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4/28ばんえい十勝オッズパーク杯回顧

2013年4月29日(月)

キタノタイショウが頂点へ名乗り!

 28日(日)は重賞・ばんえい十勝オッズパーク杯(4歳以上、前年度収得賞金順選抜)が行われ、単勝2番人気のキタノタイショウが優勝。昨年のばんえい記念で3着に奮闘した力量馬が重賞7勝目を挙げ、頂点奪取へ向けて好ダッシュを決めました。

 馬場水分は2.0%と力の要る状態。道中はアアモンドヤワラがハイラップを刻み、これをキタノタイショウ、インフィニティーなどが追う展開。ギンガリュウセイもこの一角で追走し、上位勢はほぼ離れず一団の状態で第2障害を迎えました。
 真っ先に動いたのはギンガリュウセイ。それを見てインフィニティー、マルモスペシャルなど、先行勢も仕掛けます。しかし、各馬とも決め手を欠き、苦戦を強いられました。それでもジワジワと荷物を曳き上げたのは、地力に勝るギンガリュウセイ。貫禄の先頭クリアで、リードを広げにかかります。そうはさせじと続いたのはインフィニティーで、さらに遅れてホッカイヒカル、キタノタイショウもクリアして追撃態勢に入りました。
 先頭を行くギンガリュウセイはきっちり歩き続け、追うインフィニティーもしぶとくこれに食い下がります。しかし抜群の伸びを見せて一気に先団に取りついたのがキタノタイショウで、大河原騎手の叱咤に応えてグイグイ肉薄。そして3頭が横一線でゴールになだれ込み、結果的に1着から3着まで、わずか0秒7差という大激戦となりました。リザルトはキタノタイショウが2分09秒5で差し切り勝ち。0秒3差の2着にギンガリュウセイ、さらに0秒4差でインフィニティーが3着で入線しました。1番人気のホッカイヒカルはゴール線上で脚が止まり、ニシキエースにかわされて5着となりました。

 今季初戦こそ7着に敗れたキタノタイショウですが、きっちり変わり身を見せて勝利。鋭く脚を伸ばす上々の内容で、古馬の頂点に名乗りを上げました。700キロでも1トンでも、コンスタントに荷物を運べるのが魅力で、今シーズンも目が離せない存在となりそうです。

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大河原和雄騎手「ばんえい記念後は、軽めの調整をしてきました。今回のデキに関していうと本来のものではなかったです。第2障害前で行きたがらないそぶりを見せましたが、無理をせずに馬の呼吸を合わせて騎乗しました。今日1着を獲れたのは、馬のセンスに助けられた部分が大きいですね。この馬はこれからのばんえい界を引っ張っていく馬だと思いますし、そうなってもらいたいと思っています。大切に騎乗して、少しでも盛り上げていけるよう頑張ります」

3/24ばんえい記念回顧

2013年3月25日(月)

カネサブラック有終の美を飾る!

 24日(日)は年度末の頂上決戦・ばんえい記念(4歳以上オープン)が行われ、単勝1.0倍の圧倒的1番人気でこれが引退レースのカネサブラックが優勝。重賞21勝の金字塔を打ち立て、引退の花道を飾りました。

 馬場水分は1.8%とやや重めの状態で、ばんえい記念恒例の新旧重賞ファンファーレが鳴り響きました。そろったスタートからゆったりと各馬が第1障害へ。ホッカイヒカルを最後に、まずは障害を突破します。キタノタイショウ、カネサブラック、ホクショウダイヤあたりが馬群をリード。いつも以上に進んでは止まり、進んでは止まり、を繰り返し、ほぼ各馬横一線で第2障害にたどり着きました。
 真っ先に動いたのはカネサブラックで、やや遅れてギンガリュウセイも登坂開始。ホッカイヒカル、ホクショウダイヤも果敢に挑み、キタノタイショウも仕掛けます。しかし先頭で天板に脚をかけたのはカネサブラック。少し間を置いたのち、グッと腰を入れると荷物を曳き上げると、次第に馬体が前傾。先頭で障害を突破しました。やや遅れてキタノタイショウもクリア。そしてさらにギンガリュウセイが続きます。
 しかし先頭のカネサブラックは残り30メートル付近でいったん脚を止め、これにキタノタイショウが迫る展開。これに勢いよく伸びてきたギンガリュウセイが追いつき、三つどもえの様相を呈します。カネサブラックとキタノタイショウがスピードを生かしてギンガリュウセイを突き放すと、脚を止めているうちにギンガリュウセイが追いつくという、一進一退の攻防。しかしキタノタイショウが脚を止めるインターバルが早くなり、残り10メートルを切ってカネサブラックが単独先頭。ギンガリュウセイが歩き続けて2番手に浮上し、先頭をうかがう勢い。キタノタイショウは脚を出しては止まるという苦しい状況となります。
 そして残り5メートル。脚を止めていたカネサブラックに、ギンガリュウセイが並び掛けて前に出ようか、という勢い。しかし、ここからが王者の底力でした。渾身の力を振り絞って歩きはじめたカネサブラックは、一歩ごとにギンガリュウセイより前に出始め、わずかに1秒9だけ先に荷物を運び切りました。ギンガリュウセイは王者を苦しめたものの、惜しくも2着。つねにこの2頭に食い下がる勝負根性を見せたキタノタイショウが3着となりました。なお、カネサブラックと同じくこれが引退レースだったナリタボブサップは5着で入線。無事、全馬完走を果たしました。

 カネサブラックは前述のとおり、これが重賞21勝目。スーパーペガサスの20勝を上回るタイトルを獲得しました。5、6歳時に重賞で勝ち切れなかったのが、今となってはうそのようにも感じられる、この金字塔。紛れもなく、ばんえい史上に残る名馬と言えるでしょう。通算成績は186戦72勝。25日第6レース終了後、ナリタボブサップとともに引退式を行ったのち、種牡馬として第2の馬生を送ることとなります。
 その王者を最後まで苦しめたのがギンガリュウセイ。今季はばんえいグランプリ、北見記念を制し、帯広記念でも2着に健闘しました。高重量戦でもきっちり歩けるところが最大の武器で、今後もパワー優先のレースで力を発揮してくれるでしょう。
 キタノタイショウは今回もいわゆる"善戦止まり"でしたが、この重量で終始2頭に食い下がったレース内容は素晴らしいの一語。まだ7歳だけにさらなる飛躍が望めそうで、今後も重賞戦線を沸かしてくれるに違いありません。

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松田道明騎手「調教師、厩務員もこのレースを勝とうと思って力を入れてやってきて、最高の状態で馬を出走させてくれました。ギンガリュウセイもキタノタイショウも最後にかなり攻めてきていましたし、カネサブラックもだいぶ辛くなってきて止めてもバックしなくなりました。余力がなくなっていたんです。一瞬どうしようかな、と思ってゴール前でも迷っていましたが、なんとか一生懸命追って、馬に助けてもらって勝つことができました。この馬に騎乗したことですごく勉強になったし、育ててもらいました。この経験を生かして、ほかの馬もうまく乗れるようになりたいですね。
 役目を果たした、安心した、というのが今の気持ちです。ゴールするまで勝ったか負けたかわかりませんでしたが、『やった!』という厩務員の一言で勝利を知りました。ゴール前20メートルでスタミナが切れて思うように動かない場面があり、こんなアクシデントは今までありませんでした。焦りましたね。こんなところで負けられない、という強い思いで乗り切りました。スーパーペガサスの記録を抜くことができて、しみじみとうれしく思います」

3/17ポプラ賞回顧

2013年3月18日(月)

ニュータカラコマがパワー勝負を制す!

 17日(日)は重賞・ポプラ賞(4、5歳オープン)が行われ、単勝5番人気のニュータカラコマが優勝。11年イレネー記念、12年銀河賞以来となる重賞3勝目を挙げました。

 馬場水分は2.1%で、砂煙がもうもうと上がる状態。道中はオイドン、フジダイビクトリーの5歳勢2頭が先行し、ワールドピサ、テンカムソウあたりがこれを追走。各馬ゆったりと歩を進め、第2障害を迎えました。
 真っ先に障害下にたどり着いたフジダイビクトリーが登坂を開始し、ひと呼吸置いてワールドピサも仕掛けます。この2頭がそのまま天板まで登り切り、先頭、2番手で障害をクリアしました。やや遅れてテンカムソウ、ニュータカラコマが続く展開。
 先頭3頭が横一線で競り合うなか、ニュータカラコマがやや後ろからギャロップで追いつきます。そして並ぶまもなく一気に先頭に躍り出ると、そこは早くも残り10メートル。そのまま押し切って、先頭ゴールを果たしました。フジダイビクトリーとテンカムソウは激しい攻防を繰り広げましたが、0秒5差でフジダイビクトリーが先着。1番人気のワールドピサは、テンカムソウから1秒5差の4着に敗れました。

 ニュータカラコマは前述した通り重賞3勝目となりましたが、思えばこれまでもゴール前での接戦が多く、しかも力の要る馬場での消耗戦でタイトルを獲得してきました。いかにもパワータイプといった印象で、今後も重量を課せられるようなパワー優先のレースでは軽視できない存在となるでしょう。

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藤野俊一騎手「10コースとハンデが厳しかったですが、今日は上手に障害を越えられましたし、障害を越えてしまえばこの馬は実力があるので、あの位置だったら差せるかなと思っていました。来年度もまた頑張りたいと思います」

3/10イレネー記念回顧

2013年3月10日(日)

ショウチシマシタ名実ともに世代王者に!

 10日(日)は2歳シーズン王者を決める重賞・イレネー記念(3歳オープン)が行われ、単勝2番人気のショウチシマシタが優勝。ナナカマド賞以来となる重賞2勝目を挙げ、世代王者の称号を手にしました。

 午前中に降った雪の影響で、馬場水分は7.6%と軽め。勢いよく飛び出した10頭は一気にトップスピードに乗せ、一目散に第2障害を目指します。フクミツ、ショウチシマシタ、ソウクンボーイあたりが先行するも、ほぼ横一線。各馬ノンストップで障害下にたどり着きました。
 真っ先に仕掛けたのはショウチシマシタとセイコークイン。さらにソウクンボーイもこれに反応し、コウシュハウンカイもこれに続きます。しかしショウチシマシタが重量を感じさせない力強い登坂を見せ、先頭でクリア。やや遅れてソウクンボーイも障害を下り、以下セイコークイン、コウシュハウンカイも追撃態勢に入ります。
 しかしこの馬場水分だけに先行勢の脚いろも軽快。ショウチシマシタは2馬身半ほどの差を保ったまま歩き続けます。またソウクンボーイも、3番手のコウシュハウンカイとの差をキープ。残り20メートルを切ってからもそのままの態勢が続き、結局この3頭で決着しました。

 ショウチシマシタはナナカマド賞に続く重賞制覇となりましたが、当時はダイコクパワーの降着による繰り上がりでの勝利でした。世代チャンプ決定戦の今回をきっちり勝ち切ったことで、名実ともにナンバーワンの座に就いたと言えます。軽馬場が味方したのは否めませんが、終始馬群をリードしながら、失速することなく歩き続けたのは実力の証明。来シーズン以降の活躍が十分に期待できそうです。
 ソウクンボーイは持ち前のそつのないレースを演じたものの、今回ばかりは展開と馬場に泣いた格好。それでも崩れなかったのは評価でき、こちらも成長次第でさらに活躍してくれることでしょう。
 3着のコウシュハウンカイは大外枠ということもあって外へ逃げたり、物見をするような場面もありました。それで3着なら上々で、精神面の成長があれば頂点をうかがう存在となりそうです。

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大河原和雄騎手「初コンビを組ませてもらいましたが、スタートの出だしも良く、この早いレース展開で良い結果が残せた一番の理由は、馬の調子が良かったからだと思います。第2障害を降りて独走に見えたかもしれませんが、ソウクンボーイや他の馬の追い上げも気になっていました」

3/3チャンピオンカップ回顧

2013年3月 4日(月)

ホッカイヒカル混戦に断!

 3日(日)は重賞・チャンピオンカップ(4歳以上、今年度重賞競走優勝馬)が行われ、単勝2番人気のホッカイヒカルが優勝。08年柏林賞、12年ばんえい十勝オッズパーク杯に続く、重賞3勝目を挙げました。

 馬場水分は3.0%で、標準的な水分量。とはいえ、やはり800キロ前後の重量を曳いているだけに、道中はゆったりしたペースとなりました。馬群をリードしたのはキタノタイショウ、ニュータカラコマ、フジダイビクトリーといった面々。各馬もこれに遅れじと追走し、一団のまま第2障害を迎えました。
 ひと息入れて、最初に障害に挑んだのはフジダイビクトリー。ギンガリュウセイもこれに反応するかのように登坂を開始。その直後、他馬が堰を切ったように仕掛け、大混戦の様相を呈します。その中から抜け出したのはフジダイビクトリー。天板に脚をかけると荷物を曳き上げ、先頭で障害を下っていきました。続いたのはギンガリュウセイで、その後ろからブラックパール、キタノタイショウ、ホッカイヒカル、そして1番人気のカネサブラックが並んで追撃態勢に入りました。
 なかでも脚いろよく伸びてきたのはキタノタイショウで、残り20メートル付近で早くも先頭をうかがう勢い。さらにホッカイヒカルとブラックパールも脚を伸ばしてこれに食い下がります。先頭のフジダイビクトリーは失速気味で、カネサブラックも840キロの荷物が響いているのか、今ひとつ伸びを欠いている状況。残り10メートルを切って先頭はキタノタイショウ。懸命に逃げ込みを図りますが、追ってくるホッカイヒカルもジワジワと差を詰めます。そしてゴール線上でホッカイヒカルが並びかけると、そのままキタノタイショウを抜き去り、先頭で荷物を運びきりました。その瞬間、後端がギリギリ入ったか微妙なところでキタノタイショウがストップ。ジャッジは未入線で、その隙にブラックパール、フジダイビクトリーがゴールイン。レースをおおいに盛り上げたキタノタイショウは、奮闘及ばず4着という結果になりました。なおカネサブラックは、その後ろの5着でゴールしました。

 年度最初の重賞、ばんえい十勝オッズパーク杯でこのレースの出走権を手にしていたホッカイヒカルが、年末の大一番を前に復調気配。シーズン中盤は不振に陥っていましたが、このレースの直前にオープンで3連続連対を果たしており、軌道修正に成功した印象です。思えば昨年のばんえい記念ではニシキダイジン、フクイズミ、ナリタボブサップに次ぐ4着で、地力の高さは折り紙つき。今年もばんえい記念での上位争いが期待できそうです。
 2着のブラックパールはハンデに恵まれた面もありますが、地力がなければこのメンバーで2着に食い込むことは不可能でしょう。重賞で常に上位争いを演じる底力は特筆もので、これからも大舞台での活躍が期待できそうです。
 単勝1番人気で5着に敗れたカネサブラックは、この重量差だけに仕方のない結果。定量、しかも実績のある1トンの重量なら話は別で、ばんえい記念での巻き返しも十分に期待できるでしょう。

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阿部武臣騎手「スタートは遅れるのですが中盤で追いつき、ゴール前で差し切るこの馬らしい勝ち方ができました。普段よりゆったりしたペースだったので、早めに追いついて息を入れられたのもよかったのでしょう。荷物も重かったですが、馬の力を信じて追いました。このまま調子よくいってくれれば来年度も活躍できると思います」

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