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重賞(特別)回顧 アーカイブ

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12/21ばんえいダービー回顧

2014年12月22日(月)

世代チャンプはホクショウマサル!

 21日(日)は重賞・ばんえいダービー(3歳オープン)が行われ、単勝2番人気のホクショウマサルが優勝。イレネー記念に続く重賞2勝目を挙げ、改めて世代チャンピオンの座に就きました。

【出走馬】※馬名右の数字は単勝最終オッズ
  1.フェアリードール 76.7
  2.ハクタイホウ 1.5
  3.ホクショウマサル 4.6
  4.カゲホウトウ 26.3
  5.ホクショウメジャー 30.1
  6.アサヒメイゲツ 40.0
  7.キサラキク 4.9
  8.ブラックニセイ 48.3
  9.シンザンボーイ 35.1
 10.カイシンゲキ 29.6

 ばんえい菊花賞を制したハクタイホウが断然の1番人気。これに続いたのはイレネー記念馬のホクショウマサルで、定量戦での復活なるかに注目が集まりました。オークス馬キサラキクが3番人気で、この3頭が上位人気を形成。以下は水をあけられた格好となりました。

 馬場水分3.2%のなかスタートが切られ、各馬とも勢いよく飛び出します。ほぼ横一線で進み、道中も慎重に刻む展開。ハクタイホウ、キサラキクといった人気どころが馬群をリード。ホクショウマサル、ホクショウメジャーもジワジワと位置取りを上げ、第2障害を迎えました。
 最初に仕掛けたのはハクタイホウ。それを見てホクショウメジャーとホクショウマサル、さらにキサラキクも勢いよく登坂を開始します。これを真っ先に突破したのはハクタイホウ。しかし差なくホクショウマサルが続き、やや遅れてキサラキクが3番手でクリア。人気の3頭が三つどもえの様相を呈します。
 一進一退の攻防が続きましたが、残り20メートル付近でハクタイホウの脚いろが鈍りはじめ、ホクショウマサルがこれに並びかけます。キサラキクもジワジワと脚を伸ばして2頭に並びかける勢い。こうなると苦しいのはハクタイホウで、徐々に後退。代わって先頭に立ったホクショウマサルはグイグイと荷物を曳き、確かな脚いろで残り5メートルを通過。そのまま押し切り、第43代ダービー馬の栄冠をつかみ取りました。キサラキクはよく追い上げたものの、2秒2差の2着まで。ハクタイホウはさらに0秒5差の3着に敗れました。

 勝ったホクショウマサルは定量戦で見事に復活。とはいっても、近況は古馬B1を相手に連続2着と、徐々に復調気配にありました。しまいまできっちり脚を伸ばした内容もよく、今後も世代限定戦では主役を演じてくれるに違いありません。
 キサラキクは今の状態のよさがうかがえる内容で2着。勝ち馬には及ばなかったものの、牡馬顔負けのパワーを示したことに変わりはなく、今後も重量に恵まれた際には注目です。
 ハクタイホウはしまいに踏ん張りきれず3着。それでも定量戦で好勝負を演じられたのは地力の高さの証明。今後も馬場や重量次第でチャンスが巡ってくることでしょう。

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阿部武臣騎手「休養時期もありましたが、レースを使いながら勝負勘を取り戻すことに専念し、ここ2走くらいで一気に手ごたえが良くなりました。レースはスタートで遅れるのですが、道中は強い馬なので第2障害まで早めについてまとめることができました。調子は良かったので、ゴールまでのたたき合いには自信がありました。初めての730キロでしたが、ベストなタイムを出せたのではないでしょうか」

11/30ばんえいオークス回顧

2014年12月 1日(月)

3歳女王はキサラキク!

 30日(日)は重賞・ばんえいオークス(3歳牝馬オープン)が行われ、単勝1番人気のキサラキクが優勝。黒ユリ賞に続く重賞2勝目を挙げ、3歳牝馬の頂点に立ちました。

【出走馬】※馬名右の数字は単勝最終オッズ
  1.センゴクイチ 17.3
  2.キサラキク 1.6
  3.フェアリードール 10.7
  4.マルタウンカイ 26.1
  5.アサヒメイゲツ 5.4
  6.ツルマキイチバン 20.0
  7.キクノカチドキ 33.8
  8.メモリアルサマー 12.9
  9.ソラチキクヒメ 31.6
 10.アアモンドセブン 10.3

 2走前のばんえい菊花賞で、牡馬相手に2着となったキサラキクが断然の1番人気。そのばんえい菊花賞で4着のアサヒメイゲツが2番人気で、この2頭が抜けた人気。やや離れた3番人気に黒ユリ賞2着のアアモンドセブンと、定量戦らしく重賞で実績を残してきた各馬が上位人気に推されました。馬場水分2.1%と多少乾いた中で、女王の座を巡る熱戦の火ぶたが切って落とされました。

 各馬とも息を入れながらの展開で、道中はほぼ横一線。どの馬が主導権を握るということもなく、そのまま第2障害を迎えました。
 ひと呼吸入れて仕掛けたのはフェアリードール。それを見て、キサラキクも即座に動き、アサヒメイゲツ、アアモンドセブンといった人気どころも登坂を開始します。しかし、キサラキクとフェアリードールが抜群のかかりを見せ、並んで障害を突破。やや遅れてアアモンドセブン、ツルマキイチバンもクリアし、追撃態勢に入ります。
 しかし、ここからキサラキクが格の違いを見せつけます。フェアリードールを一気に引き離すと、軽快な脚どりでゴールへ一直線。残り10メートルを切ってもそのスピードは衰えず、乾いた馬場に苦しむ他馬を尻目に先頭でゴールを果たしました。障害を越えてから抜群の末脚を発揮したツルマキイチバンが2番手に上がり、そのままゴールするかと思われたところ、ゴール線上でストップ。終始歩き続けたフェアリードールがこれを差し返して2着を確保しました。立て直したツルマキイチバンが3着で、以下アアモンドセブン、アサヒメイゲツと入線しました。

 勝ったキサラキクは、さすがといったレースぶり。もともとしまいの脚に定評のある同馬が先頭で障害をクリアしたなら、その時点で勝利を手にしたようなものでしょう。同重量で、同世代の牝馬が相手なら、一枚上の存在であることを示しました。今後も世代限定重賞では要注目の存在となるに違いありません。
 黒ユリ賞では7着だったフェアリードールが、今回は2着を確保。ここへ来てジワジワと馬体重が増えていることからも、成長途上であることは明らかです。止まることなく歩き続けたレース内容も良く、さらなる成長次第でタイトルも見えてくることでしょう。
 3着ツルマキイチバンは痛恨の線上ストップ。とはいえ、この馬も着実に力をつけているのは明らかで、持ち前の切れ味をいかんなく発揮できるようになれば、今後も重賞戦線をにぎわす存在となるでしょう。

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鈴木恵介騎手「今日は力の差を見せることができたレースだと思います。660キロを初めて曳く馬がいる中で、この馬は680キロの重量を経験していたので、気持ちとしては少し楽でした。この世代の牝馬戦では、これからも勝ちにこだわりたいと思います」

11/23ドリームエイジカップ回顧

2014年11月23日(日)

王者インフィニティーが復調を示す!

 23日(祝・日)は重賞・ドリームエイジカップ(4歳以上、馬齢選抜)が行われ、単勝9番人気の8歳馬インフィニティーが優勝。今年のばんえい記念以来となる重賞3勝目を挙げ、完全復調を示しました。

【出走馬】※馬名右の数字は単勝最終オッズ
  1.ニュータカラコマ 5.4
  2.オレノココロ 8.6
  3.キタノタイショウ 3.7
  4.ホクショウユウキ 6.9
  5.ホクショウバトル 54.8
  6.インフィニティー 21.6
  7.トレジャーハンター 5.0
  8.コウシュハウンカイ 8.2
  9.ニシキエーカン 18.2
 10.オイドン 10.0

 キタノタイショウ、ニュータカラコマがトップハンデながら1、2番人気に推されましたが、6頭が単勝ひと桁という、まれにみる大混戦。展開次第でどの馬にもチャンスがあると見られ、馬場水分2.3%の中、スタートが切られました。

 道中はトレジャーハンターが馬群をリードし、これをインフィニティーがマークする形。以下は多少離れて横一線で、そのままの隊列で第2障害を迎えました。
 ここでもトレジャーハンターが積極的に仕掛け、ほぼ同時にインフィニティーも登坂を開始。2頭がまるでマッチレースをしているかのように、並んだまま障害を突破しました。やや離れた3番手でオレノココロがクリアし、以下コウシュハウンカイ、オイドン、ニュータカラコマが続きます。
 先頭の2頭は併せ馬の状態で一進一退の攻防を繰り広げますが、残り20メートル付近でトレジャーハンターが失速。インフィニティーも多少脚いろが鈍りましたが、追撃する他馬の脚いろも今ひとつ。わずかにオイドンが伸びてきたものの、かわすには至らず、結局1秒8差をつけてインフィニティーが勝利しました。2着のオイドンから2秒差の3着にはオレノココロが入線。3連単は24万超の大波乱となりました。

 今シーズンもばんえい十勝オッズパーク杯2着、北見記念3着と、随所で力を示していたインフィニティー。トップハンデとは20キロ差があり、重量に恵まれた面は否めませんが、積極的に運んで勝ち切ったレースぶりには、いいころの力強さがうかがえました。王者復権なるか、今後の走りに注目です。

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尾ヶ瀬馨騎手「たまたま主戦ジョッキーの馬が重なっていたので、自分にチャンスがまわってきたわけですが、ハンデ差もありましたし、もともと強い馬でしたからね。障害力を生かせて勝つことができて良かったです。騎乗させてもらいましたので、"行くしかないだろう!"と積極的に攻めました」

11/9クインカップ回顧

2014年11月10日(月)

ナナノチカラが実力を見せつける!

 9日(日)は重賞・クインカップ(4歳牝馬オープン)が行われ、単勝1番人気のナナノチカラが優勝。黒ユリ賞、ばんえいオークスに続く重賞3勝目を挙げ、世代牝馬の頂点を極めました。

【出走馬】※馬名右の数字は単勝最終オッズ
  1.セイコークイン 5.0
  2.アグリナデシコ 159.2
  3.エーマン 24.3
  4.クインフェスタ 3.0
  5.キタノシャネル 48.8
  6.フジノルビー 11.9
  7.センショウパワー 65.5
  8.ナナノチカラ 2.0
  9.カネサエクセル 88.0
 10.コウシュハクィーン 15.2

 710キロを課せられた実績馬4頭が上位人気に推され、これに690キロのフジノルビーがどこまで食い込めるか、といった構図。馬場水分1.5%のパワーを要する馬場が、この重量差でどう作用するかが焦点となりました。

 各馬とも曳き慣れた700キロ前後の重量ということもあって、行き脚は軽快。特にキタノシャネルが抜群の行きっぷりを見せて、グイグイと引っ張ります。セイコークイン、コウシュハクィーンがこれを追走し、馬群は伸び縮みを繰り返しながら第2障害を迎えました。
 真っ先に仕掛けたのはキタノシャネル。一気に天板まで登り詰め、ゆうゆうと障害を下りていきます。しかし、差なくクインフェスタが続き、やや遅れてナナノチカラ、セイコークイン、コウシュハクィーンがクリア。キタノシャネルを巡って、710キロ勢が追撃態勢に入りました。
 しかし、勝負はあっけなく終幕を迎えます。キタノシャネルは障害を越えたところでクインフェスタにかわされて失速。そこへ1番人気のナナノチカラがギャロップで襲いかかり、残り20メートル付近で先頭に立ちます。こうなれば、末脚に絶対の自信を持つナナノチカラの独壇場。クインフェスタも懸命に食い下がろうとしますが、脚いろの差は歴然で、そのまま1秒6差をつけてナナノチカラが先頭でゴールしました。2着クインフェスタから8秒8差の3着にセイコークインが入り、4着にはコウシュハクィーンが入線。710キロ勢の4頭が上位を独占しました。

 抜群の切れ味を発揮して重賞3勝目を挙げたナナノチカラ。これでこの世代の牝馬重賞は総なめにしたことになります。柏林賞でも3着があるように牡馬混合重賞でも好勝負ができる器で、1月の天馬賞でも要注目の存在となりそうです。

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鈴木恵介騎手「第2障害下でいい位置につけることができたので、あとは障害を越すことができればなんとかなると思いました。710キロという重量は、正直なところ自信がなかったのですが、調教師や厩務員と話しながら、このレースに向けて完全に仕上げてきました。とても良い状態で臨めたと思いますし、結果が出せて良かったです」

11/2ばんえい菊花賞回顧

2014年11月 3日(月)

ハクタイホウが初タイトルを奪取!

 2日(日)は重賞・ばんえい菊花賞(3歳オープン)が行われ、単勝1番人気のハクタイホウが優勝。トップハンデ710キロをものともせず、騎乗した赤塚健仁騎手とともに重賞初制覇を果たしました。

【出走馬】※馬名右の数字は単勝最終オッズ
  1.シンザンボーイ 8.8
  2.ハクタイホウ 2.4
  3.オオゾラシンスケ 76.6
  4.アサヒメイゲツ 3.8
  5.キサラキク 6.9
  6.カイシンゲキ 20.2
  7.ホクショウメジャー 42.3
  8.ホクショウマサル 8.1
  9.アアモンドセブン 35.2
 10.カンシャノココロ 10.6

 トップハンデ(710キロ)のハクタイホウ、ホクショウマサルと、最軽量(670キロ)のアサヒメイゲツ、アアモンドセブンとの重量差は40キロ。微妙な重量設定となりましたが、最終的には古馬A2戦でも好勝負を演じているハクタイホウが2.4倍で1番人気。2走前の秋桜賞でハクタイホウを2着に負かしているアサヒメイゲツが3.8倍で、この2頭が実績、ハンデの両面から優勢と見られました。馬場水分は3.5%でゲートオープン。

 軽めの馬場状態ということもあり、ペースはやや速め。第1障害を越えたあたりで各馬とも脚を止めますが、ひと息入れてはすぐに歩き出し、速いテンポで推移。中間点過ぎでシンザンボーイ、アアモンドセブン、アオゾラシンスケ、ホクショウマサルなどが先行。他馬は若干遅れたものの、差なく第2障害にたどり着きました。
 最初に仕掛けたのはシンザンボーイとホクショウマサル。それを見て各馬もいっせいに動き出しますが、なかでも抜群のかかりを見せたのがハクタイホウ。多少体勢を崩しながらも荷物を天板に曳き上げ、先頭で障害を突破しました。やや遅れてシンザンボーイ、オオゾラシンスケ、アアモンドセブンがクリア。そしてカンシャノココロ、キサラキク、カイシンゲキ、ホクショウメジャーも障害を越え、次々と追撃態勢に入りました。
 完全に抜け出したハクタイホウは、けっして切れのある脚を見せているわけではありませんが、それでも後続との差を保ちつつ、懸命に前進。追ってくる2番手以下は横一線も、残り20メートル付近でキサラキクがこの集団から抜け出しにかかります。これにカイシンゲキが食い下がり、さらにアサヒメイゲツもジワジワと差を詰めます。しかし、先頭のハクタイホウは赤塚騎手の鼓舞に応え、しぶとい粘りを発揮。後続の激しく追い上げましたが、結果2着のキサラキクに1秒3差をつけ、ハクタイホウが初の重賞タイトルを手にしました。2着からさらに2秒差の3着にはカイシンゲキが入線しました。

 ハクタイホウはこれまでイレネー記念、ばんえい大賞典でともに2着、ナナカマド賞で3着と世代トップクラスの力を示してきましたが、重賞は今回が初制覇。名実ともに3歳世代のトップクラスとして、名を連ねたことになります。馬場が味方した面もありますが、重量を課せられながらも逃げ切ったあたりは実力の証明。ばんえいダービーも含めて、今後の活躍がおおいに期待されます。
 黒ユリ賞馬キサラキクは切れのある末脚を発揮して2着を確保。牝馬3頭のなかではもっとも重い680キロを課せられていただけに、価値のある2着といえます。今後が楽しみになる好内容だけに、ばんえいオークスでも注目の存在となりそうです。

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赤塚健仁騎手「人馬ともに初の重賞制覇を果たすことができて、とても嬉しいです。重量が少し気になりましたが、このレースに向けてじっくりと調教を積むことができました。馬の調子が良いですから、今後も期待していきたいです」

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