
2022年12月にデビューし、今年の4月23日第3レースにはドウナンテンリュウで通算100勝を達成しました。馬がいる環境で育ったばんえい騎手最年少の21歳は、落ち着いた騎乗で次世代のトップジョッキーを目指します。
1年4カ月での100勝です。おめでとうございます。
まわりから100勝の話が出ていましたが、あまり気にせず、いつも通りに1戦1戦その馬のベストを尽くしていました。振り返るとうまくいったレースはなかなかないですね。デビューして当初は焦っていましたし、馬とけんかしてうまく乗れなかった。勝ってもどこか課題がありました。レース展開や息の入れ方、障害の上げ方など、まだまだ勉強中です。負けても次に生かせるように、と考えています。
(所属する)今井調教師やほかの調教師までもが指導してくれます。レースでは落ち着いて、教えてもらったことができるように心がけています。
100勝して、年度が替わって復活していた10キロの減量特典がなくなりました。影響は感じますか。
多少はありますが、(減量は)ないのが普通ですし、まわりには「早くなくせ」と言われていました。昨年度、6月に50勝して一度なくなっていますが、それでもいろいろな馬に乗せていただき感謝しかないです。
ヤマノコーネル(牡5)では重賞にも騎乗しました。
ヤマノコーネルはキャンターで障害にかかったら、山を上がれないんです。常歩でうまく越えないといけないのですが、島津騎手が調教してくれました。常歩で障害にかかるようになってから、自分が乗っても安定するようになりました。今も難しくて、キャンターに持っていかれてしまう。ハミ使いが難しい。持っていかれたらタイミングが合わなくなり、降りてからの脚にもかかわってきます。
ばんえい十勝オッズパーク杯(2023年)に出走したヤマノコーネル(7着)
力というよりはハミ使いなんですね。祖父である中村光雄さんの生産馬で、よく知っている馬でも難しいんですね。
競馬場に入ったのは同じくらいの年だと思います。幼いころから調教をつけていたし、騎手試験の練習でも乗せてもらっていました。練習ではキャンターを踏まなかったんです。(キャンターで手綱を持っていかれる経験は)レースに行って本番の重量を引いて初めてでした。
ほかに思い出に残る馬はいますか。
100勝したドウナンテンリュウです。2歳のころから鼻水が出るなど、夏過ぎまで調子が上がらず苦しんできた。涼しくなってようやく馬体重も増えて、この馬のレースができるようになりました。馬主さんもこの馬で100勝して喜んでくれました。
名前が残りますから、よかったですね。今井厩舎はみんなで馬の世話をしている印象です。
調教師も明るいし、若い人が多い。みんな年上だけど協力しながら仲良くやっています。減量も苦労していないので、調教師と焼肉に行くこともあります。休みの日はなにもせず、ゆっくり過ごしています。
チャチャクイーン(5月5日、カーネーションカップ・8着)
同厩舎には同時にデビューした今井千尋騎手がいます。子どものころから馬に携わるなど境遇も似ていますが、今井騎手は先に100勝し、素晴らしい活躍ぶり。悔しい思いはありますか?
レースではライバルと思っていますが、女性のハンディがあることはわかっていますので、気にしないようにしています。厩舎に帰ってもお互いの馬の情報交換をするなど、いろいろと話せる間柄だからこそ、気にしないです。
2歳戦も始まりました。
折り合いが重要になってきます。テスト(能力検査)は、レースに向けて教えながらうまく乗ろう、という気持ちです。馴致で馬は変わるから難しい。匠さん(藤本騎手)はうまいですね。「うまく馴致できたらいい騎手になる」と言ってくれました。騎手の先輩方には、アドバイスをしてもらいありがたいです。
自厩舎のほかに、他厩舎の調教をやって、レースも乗せてもらって、いろいろな馬を触れるのが、騎手としてすごい経験になっています。早めに攻め馬に来て特徴をつかむなどして、学んでいければと思います。
子どものころから草ばん馬に乗ってきましたが、よかったと思うことはありますか。
高校生の時に、本走路で行う祭典ばん馬(1歳馬決勝大会)に乗ったことが一番大きかったです。草ばん馬ではないくらい緊張して、自分のメンタルの弱さに気づかされ、頑張らなきゃ、という気持ちにさせてくれました。
子どものころから、騎手の夢は揺らぐことなかったんですね。
なかったですね。もし何か思ったとしても、馬小屋に行って馬を見たら、やめられないな、という思いになりますね。
期待している馬はいますか。
大友厩舎のエクセルホース(牡2)は、行きたい、という気持ちがすごい。折り合いに苦労するが、落ちついてレースができるようになったら楽しみです。
オッズパークの会員の皆様に一言お願いいたします。
一人でも多くの人がばんえいに興味を持って、ファンになってくれたらと思います。最近若い人が来てくれて、いいことだと思います。本場もにぎやかになってきた。その中で応援してくれる人もいるから、期待に応えたいです。みなさんの応援のおかげで乗れていると思います。
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※インタビュー・写真 / 小久保友香
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NARグランプリ2023最優秀新人騎手賞を受賞した山田義貴騎手(佐賀)。デビュー3年目の今年は期間限定騎乗で南関東に挑戦。5月30日に園田競馬場で行われる地方競馬ジョッキーズチャンピオンシップにも初出場が決まり、飛躍が続いています。
まずは、NARグランプリ2023最優秀新人騎手賞受賞、おめでとうございます。
ありがとうございます。受賞を聞いた時は嬉しかったです。
昨年は118勝を挙げ、佐賀リーディングでは第3位、重賞勝利も果たしましたね。
たくさんいい馬に乗せていただいたお陰です。周りの方々に感謝しています。
以前、お話を伺った時、「リーディング上位に食い込むこと」「重賞を勝つこと」という目標を掲げていらっしゃいましたが、どちらも達成しました。
自分ではもっと勝てたと思っています。先ほども言いましたがすごくいい馬に乗せていただいていて、勝てるところで勝ち切れなかった部分もあって。自分としては満足していません。
2023年はリュウノシンゲンで重賞3勝(写真は2023年5月14日・佐賀スプリングカップ/佐賀県競馬組合)
今年は南関東への期間限定騎乗(4月1日~5月31日/船橋・山下貴之厩舎)にチャレンジしていますが、実際に乗ってみていかがでしょうか。
競馬の流れが佐賀とは全然違うので、いろいろ勉強になります。南関東は4場一つ一つ特徴が違うので、違う乗り方をしないといけないというところが難しいですね。特に最初は左回りに慣れていないので戸惑いもありました。今はだいぶ慣れてきて、特に船橋は乗りやすいです。砂が深いですけど、コーナーも緩いし直線は長いし。受け入れてくれた山下調教師に感謝しています。いろいろな人を紹介してくれて、たくさん乗せていただいています。
どなたか意識しているジョッキーはいますか?
意識しているのは同期の野畑凌(川崎)です。すごく勝っているので刺激になります。
今回の期間限定騎乗では、どんなことを目標にしていますか?
とりあえず数字的な目標というよりは、技術的なことをいろいろな方に聞いて勉強しています。地元の方々も応援してくれているので、成長して帰りたいです。
そして、5月30日に園田競馬場で行われる、地方競馬ジョッキーズチャンピオンシップへの出場も発表されました。初出場、おめでとうございます。
ありがとうございます。決まった時は嬉しかったですけど、全国のリーディングジョッキーの方々に入って戦うので、緊張もありますね。当日は緊張すると思いますけど、いつも返し馬で馬に乗るとほぐれるので、レースでは緊張しません。今の自分の技術でどれだけやれるか、精一杯頑張ります。
デビューから結果を出し続けていますが、今後の目標は何でしょうか。
周りの人たちを見ていると、自分はまだまだだと痛感します。今年はできるだけ技術向上したいです。展開を読んだり、馬とのやりとりだったり。向上したいところはたくさんあるので、毎日勉強しています。
それでは、オッズパーク会員の皆様にメッセージをお願いいたします。
いつも応援していただき、ありがとうございます。いつか佐賀リーディングが取れるよう頑張ります。これからもよろしくお願いします。
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※インタビュー / 赤見千尋
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2024年3月21日笠松競馬第3レースをキタノランディで勝利し、地方競馬通算5000勝を達成した岡部誠騎手。5000勝達成は、地方競馬史上7人目の快挙です。ご本人はどう感じているのでしょうか。
地方競馬通算5000勝達成、おめでとうございます。
ありがとうございます。いつもいい馬に乗せていただいているので、周りの方々のお陰です。頑張ってくれた馬たち、乗せていただいた関係者の方々に感謝しています。
2020年10月14日に4000勝を達成して、2024年3月21日に5000勝達成ですから、ハイペースで勝ち星を重ねていますね。
やることはいつも変わらないですし、特別何か意識したわけではないです。当たり前のことを当たり前にやるだけと思っています。
このままのペースでいくと、10年後には的場文男騎手の勝ち星を超える数字になるのでは?
いやいやいやいや、特に数字は気にしていないので。数字よりも中身の濃い騎手生活を送りたいですね。
目標というのはありますか?
数字的な目標はないです。ただ、常に答えがない商売なので、こうやって5000勝させていただきましたけど、自分よりも上手い騎手はたくさんいますから、少しずつでも上手になりたいというのが目標です。まだまだ勉強ですね。
2024年3月21日、笠松で地方競馬通算5000勝達成
長年結果を出し続けても、モチベーションを維持し続けられる秘訣はなんですか?
馬に乗るのが好きですし、騎手って勝てばたくさんの人をハッピーにできるじゃないですか。自分の技術がなければ喜ばせることができないので、周りの方々やファンの方々が喜んでくれるというのが励みになっていますね。
今年は地方競馬全体で大きな改革があり、名古屋グランプリが移動してゴールデンウィークに行われますね。
今はいろいろ試行錯誤している段階ですが、僕らとしてはもっと強い馬作りをしていかなければという気持ちです。選択肢や幅が広がっていくのはとてもいいことなので、そこでしっかりと結果を出せるようにしていきたいです。
名古屋競馬場が弥富に移転してだいぶ経ちますが、まだまだ馬場傾向を掴むことが難しいです。
そうですね。小細工が利かない馬場というか、本当はもうちょっとラチを使ってタイトに競馬したいですけど、馬場を考えると内を開けるという選択肢が続いています。その中でもどこを走ったらいいかというのは毎日意識しています。
他の方に聞くと、岡部騎手が通ったところがいいんじゃないかと言っていました。
僕は基本的に強い馬に乗せていただいているので、僕の通った場所というよりは勝った馬の通った場所を意識するという感じでしょうか。自分自身でもまだまだ研究中です。
今年の名古屋の3歳戦は混戦模様ですね。
そうですね。僕はミトノユニヴァースに乗せていただいていますけど、なかなか力を出し切れないレースが続いて歯がゆい状況です。それを補うような騎乗をしたいと考えていますが、馬が賢すぎて、レースの中で「これ以上走りたくないよ」っていう気持ちが出てしまって。もちろん力はある馬なので、走りに集中できればいいのですが。早めに先頭に立ってしまうと気を抜いてしまうので、強いメンバーと走った方が力が出せるのかもしれません。
ミトノユニヴァースで新春ペガサスカップを勝利(2024年1月16日)
名古屋では毎年のように新人騎手がデビューして、若手が目立っていますね。
若手が増えるのはいいことですし、活気があって僕にとっても刺激になります。ただいつも「安全でフェアな騎乗を」ということは口うるさく言っています。勢い余って若さが空回りするときがありますから、うるさいと思われてもそこは常々注意しているところです。安全にフェアにというところさえ気を付けてくれれば、お互いに負けないぞという気持ちで頑張りたいですね。
今年も地元東海はもちろん、全国への遠征も頻繁に行われていますね。
声をかけていただけてありがたいです。なかなか年いっていますが(笑)、需要があるのは嬉しいですね。みなさんに忘れられないように、今後もいろいろなところへ顔を出したいです。
通算5000勝達成セレモニー、名古屋競馬場にて
では、オッズパーク会員の皆様にメッセージをお願いします。
今は少しの時間でも手軽に馬券を楽しめるようになったので、全国の競馬はもちろん、その一つの選択肢で名古屋競馬も楽しんでいただければ嬉しいです。自分は競馬は買えない立場ですが、競艇はよく買っています。全然当たらないですけど(笑)、いい気分転換になるし、楽しみの一つですね。これからも競馬ファンの方々に喜んでいただけるよう頑張ります。
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※インタビュー / 赤見千尋(写真:愛知県競馬組合、岐阜県地方競馬組合)
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アジュディミツオー(船橋)以来19年ぶりの地方馬によるドバイ遠征となったイグナイター(兵庫)。西日本の地方競馬から初の海外遠征は、ドバイゴールデンシャヒーンGI・5着と、世界への道を切り開く結果となりました。自ら輸出検疫中やドバイでの調教にも跨り続けた新子雅司調教師は、海外遠征を振り返り、どう感じているのでしょうか。
イグナイターのドバイ遠征、お疲れ様でした。ドバイゴールデンシャヒーンはJRA馬を含め日本馬が未だ勝ったことのないGI。そうした中、直線で一度は3番手に躍り出て、見せ場ある5着でした。
昨年勝ったJBCスプリントくらいのデキにはあると感じていました。スタートだけですね。1番枠で最初にゲートに入って、中で待つ時間が長くて馬が落ち着きすぎました。一歩目が遅れているわけじゃないですけど、隣のタズが速すぎて、半馬身くらいそこで相手が抜けて前に入ってきた分の差かなと思います。
パドックから本馬場へ向かうイグナイター
レース2日前、チーム・イグナイターの会食の場でも「ゲートが隣のタズはどれだけ速いんだろうか」とみんなで気にしていました。
本当にそこだけでした。結果的にドンフランキーが逃げることができていたので、フェブラリーSの位置取りから考えると、ゲートを五分に出ていればタズのポジションは取れたのではないかなと思います。
序盤で後手に回りながらも、直線は3番手に躍り出る場面もあって、興奮しました。
あのまま直線は内ラチ沿いを走っていればもうちょっと上の着順もあったかも、と思いますけど、笹川(翼騎手)もちょっと焦ったのかな、と。他の馬にも迷惑をかけてしまいました。でも、あのレースで笹川自身のスキルは上がった気がします。
直線、3番手に抜け出したイグナイター(右)
ほろ苦さや悔しさも残る結果とはなりましたが、力は見せてくれました。
全てが上手くいかないと勝てないレースだと思いました。色々あっての5着ですけど、世界の5番目。世界に通用する仕上げはできたかなと思いますし、もっと強い馬を連れてきて、どうしても勝ちたくなりました。その時のために英会話も習おうと思います。
レース後は後肢に外傷が見られました。怪我の具合はどうですか?
レース直後に診てもらい、思ったよりも傷は浅く、血はすぐに止まって塗り薬だけで済みました。いまは輸入検疫が終わり、宇治田原優駿ステーブルにいます。5月はじめに血液検査をして問題なければ、園田に入厩させてさきたま杯を目指す予定です。
レース直前、ラチ沿いから見守るイグナイター関係者(新子調教師は右から2人目)
そこでは昨年のJRA最優秀ダートホース・レモンポップとマイルチャンピオンシップ南部杯以来の再戦となりそうですね。
一緒に走れることはもうないと思っていました。JpnIに格上げされたさきたま杯に来るということで、いまのダート界で一番強い馬だと思いますが、ビビッていても仕方ないですからね。
さて、今回は海外遠征にあたってJRA栗東トレーニングセンターを借りて、JRA馬と一緒に輸出検疫を受けました。新子調教師も毎日調教に跨っていましたが、栗東での日々はどうでしたか?
前回、栗東に来たのは厩舎開業前の研修で2011年12月の約1カ月。それ以来で、施設も分からないので、研修を受けた角居勝彦厩舎(解散)で当時一緒だった前川和也調教助手(現在は友道康夫厩舎でドバイターフに出走したドウデュースを担当)に事前に連絡をして「分からないので、ついて行かせてください」とお願いしました。それで、毎日ドウデュースの後をついて角馬場や坂路に行きました。
栗東トレセンには坂路や、脚元に負担がかかりにくいウッドチップコースやポリトラックコース、また起伏の激しい逍遥馬道など様々な施設があります。イグナイターに変化はありましたか?
逍遥馬道を歩くことは本当にいいトレーニングになると改めて感じました。イグナイターはデビューから2戦目までは栗東所属だったので、ここを歩くのも初めてではないでしょうけど、ドッシリ歩ける馬じゃないと海外遠征もできないだろうなと思いました。久しぶりの栗東で最初の頃はそわそわしていましたけど、時間と共に順応してくれました。慣れない環境で気疲れする人間とは対照的に、馬はケロッとしていました。だけど、運動時間は園田にいる時よりも長いですし、場所もいつもと違うので、ちょっとしんどそうにはしていました。輸出検疫は約1週間でしたけど、もう1週滞在することができれば、馬はもっと良くなるだろうなと感じました。
そういえば、新子調教師は自厩舎のほとんどの馬の調教に跨ります。栗東で騎乗した後、急いで帰れば園田の調教にも乗れるかも、と事前に話していましたが、実際にはどうでしたか?
車で約1時間の距離ですけど、検疫中の馬が馬場を使える時間が決まっていて、そこから園田に戻るともう調教が終わる時間なので、ハシゴはしませんでした。できるとしたら、調教時間が前倒しされる土日ですけど、土曜日は園田が全休日だったので結局戻らず、期間中の厩舎の攻め馬は所属騎手の笹田に託しました。
今回のドバイ遠征で新子調教師が得られたものは?
競馬場に隣接するメイダンホテルに滞在していたんですけど、部屋から調教を見ることができました。エイダン・オブライエン厩舎は集団でしっかり溜めながら乗っていて、理に適っていると感じました。馬の後ろで我慢することも覚えますし、しっかり負荷もかけられます。一方で、スピード重視で調教する厩舎もあって、馬によって変えることも大切だと思います。そういったのを直接見ることができて、もっと調教内容について考えて乗らないといけないなと思うようになりました。
最後に、オッズパーク会員のみなさんにメッセージをお願いします。
今回のドバイ遠征でイグナイター自身も厩舎も得たことがあり、これを糧にもう一段階上げていければと思います。秋はJBCスプリント連覇を目指すことになると思います。応援よろしくお願いします。
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※インタビュー・写真 / 大恵陽子
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フジユージーン。2歳時は5戦5勝、3歳となった初戦のスプリングカップも圧勝して6戦6勝。地元ファンのみならず全国からも注目される存在になったこの馬の近況と今後を、管理する瀬戸幸一調教師にうかがった。
まず前走のスプリングカップのお話からいきたいと思います。こちらが勝手にいろいろ期待を膨らませて見ていたんですけど(笑)、まずは良い結果だったと思いました。
そうですね、思った通りの、それ以上の走りをしてくれたので良かったなと思っています。
いったん時間を戻してですね、昨年の南部駒賞からスプリングカップまでの中間の状況や調整などを改めてお聞かせください。
去年の南部駒賞の後、ちょっと爪の方が心配で、少し早く切り上げる形にはなったんですけど、次のレースのためにと思って富士ファームさんの方に戻りました。最初は京浜盃に間に合えば......とも思っていたんですけどもね。1月の中旬から一カ月ほど那須の教養センターにもいたのですが、なかなか思うようにいかなくて。時期も時期でしたし、競馬場に戻して、馬をよく知っている厩務員さんや装蹄師さんで見ていこうと。
遠征馬との初対決になった南部駒賞も難なく通過した(2023年11月12日)
それが2月の中旬ですね。
そこからは順調に調整が進んでくれました。普段はおっとりしているんだけど馬場に入ると気持ちも入る馬ですので、そこからの調整は苦労しなかったですね。スプリングカップまでも順調に進める事ができました。
ここでもうちょっと話を戻すんですが、フジユージーンはオータムセールで補助馬として購買された馬で、瀬戸幸一調教師も馬を選んで決められたんですよね。セリの時はどんなところが決め手になったんでしょうか?
決め手はですね、脚先のさばきが凄く軽かったんですよ。セリの当時から大型馬で、体高なんか今とそんなに変わらなかったんじゃないかな。大きい馬は脚先が重い感じがある。のそのそっとしたね。この馬はそうじゃなかったんです。
こういうとなんですけど、父(ゴールデンバローズ)はその時点では活躍馬がいなかったですし母は岩手で未勝利馬。それでもこの馬が......というのはなぜだったのか?は思ったりします。
確かに血統的にはそうですけど若馬はどこでどう変わるか、どう走るか分からないですし、オーナーが乗馬クラブをやられているから、これだけ馬格がある馬なら丈夫であればどんな道にもいけるから、と。それくらいの気持ちでいたのがたまたま当たったのかな。
母デザイナーも岩手デビュー馬だった(2015年8月16日、盛岡新馬戦のパドック)
しかし、デビューする頃には「この馬走るよ」という話になったじゃないですか。
調教の動きを見ていて、やっぱり違っていましたね。競馬場に来る前にも富士ファームさんで動きを見たんですけど、しっかり動かせば軽い動きが出ていたから、「もしかしたらもしかするのかな」と思っていました。
そうするとデビュー後の走りは、その感触通り?
そうですね。でも私は新馬戦は正直あまり期待していなかったんですよ。
「850m向きではないかも」と言われていたのを覚えています。
距離が距離ですし、ビュッと行く馬にはかなわないのかな......とか思っていたらうちの馬が速かった。そんな感じでした。
水沢ダート850mの新馬戦を大差で圧勝(2023年6月4日)
その後は順調に勝ってきましたが、今にして思えばいろいろ苦労もあってと想像するのですが、3歳になってそんなところも解消されてきたと思っていいのでしょうか。
そうですね、レースであればスタート。他の馬と五分に出る事ができるようになったかなとか、身体がひとまわり大きくなって、付くべき所に筋肉が付いてきたとかですね。この馬の場合まだ余裕があるのでもうちょっと筋肉が付いてくるのかなって感じはします。2歳の時と今とはフットワークも違いますしね。一段と大きくなって。期待通りに仕上がってきているなと見ています。
2歳の時もレースで速いなと思っていましたが、スプリングカップの瞬発力はもう一段変わったなと感じましたものね。
普段の調教から迫力が増しました。2歳の時もフットワークがきれいだ、柔らかみがあって良いなと思っていましたけど、今の方が数段上だなという感じがします。
3歳初戦のスプリングカップは3度目の大差勝ちで順調な発進(2024年4月7日)
さて、ここまで割と"べた褒め"なので、この先に向けて課題というかもっと良くなってほしい点を無理矢理にでも挙げていただければ......。
今思っているのはもうちょっと腰の方に筋肉が付いてくれれば。それが一つ。そして大型馬ですから脚元の負担はね、小さくないと思っています。まだ成長段階ですし、そこは常に気を遣っています。
ダイヤモンドカップ直前というタイミングですのでそこに向けたお話も。
距離やコースは全く心配していないです。そこまで順調に行ってくれれば。
さらに先の話は、まだダメでしょうか?。
そこはまだですね(笑)。まずはダイヤモンドカップ次第。そこを順調に乗り越えてから考えます。
6戦6勝というだけでなく大差勝ちが3回。そんな走りを見せつけられては期待しない方がおかしいというもの。全国の舞台で力を試してほしいと思うのだが、それはあくまでも外野の期待であって、今はフジユージーンの着実な成長を見守りつつ楽しみにしているべきだろう。まずはダイヤモンドカップ。自身初の1800mでどんな走りを見せてくれるか?でこの後の路線も定まってくるはずだ。
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※インタビュー・写真 / 横川典視
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