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重賞(特別)回顧 アーカイブ

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5/10カーネーションカップ回顧

2009年5月11日(月)

エンジュオウカンが久々の重賞制覇!

 10日(日)の母の日に行われたのは、重賞カーネーションカップ(3歳以上牝馬オープン)。単勝1.5倍の断然人気に支持されたエンジュオウカンが制し、06年1月のヒロインズカップ以来となる重賞5勝目を挙げました。

 馬場水分1.4%と乾ききって砂煙が巻き起こる中での一戦。ニシキガールやギャンブラークインがまず先行し、障害中間地点からエンジュオウカンが押し上げる展開でレースは進みました。
 真っ先に第2障害に挑んだのはギャンブラークインとエンジュオウカン。それを合図に各馬が仕掛けました。しかしトップ通過は地力に勝るエンジュオウカンで、やや遅れてギャンブラークインもクリア。勝負はこの2頭に絞られました。伸びやかなストライドで先頭を歩き続けるエンジュオウカンにギャンブラークインもしぶとく食い下がりますが、2頭の差はまったく縮まる気配はなく、そのままゴールまで。結局1秒8差をつけ、エンジュオウカンが先頭でゴールラインを通過しました。3番手集団と差のない6番手で障害を下りたニシキエースが脚を伸ばして3着入線を果たしています。

 エンジュオウカンは1年半近い休養から復帰後、重賞初制覇。快速馬の代名詞とされた同馬ですが、そのスピードに加え、レースぶりにも風格が出てきた印象です。牝馬同士なら力上位の存在であることを改めて証明した格好で、今後の活躍が大いに期待できそうです。
 ギャンブラークインも牝馬同士なら上位の力がありますが、今回ばかりは相手が悪かったでしょう。ただ、しまいまでエンジュオウカンに食い下がった内容は上々。まだまだ順番が回ってくる可能性は十分です。

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鈴木恵介騎手「スタートはひと息でしたが、慌てずこの馬の能力を出せるように乗りました。障害はいい馬ですから道中はまとめなくてもなんとかなると思っていました」

4/26ばんえい十勝オッズパーク杯回顧

2009年4月27日(月)

カネサブラック超高速決戦を制す!

 26日(日)は今年度最初の重賞・ばんえい十勝オッズパーク杯(4歳以上選抜)が行われ、カネサブラックが断然の1番人気にこたえて優勝。このレース3連覇を飾るとともに、“例年どおり”シーズンのスタートダッシュを決めました。

 あいにくの雪模様で馬場水分は8.8%まで上昇し、高速決着が予想された今回。その予想どおり、超ハイペースでレースは進み、各馬ノンストップで第2障害へ。…と思われたのもつかの間、さらに止まることなく登坂を開始したのが、4番手追走のナリタボブサップ。名うての障害巧者だけにひと腰できっちり上げ切りましたが、天板付近でややもたつく展開。その隙をついてカネサブラックが一気に天板まで上がると、わずかにナリタボブサップを交わして障害をクリアしました。ここからは完全にスピード勝負。ギャロップでグイグイ加速したカネサブラックが一気にナリタボブサップとの差を広げると、ゴール前でも松田道明騎手が微動だにしない余裕の手応え。そのままゴールを駆け抜け、あっけなく同一重賞3連覇を成し遂げました。ナリタボブサップが2着に流れ込み人気サイドでの決着。終始前々で競馬していたホクショウドラゴンが、ホクショウダイヤとの叩き合いを制して3着入線を果たしています。

 カネサブラックはこれが重賞6勝目。近年は高重量戦での活躍が目立ちカネサブラック時代の到来を予感させていますが、今回見せたようにスピードも超一流。いくら軽量720キロ、馬場水分8.8%とはいえ、それを1分13秒1で運びきるのは、卓越したスピード以外の何物でもありません。そしてばんえい記念2着が示すとおりパワーも超一流。一時期のスーパーペガサスがそうだったように、それぞれが高いレベルにある究極のオールラウンダーに成長したと言えるでしょう。
 ナリタボブサップは第2障害速攻策を取りましたが、カネサブラックのスピードに屈して2着。ただ悪条件の中、この馬のレースはできた印象で、重量と展開次第ではさらにタイトルを積み重ねることができそうです。

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松田道明騎手「思ったより馬場が速かったので、切れ味のある馬に脚を使わせるために、前々でレースを引っ張っていこうと思っていました。人気だったから障害だけはきっちり越えていこうと思い、第2障害でひと呼吸入れる確実な方法を選びました。そこでひと息入れたことで折り合いもついたし、馬の体調も良かったですから、いいレースができましたね」

3/29ばんえい記念回顧

2009年3月29日(日)

トモエパワー頂上決戦3連覇!

 29日(日)に今年度の総決算・ばんえい記念(4歳以上オープン)が行われ、1番人気のトモエパワーが優勝。スーパーペガサスの4連覇に次ぐ同レース3連覇の偉業を達成すると同時に、松井浩文厩舎がワンツーフィニッシュ(2着カネサブラック)でシーズンの掉尾を飾りました。

 前日にパラついた雪はまったく積もらず、馬場水分3.4%でスタートしたこの日。天候に恵まれたこともあってメインレース時には2.3%まで下がり、重馬場での頂上決戦となりました。
 旧重賞ファンファーレに続いて現重賞ファンファーレが流れる“ばんえい記念仕様”でレースはスタート。第1障害で各馬の脚が早くも脚が止まり、このレースならではのゆったりした展開。ナリタボブサップ、カネサブラック、ミサイルテンリュウといった順で、第1障害を抜けていき、イケダガッツ、トモエパワー、スターエンジェル、ヨコハマイサムの4頭が障害に引っ掛かりましたが、ほどなくクリアしていきました。
 障害中間地点では各馬ゆったりペースでほぼ一団のまま進み、誰が主導権をとるというわけでもなく、思い思いのリズムで刻んでいる印象。第2障害下へ真っ先にたどり着いたのはスターエンジェルで、スーパークリントン、トモエパワーもこの圏内。イケダガッツはやや離れたのものの、9頭はタメにタメて、いよいよばんえい競馬最大の難関、1トンを曳いての第2障害を迎えました。
 真っ先に仕掛けたのはトモエパワーとスーパークリントン。それを合図にしたように各馬も登坂を開始しましたが、いまひとつ決め手を欠く状態。しかし、そのなかからトモエパワーとミサイルテンリュウが同時に天板に脚をかけて荷物を引き上げ、そして並んだまま障害を下りました。遅れてニシキダイジンとカネサブラックが同時にクリア。以下は苦戦が続きました。
 こうなると終い確実なトモエパワーに有利な展開。じわじわとミサイルテンリュウを引き離しにかかり、残り30メートルを切ったあたりで一度脚を止めたものの同時にミサイルテンリュウもストップ。息を整え、あせらずに再スタートすると、またしても脚を止めたミサイルテンリュウを突き放して勝負あり。完璧なレースを演じて、3連覇のゴールへ飛び込みました。
 粘り込みを図ったミサイルテンリュウでしたが、カネサブラックの激しい追い上げに四苦八苦。残り5メートルで半馬身ほどのリードがあったものの、一気に差が詰まりはじめ、ゴール寸前で痛恨のストップ。そのすぐ脇をカネサブラックが交わしていき、結果3着となりました。

 今季21戦して未勝利だったトモエパワーですが、やはり1トンを曳くパワー重視の一戦では役者が違いました。結果的に馬場水分2.3%、5分近い決着となるような舞台になったのも味方したでしょう。前述の通り、これでばんえい記念3連覇。天馬スーパーペガサスに続く史上2頭目の快挙で、来年は同馬が打ち立てた4連覇の金字塔に挑むこととなります。
 カネサブラックが2着で、松井浩文厩舎のワンツーフィニッシュ。ゴール寸前でミサイルテンリュウを差し切ったあたりはやはり底力と言え、松田道明騎手も障害でじっくり構える好騎乗を見せました。ばんえい記念初挑戦ながら上々の結果を残した同馬の活躍が、今後も楽しみです。
 ミサイルテンリュウは悔しい3着。障害後に何度も止まるのは先行馬の宿命であり、障害を越えたところでトモエパワーと並んでいた時点で形勢不利と言えました。それでもあきらめずに攻めた結果であり、ゴール寸前まで2着を守っていた内容は見どころ十分。これでばんえい記念は4、3、2、3着。超一流の実力の持ち主であることには変わりありません。

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西弘美騎手「第1障害で手こずったので、第2障害までは結構厳しかったですね。でも第2障害を越えて(ミサイルテンリュウと並んでいた)この位置なら大丈夫かなと思いました。(今季は未勝利だったが)障害を下りた時には“やっぱり強いな”と感じたし、この馬のパワーに感服しました。最後に大きなタイトルをとらせてもらって嬉しく思います」

3/15イレネー記念回顧

2009年3月16日(月)

キタノタイショウが雪辱を果たす!

 15日(日)は2歳シーズンのチャンピオンを決める一戦イレネー記念(3歳オープン)が行われ、2番人気のキタノタイショウが優勝。ヤングチャンピオンシップ(1番人気-2着)の雪辱を果たすとともに、世代チャンピオンの座に輝きました。

 さすがに全馬初めてとなる670キロ(牝馬20キロ減)だけに、普段よりもゆったりとしたペース。アアモンドヤマト、コウドウフジ、キンノカミあたりが馬群を引っ張り、何度も脚を止めながら第2障害にたどり着きました。
 先頭で障害に挑んだのはアアモンドヤマト。間をおいてコウドウフジも登坂を開始しましたが、ともに登り切るには至らず。反対に、さらに一呼吸おいて登り始めたキタノタイショウ、アオノレクサスが抜群の登坂を見せ、ひと腰でクリア。先に挑んだ2頭もこれとほぼ同時に障害を下り、4頭が横一線で難関を突破しました。以下キンノカミ、ホクショウバンクが続く展開。
 しかし、そこからキタノタイショウが一気に抜け出すと、あとは独壇場。しっかりとした脚いろのまま残り10メートル標識を通過。後続とのリードを保ったまま、ゴールまで荷物を運びきりました。やや一杯になりながらも、アオノレクサスが粘りきって2着入線。猛然と追い込んだホクショウバンクは3着まで押し上げるのが精一杯でした。

 勝ったキタノタイショウは、やや遅めの7月にデビュー。しかし徐々に馬体を増やしながらパワーアップし、ヤングチャンピオンシップでは単勝1番人気に支持されるまでに成長しました。そして迎えた今回の一戦。障害をひと腰で越えただけでなく、しまいも確実に脚を伸ばしたレースぶりから、スピード一辺倒ではない力強さを感じました。重量が増えても対応できそうで、今後の成長が非常に楽しみです。
 オープンでは勝ちきれないことが多かったアオノレクサスですが、ナナカマド賞7着、ヤングチャンピオンシップ4着から前進しての2着。しまいに脚いろが鈍った点は今後の課題ですが、まだまだ成長の余地がありそうな馬体からも、今後が楽しみな1頭です。
 単勝1.4倍の断然人気に推されたホクショウバンクは3着。今回の敗因を探るとすれば、第2障害で遅れたのがすべてでしょう。高重量への対応についてはもう少しサンプルが必要ですが、ここで言えることはナナカマド賞と同様、確かな末脚を持っているということ。今後はいかに障害をこなすかという点が課題となりそうです。

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大河原和雄騎手「なんとか一冠くらいは獲らせてあげたいと思っていたので、最後に勝ててよかったです。レースではキタノタイショウの息に合わせていくように、それだけを心がけて騎乗しました。馬場は重かったですが、それも有利に働いたから勝てたのではないかと思います」

3/1チャンピオンカップ回顧

2009年3月 1日(日)

カネサブラックが追い比べを制す

 1日(日)は重賞のチャンピオンカップ(4歳以上、今年度重賞競走優勝馬)が行われ、カネサブラックが勝利。ばんえい十勝オッズパーク杯以来となる重賞5勝目を挙げました。

 重賞にしてはやや軽めの重量とはいえ、馬場水分は2.8%の重馬場。道中はスーパークリントンが引っ張るなか、各馬とも再三脚を止めるゆったりとした流れで進んでいきました。
 第2障害に最初に挑んだのはスーパークリントン。ひと腰で天板付近まで上がり、すかさずふた腰目を入れるとこれをクリア。ゆうゆうと障害を下りていきました。これに2馬身差で続いたのがカネサブラックで、以下ライデンロック、ナリタボブサップ、シベチャタイガーが追う展開。
 残り30メートル標識付近ではすでにカネサブラックが先頭に躍り出て、2番手にはライデンロックが浮上。スーパークリントンも必死でこれに食らいつき、三つどもえの様相を呈しました。しかし残り10メートルでライデンロックの脚が止まって2頭の一騎打ちに。息もつかせない激しい追い比べとなった結果、終始半馬身ほどのリードを保っていたカネサブラックが、スーパークリントンを力でねじ伏せてゴールイン。ライデンロックはゴール直前で再度脚が止まり、追い込んできたフクイズミ、しぶとく歩いたナリタボブサップに交わされ、結局5着で入線しました。

 今季のカネサブラックは岩見沢記念と北見記念で2着、帯広記念で3着と常に一線級で上位をにぎわしていただけに、4月以来の重賞制覇というのは意外でした。今回は、これまでの詰めの甘さを感じさせない粘り腰を披露しており、一段とたくましさを増した印象。さらなる大舞台での活躍も十分に期待できるでしょう。
 スーパークリントンは積極的な競馬で2着。北見記念制覇時もそうでしたが、いわゆる切れるタイプではないだけに障害を早めに越えられれば上位が期待できるタイプで、今回も第2障害までは理想通りの展開でした。スムーズなレース運びだったカネサブラックには屈したものの、いったんライデンロックにも交わされながら冷静に歩き続けて連対を確保したあたりは、やはり馬のキャリアの差。今後も重賞戦線で上位をにぎわす存在であることは間違いないでしょう。

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松田道明騎手「道中は少しハイペースかなと思っていました。切れではスーパークリントンより僕の馬の方に分があるので、障害を下りた時点では後半10メートルで追い込もうと思っていたのですが、馬の調子も良く、道中のペースにもついて行ってくれたので勝つことができましたね」

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