2020年に優秀な成績をおさめた地方競馬の人馬や、地方競馬の発展に功績のあった人馬等を顕彰する『NARグランプリ2020』で、オレノココロ(牡10、槻舘重人厩舎)がばんえい最優秀馬に選ばれました。20年は重賞1勝ながら、ばんえい最高峰レースのばんえい記念を制したことが評価されての受賞です。なお年明けの帯広記念で、自身の持つばんえい競馬重賞最多勝記録を"25"に更新しています。
さて、ばんえい十勝は年末年始の変則開催が終わり、今週から従来の土曜、日曜、月曜の3日間開催。なお月曜は12レース制で実施されます。
【第21回開催4日目】
1月16日(土)のメイン第10レースは、プロキオン特別(A1級-1組・18:30発走予定)。前開催のニューイヤーカップ(A1級-1組)から4頭、5歳重賞・天馬賞から5頭の9頭立てですが、天馬賞組が上位独占が予想されます。
天馬賞は、先行したメムロボブサップ、アオノブラックのオープン馬によるワンツーでした。2頭から離されたとはいえ、◎ジェイエースは、出走メンバー中最先着の3着を確保。やや離れた障害4番手から止まらずに歩いて、ここにも出走しているコマサンエース、アオノゴッドらとの争いを制しています。定量だった天馬賞と違い、賞金ハンデが適用される今回は、他馬が15~20キロ減なのに対し、この馬の25キロ減は有利。A1昇級後初の特別戦でも連軸として信頼します。
○コマサンブラックは、A1昇級2走目から特別戦で2連勝した実績を評価します。2走前の師走特別(A1級-1組混合)では今回と同じ745キロで快勝。逃げるコマサンエースを交わし、突き放しています。天馬賞は障害で苦戦し7着でしたが、当時より15キロ軽く実績ある重量の今回は見直せます。
▲コマサンエースは、オープン馬が相手の天馬賞では先行できず。しかし4着を確保し、3着ジェイエースからは2秒4差でした。ここはマイペースの逃げも可能なメンバー構成だけに、障害で差をつけることができれば押し切りも可能でしょう。
△アフロディーテは、ニューイヤーカップを逃げ切って勝利。前走では1頭もいなかった減量ある5歳が5頭もおり、展開的には厳しそう。ただ、2走前のA1級-2組では、ジェイエースと大接戦の2着争いを演じていました。
【第21回開催5日目】
1月17日(日)のメイン第10レースには、睦月特別(オープン-1組・18:25発走予定)が行われます。出走してくれば50キロの賞金ハンデを課されていたオレノココロなどが回避しての6頭立て。重量差は最大15キロでどの馬にもチャンスはあります。
◎メジロゴーリキは、前走の帯広記念でオレノココロからコンマ4秒差の2着に健闘。11月の北見記念は同タイムながらしりぞけて勝利し、前走では差されたとはいえ、現役ナンバーワンホースと高重量戦で続けて互角に渡り合っています。昨季のスピードスター賞(定量500キロ)で2着があるように現役屈指の速力もあり、雪で軽くなりそうな馬場は苦にしないはず。ほかの有力2頭より10キロ重いだけなら、好勝負に持ち込むでしょう。
○センゴクエースは、帯広記念が追い込んで8秒0差の5着。前々走のオープン-1組平場戦(12月26日)は9秒4差の3着でした。重賞より平場戦のほうが着差が大きいということは、ハイペースは向かないのでしょうか。とはいえ馬場が極端に軽くなければ、11~12月に3連勝と実績ある特別戦で巻き返せそうです。
▲ホクショウマサルは、帯広記念を回避し、同じ開催のばんえい十勝金杯を貫禄勝ち。目下2連勝と勝ちみの遅さを払拭しています。しかし、11~12月の特別3戦すべてがセンゴクエースの2着。今回はその天敵に加え、メジロゴーリキもおり相手強化となります。
△アオノブラックは、12月26日のオープン-1組平場戦を逃げ切って楽勝しています。ただ今回は主戦の西謙騎手がメジロゴーリキに騎乗しているぶん△です。
【第21回開催6日目】
1月18日(月)のメイン第11レースは、吹雪特別(A2級-1組・18:30発走予定)。
出走馬10頭のうち、8頭が前開催の新雪特別(A2級-1組)で対戦。ダイリンファイターが逃げを打ち、離れてヤマトジャパン、オホーツクノタカラが続きました。ダイリンファイターが残り30メートルを切ったあたりで障害を越えたブラックサファイアが一気の脚で伸び、差し切って勝利。ダイリンファイターは2着で、2頭が接戦の3着争いはオホーツクノタカラが制し、1番人気のヤマトジャパンは4着という結果でした。
◎ダイリンファイターの逆転に期待します。後続を離しての逃げに出た前走は馬場水分1.1%の重馬場もあり、ゴール線上で一杯になりました。しかし今回は雪の影響で脚抜きの良い馬場が予想されます。踏ん張りがきけば押し切れるでしょう。
○ヤマトジャパンは、今季3勝すべて平場戦。特別戦では前走のようにどうしても詰めの甘さが出てしまいます。こちらも軽めの馬場で変化があるかもしれません。
▲ブラックサファイアは、息を入れながら追走できたことが新雪特別での勝利につながったのかもしれません。ここは多少ペースが速くなっても、ほぼ再戦のメンバーだけに勝ち負けできるでしょう。
△バウンティハンターは、A2昇級後は2走し、新雪特別など特別戦で7、7着。昨季A1級-1組の特別戦で3着と通用する力はあり、10キロ減となる金田利貴騎手で変わり身に期待できそうです。