昨年4月2日に騎手デビューした加藤翔馬騎手。2戦目に初勝利を挙げ、地方競馬通算勝利数は70勝(2024年3月8日現在)と、順調に経験を積んでいます。デビューから約1年を振り返っていただきました。
もうすぐデビューから1年となりますが、ここまで70勝、振り返っていかがでしょうか。
デビューした頃からたくさんレースに乗せていただき、周りの方々にはとても感謝しています。最初はなかなか競馬に慣れなかった部分もありますし、筋力も足りなくて苦労しましたが、1年経って、今やっと慣れてきた頃かなという感じです。
デビュー初日から初勝利を挙げ、とても順調に見えますが、ご自身ではどう感じていますか。
環境にはすごく恵まれているので、その環境に甘えず、しっかりと活躍できるようにという気持ちでやってきました。実際、人気馬で期待していただいたのに負けてしまったレースもありましたし、もっと努力して上手くなりたいです。
お父様の加藤和義調教師はどんな存在ですか?
競馬の世界では親子というよりは先生と弟子という関係が強いですね。競馬に対してはすごく厳しいですが、その分いろいろと教えてもらえることがありがたいです。厳しい中でも、自分が上手く乗れたなという時に、「よく乗ったな」と褒めてもらえると嬉しいです。
高知での期間限定騎乗(1月7日~2月21日)はいかがでしたか?
田中守先生の元でたくさん勉強させていただきました。馬場も流れも全然違うので、金沢では勉強できないことを経験させていただきました。具体的には、金沢だとそこまで緩急がないというか、流れたペースになりやすいんですけど、高知は緩急があってペースが落ち着いたりすることもあって。馬場が深くて重い分、道中で脚を使ってしまいやすいので、どうロスなく乗るかということを考えました。自分をもう一歩成長させてもらえるいい機会だったと思います。
やはり馬場の違いは大きかったですか?
大きかったですね。雨が降ったりするとまた全然変わりますし、毎日傾向が違うという印象でした。僕はまだ自分で判断するのが難しいので、前半のうちは周りの方々の様子を見て、どのくらいのペースで行っているか、というところを確認して、それをレースに活かすようにしていました。
元日に大きな地震があり、石川県は大変な被害がありました。
僕自身は地震の時に高知に居たのですが、家族や友達がたくさんいるので心配でした。大きな被害があり、被災した方々に心よりお見舞い申し上げます。競馬場の近くでも被害が大きいところもありましたが、幸いにも競馬場は大きなダメージがなかったようです。駐車場が広いので、消防車など救助部隊の基地として有効活用できたことは、誇らしく思います。それから、全国いろいろな競馬場で被災地支援レースをしていただいて、たくさんのファンの方々が賛同してくれたと聞きました。石川県民としてとても感謝しています。
金沢競馬は3月10日から開幕です。現在の競馬場の雰囲気はいかがでしょうか。
今は開幕に向けて調教も進んでいますし、関係者一丸となって頑張っています。特にジョッキーたちはファンの方々に喜んでいただくためには何が必要か、売り上げを上げるためにはどうしたらいいか、ということをすごく考えているので、自分もできることがあれば協力したいと思っています。
尊敬する先輩はどなたですか?
吉原寛人騎手です。騎乗技術がすごいというのはもちろんですが、人柄も本当に素晴らしいので。誰に対しても優しく謙虚に関わっている姿を見せてくれて、あれだけのトップジョッキーになってもそこは忘れてはいけないんだと思わせてくれる存在です。いろいろなことを聞いたら教えてくれますし、とても尊敬しています。
今後の目標を教えてください。
今シーズンは昨年以上の成績を残すこと、あと重賞も勝ちたいです。
では、オッズパーク会員の方々にメッセージをお願いします。
いつも金沢競馬を応援していただき、ありがとうございます。毎年1歩ずつ成長した姿をお見せしたいので、今年も頑張ります。応援よろしくお願いいたします。
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※インタビュー / 赤見千尋(写真:高知県競馬組合)
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デビューして4年目の金田利貴騎手は、自厩舎(金田勇厩舎)のトップホース、アオノブラックに今年度から乗り替わって1年。17日のばんえい記念に向かいます。
アオノブラックの手綱を任されて1年近くが経ちました。
レースではうまく行かないこともあったけど、道中の息の入り方など、だいぶわかってきたかなと思います。
自分が競馬場に厩務員として来た2018年は2歳Bクラスでした。そこから調子を上げてナナカマド賞3着。その後もメムロボブサップに負けることが続き、悔しい思いをすることが多かったです。自分は同期のコマサンブラックとコマサンエースを担当していましたが、いいレースができてもこの2頭には勝てない。差が縮まらなくて、強いな、と思いました。それから騎手になり、今、こういう馬に乗れるとは思わなかったです。
乗り替わりの時は。
えー! と思いました。ありがたい。プレッシャーはあります。ただ、コマサンブラックで肩掛けを取りたかった、という気持ちもありました。
1年振り返ってみていかがですか。
先に障害を下ろしたい、と思うと(今シーズンの)ばんえいグランプリや帯広記念のように負けてしまう。先に下ろすと楽だ、という騎手のエゴが出た結果でしょう。優勝したチャンピオンカップは障害を降りたあとに走れたので、負担なくレースを進められたのかなと思います。
夏が苦手な馬ですが、今年はうまく乗り越えられたようですね。
異常な暑さだったので、今年は厩舎全体で思いっきり休むなど対策を講じました。
休むのは怖いですよね。そして岩見沢記念、北見記念と連勝しました。
岩見沢記念はメムロボブサップがいなかったので、負けたら替えてくれというつもりでした(笑)。ほっとして、それからは乗りやすくなりました。北見記念はメムロボブサップに20キロハンデがあってコンマ7秒差。相手の強さを目の当たりにしました。チャンピオンカップはほかの馬も調子がよさそうでしたし、ばんえい記念に向けていいレースができれば、と思っていました。......今、自分で話していてステップアップしているな、と感じます。
岩見沢記念
それは馬がですか?自分が?
両方です。野球でいうバッテリーみたいな。ゲートの出が悪いこともありましたが、改善されました。
バッテリーとは、さすが甲子園球児。ポジションは捕手でしたが、それではアオノブラックは投手ですか?
この馬はそんな感じかな。
普段はどんな馬でしょう。
どっしり構えている。ボス的な......リーダーで、騒いでいる馬がいたら、メスでも怒ります。「うー」と声をだしたらみんな黙る。メスに騒ぐ若馬も一喝してくれます。
若い頃は調教でメムロボブサップを見るとかかっていきそうになったので、今は近づけないようにしています。でも、隣の枠に入ったチャンピオンカップでは道中噛み付きにいこうとしていました。闘争心があるので、隣になったのは良かったです。普段はおとなしく、無駄なことはしない馬です。餌のときはほしがってうるさいので、扉を頑丈にしています。
ばんえい記念は、昨年コマサンブラックで初騎乗(5着)でした。
普段との違いを感じました。夢の中......、ぼんやりとした感じ。甲子園もそうだけど、人の力を感じます。みんなが盛り上げてくれる感じがする。コマサンブラックは前走勝っていて人気になり(3番人気)、自分も期待していた。緊張しました。帯広記念を先頭でクリアした時のイメージがあって先行しましたが、1000キロ(の重量)は違った。差を感じました。
金田騎手が重賞で優勝すると、口取り撮影は家族みんなで撮られるのでほほえましいです。息子さんは、金田調教師(金田騎手の父)を大好きなのが伝わります。
昨年2人目が生まれたからか、長男は自分が調整ルームにいる間は親の部屋にいるそうです。厩務員も仲がいいですし、みんなアオノブラックのことを好きで、応援しています。ブラックが勝った時のみんなの笑顔が浮かびます。負けたときの葬式のような雰囲気も想像できます(笑)。
チャンピオンカップ。家族とともに口取り
あらためて、ばんえい記念に向けての抱負をお願いします。
今年は勝ち負けを期待される馬に乗るのでありがたいです。馬主さんをはじめ、周りの人たちが自分の騎乗に我慢してくれて、たくさんの人に支えてもらいここまで来られました。かみしめながら騎乗し、勝ちたいと思う。王者(メムロボブサップ)がいて、自分はヒールかと思うが、ブラックを応援してくれる人も多いので、みんなを笑顔にしたい。勝ちたいな、と思うほど失敗するので平常心で乗りたいです。枠には左右されませんが、雨が降らなければいいなと思います。
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※インタビュー・写真 / 小久保友香
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昨年4月にデビューした大畑慧悟騎手。年末にはヤングジョッキーズシリーズ・ファイナルラウンドへ出場し、1月4日の名古屋記念では初重賞制覇を果たしました。
まずは名古屋記念での初重賞制覇、おめでとうございます。急遽の乗り替わりでブンブンマルに騎乗しましたが、とても積極的な騎乗が印象的でした。
ありがとうございます。勝つことができてとても嬉しいです。加藤聡一騎手からの急遽の乗り替わりというところが複雑ではありますが......。聡一さんが乗っているレースを見て、先行した方がいいかなと思っていたのですが、当日の新聞には、塚田(隆男)厩舎のセイルオンセイラーが意地でも行くと書いてあったので、ペースが流れるかもしれないなと思いました。川西(毅)先生と相談したら、想定よりも1列下げてもいいよということだったので、そういうイメージで乗ったらハマった感じです。
加藤聡一騎手からの騎乗変更で指名されたときはいかがでしたか?
力のある馬ですし、「僕でいいのかな」と思いました。チャンスをくださった川西先生はじめ関係者の方々に感謝しています。実は以前にも川西先生には重賞で乗り替わりのチャンスをいただいていたのですが、その時は7着だったので、今回勝つことができて嬉しかったです。
1月4日、名古屋記念をブンブンマルで勝利
昨年のトリトン争覇(6月15日/コウイチに騎乗)ですね。デビューから約2カ月の時期に、初めての重賞騎乗で1番人気でした。
あの時は本当に緊張しました。急遽の乗り替わりで乗せていただいたのですが、初めての重賞騎乗で1番人気で......。これまでで一番緊張したと思います。思うような結果が出せずとても悔しかったのですが、あの時の緊張感があったからこそ、今回は平常心で乗ることができました。心の中では「焦るな、焦るな」と言い聞かせていました。
そして、1年目にしてヤングジョッキーズシリーズではファイナルに進出しました。
地元以外の競馬場で騎乗できるのはすごく刺激になります。その中でファイナルに行けたことは嬉しかったですね。結果は13位ということで納得はしていませんが、初めての中山競馬場はコースが広くて、お客さんもたくさんいて気持ち良かったです。今年中に通算100勝したいので、そうなるとヤングジョッキーズシリーズに出場するのは今回が最後かなと思うと、またファイナルに出たいです。
YJSトライアルラウンドでは金沢第1戦で勝利
昨年4月のデビューからまだ1年経っていませんが、重賞制覇をして、JRAでの騎乗も果たし、通算勝利数は57勝(2024年2月19日現在)。ここまでの成績はいかがでしょうか。
たくさん乗せていただいているお陰で、成績的には想像以上に勝っているかなとは思いますが、自分のミスで勝ちを逃したレースがありますから、もっともっと勉強して無駄のないレースをしたいです。
騎乗数も多いですし、毎朝の攻め馬はかなりの頭数に乗っているんじゃないですか?
乗っていますね。1日28頭くらい、朝は1時から乗っています。
今の楽しみは何ですか?
馬に乗ることが楽しいですし、あと息抜きという意味では地元が近いので、休みの日に地元に帰って友達と遊ぶことです。今高校3年生の年齢なんですけど、仕事の話とかはしないでワイワイするのが楽しいです。
名古屋は塚本征吾騎手や細川智史騎手も目立っていて、若手騎手が元気いいですね。
そうですね。自分は一番下ですけど、みなさん仲良くしてくれて、けっこうワイワイやっています。野球チームもあるので、冬はあまり練習していないですけど、また暖かくなったら試合とかもやりたいですね。
デビューの頃から変わったなと感じる部分はありますか?
特に自分ではわからないですね。気持ちの面でも特には。成長できていたらいいですけど。
では今後の目標はいかがでしょうか。
僕は小さい頃から叔父さん(大畑雅章騎手)を見て騎手になりたいと思ったのですが、今は一緒にレースに乗ることができる立場になれたので、いつか抜きたいです。昨年は叔父さんが122勝で僕が46勝なので全然かなわなかったですけど、早く成長して近づきたいです。
では、オッズパーク会員の皆様にメッセージをお願いします。
いつも名古屋競馬を応援していただき、ありがとうございます。これからも精一杯頑張りますので、応援よろしくお願いします。
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※インタビュー / 赤見千尋(写真:愛知県競馬組合、NAR)
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昨年、園田競馬場での期間限定騎乗をきっかけに騎乗フォームや追い方が格段にパワーアップした濱尚美騎手。その成果はヤングジョッキーズシリーズ(YJS)でも表れ、初のファイナル出場を果たしました。
昨年のYJSトライアルラウンドは初戦から見せ場を作りました。高知第1戦を10番人気スズカノアイルで逃げ粘ってアタマ差2着。
マイペースで逃げられたことが大きいかなと思います。3コーナーくらいで後ろから来るかなと思っていたんですけど、意外と来なくて「あれ?あれ?」と乗っていてビックリしました。でも、あの着差は勝たせられたと思います。ステッキを持ち替えて内から打っていたら、きっと違ったと思うんですけど、馬上で人間がアップアップでした。
ムチを左右どちらから打つかだけでそんなに変わるんですね。
ちょっと内にモタれていたかなと思います。レース後には園田の期間限定騎乗でお世話になっていた新子先生からも「内から打てと思っていた」と言われました。
TR高知第1戦で騎乗したスズカノアイル
悔しさが残る一方、掲示板に載ることさえ少なかった過去のYJSから考えると、大躍進です。
園田に短期で行っている最中の地元でのトライアルラウンドだったので、いいところを見せたい気持ちはありつつ、結果を残せるか不安もありました。初戦で2着を取れたことで、すごく自信に繋がりました。「新子先生、ありがとうございます」って本当に感謝の気持ちです。
続くTR金沢では第2戦を最低人気馬で差し切り勝ち。
ペースが速かろうが遅かろうが、騎乗馬のペースでレースをしたいなと考えていました。3コーナーで前にいた騎手が外に切り替えて、サーッて道が開いたので「ここに行くしかない」と進んでいくと、上手くいきました。でも、あんなに弾ける脚があるとは思っていなくて、追ったらそのまま突き放したのでビックリしました。
TR金沢第2戦では最低人気ながら直線で抜け出した
名古屋も2着、3着でまとめて、地方西日本トップでファイナル進出を決めました。ただ、ファイナルは川崎が8着、7着、JRA中山が15着、8着で総合15位でした。
パッとしないまま4レースとも終わっちゃいました。中山競馬場で乗れることは楽しみにしていて、レース前の返し馬がめちゃくちゃ楽しかったです。でも、レースになったらいっぱいいっぱいで、勿体ないことしたなと思います。もうちょっと楽しんで乗りたかったですね。でも、YJS最後の年にすごく楽しめて結果も出て、良かったなと思います。
YJSトライアルラウンドもですし、昨年5月~7月は園田で騎乗して3カ月で前年を超える20勝。どんどん結果が出て、乗っていても楽しかったんじゃないかなと思います。
この世界は結果で判断されます。誰が見ても努力しているよねって言われても、結果が出ないとそれで合っているのか疑心暗鬼になってしまいますが、園田では着実に結果に繋がっていったので、余計に自信に繋がりました。
その期間限定騎乗は、トップトレーナーの新子雅司調教師に濱騎手が直談判して実現しました。園田に行って明らかに騎乗フォームが変わりました。改めてどんなことを教えてもらったか聞かせてください。
毎朝、調教終わりに新子先生に木馬で騎乗フォームを見ていただきました。馬と人の重心の位置について教えてもらったり、馬に乗る位置を前にする意識など、騎乗姿勢をゼロから作っていただきました。木馬でできないことは絶対に馬上でもできないから、と徹底的に体に覚え込ませました。
下半身も筋力アップして安定感が増したように感じました。
週2回くらいジムに行って筋トレをしました。園田に行って最初に木馬を全力で追っても30秒でアップアップだったんです。腕を動かすスピードも遅いし、お尻も上がってきちゃったんですけど、毎日続けることで全力で追える時間が長くなっていきました。ある時、過去の映像を見たら「よくこんなんで乗っていたね(笑)」って新子先生の奥さんと一緒に笑っちゃうくらいでした。これだけ変われるんだなと思いましたし、新子先生と奥さんのサポートがなかったら、ここまで成長できなかったと思います。
ジムも木馬も、日々取り組んだ方がいいと思っている騎手はたくさんいても、実際にトレーニングを継続できるかがまた難しいのでしょうね。
そうなんです。「ジムに行ってこいよ」と言われるだけだったら、私も甘い部分があるので、そんなにできなかったと思います。続ける難しさがありますよね。でも、先生や奥さんが毎朝、私の調教が終わるまで待ってくださって、一緒に木馬やジムに付き添ってくださいました。だからこそ、身に付いたのかなと思います。
向正面と最後の直線では乗り方が違うことを教えてもらった、とも話していましたね。
「ずっと同じ筋肉を使っていたら、人間も疲れるよね」と新子先生から聞きました。筋肉の使い分けをしたらもっと楽になるし、力も出せるよと言われて、向正面では足をちょっと開いて外側の筋肉を使って、追いはじめた時にグッと膝を締めて内腿で押すようにしました。ただ綺麗に乗ることだけじゃなくて、「わぁー!」と感動しました。
たしかにその発想はなかったです。
向正面では足を開いているので体を畳めて、胸を膝につけるイメージで乗っています。吉原寛人騎手がめちゃくちゃそういうタイプじゃないですか。向正面でああいう形を作りたいんですよ。でも、どれだけ意識しても「いや、まだちょっと筋力が足りひんな」と思います。毎週、レースを見直して、園田の期間限定騎乗が終わった後も新子先生からは時々連絡をいただいていて、「いい位置で乗れているけど、手綱がちょっと緩いよ」などアドバイスをいただいています。
これから目標は?
まず100勝を達成したいですね。そして、新子先生に教わったことを無駄にしないように、技術を大切にしていきたいなとは思います。高知に戻ってきてからもトレーニングとかはやっていても、勝ち鞍が減ってしまっているので、「高知では全然勝てないよね。園田ではいい馬に乗せてもらっていたから」という見方になってしまうと思うんです。でも、見てくれている人はいると思っているので、努力を続けていきたいです。
最後にオッズパーク会員のみなさんにメッセージをお願いします。
ファンの方々の応援が自分にとってすごく力になっています。恩返しできるように結果を出していきたいなと思うので、応援よろしくお願いします。
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※インタビュー・写真 / 大恵陽子
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ヤングジョッキーズシリーズ2023でファイナルラウンド(12月14日川崎、16日JRA中山)に出場した岡遼太郎騎手。2021年もファイナルに出場しましたが、初日の大井競馬場で落馬負傷し、中山競馬場での騎乗ができないまま終了......。今回2度目のファイナルラウンド出場で、念願の中山での騎乗を果たしました。
ヤングジョッキーズシリーズ(以下YJS)2023ファイナルラウンド出場、おめでとうございます。初の中山競馬場での騎乗はいかがでしたか。
まずは無事に騎乗することができてホッとしました。中山競馬場はものすごい広さと、ファンの方の多さに圧倒されましたね。コースも広くて入り口や待機所がたくさんあって驚きました。ありがたいことにエキストラ騎乗(第3Rセイウンマカロン/5着)で乗せていただいたのですが、先出しの馬だったんですよ。どこに行けばいいかわからないのに一番最初の先出しで、どうしたらいいかわからなくて......。いろいろな方に聞いて、なんとか馬場に出て、という感じでした。中山ダート1800mだったんですけど、普通ならば左回りで返し馬をして、3コーナーくらいで止めるんですけど、僕の馬は他の馬とすれ違うのもダメだと聞いていて、直線のうちに止めて、芝の方に出て芝の待機所で一人で待っていたんです。本当にここでいいのかな?って、ドキドキしながら待っていました。
レースに関してはいかがでしたか?
自分の技術のなさがもろに出てしまいました。エキストラ騎乗とYJSで2鞍乗せていただいて、結果を出すことはできませんでしたが(第7R芝2000mナンヨーアゼリア/11着、第9Rダート1800mエコルフリューゲル/9着同着)、川崎のレースも含め、とてもいい経験をすることができました。
デビューした年に出場したYJS2021ファイナルでは、初日の大井で落馬負傷、中山で騎乗できず悔しい経験をされましたね。
そうですね。幸いにも大きなケガではなく、すぐに競馬に乗ることができましたが、本当に悔しかったです。でもあの落馬があって、初めて競馬での怖さを知りました。そこから騎手の動きや馬の動きとか周りをよく見るようになって、2年目に少し成績が良くなって、3年目の昨年YJSでリベンジができて良かったです。
3回出場中2度もファイナル進出はすごいと思います。
運も良かったですし、昨年のファイナルは正直自分の力ではないというか、JRAの騎手がたくさん勝って、地方の騎手にあまりポイントが入らなかったですから。僕は最高着順が3着なので、結果を出したというような気持ちはなかったです。たまたま4位でファイナルに行くことができたので、運が良かったです。
YJSはどんな存在ですか?
デビューから3年間乗せていただいて、悔しいこともありましたが、他場で乗ったり普段一緒に乗らない騎手と騎乗することで、新たな経験をすることができましたし、それに伴って成長できたかなと。今年はもう出場できないですが(2023年7月29日地方競馬通算100勝達成)、もっともっと成長できるよう頑張ります。
勝負服を受け継いだ、所属調教師の中西達也調教師はどんな方ですか?
すごく尊敬しています。競馬に関しては厳しいですけど、1年目からずっと、すごく乗せていただいていて。今もまだまだですけど、1年目は本当に下手くそで、その中でもいろいろな調教師さんに頭を下げて、お願いしてくれたんです。それから、レースに対しての具体的な指示がないんですよ。もちろん馬主さんの要望があれば言いますけど、先生からの指示というのはないんです。「自分でしっかり考えて競馬をしろ」と。任せてくれるので、自分で一生懸命に考えています。
岡騎手の売りは何ですか?
高知競馬は内を開けて競馬をすることが多いですが、僕はあえて内を狙って競馬をする時があります。もちろん馬場状況にもよりますけど。これは倉兼(育康)さんにアドバイスをいただいたんですが、若手の僕が乗せていただくのは1番人気やたくさん印が付くような馬ではなくて、成績的には少し見劣りする馬だったりするんです。そのレースの中ではちょっと能力的に足りないかなという馬をどのようにして持っていくか考えたとき、ロスなく競馬をすることが大事だと思って、そこを意識しています。
岡騎手といえば、よく髪色を変えているイメージがあります。
そうですね、お休みもあまりないですし、気分転換でしています。去年の自分の流行は金髪でしたけど、そこから色落ちして茶髪になって、その流れで最近は赤茶色、そこから色落ちしていろいろ混じっている感じですね。今悩んでいるのがオレンジで。僕、BIGBANGに憧れていて、その中のメンバーの方にオレンジの髪色の方がいるので、挑戦してみたいなとは思っています。
では、今後の目標を教えてください。
今年は初めから減量がないので、勝負の年になると思っています。ここで成績を落とさないように踏ん張りたいですね。腕を磨いて、いつか重賞とか大きいところで勝てたらいいなと思っています。
では、オッズパーク会員の方にメッセージをお願いします。
いつも高知競馬を応援していただき、ありがとうございます。競馬ファンの方の声を聞くのが楽しみで、よくYouTube配信のコメント欄を競馬終わりに拝見しています。これからも一生懸命頑張りますので、よろしくお願いします。
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※インタビュー / 赤見千尋(写真:高知県競馬組合、NAR)
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