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重賞(特別)回顧 アーカイブ

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9/17ばんえいプリンセス賞回顧

2007年9月18日(火)

ペガサスプリティー重賞初制覇!

 17日(祝・月)は重賞のばんえいプリンセス賞(3歳牝馬オープン)が行われ、1番人気のペガサスプリティーが優勝。これまで100万~200万クラスで好成績を残してきましたが、今回の勝利で3歳牝馬のトップクラスであることを強く印象づけました。

 道中は軽馬場ということあって淀みない流れ。各馬まったく脚を止めず、横一線のまま第2障害を迎えました。
 ペガサスプリティーとアグリタカラが早めに仕掛けると、それを合図としたように他馬も登坂開始。しかし、先に仕掛けた2頭がひと腰でこれをクリアし、逃げ切り態勢を築きました。各馬も差なく越えて追撃しましたが、前を行く2頭、特にペガサスプリティーの脚いろは確か。残り20メートルを切ってから、さらに脚を伸ばし、井馬アナウンサーの「ペガサスだ、ペガサスだ!」の声とともに、先頭でゴールを果たしました。5、6頭が入り乱れた2着争いは、しぶとく粘ったアグリタカラに軍配。3着にはトモエマツノが入線しました。

 勝ったペガサスプリティーは、これが重賞初制覇。新馬戦で失格となってから、およそ半年後の北見で2戦目を迎えるという変わった経歴の持ち主。そうしたこともあって2歳シーズンは目立たない存在でしたが、3歳5月に牝馬オープンで勝利を挙げて一目置かれるようになりました。重賞初挑戦の黒ユリ賞(6月)では6着と精彩を欠いたものの、その後、このレースを含めて8戦6勝の好成績。今回は好調キープが最大の要因といえるでしょう。今後重量が積まれるうえ、馬場が重くなってどうかですが、父コトブキフウカー(170戦18勝、03年引退)産駒唯一の現役(17日現在)だけに、さらなる活躍を期待したいと思います。
 アグリタカラはバテそうでバテず、2着に健闘。2歳時は牡馬トップクラスと好レースを演じた実績もあり、素質の高さは折り紙付きでした。今回は黒ユリ賞(6月)3着に続く好走で、牝馬戦線では上位の力の持ち主であることを証明しました。

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9/2銀河賞回顧

2007年9月 3日(月)

ツジノコウフク親仔制覇を果たす!

 2日(日)はメインレースに重賞・銀河賞(4歳オープン)が行われ、2番人気のツジノコウフクが勝利。3度目の重賞挑戦で、初タイトルを手にしました。

 テンカが競走除外となり、8頭立てでゲートオープン。道中はツジノコウフク、ニシキユウといった好調馬が馬群をリード。馬場水分0.6%も、思いのほか速めのレース展開となりました。
 第2障害はツジノコウフク、ニシキユウあたりが最初に仕掛け、それを合図に各馬も登坂開始。しかしツジノコウフクが腰を入れて障害を登り切ると、先頭でこれをクリア。差なく1番人気のヒロノドラゴンも続いていきました。
 この2頭が抜け出して、完全に一騎打ちの様相。しかしツジノコウフクの脚いろは衰えず、逆に半馬身差ほどで追いかけていたヒロノドラゴンが残り10メートル付近で失速。終いまできっちり歩き続けたツジノコウフクが、着差以上の強さを見せつけて先頭ゴールを果たしました。2着にヒロノドラゴンで、3着には障害3番手からそのままニシキユウが入線しています。

 勝ったツジノコウフクは、昨年のばんえいダービー6着以降、掲示板を外さない堅実なレースを見せていました。今回はハンデ差があったとはいえ、みずからペースをつくり、障害も早めに仕掛けて先頭クリア。そして終いの脚も確実と、文句なしの好内容でした。くしくも銀河賞は、父フクイチが重賞初制覇を果たしたレース(93年第1回。当時は北見開催で10月に実施)。ここからばんえい記念(農林水産大臣賞典)を3勝するほどの名馬に成長した父同様、今後の活躍が期待されます。
 2着ヒロノドラゴンは、今季2勝目を挙げた前走の勢いを維持。ただ、もともとばんえいダービーで3着となるなど高い素質を秘めていました。近走のレースぶりからも本格化は間近と思われます。

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8/12ばんえいグランプリ回顧

2007年8月13日(月)

エビスオウジャ悲願の重賞初制覇!

 12日(日)に行われたのは重賞のばんえいグランプリ(3歳以上オープン)。ここは3番人気のエビスオウジャが快勝し、10歳にして悲願の重賞初制覇を遂げました。

 道中はナリタボブサップ、トモエパワーといったあたりが先行するも、各馬はほぼ一団。全馬差なく第2障害を迎える展開となりました。
 基礎重量800キロということもあって、各馬とも仕掛けは慎重。しかし、そのなかからホシマツリ、スーパークリントン、ナリタボブサップがほぼ同時に登坂を開始しました。スーパークリントンの掛かりがよく、先頭で越えようかというところ、エビスオウジャが鋭く駆け上がり、この2頭が並んでクリア。その後、射程圏内でフクイズミが下りていきました。
 しかし先頭はエビスオウジャ。スーパークリントンを突き放し、独走態勢を築きます。しかし、そこへ迫ってきたのがカミソリ娘フクイズミ。グングン差を詰めてきましたが、しかしエビスオウジャのアドバンテージは大きかったか、残り10メートルを切っても交わせそうな雰囲気はなく、結局エビスオウジャが逃げ切り勝ちを収めました。2着フクイズミで、3着には障害5番手クリアから本来の末脚を発揮したサダエリコが入線しました。

 エビスオウジャはこれまで何度も重賞の厚い壁に阻まれてきましたが、ようやく、待望の重賞初制覇。今季はばんえい十勝オッズパーク杯で7着に敗れて以降、6戦続けて馬券に絡む勢いを見せており、それを追い風にして一気に夏のグランプリを奪取した印象。しかし実力は誰もが認めるところで、ここまでタイトルに縁がなかったのが不思議とも言えます。この勝利で重量的には厳しくなりますが、それでも今後の活躍が楽しみと言えるでしょう。
 2着のフクイズミは、正直なところ第2障害を越えた時点で突き抜けそうな位置取りでした。しかし、そこから案外だったのは、早めの仕掛けに加え、自身の体調にも問題があったのではないでしょうか。本来なら「よく追い込んで……」という表現になりそうなレースぶりですが、切れ味鋭いフクイズミだけに、さらなる期待をかけてしまいます。その末脚は、秋以降の楽しみとしたいところ。
 サダエリコは北斗賞での快走が記憶に新しいなかでの3着。調子が上向いていることは確かで、今後、重量を積まれなければオープン戦線の中心として活躍してくれることでしょう。

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7/29ばんえい大賞典回顧

2007年7月30日(月)

プリンセスモモが一冠奪取! 

 29日(日)は重賞・ばんえい大賞典(3歳オープン)が行われ、プリンセスモモが快勝。2月の黒ユリ賞で1番人気(5着)、6月の黒ユリ賞で2番人気(7着)に支持されていた実力を、三冠初戦の舞台で見事に発揮しました。

 馬場水分が5.0%となり、道中はハイペース。各馬がほとんど息を入れない展開で、一団のまま第2障害を迎えました。
 内枠のマルニゼウス、アローファイターあたりが、真っ先に登坂を開始。そのなかでアローファイターがひと腰で登り切り、先頭で障害をクリア。やや遅れてプリンセスモモ、シベチャタイガーが続いていきました。
 そこからグイグイ脚を伸ばしたのはプリンセスモモ。残り30メートルを切って先頭に躍り出ると一気に後続を突き放し、楽々と先頭でゴールしました。2着には障害4番手から追い込んだコーネルフジ。障害先頭クリアのアローファイターが粘って3着を確保しました。

 勝ったプリンセスモモは、今回625キロ。軽馬場も含めて、もっとも恵まれた印象がありますが、もともと素質は上位。6月の黒ユリ賞では勢いよく追い込み、2着はあるかと思われたところで痛恨のゴール線上ストップ。そのレースぶりを考えれば、結果的にここでの勝利も納得でしょう。
 2着のコーネルフジは、久しぶりに大舞台で快走。05年の全道祭典ばんば1歳馬決勝大会(牡馬の部)で優勝、2歳最初の能力検査で2番時計を出したように、素質の高さは早くから認められていました。これをきっかけに、また世代のトップ争いへ加わってほしいものです。
 対して人気を背負ったアローファイターは、“善戦マン”のレッテルを今回もはがすことができませんでした。ただ、すんなり障害を越えたのは実力の証明。あとは末脚をきっちり伸ばすための底力が、今後の課題といえそうです。

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7/22北斗賞回顧

2007年7月23日(月)

ミサイルテンリュウ重賞連勝!

 22日(日)に行われた重賞・北斗賞(3歳以上オープン)は、1番人気のミサイルテンリュウが優勝。前走旭川記念に続いて、重賞連勝を果たしました

 道中はアンローズ、ミサイルテンリュウといったあたりがペースを握るも、各馬一団となったまま第2障害へ。真っ先に動いたのはミサイルテンリュウで、続けてカネサブラック、アンローズも登坂開始。しかしここでカネサブラックが痛恨のヒザ折りを喫しました。その間に障害を越えたのが、障害巧者ミサイルテンリュウ。ここで10メートル以上の差を後続につけ、勝ちパターンに持ち込みました。
 2番手で障害を越えたのはスーパークリントン。差なくサダエリコ、カネサブラック、アンローズと続き、なかでもサダエリコが抜群の伸びを見せて2番手へ浮上しました。さらに猛追したサダエリコでしたが、ミサイルテンリュウのソリの後端まで迫るのが精一杯。リードを広げて粘り込むこの馬らしいレースぶりで、ミサイルテンリュウが快勝しました。サダエリコが2着で、好調スーパークリントンが3着に入線しました。2番人気フクイズミは障害で詰まって最下位の10着、3番人気カネサブラックはヒザ折りから立て直したものの、終いの伸びを欠いて6着に敗れています。

 勝ったミサイルテンリュウは、これが重賞4勝目。北斗賞は昨年に続く連覇となりました。この馬のことを知り尽くした鈴木恵介騎手としても、前走旭川記念は当日のアクシデントにより騎乗できなかっただけに、今回は嬉しい勝利となったに違いありません。今後もこのコンビに注目です。
 2着のサダエリコは、昨年8月の紅バラ賞以来の連対。思えば昨年はこのレースで2着、ばんえいグランプリで3着と活躍しており、今年もそろそろこの馬の季節なのかもしれません。
 2番人気フクイズミは前記の通り最下位入線。いつも以上に前半の行きっぷりが悪く、馬の気持ちが走る方向に向いていなかったと見えます。もちろん「勝つか惨敗か」というタイプであって、今回はそれが悪い方向に出てしまったということでしょう。
 カネサブラックは、ヒザ折りがあったとはいえ負けすぎの印象。これまで勝利を挙げた際の最高積載重量は760キロであり、780キロで挑んだ銀河賞で8着、810キロのポプラ賞で4着、820キロのチャンピオンカップで6着、770キロ旭川記念7着と、重量を積まれたレースでの実績がありません。今後の重賞戦線では徐々に重量が増えていくだけに、やや不安を残した一戦といえそうです。

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