われ、単勝2番人気のダイリンビューティが優勝。2010年のばんえいオークス以来となる、重賞3勝目を挙げました。

 昼過ぎから降り始めた雪の影響で徐々に馬場水分は上がり、4.2%でゲートオープン。ニシキウンカイが外にモタれて最後方からとなり、道中もやや出入りの激しい展開に。コマクイン、ダイリンビューティ、ユーファンタジーあたりが代わる代わる先頭に立ちながら第2障害を迎えました。
 ひと呼吸入れたのち、各馬一斉に登坂開始。なかでも抜群のかかりを見せたのがコマクインとダイリンビューティで、並んで障害を突破。やや遅れてニシキウンカイとアアモンドマツカゼがクリアし、以下ニシキエース、タケノビジンと続きました。
 先頭争いは残り30メートル付近でダイリンビューティが抜け出して独走態勢を築き、早くも決着がつきそうな勢い。コマクインは脚どりが重く、残り20メートルを切ったあたりでストップ。こうなれば、もうダイリンビューティの独壇場で、最後までしっかりとした脚どりで歩き、ゆうゆうと先頭で荷物を運び切りました。コマクインは後半も苦しみましたが、他馬の追撃を何とか振り切って2着を確保。3着にはニシキウンカイが入線しました。

 ダイリンビューティはこれが重賞3勝目。積極的にレースを運びながら最後までしっかり歩き切る、完璧なレースで牝馬の頂上決戦を制しました。一度は世代の牝馬の頂点に立った同馬が、いよいよ本格化してきた印象。今後、牡馬を相手にどんなレースを見せるか要注目です。
 コマクインはこれで3度目となる重賞2着。勝ちみに遅い印象は拭えませんが、軽快なスピードがあるだけに、馬場や重量に恵まれた際には牡馬を相手に好勝負を演じても不思議ではないでしょう。引き続き目が離せない1頭です。

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藤本匠騎手「12月からこのレースに照準を合わせていましたが、なかなか調子が上がらず心配していました。しかし厩舎サイドがここまで仕上げてくれて、本当にきょうは馬の出来が良かったです。雪の影響で流れが速くなるかなと思いましたが、スタートしてみると自分が考えていた良い位置でレースができました。現在、牝馬の中で飛び抜けた馬がいないので、その中心になれるよう大事に使っていきたいです」

1/3天馬賞回顧

2014年1月 4日(土)

ホクショウユウキが"四冠"制覇!
岡田師も通算1500勝を達成!

 3日(金)は重賞・天馬賞(5歳オープン)が行われ、単勝1番人気のホクショウユウキが優勝。世代限定重賞の柏林賞、銀河賞に続く勝利で、現5歳の頂点に君臨。さらに管理する岡田定一調教師に、ばんえい史上3人目となる通算1500勝目をプレゼントしました。

 馬場水分は2.0%でスタート。ニシキエーカン、ホクショウユウキ、テンカムソウが馬群をリードして進みますが、ほとんど横一線の状態で第2障害を迎えました。
 最初に仕掛けたのはホクショウユウキ。すぐさまワールドピサが反応し、さらにテンカムソウも登坂を開始します。しかし、抜群のかかりを見せたホクショウユウキが先頭でクリアし、テンカムソウが2番手で下山。ワールドピサ、ニシキエーカン、ヤマノウンカイも争覇圏内で突破しました。
 3番手争いは激しい攻防を繰り広げますが、先頭の2頭は快調。特にホクショウユウキは抜群の手応えのまま歩き続けます。徐々にテンカムソウが苦しくなり、3番手から抜け出してきたニシキエーカンが残り20メートル付近で2番手に浮上。しかし、追撃はここまで。最後までしっかり歩き続けたホクショウユウキが、先頭で荷物を運び切りました。0秒7差の2着にニシキエーカン、さらに2秒差の3着にテンカムソウが入りました。

 ホクショウユウキは、牝馬戦のクインカップを除く4歳シーズン重賞を総なめ。さらに3歳との混合重賞のはまなす賞を制して、"四冠"を達成しました。障害、末脚ともに確実で、危なげないレース運びには風格さえ漂わせます。今後さらに重量が積まれることになりますが、不安よりも期待の方が大きく感じられます。さらなる成長と飛躍が楽しみです。
 2着のニシキエーカンは多少勝ち切れない面がありますが、12年のイレネー記念を制し、ばんえい菊花賞、ばんえいダービーでともに2着しているように、力は世代トップクラス。小差に迫った今回のレースぶりも悪くなく、今後も随所で活躍してくれるに違いありません。
 テンカムソウはこれが18回目の3着。2着も16回あり、地力の高さは折り紙付きです。あとは、それを証明するタイトルがほしいところ。ただ、障害でも安定した登坂を見せるだけに、馬場や展開次第でチャンスが巡ってくることでしょう。

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松田道明騎手「岡田調教師の1500勝がかかっており、このレースを逃がすわけにはいかないと思っていたので、かなりプレッシャーがありました。勝つことができて本当に良かったです。先行力がある馬がいたので、なるべく前の位置取りを心がけました。第2障害でも馬はやる気十分でしたので、いけると思いました。馬場が少し軽く、切れのあるニシキエーカンが迫ってきましたが、きょうは僕の馬の方が一枚上でしたね」


【お詫び】本記事掲載当初、見出しに間違いがありました。ご迷惑をおかけした関係者の方には深くお詫び申し上げます。

1/2帯広記念回顧

2014年1月 3日(金)

伏兵ホリセンショウがビッグタイトルを制す!

 2日(木)は重賞・帯広記念(4歳以上オープン)が行われ、単勝9番人気の伏兵ホリセンショウが優勝。2着に4番人気のキタノタイショウ、3着に3番人気のニュータカラコマが入り、3連単は39万超の大波乱となりました。

 馬場水分は2.2%で、力の要る馬場状態。各馬歩いては止まりを繰り返し、出入りの激しい競馬となりました。ホクショウダイヤやインフィニティーあたりが馬群をリードしますが、ほとんど横一線。しかし中間点を過ぎたあたりで、最後に第1障害を越えたシベチャタイガーが先頭に躍り出て、ホリセンショウが2番手へ。以下は横並びの状態で第2障害を迎えました。
 他馬が到達した頃合いを見計らって、ホリセンショウが積極的に登坂を開始。各馬はその様子を見ていましたが、シベチャタイガー、インフィニティー、キタノタイショウが仕掛け、展開が一気に活性化。しかし、その間にホリセンショウが登り切り、苦戦する各馬を尻目に障害を下りていきました。だいぶ遅れてシベチャタイガー、インフィニティー、トレジャーハンター、ニュータカラコマなどが次々と下山。1番人気のギンガリュウセイは8番手でクリアしました。
 先頭のホリセンショウは道中で脚を止める苦しい競馬となりましたが、残り20メートル付近でも先頭。いったんはニュータカラコマに交わされそうになりましたが、それでも立て直しつつ、先頭を死守します。そして残り5メートルでまたしても歩みを止めますが、追撃するニュータカラコマ、そしてキタノタイショウも脚いろが鈍っており、かろうじて先頭をキープ。そしてゴール線上で、今度はニュータカラコマがストップ。キタノタイショウの追撃も届かず、ホリセンショウが先頭でゴールを果たしました。2秒2差の2着にキタノタイショウ、ニュータカラコマがさらに3秒6差の3着。1番人気のギンガリュウセイは"らしさ"が見られず、6着に敗れました。

 ホリセンショウは今回が6度目の重賞挑戦。昨年の旭川記念、北斗賞でともに3着に入っていましたが、今回が悲願の初制覇となりました。重量面で恵まれていたのは確かですが、出入りの激しい競馬を積極的に運び、脚を止めながらも他馬の追撃をしのぎきった内容は高く評価できます。今後、重量を積まれてどうかですが、これをきっかけにさらなる飛躍を遂げる可能性もありそうです。
 なお、騎乗予定の鈴木恵介騎手が病気のため、手綱を取ったのは初騎乗の島津新騎手。若手らしい大胆な騎乗が、ホリセンショウに勝利をもたらしたとも言えるでしょう。
 キタノタイショウは旭川記念制覇後、今ひとつの成績が続いていましたが、ここへきて本来の末脚を取り戻した印象。ばんえい記念3着の実績はダテではなく、今後も目が離せない存在となりそうです。
 岩見沢記念馬ニュータカラコマも、ここへきて復調気配。ゴール線上で脚を止めたとはいえ、勝ち馬をギリギリまで追い詰めた内容は上々と言えます。まだ6歳だけに、本格化はこれから。さらなる活躍が期待できそうです。

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島津新騎手「初めて騎乗した馬だったので、馬とケンカせず能力を出すことに気をつけました。後ろから他の馬も来ていなかったので、障害を降りてからはあせらず騎乗ができましたし、最後に馬が止まった際にも周りは見えていたので、あせらずバイキして前進させることができました」

12/30ヤングチャンピオンシップ回顧

2013年12月31日(火)

ブラックニセイ重賞初制覇!

 30日(月)は重賞・ヤングチャンピオンシップ(2歳、産地選抜)が行われ、単勝3番人気、十勝産駒のブラックニセイが優勝。重賞初制覇を果たし、2歳世代の頂点に名乗りを上げました。

 馬場水分は2.4%とやや低めでしたが、基礎重量590キロということもあり、道中は速めのペース。特にホクショウマサルとオオゾラシンスケはノンストップで歩き、他馬も一度脚を止めた程度で第2障害を迎えました。
 ひと息入れて仕掛けたのはブラックニセイとホクショウマサル。それを見て各馬も登坂を開始しましたが、2頭はすんなりと障害を登り切り、マッチレースの様相を呈して、ゴール前の直線に向かいました。
 先を行く2頭は併せ馬状態で一進一退。十勝産駒の2頭が激しい攻防を演じます。しかし残り5メートル付近でホクショウマサルの脚いろが鈍り、白熱の争いに幕。ブラックニセイが2秒2差をつけて、先頭で荷物を運び切りました。3着争いは、障害を3番手で下りたハクタイホウがしぶとい粘りを見せましたが、ゴール前でカンシャノココロが強襲。わずかに0秒4差だけ、カンシャノココロが先着しました。

 ブラックニセイはナナカマド賞で6着に敗れるなど多少成績に波がありますが、十勝産駒特別2着など、随所で地力の高さを示していました。今回も2着のホクショウマサルとは10キロの重量アドバンテージがありましたが、それでもここで勝ち切ったのは実力の証明。今後も世代重賞で活躍してくれるに違いありません。
 2着のホクショウマサルはナナカマド賞4着など、つねに上位フィニッシュを演じており、その堅実ぶりが魅力。敗れたとはいえ、今回も安定した行きっぷりと登坂を見せており、やはり2歳ではトップクラスの力があるといえます。引き続き目が離せそうにありません。

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大口泰史騎手「例年になく馬場が渋かったので、この馬がゴール間際までどれだけ辛抱してくれるかがカギでした。2歳の若駒ですが潜在能力も上位だと思います」

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