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4/25ばんえい十勝オッズパーク杯回顧

2010年4月25日(日)

ナカゼンスピード、ダービー以来の重賞2勝目!


 25日(日)は年度最初の重賞として定着したばんえい十勝オッズパーク杯(4歳以上選抜)が行われ、ナカゼンスピードが優勝。4連覇を目指したカネサブラックは2着に敗れ、このレース史上初めて、勝ち馬にカネサブラック以外の名前が刻まれました。

 馬場水分1.3%の重馬場ながら、負担重量が700キロ台前半だけに各馬の脚いろは軽やか。ライデンロック、ナカゼンスピード、ニシキダイジンらが馬群をコントロールする展開で、第2障害を迎えました。
 ナカゼンスピードが真っ先に動いて、ニシキダイジン、ナリタボブサップも差なく登坂開始。なかでも抜群の掛かりを見せたのはナカゼンスピードで、ひと腰で荷物を引き上げると先頭で障害をクリアいきました。1馬身ほどの差でナリタボブサップが続き、さらに1馬身半ほど開いてカネサブラック、ニシキダイジン、エンジュオウカンと、このあたりまでが争覇圏。
 逃げるナカゼンスピードは、時おり頭を上げる仕草を見せながら、脚いろは快調そのもの。残り30メートル付近で2番手に浮上したカネサブラックが激しく追い上げますが、それを意に介さないように淡々とペースを刻み、そのまま1馬身ほどの差をつけて先頭でゴールしました。3着にはナリタボブサップが入り、以下ニシキダイジン、エンジュオウカンの順で入線。

 今季250万円未満に格付けされたナカゼンスピードは、他の出走馬より30キロ軽い690キロで出走できたのが何よりの勝因でしょう。ただそれだけではなく、昨年11月からここまでオープン7連勝を含む10勝を挙げていることからも、ピークを迎えている印象があります。さかのぼれば06年のばんえいダービー馬。本格化なった今なら、さらなるタイトル奪取も期待できそうです。

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藤野俊一騎手「今回はハンデを30キロももらっていたし、昨季後半から引き続き調子も良かったので自信がありました。第2障害後は隣枠のナリタボブサップは手応えが一杯だったので、あとはカネサブラックだけと思って乗っていました。自分の馬が止まらない限りは差されないだろうという自信はありました。昨季も最後は750キロを曳いて勝っていますし、それくらいまでなら対応できると思います」

3/28ばんえい記念回顧

2010年3月28日(日)

ニシキダイジン大輪の花を咲かす!

 28日(日)はばんえい競馬の最高峰・ばんえい記念(4歳以上オープン)が行われ、ニシキダイジンが昨年(4着)に続く2度目の挑戦で初制覇。高重量戦での強さを発揮し、9歳にして大輪の花を咲かせました。

 前日に雪が降った関係で馬場水分は4.6%と標準よりやや軽め。それでも1トンの重量は別格で、各馬第1障害から苦戦。ひと腰ですんなり下りたのはナリタボブサップだけで、以下カネサブラック、ニシキダイジン、フクイズミなど高重量戦での経験が豊富な馬が順にクリアしていきました。
 障害中間点はナリタボブサップが主導権を握り、当然ながら何度も刻んでのゆったりペース。次第にニシキダイジン、スターエンジェル、スーパークリントンが押し上げ、それらを見る形でカネサブラック、フクイズミ、トモエパワーが続いて第2障害を迎えました。
 ばんえい最難関へ、真っ先に挑んだのはニシキダイジンで、少し遅れてスターエンジェルも早めに登坂開始。トモエパワー、ヨコハマイサムが続きますが、他の有力馬はまだ仕掛けません。ようやくフクイズミとカネサブラックが動いてレースが活発化。その間にニシキダイジンが先頭でクリアし、4腰目で障害を引き上げたカネサブラックがこれに続きます。ここで圧巻の登坂を見せたのがナリタボブサップ。なんと1トンをひと腰で上げ切り、3番手から追撃態勢に入りました。
 残り30メートル手前で先頭の2頭がしきりに脚を止めるなか、ナリタボブサップがあっさり交わして先頭へ。一気に突き放しますが、残り20メートルを切ったところでストップし、ニシキダイジンとカネサブラックが併せ馬の状態でこれに追いつきます。その後は3頭が横一線で、一進一退の攻防。しかしカネサブラックが残り10メートル手前で止まって脱落。ニシキダイジンとナリタボブサップが並んだ状態で、残り5メートル、3メートル......、わずかにナリタボブサップの脚いろが鈍り、ニシキダイジンが先頭。そこへ立て直したカネサブラックが強襲。ナリタボブサップの脚が止まり......。
 そして先頭で1トンの荷物を運びきったのがニシキダイジン! この大一番で勝負強さを発揮し、4分24秒8の熱戦に終止符を打ちました。半馬身差2着にカネサブラック、寸前で力尽きたナリタボブサップが3着で、3秒5の間に3頭が入る大激戦でした。4着には障害4番手からキープしたフクイズミ、トモエパワーは障害でもたついたのが響いて5着と、このレース4連覇はなりませんでした。10着タケタカラニシキが5分48秒1でゴールし、全馬無事に完走を果たしました。

 ニシキダイジンは06年ポプラ賞、08年ばんえいグランプリに続く重賞3勝目。ほか09年の帯広記念2着、昨年のばんえい記念4着があるように、高重量戦での先行力には定評がありました。しかし、これまでは終いの甘さも目立っていただけに、このメンバーでの1トン戦で、何度も脚を止めながら、しぶとく前へ進み続けたのには驚かされました。今後も各馬がゴール前で何度も脚を止めるようなサバイバル戦となった時には、今回のような勝負強さを発揮してくれることでしょう。
 また今回の出走騎手のなかで、唯一ばんえい記念の勝利実績があったのが藤野俊一騎手(99、00年シマヅショウリキ、05、06年スーパーペガサス)。その経験を生かしての騎乗が結果に表れたとも言えるでしょう。
 単勝1.7倍の1番人気に推されたカネサブラックが2着で、松井浩文厩舎の"同年度・牡牝混合古馬重賞完全制覇"はなりませんでした。最後の最後でもうひと伸びしていただけに残り10メートル付近で止まったのが響いた格好ですが、他馬のマークに合う立場で挑んだレースの内容としては悪くないでしょう。来年度のばんえい競馬も、この馬を中心にまわっていくことは間違いありません。
 この大舞台で素晴らしい競馬を見せたのがナリタボブサップ。ゴールがあと2メートル手前だったら、勝っていたのはこの馬だったはず。これまでとは一転して、障害でじっくり構えたのも好感が持て、今後は持ち前の障害力を軸にした多彩なレースを見せてくれそうです。

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藤野俊一騎手「レース前は"なんとか上位には"という気持ちでいました。でも馬の状態は良かったですし、第2障害もひと腰めで思ったより上がって、その後も時間を掛けずにクリアできたので"これはいけるかな"と思いました。以前勝った4回の時には自分が先に下りて、あとの馬がどれくらい追ってこれるかな、というレースでしたが、今回はニシキダイジンをどうゴールまで粘らせるか、ということを考えて乗りました。来年もまた勝てるよう頑張ります」

3/14イレネー記念回顧

2010年3月15日(月)

テンマデトドケが世代チャンプに

 14日(日)は2歳シーズンのチャンピオン決定戦・イレネー記念(3歳オープン)が行われ、単勝1.3倍の圧倒的人気に推されたテンマデトドケが優勝。ナナカマド賞に続く重賞2勝目を挙げ、世代最強を証明しました。

 道中はミスタートカチが引っ張る流れで、初の670キロ、馬場水分2.4%ながらやや速めのペース。障害中間点を過ぎてから徐々に馬群が凝縮され、各馬一団の状態で第2障害を迎えました。
 ひと呼吸入れて、真っ先に動いたのはホクショウバトル。これにミスタートカチが呼応し、さらに一歩遅れてテンマデトドケも登坂を開始。ひと腰で登り切ったのはテンマデトドケで、微差でミスタートカチが続いて第2障害を下りていきました。以下、ホクショウバトル、アウルメンバーの順でクリア。
 先頭のテンマデトドケは快調に逃げ、残り30メートルでミスタートカチを振り切ると、そのまま独走。残り5メートル付近でいったん脚を止めましたが、その時点で後続は残り20メートル付近におり、十分なセーフティーリード。ゆっくり立て直して荷物を運びきり、重賞2勝目のゴールを果たしました。粘り込みを図るミスタートカチに、追い込んできたアウルメンバーが並び掛け2着争いは大激戦となりましたが、ゴール線手前でアウルメンバーがストップして決着。ミスタートカチが2着入線を果たし、アウルメンバーが3着となりました。

 15秒4の着差が示す通り、大楽勝を演じたテンマデトドケ。定量戦なら力の違いは歴然で、名実ともに世代チャンピオンとなりました。これでデビューから【11・4・5・1】と抜群の成績で、多少のハンデ差も克服できる力量の持ち主。今後の飛躍が大いに期待できそうです。
 ミスタートカチはナナカマド賞(2着)同様、終始レースをつくりながらの2着。アウルメンバーが最後に止まったとはいえ、競り合いを制した内容も上々でした。現状ではテンマデトドケとの力差が感じられますが、今後の成長次第では楽しみな1頭となりそうです。

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大河原和雄騎手「デビューからイレネー記念を目標にしてきて、やっと達成できました。たえず前向きなところが長所で、レースではできるだけ馬を興奮させないように乗りました。ばんえい記念を勝てるほどの馬に育ってほしいですね。(昨年に続く連覇に)何度勝ってもうれしいレースですし、また来年も勝ちたいです」

2/28チャンピオンカップ回顧

2010年3月 1日(月)

カネサブラックがサバイバル戦を制す!

 28日(日)は重賞・チャンピオンカップ(4歳以上、今年度重賞優勝馬)が行われ、カネサブラックがトップハンデをものともせず快勝。NARグランプリばんえい最優秀馬の力を見せつけ、通算10個目のタイトルを手にしました。

 各馬800キロ前後と、さほど重量を課せられていない一戦。ただ馬場水分が2.8%と重めなのが影響して、道中はスローペース。ライデンロック、カネサブラック、エンジュオウカンなどが先行して第2障害を迎えました。
 最初に動いたのはエンジュオウカンでしたが、ひと息入れて仕掛けたライデンロックとカネサブラックが抜群の掛かり。両馬がひと腰で荷物を曳き上げ、ライデンロック、カネサブラックの順でクリアしました。遅れてオレワスゴイ、ワタシハキレイズキが並んで下り、さらに遅れてフクイズミも追撃態勢に入りました。
 ライデンロックは徐々に脚いろが鈍って残り30メートル付近でストップし、カネサブラックがゆうゆうと先頭へ。残り20メートル付近で2番手追走のオレワスゴイの脚が止まって、浮上してきたのがフクイズミでした。松井浩文厩舎のワンツー態勢となり、人気サイドでの決着かと思われた残り10メートル地点。しかし、ここでフクイズミが痛恨のヒザ折りを喫してしまいます。立て直しにも時間が掛かり、その間にライデンロックとオレワスゴイに交わされて4番手に後退してしまいました。一方、先頭のカネサブラックは盤石の態勢で、ゴール線上でいったん脚を止めたものの、即座に立て直して余裕のゴールイン。同厩2頭の明暗が分かれる結果となりました。再三脚を止めながら激しい攻防を演じたライデンロックとオレワスゴイの2着争いは、0秒3差でライデンロックに軍配。フクイズミは4着入線となりました。

 ゴール前でのフクイズミのヒザ折りに加えて、ライデンロックとオレワスゴイが何度も脚を止めたことを考えると、今回の一戦は想像以上にパワーが要求された一戦でした。重馬場のなか第2障害で各馬が早めに仕掛けたのが、このサバイバル戦を誘発したと思われます。そうしたなかで、トップハンデを曳きながら完勝を演じたカネサブラック。やはりここでは力が違ったと言うべきでしょう。頂点・ばんえい記念へ、最高のかたちで臨むことができそうです。
 今回の勝利で、松井浩文厩舎は今年度の牡牝混合・古馬重賞完全制覇へ向けリーチが掛かりました。残す一戦は、もちろんばんえい記念。スーパーペガサスに並ぶ同レース4連覇を目指すトモエパワー、切れ味鋭いフクイズミ、そしてカネサブラック。最強の布陣で挑むことになりそうです。
 ライデンロック、オレワスゴイの両5歳馬が2、3着。ライデンロックは昨年のこのレース(5着)以来2回目の古馬重賞、オレワスゴイは初挑戦で、十分に通用することを証明しました。カネサブラックの破竹の勢いが続いているなかで、こうした若駒の台頭は頼もしい限り。次代を担う両馬の走りに、今後も注目です。

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松田道明騎手「こんな強い馬に巡り会えて、騎手として最高です。トップハンデに加えて(若駒とのレースで)いつもと違った流れというのもあるので、自分の馬を信じて、一番強い馬に乗っているということを意識して、相手をどうしたらつぶせるかということを考えて乗りました。ライデンロックが逃げていましたが、なるべく離されず、相手にプレッシャーをかけられるように前々でレースをしました。見た目より馬場が重かったし、止まって、もしそこへフクイズミが突っ込んできたら差し返せないと思ったので、緊張して乗っていました。この調子を維持してもらって、ばんえい記念でも頑張りたいですね」

2/14バレンタインカップ回顧

2010年2月15日(月)

ダイリンビューティ女王の座をもぎ取る!

 14日(日)は重賞・バレンタインカップ(3歳牝馬オープン)が行われ、1番人気のダイリンビューティが勝利。ヤングチャンピオンシップに続く2度目の挑戦で、重賞初制覇を果たしました。

 道中は重馬場もあって、各馬様子をうかがいながらの競馬。さほど縦長の展開とはならず、横一線の状態で第2障害を迎えました。
 ひと呼吸おいて仕掛けたのはホクショウシャネル、スーパートップヒメ、メンコイワタシの3頭。それにダイリンビューティが続き、各馬の動きが活発になりました。難関を最初にクリアしたのはホクショウシャネルで、2馬身ほど遅れてダイリンビューティ、さらに2馬身後方からスーパートップヒメが追いかける展開。以下、アオノラブチャン、ツジノコウフクヒメと続きました。
 快調に逃げていたホクショウシャネルでしたが、残り20メートル付近から脚いろが鈍りはじめ、ダイリンビューティがジワジワと接近。しかし、残り10メートル手前でホクショウシャネルがストップ。これをダイリンビューティが交わしましたが、脚いろは微妙。残り5メートルで今度はダイリンビューティの脚が止まってジ・エンドと思われましたが、なんとホクショウシャネルもゴール線を越えたところで痛恨のストップ。手に汗握る攻防は結局ダイリンビューティに軍配が上がり、世代女王の座を手にしました。懸命に立て直したホクショウシャネルが2着で、終いまで脚を伸ばしたツジノコウフクヒメが3着。

 特別・白菊賞制覇に続き、牝馬同士なら力上位を示したダイリンビューティ。620キロを曳き、馬場水分2.3%の重馬場に苦しみつつ、最後の攻防を制したのは、今後へ向けての大きな収穫でしょう。白菊賞当時は7番人気の低評価でしたが、これで名実ともに世代牝馬の頂点。来年度の牝馬三冠でも大いに期待できそうです。

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細川弘則騎手「今回の一戦に向けては、かなりの手ごたえがあって事故がない限りは勝てるだろうと思っていましたが、さすがに620キロは重くて、自分が思っていたよりもやや苦戦しましたね。将来のある馬ですから、いやな思いをさせないように、張り切ってゴールができるように心がけました。最初はホクショウシャネルが止まった時に同時に止まって息を入れよう、とかいろいろ考えていたのですが、もう少し歩けそうだと思って欲を出して頑張らせました。結果的にホクショウシャネルがもう一度止まってタナボタみたいなかたちで勝ちましたが、あの前にもうひと息入れるレースができていれば、もう少し格好いいレースのかたちになったかな、と思います。乗るたびに馬が良くなっていて、大人になって、力強くなっているので、レースをこなしていくにつれて良くなっていくのは間違いないと思います。現段階では牡馬のほうに分がありますが、牝馬同士なら名馬になってくれるでしょう。久々の重賞制覇で、気分は最高ですね」

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