ニシキダイジン力強く逃げ切る!
14日(日)は重賞・ばんえいグランプリ(3歳以上、ファン投票)が行われ、単勝2番人気のニシキダイジンが優勝。7月の北斗賞に続き、今季の重賞2勝目を挙げました。
夕方から降り出した雨により馬場水分は3.8%に上昇。道中はニシキダイジン、ホクショウダイヤが先行して、以下は横一線。馬場の影響か、高重量戦のわりには軽快なペースでレースは進みました。
とはいえ800キロオーバーの一戦だけに、当然第2障害下では各馬じっくりためる展開。真っ先に動いたのは大方の予想通りニシキダイジン。ウメノタイショウ、ホクショウダイヤも続き、ギンガリュウセイ、圧倒的な単勝1番人気に推されたカネサブラックも登坂を開始しました。しかしニシキダイジンはグイグイ荷物を曳き上げると、ひと腰でこれをクリア。対してカネサブラックはヒザを折ってしまい大苦戦。離れた2番手クリアはキタノタイショウで、並んで下りたのは、なんとフクイズミ。じっくりためていたフクイズミは、課題の第2障害をひと腰でクリアする完璧な登坂を見せました。
ニシキダイジンは遙か前方でセーフティーリードともいえるほど差を広げていましたが、フクイズミがいつもの爆発的な末脚を発揮。残り20メートルを切ったあたりから一気に差を詰めにかかります。しかしニシキダイジンもさすがにばんえい記念馬。軽馬場を味方につけ、懸命に逃げ切りを図ります。そして1馬身ほどの差でフクイズミを振り切り、4連勝で重賞7勝目を挙げました。障害5番手から押し上げたホクショウダイヤが3着で、人気の中心カネサブラックは6着に敗れました。
ニシキダイジンは08年に続くこのレース2勝目で、前述の通り4連勝。本来は力の要る馬場での粘り腰が持ち味であり、軽馬場でスピード負けしなかった面は高く評価できます。まさに充実期を迎えている印象で、今季もさらにタイトルを積み重ねていくことでしょう。
フクイズミは課題の障害をきっちりまとめたことが好走の要因。終いに捉えきれなかったのは、相手が一枚上だったとしか言いようがありません。ただ、こうした競馬ができればビッグタイトル獲得のチャンスも十分。今後もその末脚に注目です。
対してカネサブラックは精彩を欠き、07年のこのレース以来、実に4年ぶりとなる着外となりました。ヒザ折りが響いたのも否めませんが、それがなかったとしても、完璧なレース運びを演じた今回のニシキダイジンに勝てたかどうかは疑問。今後の立て直しと巻き返しに期待したいところです。
鈴木恵介騎手「雨が降ってきたので、いつもの先行逃げ切りの競馬を意識しました。(フクイズミの)白い馬体が見えたけど、最後は何とかなるかなと思いましたね」