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重賞(特別)回顧 アーカイブ

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3/14イレネー記念回顧

2010年3月15日(月)

テンマデトドケが世代チャンプに

 14日(日)は2歳シーズンのチャンピオン決定戦・イレネー記念(3歳オープン)が行われ、単勝1.3倍の圧倒的人気に推されたテンマデトドケが優勝。ナナカマド賞に続く重賞2勝目を挙げ、世代最強を証明しました。

 道中はミスタートカチが引っ張る流れで、初の670キロ、馬場水分2.4%ながらやや速めのペース。障害中間点を過ぎてから徐々に馬群が凝縮され、各馬一団の状態で第2障害を迎えました。
 ひと呼吸入れて、真っ先に動いたのはホクショウバトル。これにミスタートカチが呼応し、さらに一歩遅れてテンマデトドケも登坂を開始。ひと腰で登り切ったのはテンマデトドケで、微差でミスタートカチが続いて第2障害を下りていきました。以下、ホクショウバトル、アウルメンバーの順でクリア。
 先頭のテンマデトドケは快調に逃げ、残り30メートルでミスタートカチを振り切ると、そのまま独走。残り5メートル付近でいったん脚を止めましたが、その時点で後続は残り20メートル付近におり、十分なセーフティーリード。ゆっくり立て直して荷物を運びきり、重賞2勝目のゴールを果たしました。粘り込みを図るミスタートカチに、追い込んできたアウルメンバーが並び掛け2着争いは大激戦となりましたが、ゴール線手前でアウルメンバーがストップして決着。ミスタートカチが2着入線を果たし、アウルメンバーが3着となりました。

 15秒4の着差が示す通り、大楽勝を演じたテンマデトドケ。定量戦なら力の違いは歴然で、名実ともに世代チャンピオンとなりました。これでデビューから【11・4・5・1】と抜群の成績で、多少のハンデ差も克服できる力量の持ち主。今後の飛躍が大いに期待できそうです。
 ミスタートカチはナナカマド賞(2着)同様、終始レースをつくりながらの2着。アウルメンバーが最後に止まったとはいえ、競り合いを制した内容も上々でした。現状ではテンマデトドケとの力差が感じられますが、今後の成長次第では楽しみな1頭となりそうです。

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大河原和雄騎手「デビューからイレネー記念を目標にしてきて、やっと達成できました。たえず前向きなところが長所で、レースではできるだけ馬を興奮させないように乗りました。ばんえい記念を勝てるほどの馬に育ってほしいですね。(昨年に続く連覇に)何度勝ってもうれしいレースですし、また来年も勝ちたいです」

2/28チャンピオンカップ回顧

2010年3月 1日(月)

カネサブラックがサバイバル戦を制す!

 28日(日)は重賞・チャンピオンカップ(4歳以上、今年度重賞優勝馬)が行われ、カネサブラックがトップハンデをものともせず快勝。NARグランプリばんえい最優秀馬の力を見せつけ、通算10個目のタイトルを手にしました。

 各馬800キロ前後と、さほど重量を課せられていない一戦。ただ馬場水分が2.8%と重めなのが影響して、道中はスローペース。ライデンロック、カネサブラック、エンジュオウカンなどが先行して第2障害を迎えました。
 最初に動いたのはエンジュオウカンでしたが、ひと息入れて仕掛けたライデンロックとカネサブラックが抜群の掛かり。両馬がひと腰で荷物を曳き上げ、ライデンロック、カネサブラックの順でクリアしました。遅れてオレワスゴイ、ワタシハキレイズキが並んで下り、さらに遅れてフクイズミも追撃態勢に入りました。
 ライデンロックは徐々に脚いろが鈍って残り30メートル付近でストップし、カネサブラックがゆうゆうと先頭へ。残り20メートル付近で2番手追走のオレワスゴイの脚が止まって、浮上してきたのがフクイズミでした。松井浩文厩舎のワンツー態勢となり、人気サイドでの決着かと思われた残り10メートル地点。しかし、ここでフクイズミが痛恨のヒザ折りを喫してしまいます。立て直しにも時間が掛かり、その間にライデンロックとオレワスゴイに交わされて4番手に後退してしまいました。一方、先頭のカネサブラックは盤石の態勢で、ゴール線上でいったん脚を止めたものの、即座に立て直して余裕のゴールイン。同厩2頭の明暗が分かれる結果となりました。再三脚を止めながら激しい攻防を演じたライデンロックとオレワスゴイの2着争いは、0秒3差でライデンロックに軍配。フクイズミは4着入線となりました。

 ゴール前でのフクイズミのヒザ折りに加えて、ライデンロックとオレワスゴイが何度も脚を止めたことを考えると、今回の一戦は想像以上にパワーが要求された一戦でした。重馬場のなか第2障害で各馬が早めに仕掛けたのが、このサバイバル戦を誘発したと思われます。そうしたなかで、トップハンデを曳きながら完勝を演じたカネサブラック。やはりここでは力が違ったと言うべきでしょう。頂点・ばんえい記念へ、最高のかたちで臨むことができそうです。
 今回の勝利で、松井浩文厩舎は今年度の牡牝混合・古馬重賞完全制覇へ向けリーチが掛かりました。残す一戦は、もちろんばんえい記念。スーパーペガサスに並ぶ同レース4連覇を目指すトモエパワー、切れ味鋭いフクイズミ、そしてカネサブラック。最強の布陣で挑むことになりそうです。
 ライデンロック、オレワスゴイの両5歳馬が2、3着。ライデンロックは昨年のこのレース(5着)以来2回目の古馬重賞、オレワスゴイは初挑戦で、十分に通用することを証明しました。カネサブラックの破竹の勢いが続いているなかで、こうした若駒の台頭は頼もしい限り。次代を担う両馬の走りに、今後も注目です。

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松田道明騎手「こんな強い馬に巡り会えて、騎手として最高です。トップハンデに加えて(若駒とのレースで)いつもと違った流れというのもあるので、自分の馬を信じて、一番強い馬に乗っているということを意識して、相手をどうしたらつぶせるかということを考えて乗りました。ライデンロックが逃げていましたが、なるべく離されず、相手にプレッシャーをかけられるように前々でレースをしました。見た目より馬場が重かったし、止まって、もしそこへフクイズミが突っ込んできたら差し返せないと思ったので、緊張して乗っていました。この調子を維持してもらって、ばんえい記念でも頑張りたいですね」

2/14バレンタインカップ回顧

2010年2月15日(月)

ダイリンビューティ女王の座をもぎ取る!

 14日(日)は重賞・バレンタインカップ(3歳牝馬オープン)が行われ、1番人気のダイリンビューティが勝利。ヤングチャンピオンシップに続く2度目の挑戦で、重賞初制覇を果たしました。

 道中は重馬場もあって、各馬様子をうかがいながらの競馬。さほど縦長の展開とはならず、横一線の状態で第2障害を迎えました。
 ひと呼吸おいて仕掛けたのはホクショウシャネル、スーパートップヒメ、メンコイワタシの3頭。それにダイリンビューティが続き、各馬の動きが活発になりました。難関を最初にクリアしたのはホクショウシャネルで、2馬身ほど遅れてダイリンビューティ、さらに2馬身後方からスーパートップヒメが追いかける展開。以下、アオノラブチャン、ツジノコウフクヒメと続きました。
 快調に逃げていたホクショウシャネルでしたが、残り20メートル付近から脚いろが鈍りはじめ、ダイリンビューティがジワジワと接近。しかし、残り10メートル手前でホクショウシャネルがストップ。これをダイリンビューティが交わしましたが、脚いろは微妙。残り5メートルで今度はダイリンビューティの脚が止まってジ・エンドと思われましたが、なんとホクショウシャネルもゴール線を越えたところで痛恨のストップ。手に汗握る攻防は結局ダイリンビューティに軍配が上がり、世代女王の座を手にしました。懸命に立て直したホクショウシャネルが2着で、終いまで脚を伸ばしたツジノコウフクヒメが3着。

 特別・白菊賞制覇に続き、牝馬同士なら力上位を示したダイリンビューティ。620キロを曳き、馬場水分2.3%の重馬場に苦しみつつ、最後の攻防を制したのは、今後へ向けての大きな収穫でしょう。白菊賞当時は7番人気の低評価でしたが、これで名実ともに世代牝馬の頂点。来年度の牝馬三冠でも大いに期待できそうです。

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細川弘則騎手「今回の一戦に向けては、かなりの手ごたえがあって事故がない限りは勝てるだろうと思っていましたが、さすがに620キロは重くて、自分が思っていたよりもやや苦戦しましたね。将来のある馬ですから、いやな思いをさせないように、張り切ってゴールができるように心がけました。最初はホクショウシャネルが止まった時に同時に止まって息を入れよう、とかいろいろ考えていたのですが、もう少し歩けそうだと思って欲を出して頑張らせました。結果的にホクショウシャネルがもう一度止まってタナボタみたいなかたちで勝ちましたが、あの前にもうひと息入れるレースができていれば、もう少し格好いいレースのかたちになったかな、と思います。乗るたびに馬が良くなっていて、大人になって、力強くなっているので、レースをこなしていくにつれて良くなっていくのは間違いないと思います。現段階では牡馬のほうに分がありますが、牝馬同士なら名馬になってくれるでしょう。久々の重賞制覇で、気分は最高ですね」

1/31ヒロインズカップ回顧

2010年1月31日(日)

エンジュオウカンが牝馬戦線の主役へ

 30日(日)は重賞・ヒロインズカップ(4歳以上牝馬オープン)が行われ、エンジュオウカンが勝利。昨年5月のカーネーションカップ以来、重賞6勝目を挙げました。

 道中は重馬場(馬場水分2.7%)もあって、ゆったりとしたペースでしたが、エンジュオウカン、トカチプリティーあたりが先行してややバラついた展開。ただ障害中間点を過ぎるころには各馬一団となって、第2障害を迎えました。
 積極的に第2障害に挑んだのは、トカチプリティー、ギャンブラークイン、エメラルド。さらにニシキユウとペガサスプリティーも仕掛けますが、各馬決定力に欠けるなか、抜群の掛かりを見せたのがエンジュオウカン。ひと腰であっさりクリアし、一気にリードを広げます。だいぶ遅れてニシキユウとワタシハスゴイが突破。エメラルド、トカチプリティー、ギャンブラークインと続いていきました。
 しかし、先頭のエンジュオウカンはゆうゆうひとり旅。確かな脚いろのまま残り10メートルを過ぎると、2着に14秒3もの差をつける完璧なレースを演じ、圧倒的な力を見せつけつけました。ニシキユウとワタシハスゴイによる激しい2着争いは、ゴール前でグイッと伸びたワタシハスゴイに軍配。圧倒的1番人気に推されたフクイズミはゴール前で豪快に脚を伸ばしたものの、障害でのヒザ折りが響き、4着まで押し上げるのが精一杯でした。

 今回は重量にも恵まれた感があるエンジュオウカンですが、かつて快速として鳴らしたスピードは健在。ただスピードのみならず、タメにタメてのひと腰クリアに、レースぶりにも成熟度を増した印象です。カーネーションカップ制覇と併せれば牝馬同士での力上位は明らかで、再度重賞戦線を沸かせてくれることでしょう。
 オークス馬ワタシハスゴイが、この相手で2着。決して軽くはない重量760キロでの好走だけに、非常に価値の高いものと言えます。それを考えると現4歳勢はハイレベル。今後、ワタシハスゴイを含めた4歳勢の活躍が期待できそうです。

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鈴木恵介騎手「第2障害下ではだいぶ行きたがったけど、他馬を見ていると障害で苦しんでいたぶん、ひと呼吸、ふた呼吸入れられたので障害をうまく上がることができました。今後も障害力を生かせば、いいレースができると思います」

1/3天馬賞回顧

2010年1月 4日(月)

オレワスゴイ久々の重賞制覇!

 3日(日)は重賞・天馬賞(5歳オープン)が行われ、オレワスゴイが勝利。2歳シーズン時のイレネー記念以来、久々の勝利を挙げました。

 馬場水分は4.2%とやや重めながら、各馬の行き脚は軽快。単勝1番人気のライデンロックのほか、キンセイモン、フレイムスワローあたりがやや抜け出して先頭。その1、2馬身圏内で他馬が横一線で続き、第2障害を迎えました。
 第2障害に真っ先に挑んだのはフレイムスワロー。これに呼応するようにライデンロックが続き、やや遅れてキンセイモンとオレワスゴイ、ニシキエースあたりも登坂を開始しました。先頭でクリアしたのはフレイムスワロー。差なくライデンロック、ニシキエースが並んで難関を突破。キンセイモンとオレワスゴイも圏内で越えていきました。
 残り30メートル付近で抜け出したのはライデンロックで、後続4頭に1馬身ほどのリードを保って逃げます。このまま...、と思われたものの、次第に4頭との差が詰まり始め、残り5メートルで半馬身、ゴール線に馬体が入ったところでクビ差。追撃するオレワスゴイ、キンセイモンが、最後の逆転にかけて末脚を伸ばします。そしてソリの後端は...、わずかにオレワスゴイが先頭でゴール線を通過。0.2秒差でキンセイモンが続き、さらに1.2秒後にライデンロック、ニシキエースの順で入線しました。

 定量戦とは思えないようなゴール前の大激戦。勝負根性が問われるゴール前でグッと抜け出したのはオレワスゴイでした。さかのぼれば能力検査時に1番時計を出して将来を嘱望された素質馬で、イレネー記念制覇による賞金額から常に格上と戦い、同世代との一戦でもハンデを課せられてきました。それでも昨年9月にはトカチプリティーやホシマツリといったオープン馬を相手に勝利しており、同世代の定量戦、得意の重馬場なら巻き返しの余地は十分だったと言えるでしょう。今後はパワーと勝負根性が問われるレースが多くなるだけに、活躍の場が増えてくるはず。復活を遂げた2歳チャンプの走りに注目です。
 キンセイモンはここまで11戦連続3着以内の勢いを見せつけた格好。重賞での好走もこれが初めてで、着実に力をつけてきた印象です。一度波に乗ると好調が持続するタイプだけに、極端なハンデを課せられなければ次走も勝ち負けが期待できるでしょう。
 世代チャンプの座にもっとも近い存在だったライデンロックは、終いに踏ん張りきれず3着。障害でもたついた銀河賞とは打ってかわっての強気の積極策でしたが、結果的に目標にされる格好になってしまいました。ただ、ナリタボブサップらオープン馬と好勝負を演じた実力は世代上位のもの。今後の巻き返しの余地は十分です。

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藤本匠騎手「世代限定では最後の重賞なので、勝たせることができてよかったです。ライデンロックが前にいて、それを目標にレースができました。最後はキンセイモンと叩き合いになったので、かえってよかったのかなと思います。もともと実力はある馬なので、これからもっともっと上が目指せると思います」

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