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重賞(特別)回顧 アーカイブ

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11/29北見記念回顧

2009年11月30日(月)

カネサブラックがきっちり差し切る!

 29日(日)は重賞・北見記念(3歳以上オープン)が行われ、3番人気の、カネサブラックが勝利。トップハンデ880キロをものともせず、今季重賞4勝目を飾りました。

 馬場水分は4.3%とやや低めで高重量戦とあって、道中はゆったりとしたペース。障害中間点あたりでニシキダイジンが主導権を奪い、最大3馬身ほどリード。ほぼ横一線で続く各馬を引き連れて、第2障害を迎えました。
 じっくりタメたのちに仕掛けたのは、やはりニシキダイジン。これにトモエパワーも続きますが、ともに苦戦を強いられます。さらに脚をタメていた各馬がようやく腰を上げると、抜群のかかりを見せたのはナリタボブサップ。これにアローファイター、先に登坂態勢に入っていたニシキダイジンが続き、並ぶようにしてクリア。さらに1馬身ほど後ろから、カネサブラックも続いていきました。
 懸命に逃げるナリタボブサップを目標に、残り30メートル付近でカネサブラックが2番手に浮上。しかし2頭の1馬身差はなかなか詰まらず、このまま逃げ切りかと思われた残り10メートル。ナリタボブサップの脚いろが一気に鈍り、最後の力を振り絞ってカネサブラックも猛追。そして並びかけたその瞬間がゴールライン。0秒2差の大接戦は、カネサブラックに軍配が上がりました。1番人気のフクイズミはヒザ折りでリズムを崩しながらも、障害5番手から猛追して3着。

 これが「勢いのなせる業(わざ)」と言うものでしょう。今季ここまで【5・1・0・1】、重賞3勝と波に乗っているカネサブラックが、大接戦の末に勝利。単勝3番人気が示す通り、今回は880キロのトップハンデもあってけっして楽ではなかった一戦。そしてその通りに苦しいレース展開でした。しかし、それでも結果を出したあたり、想像以上の充実ぶりと言えるでしょう。これで今季6レース行われた古馬重賞のうち、カネサブラックが4勝で、残り2勝はフクイズミ(旭川記念、ばんえいグランプリ)。すなわち松井浩文厩舎の全勝で、今後もさらにこの厩舎から目が離せなくなりました。
 ナリタボブサップは岩見沢記念に続いての2着。今季は重賞で【0・3・2・0】と抜群の安定感を誇る反面、勝ち切れないのも事実。終いの詰めの甘さは、今後も課題となりそうです。

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松田道明騎手「今日はトップハンデということで障害でヒザを折る確率も高かったですから、その点に気をつけて、あとはタメ込んで力を発揮させようと思っていました。ボブサップも思ったより先に行かなかったし十分に息も入れられたので、万全の状態で障害をクリアできました。残り30メートルあたりで追い込みに入った時に、ボブサップの動きが思わしくないように見えたので、ここは少しタメ込んでゴール間際に賭けようと思って追い出しを我慢しました。なんとかうまくいきましたね」

11/1ばんえい菊花賞回顧

2009年11月 2日(月)

キタノタイショウ世代最強を証明!

 1日(日)は3歳三冠の第2弾・ばんえい菊花賞(3歳オープン)が行われ、キタノタイショウが優勝。イレネー記念に続く勝利で、世代上位の力を見せつけました。

 第1障害ではヒマワリカツヒメがやや遅れるかたちでしたが、徐々に追いついてほぼ横一線で中間点を通過。軽馬場もあってか、やや速い展開でレースが進んでいきました。障害手前で3、4頭が息を入れ、結局はバラついた隊形で勝負どころの第2障害へ。
 間髪入れずに仕掛けたのはワタシハキレイズキ。しかし続けて仕掛けたアオノレクサスの白い馬体もグイグイ上がり、結局はアオノレクサスが先頭でクリア。一気に突き放したいところでしたが、そうはさせじと、障害でじっくりタメていたキタノタイショウがひと腰で荷物を上げきり、2番手で障害を越えていきました。差なくホクショウバンク、ワタシハキレイズキ、ワタシハスゴイが続く展開。
 先頭を行くアオノレクサスの脚が鈍りはじめ、一気に差を詰めたのがキタノタイショウ。目を見張るような豪快な末脚を繰り出し、残り20メートル付近で追いつき、残り10メートルで完全に抜け出す圧倒的なレースぶり。結果、1馬身半ほどの差をつけてゴールを駆け抜けました。粘ったアオノレクサスが2着で、3着にはホクショウバンク。イレネー記念とまったく同じ1~3着となりました。

 キタノタイショウは前述の通り重賞2勝目。一冠目のばんえい大賞典は重量を課せられることを嫌って回避しましたが、2歳チャンプの名に恥じないレースぶりで世代最強を証明しました。持ち前のスピードに加え、ここへきて馬体を着実に増やしたことからも力強さを増した印象。さらなる重量増加にも対応できそうで、今後の飛躍が大いに期待できそうです。
 アオノレクサスは抜群の障害力を見せましたが、イレネー記念同様にキタノタイショウに交わされての2着。ばんえい大賞典ではトップハンデを課せられて7着でしたが、定量戦のここなら話は別。やはり世代上位の力を持っていることは間違いなく、しまいの粘りが増せば、悲願の重賞初制覇も可能性十分です。
 ゴール前でも確かな脚取りを見せていたホクショウバンクですが、結局アオノレクサスを捉えきれず3着。ただ結果的には障害の差と言えそうで、展開次第では逆転可能な範囲。今後の巻き返しに期待できそうです。

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大河原和雄騎手「スタッフが万全に仕上げてくれたので、あとは自分がいかに操縦するか、それだけでした。軽めの馬場も天からのプレゼントでしたね。第2障害を上がった時点で、イケると確信しました。ばんえい菊花賞はこれまでも多くの名馬に獲らせてもらっていますが、調教師に初めてこのレースをプレゼントすることができましたね」

10/25クインカップ回顧

2009年10月26日(月)

ユーファンタジー重賞初制覇!

 25日(日)は重賞・クインカップ(4歳牝馬オープン)が行われ、単勝1番人気のユーファンタジーが快勝。重賞初制覇を果たしました。

 キタノメイゲツが出走取消となり9頭立て。やや乾いた馬場で、砂煙をもうもうと上げて各馬が第1障害を通過。スマイルダンスやニシキエースあたりが代わるがわる先頭に立ちながら、ほぼ横一線で第2障害を迎えました。
 真っ先に仕掛けたのはユーファンタジーで、ほぼ同時にカネサローズとスマイルダンスも登坂開始。なかでもユーファンタジーが抜群の掛かりを見せ、勢いよく荷物を引き上げると先頭でクリア。2、3馬身ほど遅れてスマイルダンスも障害を下りていき、同じような間隔でキクノリアルとカネサローズも続きました。
 先頭のユーファンタジーの逃げ脚は快調で、後続との差を一気に広げる展開。残り10メートル付近でいったん脚が止まったものの、十分なリードを保っていたのが奏功。結局、余裕の手応えのまま後続に7秒差をつけて逃げ切り勝ちを収めました。先に下りたスマイルダンスと追ってきたキクノリアルによって演じられた2着争いは、残り5メートル付近で前に出たキクノリアルに軍配。以下スマイルダンス、ハギノプリンセス、キタノハヤカゼと入線しました。

 ここへきてグングン調子を上げてきたユーファンタジーが、勢いそのままに重賞制覇。ばんえいプリンセス賞、ばんえいオークスでともに4着と、上位の力を示していましたが、これで一気に世代牝馬の頂点もうかがえる存在であることをアピールしました。700キロを曳いたニシキエースを別とすれば他馬より10~20キロ重い荷物を課せられていただけに中身も濃く、今後の古馬牝馬重賞でも期待が持てそうです。
 キクノリアルは軽量660キロが味方したとはいえ、最後にスマイルダンスを交わしきったあたりは地力強化の証明。勝ちきるにはさらなるパワーアップが必要と思われますが、今後もクラス面から軽ハンデが予想されるだけに、侮れない1頭となりそうです。

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安部憲二騎手「重量は前走より50キロもアップしましたが、前走、前々走と調子は上向いていました。障害の天板でヒザを折ったりするので、それだけを気をつけていました。(鈴木恵介騎手がライバル視していたが)ここでは格が違うかなと思っていたので、それが証明できて良かったです」

10/18岩見沢記念回顧

2009年10月19日(月)

カネサブラックが実力を見せつける!

 18日(日)は重賞・岩見沢記念(3歳以上オープン)が行われ、1番人気のカネサブラックが勝利。2年連続で2着だったうっぷんを、見事に晴らしました。

 レースはホッカイヒカルが出遅れて後方から。ナリタボブサップ、フクイズミ、ニシキダイジンらが先行しますが、さすがに高重量戦だけにスローペース。ホッカイヒカルを除く各馬は、ほぼ横一線で第2障害を迎えました。
 真っ先に第2障害に挑んだのはニシキダイジンで、トモエパワーも登坂開始。ニシキユウ、ナリタボブサップ、フクイズミもこれに続きますが、各馬決定打は繰り出せず。そこへタメにタメたカネサブラックが動くと、力強い登坂を見せてひと腰でクリア。一気に後続との差を広げにかかりました。4、5馬身ほどの差でナリタボブサップ、ニシキダイジンが障害を突破。さらに4、5馬身ほど後ろからフクイズミが続きました。
 鈴木恵介騎手の懸命の手綱にこたえてナリタボブサップが差を詰めに掛かりますが、先頭を行くカネサブラックの手応えは余裕たっぷり。松田道明騎手が時おり気合をつける程度で後続との差を保ち、そのままゆうゆうとゴールまで荷物を運びきりました。ナリタボブサップは追い上げ届かず2着まで。以下ニシキダイジンが続き、フクイズミは末脚不発で4着。

 カネサブラックはばんえい十勝オッズパーク杯、北斗賞に続き、早くも今季重賞3勝目。崩れたのは旭川記念(4着)だけで、ほか6戦は連対を確保と、抜群の安定感を見せています。定量戦の北斗賞は当然として、今回はトップハンデ850キロを曳きながらの勝利。いまやばんえいを代表する地位に登りつめたと言って過言ではないでしょう。今後の活躍がますます楽しみです。
 四市冠競走全制覇の偉業が掛かっていたナリタボブサップは2着。前走の競走除外もあって間隔が空きましたが、本来の力は見せたと言えるでしょう。思えば同馬も、今季【3・4・2・1】と安定感ある走り。脚元さえ落ち着けば頂点をうかがえる存在であることは確かで、今後も注目の1頭です。

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松田道明騎手「きょうはどれくらいの馬場状態になるか考えて、レース間際まで調教師と位置取りの相談をしていましたが、結局ナリタボブサップを捉まえられる位置につけようという結論になりました。でも馬場に恵まれたし馬の状態もすごくいいので、思った以上に動いてくれましたね。本当に強い勝ち方をしてくれました。今後はハンデを背負うぶん不利な面もありますが、実力を出せるように頑張って騎乗していきたいと思います」

9/27ナナカマド賞回顧

2009年9月28日(月)

テンマデトドケ、長澤騎手ともに重賞初制覇!

 27日(日)は2歳世代では初の重賞となるナナカマド賞(2歳オープン)が行われ、2番人気のテンマデトドケが勝利。今年1月デビューの長澤幸太騎手とともに、重賞初制覇を果たしました。

 道中はミスタートカチがやや速めのペースで先導し、バラついた展開。第2障害に近づくにつれ各馬の差は徐々に詰まりましたが、そのままミスタートカチが先頭で勝負どころを迎えました。
 ひと息入れて仕掛けたミスタートカチは、抜群の掛かりを見せてあっさり天板へ。1番人気のホクショウバトルが、やや体勢を崩しながらもこれに続き、ほぼ並んでテンマデトドケとハクバオウジもクリアしていきました。
 独走態勢を築いていたミスタートカチでしたが、残り25メートル付近でいったんストップ。そこへ後続3頭が並びかけ、4頭が横一線で残り10メートル。ここでグイッと抜け出したのがテンマデトドケ。重馬場に苦しむ各馬とは対照的に、しっかりした脚取りで荷物を運びきりました。体勢を立て直したミスタートカチが0秒8差で2着を確保。ホクショウバトルはゴール線上で止まったものの、後続を振り切って3着入線を果たしました。

 テンマデトドケはこれで【5-2-3-1】で、唯一の着外はトップハンデを背負わされた一戦だけと抜群の安定ぶり。各馬の脚が止まっていたレース終盤でもしっかりした脚取りを見せていたのは、実力の証明でしょう。今後は重量との戦いとなりますが、5〜10キロ程度のハンデ差なら軽視することはできないでしょう。
 ミスタートカチが青雲賞(4着)から前進。一度は止まったにせよ、終始レースを引っ張りつつ粘り通したレースぶりは高く評価できます。新馬戦を大差勝ちしたのはダテではなく、今後も卓越したスピードに注目です。

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長澤幸太騎手「道中で気を抜く面があるので、その点に気をつけて一生懸命追いました。障害を下りたら、馬に“頑張ってくれ”と思っていましたが、その通り頑張ってくれましたね。ゴールの瞬間は1着か2着かわからなかったので、あとでリプレイを見て“やった“と思いました。本当に嬉しいです」

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