
5月30日に園田競馬場で行われた『地方競馬ジョッキーズチャンピオンシップ』で優勝、8月24・25日に札幌競馬場で行われるワールドオールスタージョッキーズへの切符を掴んだ吉村智洋騎手(兵庫)。2度目の大舞台を前に、現在の心境を伺いました。
まずは地方競馬ジョッキーズチャンピオンシップ、優勝おめでとうございます。
ありがとうございます。例年は2場で行われていましたが、今年は園田での2戦だけで決まるということで、自分が一番有利な立場だと思っていました。全国から1位(の騎手)ばかり集まる中でも、地元の利が活かせるというのは大きいですから。無事に優勝できて良かったです。
第1戦は8着、第2戦で勝利という結果でした。振り返っていかがですか。
2戦目の馬は前走で乗っていましたし、力が抜けていることはわかっていました。本当は1戦目でもう少し上の着順に入りたかったんですけど、上手い人ばかりですから、そうそう上手くはいかなかったですね。2戦目で順当に勝てて、あとは1戦目を勝った森泰斗騎手(船橋)のポイントが気になりましたけど、「多分8着だった」と言っていたので、同ポイントの場合は第2戦の着順が上の騎手というルール的に、総合優勝できたかなと思いました。
ジョッキーズチャンピオンシップ第2戦を1番人気にこたえて勝利
2019年に続いて、2度目の優勝です。
正直、前回が最後だろうと思っていました。地方の枠は1つしかないですし、全国のトップが集まる中で勝つというのも大変ですから。それに、運も大事ですよね。今回はツイていたなと思います。
前回出場したワールドオールスタージョッキーズ(総合7位)についてはいかがですか。
前回は何もできなかったですよね。前年に初めて(全国)リーディングを取ったばかりでしたし、JRAで勝ったこともなくて。余裕もない中でがむしゃらに乗って、すごくいい経験でしたが何もできず悔しい気持ちも強かったです。いつかまた行きたいと思っていたので、今回チャンスをいただけて嬉しいです。
2019年の初出場後、ここまでの間にいろいろなことがありましたね。昨年はついにJRAでも初勝利を挙げ、同じ日に2勝目も挙げました。
あの時もツイていましたね。なかなか勝てなかったのに、ひとつ勝ったらポンポンと勝つことができました。この年になって初勝利を祝っていただいたのも新鮮でしたし、頑張ってくれた馬や関係者の方々に感謝しています。
そして昨年は(地方)335勝して全国リーディングを取ったわけですが、「楽しくなかった」と仰っていました。
そうなんですよ。全然楽しくなかったです。というのも、全国リーディングは昨年が最後かなと思っていて、どうしても取りたいという気持ちが強かったんです。この日までに何勝しないと、というような数字に追われてしまって、かなりしんどかったです。
なぜ昨年が最後かもと思ったのでしょうか?
全国リーディングって取ろうと思って取れるものじゃないですから。自場でリーディングを取るのも大変ですし、他の競馬場のリーディング争いとの兼ね合いもある。運やタイミングというのも大きいので。自分の中では、昨年が最後かもしれないと思って自分を追い込みました。
そして今年は「とても楽しい」ということでしたが、何が変わったのでしょうか。
今年はもう数字を追うことから解放したんです。そうしたらすごく楽しいですね。もちろん勝ちたい気持ちは強いですけど、何勝しなきゃみたいな気持ちから解放しました。
昨年自身を追い込んで全国リーディングを達成したからこそ、解放できたのでは?
それはあるかもしれません。昨年はトップを取りたい気持ちと、レース内容を濃くしたいという気持ちのせめぎ合いがあったんですけど、そこを乗り越えて今の楽しさがあるのかもしれませんね。結局、平常心で乗ることが一番大事で、それが一番難しいんです。落ち着いて乗っていれば周りもよく見えるので、レースでのパフォーマンスも上がると。今年は怪我無く楽しく乗るということを大切にしています。
さらに今年の3月、ご子息の吉村誠之助騎手がJRAで騎手デビューしました。
素直に嬉しいです。でも心配の方が多いですね。そんなに心配しなくても大丈夫なのはわかっていますが、子供を持つ親としては心配でしょうがないです。
よく園田に遠征に来て勝っていますよね。
勝つ馬に乗っていますからね。所属の清水久詞先生から、園田に乗りに行くときはよろしくお願いしますと言われていますし、レースの経験を積むことで引き出しが増えますから、なるべく経験を積ませてあげたいです。そのくらいしかできないですけど、できるだけサポートしたいと思っていて。でも子供はそんなことまったく思ってないですけどね(苦笑)。僕も17歳18歳の頃は親元を離れるのが嬉しかったですし、何か言われるとうるさいわって思っていましたから。
札幌はお父さんとしても腕の見せ所ですね。
いい所を見せられるといいんですけどね。でも前回よりも平常心で乗れるのではないかと思います。海外のすごいジョッキーもたくさん出場しますし、いろいろと吸収したいです。
それから、お手馬のスマイルミーシャについても伺いたいのですが、六甲盃(6月6日)は12着と大敗でした。
どこが悪いというわけではないのですが、返し馬でキャンターに下ろした時、いつもはグッと加速していくんですけど、それがなかったんですよね。いつもと違うと心配していましたが、レースでもそれが出てしまいました。普段の走りであればあんなに後ろを走る馬ではないんです。デビューから長くいい状態で頑張ってくれていましたし、もしかしたらメンタル面なのかもしれません。今は休養しているので、またリフレッシュして帰ってきたら、いい競馬を見せてくれると思います。
それでは、オッズパーク会員の皆様にメッセージをお願いいたします。
いつも応援していただきありがとうございます。皆様の馬券に貢献できるよう、これからも一生懸命がんばります!
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※インタビュー / 赤見千尋(写真:兵庫県競馬組合)
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第8回石川優駿をナミダノキスと共に勝利した、柴田勇真騎手(金沢)。2020年の金沢シンデレラカップ(マナバレンシア)以来の重賞制覇、現在のお気持ちを伺いました。
石川優駿制覇、おめでとうございます。
ありがとうございます。すごく嬉しいです。
見事な差し切り勝ちでしたが、序盤はあまり手応えが良さそうに見えませんでした。内心はいかがでしたか?
いつも道中の手応えはそんなにいい馬ではないので、今回もある程度は想像していましたが、もうちょっと前のポジションを取りたかったなと思っていました。なかなか前に行きたくても抜けられるスペースがなくて、抜けられるとしたら内々だったんですけど、「もうちょっと我慢しておこう」と判断しました。能力の高い馬ですし、その力を信じていたので、あまり焦りというのはなかったです。
1番人気だったリケアマロンと吉原騎手が早々に抜け出して、このまま勝つのかなというふうに見ていました。
馬群にいる時は吉原さんの姿が見えなくて、向正面でやっと外に出せた時に、「あんなに前にいるのか!」って。4コーナーを回る辺りでは、「これはやばいな...」と思ったんですが、直線の立ち上がりでもう一段加速したので、その瞬間「届く!」と思いました。加速してからの脚は今回もすごかったです。
ゴールした時はどんなお気持ちでしたか?
嬉しい気持ちと、ホッとした気持ちと両方でした。3歳頂上決戦である石川優駿で人気になる馬に乗せていただき、チャンスをくれたオーナーや関係者の方々に感謝しています。もちろん頑張ってくれた馬にも、とても感謝しています。プレッシャーもありましたが、馬が強いことはわかっていたので、無事に勝つことができてホッとしました。
ナミダノキスは今年の春、JRA未勝利から金沢に移籍して、4連勝で石川優駿を制しました。最初の頃の印象はいかがでしたか?
馬格もありますし、とてもいい馬だと思いました。1戦目のレースで追い出してからの反応が凄まじくて、これまで僕が乗ったことのないレベルだと感じました。性格はとてもおとなしくて、少し繊細なところもありますが、レースに行くと堂々としていて、序盤はなかなか進まないくらいおっとりしています。でもスイッチが入ってからの加速は、本当にすごいですね。
柴田騎手にとっては、2020年金沢シンデレラカップのマナバレンシア以来の重賞制覇でした。
久しぶりに重賞を勝てたことも嬉しいですし、それが石川優駿というのも嬉しいです。とても素晴らしい馬と出会えて、本当に感謝の気持ちでいっぱいです。
2015年のデビューから10年目、ここまでを振り返っていかがですか。
決して順風満帆ではないですが、たくさんの方々と出会えましたし、いろいろな経験を積むことができました。昨年はケガで4か月騎乗できない時期があって苦しい時間でしたが、プライベートでは結婚して、今年は子供も生まれたんです。家族ができて頑張る活力をもらっているので、これまで以上に頑張ります。こういうタイミングで石川優駿を勝てたことがありがたいですし、このチャンスを活かしていきたいです。
今後の目標を教えてください。
ナミダノキスは現時点でも強いですが、まだ3歳なので、ここからさらに成長してくれると思います。金沢の看板になるような馬に成長して欲しいですし、自分も一緒に成長できるよう努力していきます。
では、オッズパーク会員のみなさんにメッセージをお願いいたします。
いつも金沢競馬を応援していただき、ありがとうございます。もっともっと腕を磨いて、信頼される騎手になれるよう頑張ります。
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※インタビュー / 赤見千尋 (写真:石川県競馬事業局)
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4月23日に初勝利を挙げた塩津璃菜騎手(兵庫)。乗馬を始めた頃は揺れが心地よくて馬上で寝ていたというほどの馬好きです。初勝利前には「大きな経験になった」というあるレースがありました。
4月16日に園田第1レースでマイネルシャテールに騎乗し、デビューを果たしました。デビュー戦はどうでしたか?
マイネルシャテールは16歳のベテラン馬で、調教では意外と掛かって動くんですけど、レースでは全然動く気配がありませんでした。コーナーで馬の力が強すぎて内に入れることができず、外を大きく回りすぎてしまいました。それでも最後まで頑張ってくれました。
初めてのレースで横や前後の馬との間隔はどう感じましたか?
見ているより乗った方が迫力がありました。たまに鐙がぶつかって、最初は少し恐怖もあったんですけど、調教でも併せ馬をしていて当たることが多かったので、慣れました。
デビュー3日目にディニータに乗った時はスタートを決めましたね。
自分でもビックリしました。それまでは自分で出そうとしている部分もあったんですけど、新子雅司調教師から「ゲートは馬に任せておけ」と言われたのでその通りにしたら、ちゃんと馬が出てくれたのでホッとしました。
それはいい成功体験になりましたね。
この経験は一番大きかったです。それからはスタートをちゃんと出るタイプは馬に任せちゃうようになりました。
初勝利を挙げたフィオリーノも好スタートからの逃げ切り勝ちでした。
見るからに速そうな馬体をしていて、体も仕上がっているように見えたので結構自信を持って乗れました。ゲートの中から姿勢を低くして乗って、スタートが決まりました。その後のダッシュで吉村智洋騎手の方が前に出そうかなと思ったんですけど、吉村騎手の姿勢を真似して低くして追ってみたら、こちらの方が前に出ることができました。体はめちゃくちゃ硬いんですけど、この時は自信を持っていたので全部出しきろうと思って姿勢を低くできました。
初勝利の記念撮影(写真:兵庫県競馬組合)
勝った時のお気持ちは?
嬉しいというよりは、馬が頑張ってくれたなって思いました。
検量室に戻ってくると、いろんな人から祝福を受けたでしょう。
松本幸祐騎手が「1着を取れてよかったね」と言ってくれました。お父さん感覚で、「もっとこうすればいいよ」とか細かく教えてくれていました。私の所属厩舎は西脇ですけど、園田の先輩方も優しく乗る姿勢とか色々と教えてくれます。
所属厩舎の長南和宏調教師や兄弟子の石堂響騎手からは?
先生からは「おめでとう」と、石堂騎手からも「おめでとう。よかったね」と声をかけてもらいました。
目標とする騎手には石堂騎手を掲げていますね。
石堂騎手は乗る姿勢が綺麗で、そこを目指しています。それができるようになったら、さらに下原理騎手や吉村騎手を目指していきたいです。
長南調教師もいろいろとアドバイスをしてくださるのでは?
レースで着外になった時など、細かく教えてくれます。以前は進路取りについて教えてもらって、いまは騎乗姿勢です。
ところで、ジョッキーを志すきっかけは元々馬が好きだったからだとか?
小さい頃、動物園で初めて馬を見て大好きになりました。その後、テレビでたまたま乗馬の様子をやっていて、親に「乗ってみたい」と言ってすぐに近くの乗馬クラブで乗らせてもらいました。でも、最初のうちは馬の上で寝ていたんです。
え、状況が飲み込めません(笑)。
馬の動きが気持ち良すぎて眠たくなっちゃって。鐙をしっかり踏んでいたので落ちはしなかったですけど、何ヶ月かは目が半開きになりながらも頑張って乗っていました。
好きすぎるがゆえ、なのかもしれないですね。競馬を知ったのはいつでしたか?
初めて知ったのは中学3年生の時でした。それまでは乗馬クラブで色々と大会とかに出たいなと思っていたんですけど、たまたま地上波の競馬中継を見て「ジョッキーになってみたいな」と思いました。
進路選択のタイミングで出会ったんですね。そこからジョッキーになるまでの道のりは?
中学卒業後に千葉県の馬の専門学校に何ヶ月か行きました。そこを辞めた後に地方競馬教養センターを受けたんですけど落ちて、その後はトレーナーをつけてもらったりしてずっと運動していました。そんな時、地元の銀行で元ジョッキーの方が働いていて、長南先生を紹介してもらって8ヶ月ほど厩舎でアルバイトをさせてもらって、2度目の受験で合格しました。ひと安心しました。
そういった経緯だったんですね。ご家族も初勝利は喜ばれたのではないですか?
「頑張れ」とか「勝てるまで応援するよ」と言ってくれていて、初勝利はすごく喜んでいました。
では最後に、これからの目標とオッズパーク会員のみなさんへメッセージをお願いします。
石堂騎手みたいな姿勢で乗れるように、まずは頑張りたいなと思っています。1鞍1鞍大切に乗って、勝てるように頑張りますので、応援よろしくお願いします。
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※インタビュー・写真 / 大恵陽子
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2024年4月1日に笠松競馬場でデビューした明星晴大騎手。デビューから約2カ月(2024年6月5日現在)で7勝を挙げています。父は競輪選手の明星晴道選手。騎手を志した経緯や、デビュー後の心境を伺いました。
まずは初勝利(4月18日笠松第3レース、スングリダンダン騎乗)おめでとうございます。
ありがとうございます。ゴールした瞬間は「やっと勝てた...」とホッとして、周りの方々からも「おめでとう!」と言っていただいてすごく嬉しかったです。でもあとでレースVTRを見たら、人間が焦ってしまって追い方とかが不細工だったので、もっとかっこよく勝ちたかったです。
4月1日にデビューして19戦目での初勝利でしたが、ここまでの期間はどんなお気持ちでしたか?
同期が14人いて、どんどん初勝利を挙げていったので、焦る気持ちもありました。チャンスをいただいていたのに勝てなくて、実際のレースは難しいです。教養センターでは4頭5頭立てのレース形式を何度も訓練してきましたが、10頭11頭となると周りとの間隔が難しくて。当然ですけど、前後左右、斜め前後にも馬がいて距離が近いしですし、その中でどう安全に進路を選択していくか、というところが今の課題です。
4月18日、デビュー19戦目で初勝利
5月24日には初めて1日2勝を挙げました。コツを掴んできたのでは?
いい馬に乗せていただき、周りの方々に感謝していますし、勝てたこと自体は良かったのですが...、反省点もたくさんありますね。特に2勝目の時は自分の選択ミスで先輩騎手を危ない目にあわせてしまいました。もっと冷静に落ち着いて、周りを見ながら乗れるようにしていきたいです。
では、騎手を目指したきっかけを教えてください。
父が競輪選手なので、その影響もあって公営競技の選手になりたいと考えていました。競輪、競馬、競艇、オートがあるわけですけど、父のような競輪選手は筋肉バリバリで、太ももなんかは相当太いんです。僕は小柄で細身だったので、競輪ではないなと。中学3年生の春に高知競馬場でレースを見て、スピード感や迫力に感動して騎手を目指そうと決めました。
馬には乗ったことがあったんですか?
一度もなかったです。教養センターの試験で初めて乗って、高いなと思いました(笑)。
教養センターの同期には小さい頃から乗馬をしてきた候補生も多いと思いますが、入所してから大変ではなかったですか?
最初は同期についていくのが大変でした。でも馬に乗るのは楽しかったですし、辞めたいとは思わなかったです。
ご出身は愛媛県ですが、笠松競馬場を選んだ理由はなんですか?
騎手の人数が少ない分、頑張ればチャンスをたくさんいただける環境だと聞き、希望しました。後藤佑耶先生とはリモート面談をしていただいて所属になったんですけど、初めて笠松競馬場に行った時からみなさん優しくて、すぐに溶け込むことができました。
ご家族は勝った姿を見ましたか?
レースはたまに見に来てくれていて、多分勝った姿も見てくれたと思います。とにかくケガに気を付けてって言っていますね。そこは心配しているみたいです。
今後の目標を教えてください。
2年以内に100勝して減量を取りたいです。
では、オッズパーク会員のみなさまにメッセージをお願いします。
ヤングジョッキーズシリーズがあるので、地元の笠松はもちろん、他の競馬場で騎乗できるので、たくさん吸収したいです。そしてファイナルに行ってJRAで乗ってみたいです。もっともっと上手くなれるよう頑張りますので、応援よろしくお願いいたします。
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※インタビュー / 赤見千尋 (写真:岐阜県地方競馬組合)
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5月10日に地方通算1000勝を挙げた廣瀬航騎手。デビューから15年は年間25勝未満ながら、地道に努力を続けた結果、5月23日には全国の強豪が揃うオグリキャップ記念(笠松)をタイガーインディで制覇しました。飛躍的な活躍を遂げた本人は、現状をどう感じているのでしょうか。
オグリキャップ記念をタイガーインディで勝利、おめでとうございます。3頭横並びの大接戦で、ゴール直後には外の2頭を見ていましたね。
突き抜けたかな、と思って(吉原)寛人に「(僕が)勝ったんちゃうん?」と聞いたら、向こうは「負けた」と言っていました。同期なんです。
タイガーインディは2走前の黒船賞JpnIII・3着の一方、内枠だった昨年末の兵庫ゴールドトロフィーJpnIIIは内に包まれて9着。砂を被ったり、揉まれるのが苦手なのかな?と感じましたが、オグリキャップ記念で内の2番枠が当たった時はどう思いましたか?
あんまり好ましくはないなとは思いましたけど、かえって「せこく乗ったろうかな」と思いました。黒船賞では馬の後ろに入れた場面があって、その時は気になりませんでした。微妙なところですけど、兵庫ゴールドトロフィーが走らなかっただけでは、と思います。めっちゃ不思議ですけどね。
レースは序盤から4頭が競り合う形となりました。
1コーナーの時点では前が競り合ったので、前の馬が止まって相手は矢野貴之騎手(デュードヴァン)になるのかなと思っていました。4コーナーでスペシャルエックスとセイルオンセイラーの間を行く時だけちょっと怯みましたけど、直線では前の馬が少しずつ止まってきているなと思いました。吉原と笹川(翼)の追い合いを内から差し切ることは、たぶんもう騎手人生でないと思います。嬉しかったです。
オグリキャップ記念で3頭の接戦を制したタイガーインディ(左)
コースレコードに0秒4に迫る1分24秒0での勝利。レコードが出た頃とは時計の出方も異なりますし、前走・兵庫大賞典も好タイムでしたから、この先へ楽しみが広がります。
7歳と年齢は重ねていますけど、佐賀・サマーチャンピオンを目標に、と聞いていて楽しみです。
今回は馬主服を持参していたものの規定で着用できず、貸し服での騎乗となりました。サマーチャンピオンでは正規の服でいい競馬を期待しています。ところで、表彰式終了後は急いで馬場を走って帰っていました。翌朝も早くから調教だったのでは?
深夜1時からでした。調教はマックスで約23頭で、新人騎手より乗っています。最後の時間帯は他に誰もいないですね。南関東の騎手からは「日本一乗っているんじゃないですか?」と言われます。レースもほぼフル騎乗で、目指していたところなのでありがたいですけど、みんなが山道を登るところを僕だけ崖を登っています(苦笑)。
2015年までは年間平均16勝だったのが、1000勝を達成できるなんて後輩にとっては夢のある話だと思います。
後輩にも言われますけど、人にはこのやり方は勧めないです。「これは正しくないし、こんな出世の仕方はせんでええよ」と。先が見えないですし、続けたところで出世できる保証がないですから、「頑張れ」くらいしか言えないです。
個人的な印象では、木村健騎手(2018年引退)が腰痛などで騎乗数を絞りはじめた頃から技術と人望のあった廣瀬騎手がブレイクしたように感じます。
それは大きいと思います。それと、16年に35勝した時、結構穴を開けたんです。そこから変わってきた印象があります。その後、19年に怪我をしてしまって「やってもうた......」と思いました。62勝、75勝と挙げた次の年で、「最悪や」と。
いい波に乗っていても、戦線離脱で一気に騎乗馬が減ることはよくあることですものね。しかしその年を58勝で踏ん張ると、翌年は87勝とさらに伸ばしました。
そこでもう1回持ち直したのが大きいですね。
兵庫では上位3人が変わりつつも、「トップ下争い」と言われる4位争いがありますが、それを一気に制すると、5月10日には地方通算1000勝を達成。グリーンチャンネル『アタック!地方競馬』でも密着取材を受けていました。
「また暇やったら来てください」とスタッフさんに言っていたら、本当に来てくれたんです。1000勝目はめっちゃ緊張しました。なんか知らんけど出遅れましたしね(苦笑)。馬の能力が抜けていて、ゴール後はガッツポーズをしていました。この時とオグリキャップ記念を勝った時に「騎手になってよかった」と、めっちゃ思いました。
(写真/兵庫県競馬組合)
そんな今の夢を含め、オッズパーク会員のみなさんにメッセージをお願いします。
もう十分やらせてもらったと思いますけど、ダートグレード競走を勝つことがいまの夢です。サマーチャンピオンはチャンスがあるんじゃないかなと思っているので、応援よろしくお願いします。
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※インタビュー・写真 / 大恵陽子
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