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4/27ばんえい十勝オッズパーク杯回顧

2014年4月28日(月)

キタノタイショウ圧巻の走りで重賞10勝目!

 27日(日)は今季最初の重賞・ばんえい十勝オッズパーク杯(4歳以上選抜馬)が行われ、単勝2番人気のキタノタイショウが優勝。昨年に続くこのレース連覇を果たすとともに、重賞10勝目を挙げました。

【出走馬】※馬名右の数字は単勝最終オッズ


  1. テンカムソウ 15.4

  2. ニュータカラコマ 8.3

  3. ホクショウユウキ 5.3

  4. インフィニティー 2.4

  5. キタノタイショウ 5.1

  6. ホリセンショウ 16.7

  7. ホクショウダイヤ 20.7

  8. オレノココロ 15.6

  9. フクドリ 11.2

  10. ダイリンビューティ 49.7


 昨年度のばんえい記念を制したインフィニティーを筆頭に、同レースの上位馬がこぞって参戦した今回の一戦。基礎重量700キロ台前半ながら馬場水分が0.8%と力の要る馬場となり、スピードとパワー両面が問われるレースとなりました。

 砂煙を巻き上げ、各馬いっせいにスタート。道中は横一線のまま推移し、中間点でもほぼ差のない展開。他馬の出方をうかがっているのか、そのままの態勢で第2障害を迎えました。
 最初に動いたのはホリセンショウでしたが、それを見て各馬が登坂を開始。抜群のかかりを見せたのはオレノココロで、ほぼ同時にホクショウユウキ、インフィニティーも障害を突破。キタノタイショウ、ニュータカラコマ、ホリセンショウ、ホクショウダイヤと続き、ここまでが勝負圏内。混戦模様を呈して、最後の我慢比べに挑みます。
 先行各馬も軽快に脚を伸ばしますが、それ以上の豪脚を見せたのはキタノタイショウ。みるみる先団に取りつき、残り30メートル付近で一気に先頭に躍り出ます。そして、そこからはまるで後続との差を測るかのように、大河原騎手の手がまったく動かない状態で先頭をキープ。そのままの"体勢"で余力十分にゴールまで荷物を運び切りました。キタノタイショウから遅れること4秒1差の2着争いは、4頭が並んだままゴールに飛び込み、目視では判別が難しくなりました。ジャッジはインフィニティーが先着。さらに0秒2差の3着にホクショウユウキが入り、同タイムの4着にニュータカラコマ。さらに0秒9差の5着にオレノココロが入線するという大激戦で幕を閉じました。

 キタノタイショウは前述の通り重賞10勝目。2009年のイレネー記念を皮切りに6年連続(暦年)で重賞制覇を果たしており、タイトル数をふた桁に乗せました。特に今回の勝ちっぷりは圧巻で、さらなる飛躍を感じさせる好内容。今シーズンはこの馬の動向から目が離せそうにありません。

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大河原和雄騎手「無事に勝ててホッとしました。120%の力を出してくれましたね。この馬はとても臆病で、テンションが高いと逆に力が出せません。レース前に落ち着かせるようにしていますが、今回はパドックに入る時点で"大丈夫だ"と感じました。あとはレース展開次第だけでしたが、この馬の良さが出た内容で勝てました。自身も昨日復帰して、今は一勝一勝積み重ねていきたいです。このあとは3003勝目が目標です」

3/23ばんえい記念回顧

2014年3月24日(月)

インフィニティー王座を射止める!

 23日(日)はばんえい競馬の最高峰レース・ばんえい記念(4歳以上オープン)が行われ、単勝6番人気のインフィニティーが優勝。4分以上に渡って繰り広げられた究極のパワー勝負を制し、ばんえい界の頂点に君臨しました。

 馬場水分は2.7%と多少力の要る馬場でスタート。好ダッシュを決めたのは1番人気のキタノタイショウで、ニュータカラコマもこれに続き、人気2頭が先行態勢。シベチャタイガーを最後に、全馬順調に第1障害を突破。その後は、例によって脚を止めながら、じっくりと進んで行きます。中間点もほぼ横一線。各馬互いに相手の出方をうかがいながら進んで行きました。それでも、終始ペースを握ったのはキタノタイショウ。正攻法で進み、第2障害を先頭で迎えました。
 静寂の時間が続いたのち、シャンシャンという音とともに動いたのはホリセンショウ。インフィニティーもそれを追いかける形で仕掛けます。他馬はそれでもためていましたが、ここで満を持してニュータカラコマとキタノタイショウが動きます。ホッカイヒカルも上々の登坂を見せ、各馬も徐々に仕掛け始めました。
 しかし、ここからの攻防が長いのがばんえい記念。キタノタイショウ、ホリセンショウがヒザを折り、立て直しては腰を入れ、を繰り返して懸命に荷物を曳き上げます。そうして、ようやく天板に脚をかけたのはホリセンショウとインフィニティー。そしてこの2頭が馬体を併せたまま登り切り、並んで障害を下りていきました。やや遅れてフクドリも突破。キタノタイショウも争覇圏内でクリアしました。
 障害を下りて先頭に立ったのはインフィニティーですが、その脚どりは重く、3番手クリアのフクドリが先頭へ。しかし、そのフクドリも脚を止め、今度はインフィニティーが前へ。西謙一騎手と浅田達矢騎手、ともにデビューから10年に満たない2人による、懸命な扶助が続きます。3番手のホリセンショウ、そしてキタノタイショウも食い下がろうと歩を進めますが、差はいっこうに詰まりません。
 そして残り20メートルを切ったあたりから、なにかきっかけをつかんだようにインフィニティーがリズムよく歩きはじめ、フクドリを突き放します。しかし、フクドリもあきらめません。インフィニティーに食らいつくように、再度半馬身差まで差を詰めます。そして残り10メートルを切ったところからは総力戦。3歩進んでは止まり、また歩き出してはすぐ止まり...。しかし、残り5メートル付近。浅田騎手が全身使って繰り出す渾身の手綱にこたえ、またインフィニティーがリズムをつかみます。そして、最後は確かな脚どりでゴール板を通過し、4分超の死闘にピリオドを打ちました。フクドリはすばらしい追撃を見せたものの、7秒6差及ばず2着。ホリセンショウも酷量に苦しみながら最後まで粘りを見せ、3着入線を果たしました。2番人気のニュータカラコマは障害での遅れが響いた格好で4着、1番人気のキタノタイショウもしまいの伸びを欠き5着と、ともに精彩を欠きました。

 勝ったインフィニティーは昨年の北斗賞に続く重賞2勝目。浅田騎手とともに、これがばんえい記念初出走、初制覇となりました。多少力の要る馬場だけに早めの競馬をしながら粘り切った内容は高く評価でき、この馬の能力の高さを示したといえるでしょう。人馬ともにニューヒーローの誕生。今後もこのコンビの活躍から目が離せそうにありません。
 2着のフクドリは昨年のこのレースで7着でしたが、飛躍的なジャンプアップを見せました。500キロ台のスピードレースも、1トンのパワー勝負もこなせる究極のオールラウンダー。来季もさまざまな舞台で、アッと言わせてくれるに違いありません。
 ホリセンショウが3着で、帯広記念制覇に次ぐ好走を見せました。当時は9番人気での勝利でしたが、今回の結果から見ても底力はばんえいトップクラス。ジワジワ歩き続けた内容も良く、今後も消耗戦では台頭してきそうです。
 なお、この3頭による決着で、3連単は53万4500円の高配当となりました。

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浅田達矢騎手「感無量です。騎手になった時からあこがれていた夢のようなレースだったので、優勝してもまだ実感はありません。1トンというソリなので、早目に何回か止めようと思いましたが、辛抱強く歩いてくれました。さすがにゴール際では切なくなって動かなくなりましたが、この馬の底力を見せてくれましたね。初めてばんえい記念に乗らせてもらいましたが、他の騎手が乗りたい、勝ちたい、という気持ちが良くわかりました。とてもワクワクして、最高のレースだと思います。来年もまたインフィニティーと出たいと思っています」

3/16ポプラ賞回顧

2014年3月17日(月)

オレノココロがダービー馬の底力を示す!

 16日(日)は重賞・ポプラ賞(4、5歳オープン)が行われ、単勝5番人気のオレノココロが優勝。昨年のばんえいダービーに続く、重賞2勝目を挙げました。

 馬場水分は2.1%とやや力の要る状態。オレノココロ、テンカムソウあたりが馬群をリードしますが、各馬ゆったりと相手の出方をうかがいながら、横並びの状態で第2障害を迎えました。
 真っ先に仕掛けたのはコウシュハクィーンで、それを見てテンカムソウも登坂を開始。各馬も徐々に仕掛けますが、乾いた馬場が影響しているのか、障害に苦戦。その間にテンカムソウが先頭でクリアし、逃げ込みを図ります。やや遅れて突破したのは、ヒザ折りから立て直したオレノココロ。じっくりためていたクインフェスタもこれに続き、以下ソウクンボーイ、アサヒリュウセイが並んで追撃態勢に入りました。
 先頭を行くテンカムソウの脚いろは鈍く、徐々に後続が迫る苦しい展開。ただ、追撃勢も脚どりは重く、残り10メートル付近でテンカムソウ、オレノココロ、クインフェスタが横一線で我慢比べを演じます。そして残り5メートルでテンカムソウがわずかに遅れ、2頭がゴールにほぼ同時にゴール線を通過。軍配はわずか0秒6差でオレノココロに上がりました。クインフェスタが2着で、3着にはテンカムソウが入線しました。

 オレノココロは5歳馬と同じ750キロを課せられ、しかも障害でヒザを折りながら、最後に抜群の勝負根性を示しました。2着のクインフェスタが710キロだったことも考え合わせると、さすがダービー馬と思わせるような、着差以上の強さといえます。この厳しい条件を勝ち切っただけに地力の高さは相当で、今後の世代限定重賞でも中心的存在となるでしょう。さらなる活躍を期待したいと思います。

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鈴木恵介騎手「3月上旬から強めの調教を始め、このレースを見据えていました。第2障害でヒザをついてしまいましたが、前を行く2頭の脚いろが少し鈍り始めたので、なんとかなると思いました。この1年で大きく成長したと思いますし、これからもオープン馬として期待が持てる1頭です」

3/9イレネー記念回顧

2014年3月 9日(日)

ホクショウマサルが2歳シーズン王者に!

 9日(日)は重賞・イレネー記念(3歳オープン)が行われ、単勝2番人気のホクショウマサルが優勝。重賞初制覇を果たし、2歳シーズンチャンプの座に就きました。

 馬場水分は1.7%と、やや力の要る馬場状態でスタート。勢いよく飛び出した各馬ですが、中間点付近からは慎重に歩を進めます。ブラックニセイ、アアモンドセブン、ホクショウマサル、ハクタイホウなどが馬群をリードし、他馬は少し置かれるような展開で第2障害を迎えました。
 この4頭がほぼ同時に仕掛け、なかでもホクショウマサル、ブラックニセイが上々の登坂。しかし、ブラックニセイは天板でヒザを折り、その間にホクショウマサルが先頭で突破。やや遅れてハクタイホウ、少し離れてホクショウメジャーとブラックニセイ、キサラキクと続きました。
 基礎重量690キロだけあって各馬の脚どりは重く見え、特にホクショウマサルはさすがに苦しい歩みに。これに内からハクタイホウ、外からキサラキクが迫って、いよいよ残り10メートル。そして残り5メートルでホクショウマサルがストップ。万事休すかと思われたところ、ハクタイホウも横に並んで脚を止めてしまいます。ここで牝馬のキサラキクが先頭に躍り出て、そしてゴール線上、勝ったかと思われましたが、キサラキクもここで痛恨のストップ。立て直したホクショウマサルが勢いよくかわしてゴールに飛び込み、激戦に終止符を打ちました。0秒3差でハクタイホウが2着。キサラキクは奮闘及ばず、3着となりました。

 まさに薄氷の勝利。「少し焦った」と阿部武臣騎手が話したように、ホクショウマサルがゴール直前で止まった時には勝負圏外かと思われました。ただ、早め早めでレースを引っ張ったことで、他馬に脚を使わせたことが勝利に結びついた印象。この馬の底力を強く感じさせる内容でした。今後もイレネー記念馬の名に恥じないレースぶりが期待できそうです。
 2着のハクタイホウは、いうまでもなく惜しい競馬でした。ただ、デビューから【10・6・4・1】で5着以下がない成績からも、タイトル奪取のチャンスはすぐにでも巡ってくるでしょう。先々も目が離せない存在です。
 牝馬キサラキクは黒ユリ賞に続く2つめのタイトルが、スルリと抜け落ちていってしまいました。そうは言っても、牡馬相手に互角以上の立ち回りを見せたのは収穫のはず。来年度の三冠戦線も盛り上げてくれそうです。

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阿部武臣騎手「いつもは第2障害まで先頭の馬に追いつかないことがありましたが、きょうはうまく追いつくことができました。障害は良い馬なので、そのまま逃げ切りたいと思いましたが、後続馬が追い上げてきたときは少し焦りました。他の馬も止まってくれたのでチャンスをものにすることができました」

3/2チャンピオンカップ回顧

2014年3月 2日(日)

キタノタイショウが底力を示す!

 2日(日)は重賞・チャンピオンカップ(4歳以上、今年度重賞競走優勝馬)が行われ、単勝2番人気のキタノタイショウが優勝。重賞9勝目を挙げ、ばんえい記念の有力馬として名乗りを上げました。

 6頭立てと少頭数ではありますが、力の拮抗したメンバー構成。馬場水分も1.3%と力の要る馬場となり、各馬の出方に注目が集まりました。インフィニティーが先手を奪ったものの、ほとんど横一線で推移。パワー優先の馬場だけに、各馬ゆったりと進んで、一団のまま第2障害を迎えました。
 最初にホリセンショウが仕掛け、インフィニティーも登坂を開始しますが、思ったほど掛かりは良くなく、天板前でストップ。その間にじっくりためていた最低人気のトレジャーハンターが一気に駆け上がり、先頭で障害を突破します。同じく脚をためていたキタノタイショウと、立て直したインフィニティーが2番手でクリアし、やや離れてホクショウダイヤとホリセンショウ。1番人気のニュータカラコマは取り残され、最後尾となりました。
 逃げていたトレジャーハンターは残り30メートル付近でキタノタイショウに捕まりますが、併せ馬の状態となり、しぶとい粘りを発揮。残り10メートル付近まで、これに食い下がります。しかし、最後はキタノタイショウが底力の差を見せつけて突き放し、4秒1の差をつけて先頭でゴールを果たしました。トレジャーハンターは完全に脚が上がっていたものの、最後まで粘り通して2着。懸命に脚を伸ばしたホクショウダイヤが3着に入りました。

 勝ったキタノタイショウは帯広記念2着に続く好成績で、着実に調子を上げてきた印象。昨年のばんえい記念は3着と、1トンの重量にも対応できるだけに、大一番への期待が高まる勝利となりました。ばんえいを背負って立つ存在となれるか、ばんえい記念でのレースぶりに注目です。
 2着のトレジャーハンターは重量に恵まれた面もありますが、抜群のかかりを見せたうえ、しまいに示したしぶとい粘りからも、デキが上向いている印象です。今後も状態と相手関係が噛み合えば、タイトル奪取のチャンスも十分にありそうです。

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鈴木恵介騎手「もともと脚のある馬ですし、第2障害をいい位置で降りることができたので、何とかなると思いました。展開が思ったよりゆっくりで焦らずにいけました。障害では1度止まりましたが、次にいい腰を入れて上がってくれましたね。ばんえい記念に向けて頑張ります」

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