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8/10ばんえい大賞典回顧

2008年8月11日(月)

ライデンロックが一冠を奪取!

 10日(日)は3歳三冠の第1弾・ばんえい大賞典(3歳オープン)が行われ、ライデンロックが勝利。1番人気にこたえる快走で自身の重賞初制覇を飾ると同時に、 4月に開業したばかりの千葉均調教師にも初タイトルをプレゼントしました。

 馬場水分は1.3%と重めでしたが、各馬とも軽快に第1障害をクリア。ライデンロック、オレワスゴイ、ウィナーナナといった上位人気馬が馬群を引っ張るかたちでレースは進みました。
 第2障害はウィナーナナが最初に仕掛け、それとほぼ同時にコトブキタイガー、オレワスゴイ、ライデンロック、カイセテンザンも動く展開。なかでも抜群の登坂力を見せたのがライデンロック。グイグイ荷物を引き上げると、先頭で第2障害を下りていきました。やや遅れてカイセテンザン、さらに遅れてウィナーナナの順でクリア。勝負はこれら人気上位3頭による三つどもえの様相を呈しました。
 しかし、この3頭はどれも同じような脚いろで、いっこうに差が詰まる気配がありません。残り20……、残り10……、残り5メートルを切ってもライデンロックは軽快な脚を見せ、そのまま楽にゴール板を通過しました。
 そして2着にはカイセテンザンが粘り込むかと思われたところ、障害4番手クリアのウメノタイショウが大外を一気に伸び、2頭がほぼ同時にゴールイン。このきわどい争いは、わずか0秒1差、ウメノタイショウが先着していました。

 ライデンロックはこれまでもイレネー記念5着など、世代トップクラスの力を示していました。しかし今回の勝因は、なによりも好調を維持してきたこと。このレースを含め今季は10戦6勝2着3回と、高いレベルで安定していました。さらに終始レースをリードし最後まで脚いろが鈍らなかったのは、一段と力をつけた証明。ハンデ差が少なかったことを考え合わせれば、想像以上の実力の持ち主と言えるでしょう。今後の活躍が非常に楽しみです。
 ウメノタイショウは6月以来およそ1カ月半ぶりでの快走。ここ照準だったと見え、陣営の期待にこたえる走りを見せました。これで今季9戦のうち掲示板を確保したのは8回。ゴール前で各馬の脚が鈍るようなサバイバル戦では、今後も好走が期待できるでしょう。
 そして惜しくも3着となってしまったカイセテンザンですが、この馬も今季は好調。暑さで調子を崩しやすい時期でもあり、4着のウィナーナナを含め、好調馬が上位を独占する結果となりました。

 ちなみにこのレースは「勝毎杯」として行われましたが、3月に同じ勝毎杯として実施された若草特別(3歳牡馬オープン)と同じ1〜3着馬で決着したことになります。

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尾ヶ瀬馨騎手「1番人気だったので、勝ててホッとしています。今回は厩舎サイドもだいぶ力を入れていて万全に仕上げてくれたので、折り合いをつけられれば勝てるだろうと思っていました。障害もいいし、まじめな馬。これからもまだまだ強くなると思います」

7/27北斗賞回顧

2008年7月28日(月)

ナリタボブサップが貫禄勝ち!

 27日(日)は重賞の北斗賞(3歳以上オープン)が行われ、1番人気のナリタボブサップが優勝。6月の旭川記念に続き、重賞4勝目を挙げました。

 久々の高重量戦とはいえ、さすがは今をときめくオープン馬たち。道中は思いのほか息が入らず、3、4度脚を止めた程度。トモエパワーやスターエンジェルらが引っ張る流れで、第2障害下にたどりつきました。
 真っ先に動いたのはトモエパワーとナリタボブサップ。ここから障害力の違いを見せつけたのがナリタボブサップで、持ち味を最大限に生かし、ひと腰で障害をクリアしました。意外に苦戦したミサイルテンリュウが離れた2番手で障害を下り、以下トモエパワー、トカチプリティー、タケタカラニシキの順。
 しかし先頭を行くナリタボブサップは、悠々とひとり旅。楽な手ごたえのままゴールに飛び込み、後続7頭とは次元の違う走りを見せました。
 もつれた2着争いは、ミサイルテンリュウが粘るところへ、トモエパワーと、障害6番手から追い込んできたフクイズミが強襲。ほぼ横一線の争いは、わずかにトモエパワーが制しました。これに0秒4差の3着がミサイルテンリュウ、さらに0秒1差4着にフクイズミが入線しました。

 ナリタボブサップは前述のとおり重賞4勝目。持ち前の障害力に加え、しまいの確実さからも、いまや800〜900キロの重量では敵なしといえるでしょう。さらにパワーアップしているようにも見受けられ、今後の活躍が非常に楽しみです。
 激戦の2着争いを制したトモエパワー。800キロの高重量戦とはいえ、この馬にしてみればまだまだ軽めの重量。それでいて2着まで上がって来れたのは、ゴール前が混戦となったことでばんえい記念馬の底力が発揮されたと見ます。800キロ前後ではまだ信頼が置けませんが、ゴール前の混戦が予想される際には押さえておかなければならないでしょう。
 惜しかったのはミサイルテンリュウ。ぎりぎり一杯の走りで、あれで2着争いに敗れたのなら仕方がないでしょう。ただ展開が向かなかった。その一語に尽きます。

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藤本匠騎手「障害に来るまで一杯に追っていたので、最後は苦しくなったんですが、残り20メートルで後ろを向いたら大丈夫だなと思いました」

6/22旭川記念回顧

2008年6月23日(月)

ナリタボブサップが持ち味発揮 

 22日(日)は重賞・旭川記念(3歳以上オープン)が行われ、ナリタボブサップが勝利。前走の出走取消の影響を微塵も見せず、重賞3勝目を飾りました。

 各馬久々となる700キロ台後半のレースだけに、道中はややゆったりペース。ナリタボブサップやミサイルテンリュウといったあたりが先行しますが、ほぼ一団で第2障害を迎えました。
 その第2障害。真っ先に仕掛けたのはナリタボブサップで、カネサブラックがこれに続く展開。なかでもナリタボブサップがひと腰で一気に登り切り、後続を引き離して障害を下りていきました。ミサイルテンリュウ、マルミシュンキ、カネサブラックなどが遅れてクリア。フクイズミもこれに続きました。
 しかし、ナリタボブサップの逃げ脚は快調。残り10メートル付近でやや脚いろが鈍りましたが、後続も差を詰めるのが精一杯。結局、楽な手ごたえのままゴールラインを通過しました。後続は、残り30メートル付近で2番手に上がっていたマルミシュンキが粘り込むところ、末脚一閃、フクイズミが交わし去って2着入線。マルミシュンキが3着で、以下ミサイルテンリュウ、カネサブラックが掲示板を確保しました。

 ナリタボブサップは前述のとおり、北見記念、帯広記念に続く重賞3勝目。重賞3勝にして、四市冠競走のうち3タイトルを手にしたことになります。今回は持ち味の障害力、先行力を存分に発揮できたのが勝因。以前は終いの粘りを欠く部分もありましたが、本格化を迎えて、その心配もなくなりました。残る1つ、岩見沢記念はもちろんのこと、さらにタイトルを積み重ねていく可能性は十分です。

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藤本匠騎手「出走取消明けでも順調な仕上がりだったし、第1障害を下りて思ったよりいい位置が取れたので、そのまま前々で競馬をしました。重賞だからゴールまでなにがあるかわからないので必死でしたね。
 春先に重賞(ばんえい十勝オッズパーク杯)で悔しい負けかたをしていたのですが、とりあえず借りをひとつ返せてよかったです。これからも活躍していきますよ」

大友栄人調教師「早めの競馬は予想していたとおりでした。今シーズン、調子はずっとよかったのですが、前回の出走取消はほんとにちょっと熱が出ただけで、ここを目標にということで、大事をとって休みました。ナリタボブサップというと、軽い馬場でという印象があるかもしれませんが、調教の感じでは障害力を生かせば馬場が重くてもやれると思います」

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6/15黒ユリ賞回顧

2008年6月15日(日)

ニシキエースが一冠奪取!

 15日(日)は3歳牝馬三冠の第1弾・黒ユリ賞(3歳牝馬オープン)が行われ、3番人気のニシキエースが快勝。2着に1番人気のウィナーナナ、3着に2番人気のカネヅルが入り、人気サイドでの決着となりました。

 第1障害を越えて先頭に立ったのは1番人気のウィナーナナ。これが止まると、今度はニシキエースが先頭へ。この2頭が入れ替わりで馬群を引っ張り、ややバラけ気味に第2障害を迎えました。
 各馬、息を整えると、ほどなくキタノメイゲツが登坂を開始。それを合図とするようにカネヅル、ウィナーナナ、ニシキエースも仕掛けました。この4頭がほぼ同時に天板に脚を掛け、ニシキエース、ウィナーナナ、カネヅル、キタノメイゲツの順で障害を下りていきました。
 障害後、いったんはウィナーナナが先頭に躍り出ましたが、残り30メートルを切ってニシキエースが鋭く脚を伸ばし、残り20メートル付近でこれを交わす展開。そこからはニシキエースの独壇場で、後続を突き放すとそのまま先頭でゴールしました。ウィナーナナは、終いが甘くなりながらも2着を確保。ゴールまでしっかり脚を伸ばしたカネヅルが3着入線を果たしています。

 2歳時にいちい賞を制し、その後もA-1戦でオレワスゴイを下すなど、実力の片鱗を見せていたニシキエース。道中も一度ウィナーナナに先頭を譲るなど余裕たっぷりのレースを見せ、この馬の強さばかりが目立つ好内容でした。自身の重賞初制覇とともに、この世代が初年度となるウンカイ産駒としても初の重賞制覇。牡牝の差はあるにせよ、父同様に三冠制覇が期待できそうです。

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松田道明騎手「ウィナーナナとカネヅルをマークしていくつもりでした。途中でウィナーナナとの一騎打ちだと判断したので、ウィナーナナを引っ張ろうと思って、頑張って先行しました。強い馬ですから、これからも期待できそうですね」

6/1柏林賞回顧

2008年6月 2日(月)

ホッカイヒカル重賞初挑戦・初制覇! 

 1日(日)は昨年新設された重賞・柏林賞(4歳オープン)が行われ、最低人気のホッカイヒカルが重賞初挑戦で初タイトルを獲得。阿部武臣騎手は02年銀河賞(キタノコクホー)以来、久々の重賞制覇となりました。

 道中は各馬とも2、3度脚を止める平均的な流れ。プリンセスモモ、エビスオニワカあたりがペースを掌握するも、ほぼ一団のまま第2障害を迎えました。
 ほぼ並ぶかたちで、最初に障害に挑んだのはプリンセスモモとエビスオニワカ。特にプリンセスモモの掛かりがよく、天板まで登り切りました。ところが、外から一気に障害を駆け上がったのがホッカイヒカル。内からはアローファイターもクリアし、この2頭が並んで障害を下っていきました。一歩遅れてプリンセスモモ、差なくミサキスペシャル、1番人気のコーネルフジは7番手でクリアしました。
 先行するのはアローファイター、プリンセスモモ、ホッカイヒカルの3頭。ミサキスペシャルも脚を伸ばし、大混戦の様相を呈してきました。しかし、残り20メートルを切ってグッと伸びたのがホッカイヒカル。敢然と抜け出して他馬を置き去りにすると、2馬身ほどの差をつけてゴールしました。徐々に脚を伸ばしたプリンセスモモが2着で、これを追いかけるかたちで伸びたミサキスペシャルが3着。コーネルフジは中団のまま7着に敗れました。

 これが重賞初挑戦とは思えない、堂々としたレースぶりでタイトルを奪取したホッカイヒカル。これまで目立った成績としては、今年3月のクリスタル特別で、ミサキスペシャル、コーネルフジに次ぐ3着がある程度でした。しかし昨冬に3連勝が2回あるなど、着実に地力をつけているのは確か。現4歳世代のトップクラスに名を連ねたホッカイヒカルの今後が、非常に楽しみです。

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阿部武臣騎手「障害さえうまくまとめれば、降りてからもきっちり歩ける馬。いつもはテンに置かれるけど、馬場も良かったし置かれなかったので楽でした」

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