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4/26ばんえい十勝オッズパーク杯回顧

2015年4月27日(月)

オレノココロが好発進!

 26日(日)は今シーズン初の重賞・ばんえい十勝オッズパーク杯(4歳以上選抜)が行われ、単勝3番人気のオレノココロが優勝。重賞6勝目を挙げるとともに2015年シーズン最初の重賞を勝利し、さい先のいいスタートを切りました。

【出走馬】※馬名右の数字は単勝最終オッズ
  1.イッキフジ 29.9
  2.オレノココロ 4.8
  3.インフィニティー 6.2
  4.オイドン 6.8
  5.セイコークイン 57.6
  6.コウシュハウンカイ 10.1
  7.キタノタイショウ 4.6
  8.フジダイビクトリー 12.4
  9.フクドリ 84.6
 10.ニュータカラコマ 3.5

 昨シーズンのばんえい記念2着馬で、今季初戦を快勝したニュータカラコマが1番人気。そのばんえい記念を制したキタノタイショウが2番人気と、古馬重賞で実績を残してきた2頭が上位人気。ただ、オレノココロも差なく続いており、拮抗したオッズとなりました。重量700キロ台前半のスピード決戦に、1.4%の馬場水分がどう作用するか。各馬の仕上がり具合も含め、見どころ満載の一戦となりました。

 前半は各馬とも砂煙を巻き上げ、ほぼ横一線で推移。軽量とはいえ、やはり乾ききった馬場が影響しているようで、ゆったりとしたペースで進みました。
 じっくりとためたのち、最初に動いたのはコウシュハウンカイで、インフィニティーとオレノココロもすぐさま反応。なかでもインフィニティーが抜群の登坂を見せ、先頭でクリアします。しかし、コウシュハウンカイとオレノココロも差なく続き、最後の平坦路を迎えました。
 上位3頭のなかではオレノココロとコウシュハウンカイの脚いろが良く、インフィニティーは苦戦。残り20メートル付近でオレノココロが先頭に立ち、これにコウシュハウンカイが食い下がります。そしてニュータカラコマが3番手に並び掛け、勝負はこの4頭に絞られました。ただ、各馬の脚いろはほぼ同じ。結局オレノココロが押し切り、先頭で荷物を運び切りました。コウシュハウンカイが3秒4差の2着で、さらに0秒9差の3着にニュータカラコマが入線しました。

 オレノココロはこれで古馬重賞2勝目。昨シーズンのチャンピオンカップを制しているように、ある程度の重量を積んでも古馬一線級と互角以上のレースを見せています。さらなる高重量への対応がカギとなりますが、まだ5歳と若いだけに伸びしろは十分。今後も目が離せない1頭です。


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鈴木恵介騎手「一線級の馬もいましたが、この馬が力をつけてきているのが実感できる、いいレースができたと思います。馬場は重たかったのですが、積極的に自分からレースを作っていきました。前走から1週間しか間は開いていませんでしたが、厩舎がベストな状態に仕上げてくれた結果だと思います」

3/22ばんえい記念回顧

2015年3月23日(月)

キタノタイショウが頂点奪取!

 22日(日)は重賞・ばんえい記念(4歳以上オープン)が行われ、単勝2番人気のキタノタイショウが優勝。悲願のばんえい記念制覇を果たして頂点に君臨するとともに、管理する服部義幸調教師に初のばんえい記念のタイトルをプレゼントしました。

【出走馬】※馬名右の数字は単勝最終オッズ
  1.インフィニティー 2.5
  2.ホッカイヒカル 15.6
  3.アオノレクサス 28.1
  4.ファーストスター 23.7
  5.フクドリ 5.5
  6.ニュータカラコマ 7.1
  7.トレジャーハンター 49.6
  8.キタノタイショウ 4.0
  9.ホリセンショウ 26.2
 10.フジダイビクトリー 9.9

 昨年の優勝馬インフィニティーが1番人気で、地力を買われて2番人気にキタノタイショウ。しかしフクドリとニュータカラコマ、フジダイビクトリーも単勝ひと桁台で続いており、今の混沌としたオープン戦線を象徴するオッズとなりました。午前中の降雪で馬場水分は2.4%に上昇し、それがどう影響するか注目のなか、スタートが切られました。

 第1障害を先頭で越えたのはキタノタイショウ。インフィニティー、フジダイビクトリーあたりがこれに続き、ファーストスターとホッカイヒカルはやや苦戦。各馬ゆったりと進みますが、思ったよりもソリの滑りは悪くなさそうに見えます。中間点あたりでもペースを握るのはキタノタイショウで、有力どころはつかず離れず追走。ファーストスターとホッカイヒカルは少し離れましたが、そのほかはほぼ横一線で第2障害を迎えました。
 じっくりためたのち、最初に動いたのはフジダイビクトリー。それを見る形でホリセンショウ、インフィニティーも動きます。なかでもかかりが良かったのはインフィニティーでしたが、天板近くでヒザを折ってしまいます。その間隙を突いてニュータカラコマが天板に脚をかけ、フジダイビクトリーもジワジワと荷物を曳き上げます。そして、先頭でクリアしたのはフジダイビクトリー。大歓声に送られ、障害を下っていきました。やや遅れてニュータカラコマとインフィニティーが突破。さらに遅れてキタノタイショウが4番手で障害を下り、ホリセンショウが5番手で続きました。
 フジダイビクトリーの逃げ脚は軽快で、むしろ追いかけるニュータカラコマが苦しい展開。これにインフィニティーが並びかけようとしますが、それを上回る脚でグングンと差を詰めてきたのがキタノタイショウ。1度脚を止めたものの、立て直してさらに加速すると残り20メートル付近で2番手に躍り出て、さらにフジダイビクトリーを追いかけます。10メートル標識でフジダイビクトリーが脚を止めると、それとほぼ同時にキタノタイショウもストップ。一進一退の攻防が続き、いよいよ最後の正念場となる残り5メートル。ここでフジダイビクトリーが止まってしまい、その隙にキタノタイショウが先頭へ。フジダイビクトリーも懸命に食い下がりますが、奮闘もここまで。大歓声を背中に受けてキタノタイショウがゴール線を切り、第47代チャンピオンに輝きました。
 フジダイビクトリーはゴール寸前で力尽き、あと数十センチのところから動くことができません。松田騎手の懸命の扶助も実らず、細かく刻んできたニュータカラコマが2番手で入線。さらにインフィニティーもこれに続いてフィニッシュ。フジダイビクトリーは結局4着でゴールしました。

 これまで重賞10勝を誇っていたキタノタイショウですが、ばんえい記念はこれが初制覇。多少軽めの馬場で、持ち味であるスピードを生かしきれたのが勝因でしょう。そうはいっても1トン戦。パワーがなければ克服できない重量であり、高いレベルでバランスの取れたオールラウンダーといえるでしょう。イレネー記念、ばんえいダービーを制して将来を嘱望されていた逸材が、9歳にしてようやくつかんだ頂点。王者として望む来シーズンも活躍してくれるに違いありません。
 ニュータカラコマが昨年の4着から前進。あきらめることなくジワジワと押し上げてきたレース内容が良く、これなら今後も頂点をうかがう存在として、重賞戦線をにぎわせてくれることでしょう。7歳世代の筆頭格として、来季も要注目です。
 インフィニティーは2度のヒザ折りが響いた印象ですが、しまいまでしっかり脚を伸ばした内容に、この馬の不屈の闘志がかいま見えました。やはり高重量戦では軽視できない存在。来年のリベンジも十分に期待できそうです。

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大河原和雄騎手「この中間は普通どおりにやろう、変わったことはしないようにしよう、と心がけていました。昨年、自分の不注意でケガをしてばんえい記念に騎乗できず、調教師や関係者に迷惑をかけてしまったけど、ようやく借りを返すことができました。午前中の雪でタイムは速くなるかな、4分はかからないだろうな、と想定していました。先に行く馬がいたけど、手綱に手ごたえが残っていて追いつけると感じました。騎乗していて楽しかったですね」

服部義幸調教師「30年以上調教師をやっていて、オープンという壁が厚いことを知っていた。若くして頂点になりその壁にぶつかってしまう馬もたくさんいる。どんなに大きなレースでも、馬も人も緊張せず平常心で取り組むことを心掛けていた。そうも長くないだろう自身の調教師人生で、大河原騎手や厩舎のみんながばんえい記念を私に獲らせてあげたい、という思いが伝わってきた。本当にこのレースだけは勝ちたかった。騎手と厩舎みんなに勝たせてもらった。ありがとう」

3/15ポプラ賞回顧

2015年3月16日(月)

ナナノチカラがスピードで押し切る!

 15日(日)は重賞・ポプラ賞(4、5歳オープン)が行われ、単勝3番人気のナナノチカラが優勝。2着にはセイコークインが入り、5歳牝馬によるワンツー決着となりました。

【出走馬】※馬名右の数字は単勝最終オッズ
  1.コウシュハウンカイ 3.3
  2.ナナノチカラ 3.9
  3.ホクショウメジャー 17.0
  4.ハクタイホウ 9.6
  5.カイシンゲキ 26.3
  6.ソウクンボーイ 25.4
  7.キサラキク 3.3
  8.ホクショウマサル 16.6
  9.セイコークイン 25.4
 10.ダイコクパワー 16.2

 コウシュハウンカイとキサラキクが並んで1番人気というオッズが示すとおり混戦模様。最大50キロのハンデ差も頭を悩ませる要因で、展開や仕掛けのタイミングがカギを握りそうな一戦となりました。馬場水分2.7%のなかゲートオープン。

 各馬ともゆったり進み、道中は横一線。大きな動きはなく、ほぼ同時に第2障害下にたどり着きました。
 ひと呼吸入れて最初に動いたのはハクタイホウ。グイグイと荷物を曳き上げますが、天板でヒザを折ってしまい、その隙を突いてカイシンゲキが突破。やや遅れてナナノチカラがクリアし、立て直したハクタイホウ、人気の一角コウシュハウンカイが続きます。
 先頭を行くカイシンゲキは上々の歩みを見せますが、ナナノチカラが目を見張る末脚を発揮し、残り30メートル付近で先頭へ。あっという間にリードを広げ、独走態勢を築きます。その後、10メートル付近とゴール線上で脚を止めたナナノチカラでしたが、抜群のスピードを武器にセーフティーリードを作っており、危なげなく先頭で荷物を運び切りました。苦しくなったのはカイシンゲキで、2度3度脚を止めて後退。障害5番手から止まることなく押し上げてきたセイコークインが2着に食い込みました。3着はコウシュハウンカイか、と思われたところ、ゴール線上でストップ。抜群の伸びを見せたソウクンボーイが3着入線を果たしました。

 後続の激しい争いを尻目に、先頭で荷物を運び切ったナナノチカラ。前走のヒロインズCではゴール線上で脚を止めて3着に敗れましたが、今回は早めにリードを広げて粘り切りました。しまいの確実さが欲しいのは確かですが、伸びしろがまだ残っているということは、今後の成長が見込める証し。来シーズンは、よりたくましくなったナナノチカラを見せてくれるに違いありません。

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工藤篤騎手「牡馬に比べると軽ハンデだったので、このハンデを生かして馬の良さを引き出せたと思います。ゴール前で止まってしまいましたが、レースは何があるかわからないものなので、腹を決めて立て直すことに専念しました」

3/8イレネー記念回顧

2015年3月 9日(月)

限りない未来へ! センゴクエースが圧勝

 8日(日)は重賞・イレネー記念(3歳オープン)が行われ、圧倒的1番人気に推されたセンゴクエースが優勝。デビュー以来9戦9勝とし、世代チャンピオンの座に就きました。

【出走馬】※馬名右の数字は単勝最終オッズ
  1.サカノメイホウ 70.5
  2.センゴクエース 1.2
  3.ホクセイボス 16.4
  4.ホクショウキズナ 8.6
  5.キンメダル 14.8
  6.コウシュハスパーク 38.7
  7.タキニシサンデー 34.9
  8.メムロコマチ 21.1
  9.テンカトウイツ 24.3
 10.エーチャン 32.2

 1にも2にもセンゴクエース。単勝1.2倍のオッズからも、問題は相手探しといった様相を呈しました。ホクショウキズナが8.6倍で離れた2番人気。さらに離れてキンメダル、ホクセイボスと続きます。馬場水分3.1%のなか、注目のスタートが切られました。

 第1障害を通過して、先頭は早くもセンゴクエース。サカノメイホウ、コウシュハスパーク、メムロコマチあたりが離れた後方を進みましたが、そのほかはほぼ横一線で第2障害を迎えました。
 真っ先に仕掛けたのはキンメダルとホクショウキズナ。特にキンメダルが抜群の登坂を見せ、先頭で障害を登り切ります。しかし、それを上回る登坂を見せたのがセンゴクエース。じっくりためたのち一気に駆け上がり、キンメダルと並んで障害を突破しました。他馬は690キロの重量も響いたか苦戦を強いられ、相当離れてコウシュハスパーク、そしてタキニシサンデーと続きました。先頭は完全なマッチレースとなりましたが、残り20メートルを切ったあたりでキンメダルが失速。そして10メートル標識手前で完全に脚を止めてしまい、勝負あり。最後まで脚どり乱れず歩き続けたセンゴクエースが実力の違いを見せつけました。キンメダルはゴール線上でもストップしましたが、3番手以下にはセーフティーリードをつけていたため2着入線。逆に熾烈を極めた3着争いは、コウシュハスパークが先着しました。

 父ウンカイ、母サダエリコの良血センゴクエースが無敗で現3歳世代の頂点に輝きました。抜群の登坂力、そしてしまいまできっちり歩き続けるレースぶり。初めて課せられた690キロも問題なくこなし、限りない未来を感じさせました。連勝をどこまで伸ばせるのかにも注目が集まりますが、それ以上にこの馬に課せられた使命は、ばんえいの未来。その成長が楽しみでなりません。
 キンメダルは2着。センゴクエースという宿敵こそいるものの、この馬もヤングチャンピオンシップ3着に続く好走で、世代上位の力を示しました。しまいが甘くなったのは気がかりですが、今後の成長次第でタイトル奪取の期待は十分です。
 9番人気のコウシュハスパークが3着。だいぶ離されての結果だけに過大評価はできませんが、ある程度早めに障害を越えながら激しい3着争いを制した内容は悪くありません。今後も世代重賞で上位をにぎわしてくれることでしょう。

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鈴木恵介騎手「イレネー記念にあわせたスケジュールを厩舎が組んでおり、レース間が空いていたので少し不安がありましたが、能力の高い馬でしたので、焦らず挑みました。第2障害では他の馬が行ってもこの馬のペースで仕掛けても大丈夫だと考えていました。これからのばんえい競馬のスターホースになると期待しています」


※当初、一部不適切な表現がありました。関係者の方にお詫び申し上げます。

3/1チャンピオンカップ回顧

2015年3月 1日(日)

オレノココロが低評価を覆す!

 1日(日)は重賞・チャンピオンカップ(4歳以上、今年度重賞競走優勝馬)が行われ、今季の銀河賞、天馬賞を制した5歳馬オレノココロが勝利。単勝最低人気を覆し、古馬重賞初制覇を果たしました。

【出走馬】※馬名右の数字は単勝最終オッズ
 1.ホクショウユウキ 20.4
 2.オレノココロ 26.5
 3.フクドリ 20.5
 4.インフィニティー 7.6
 5.キタノタイショウ 3.7
 6.コウシュハウンカイ 5.2
 7.ハクタイホウ 6.5
 8.フジダイビクトリー 14.5
 9.ニュータカラコマ 3.2

 オッズは多少割れ加減でしたが、近況のレースぶりがいいニュータカラコマや、実績上位のキタノタイショウ、堅実に走るコウシュハウンカイなどが上位人気。ただ、最低人気のオレノココロでも26.5倍で、どの馬にもチャンスがあると見られました。

 折りからの雪で、馬場水分は4.1%に上昇してスタート。各馬とも早めの競馬を意識してか、中間点では軽く息を整える程度で進みます。フクドリ、ニュータカラコマあたりは後方でじっくり脚をためましたが、他馬はほぼ横一線で第2障害を迎えました。
 ひと息入れて、真っ先に仕掛けたのはハクタイホウ。これにコウシュハウンカイ、インフィニティー、オレノココロも続き、4頭が並んで障害を突破。やや遅れてホクショウユウキ、ニュータカラコマもクリアしていきました。
 4頭横並びのなかから抜け出したのはオレノココロ。グイグイと脚を伸ばし、一気に突き放しにかかります。これに食い下がったのはコウシュハウンカイとハクタイホウで、インフィニティーはやや後退。勝負はこの3頭に絞られましたが、1馬身ほど抜け出したオレノココロの脚いろは衰えを見せず、そのまま先頭で荷物を運び切りました。馬体を併せての追い比べとなったコウシュハウンカイとハクタイホウの叩き合いは、コウシュハウンカイに軍配が上がりました。

 オレノココロは近2走が今ひとつで、トップハンデ820キロも嫌われたか、単勝は最低人気。しかし、結果は正攻法で押し切る圧巻の内容でした。古馬一線級が相手でも互角以上の力があることを証明したことで、今後の重賞戦線でも目が離せない存在。さらなる飛躍が期待できそうです。
 2着はコウシュハウンカイ。結果的に5歳馬によるワンツーフィニッシュとなりました。重量面で恵まれていたとはいえ、さらに軽ハンデだったハクタイホウの追撃を凌いだ内容がよく、こちらも今後の活躍が楽しみです。

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阿部武臣騎手「トップハンデの820キロでしたが、馬の調子がずっと良く、世代チャンピオンなので自信を持って騎乗しました。初の重量でしたが雪が降って馬場が軽くなったこともプラス要素でした。全体的にレースも落ち着いてできたし、ポプラ賞(3月15日)も期待できると思います」

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