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重賞(特別)回顧 アーカイブ

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10/19クインカップ回顧

2008年10月20日(月)

ツバキダイヤ重賞初挑戦・初制覇!

 19日(日)は重賞・クインカップ(4歳牝馬オープン)が行われ、5番人気のツバキダイヤが勝利。重賞初制覇を果たしました。

 道中はアグリタカラ、ヒカルアサヒ、エリザベスライデンといった面々が先行。これにニシキガールやツバキダイヤが加わり、さらにニシキガールが前に出たところで第2障害を迎えました。
 最初に仕掛けたのはニシキガールでしたが、まったく登る気を見せず、遅れて仕掛けたアグリタカラが真っ先に天板に脚を掛ける展開。しかし、さらに遅れて登りはじめたツバキダイヤが一気に荷物を上げきると、先頭で障害を下っていきました。これをアグリタカラ、トモエマツノ、ヒカルアサヒの3頭が追撃するかたち。
 ツバキダイヤはやや鈍い脚いろながらも、2馬身ほどの差でしぶとく先頭をキープ。これをトモエマツノが激しく追い立てますが、逆に残り15メートル付近でトモエマツノはストップ。こうなると完全にツバキダイヤが抜け出した格好で、最後にペガサスプリティーが突っ込んできたものの、セーフティーリードを保ったままゴールを迎えました。障害6番手から脚を伸ばしたペガサスプリティーが2着で、3着にはジワジワ追い上げたヒカルアサヒが入線。

 重賞初挑戦ということもあり、今回は気楽な立場で臨めたツバキダイヤ。しかしそうはいっても、重賞で障害先頭クリアから押し切るのは並大抵のことではなく、加えてしまいに見せた粘り腰は実力の証明と言えるでしょう。今後マークされる立場になってから真価が問われることになりますが、牝馬重賞戦線に楽しみな馬が現れたことは間違いありません。
 2着のペガサスプリティーは、ハンデ690キロを考えればもっとも強い競馬を演じたと言えます。障害次第で重賞制覇のチャンスは十分。今後もそのレースぶりに注目です。

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鈴木恵介騎手「この馬には初騎乗でしたが、一緒のレースには乗っていたので、長所も短所もわかっていました。勝つということをあまり意識せずに乗れたのが勝因でしょう」

10/5岩見沢記念回顧

2008年10月 6日(月)

フクイズミが完璧な差し切り勝ち

 5日に行われた伝統の一戦、岩見沢記念(3歳以上オープン)は紅一点のフクイズミが勝利。4つめの重賞タイトルを手にしました。

 基本重量840キロの高重量戦だけに、道中は非常にゆったりとしたペース。ホクショウダイヤが後方に構えた以外は、各馬ほぼ横一線のままで第2障害を迎えました。
 例によってニシキダイジンが最初に仕掛け、その内からミサイルテンリュウ、最内枠からトモエパワーが続く展開。しかし外からナリタボブサップが圧巻の登坂力を見せ、ひと腰でこれをクリア。やや遅れてカネサブラックが続き、さらに1馬身程度の差でフクイズミも越えていきました。
 残り30メートル付近で3頭が横並びの状態となり、ナリタボブサップにとっては苦しい展開。さらに20メートル付近でフクイズミが満を持して抜け出すと、ここで勝負あり。食い下がるカネサブラックを、逆に突き放す圧倒的なレースぶりでゴールを駆け抜けました。カネサブラックはゴール直前でストップしましたが2着で入線。ナリタボブサップも最後に脚が止まったものの、3着を確保しています。

 終い確実なフクイズミが3番手で障害をクリアした時点で連対圏への突入は十分予想がつきましたが、その予想を上回るような圧巻の差し切り勝ち。特に最後の脚いろは、とても820キロを曳いているものとは思えませんでした。今季は勝ちきれないシーンも目立ちますが、8戦してすべて4着以内と相変わらずの安定ぶり。障害次第の面こそありますが、今後も超一線級での活躍が期待できそうです。
 2着にカネサブラックが入り、松井浩文厩舎のワンツーフィニッシュ。7月のオープン後、ひと息入れたのが功を奏した印象で、前走の勝利に続く連対となりました。安定した障害やスピードに定評がありますが、高重量戦もこなせるオールラウンダー。その持ち味を十分に発揮できた一戦と言えるでしょう。
 ナリタボブサップは本来ならもう少し粘れるはずで、残り20メートル付近での失速は馬場が味方しなかった結果と見ます。850キロを曳きながらひと腰で第2障害を上がったシーンは圧巻のひと言で、存在感は示した格好。四市冠競走全制覇こそお預けとなりましたが、まだまだ注目の1頭であることには変わりありません。

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尾ヶ瀬馨騎手「第2障害に課題がある馬なので、それをうまくまとめることを考えていました。第2障害を下りた時点で勝てるだろうと思いましたね」

9/28ナナカマド賞回顧

2008年9月28日(日)

ホクショウバンクが素質を見せつける!

 28日(日)は、4年ぶりに重賞格付けされたナナカマド賞(2歳オープン)が行われ、ホクショウバンクが断然人気に応えて勝利。この世代初の重賞ウイナーとなりました。

 道中は平均ペースで進み、各馬一団のまま第2障害へ。真っ先に仕掛けたキンノカミが先頭で第2障害を下りたものの、1馬身程度の差で5頭が横一線で追いかける展開。この2番手集団の中からホクショウバンクのエンジンが掛かり、残り30メートル付近で先頭へ。ワタシハスゴイが追撃するように2番手に浮上しましたが、2頭の差は1馬身から詰まらず。結局ホクショウバンクが押し切り、先頭でゴールしました。2着にワタシハスゴイが入り、混戦となった3着争いはタワノアヤカが制しました。

 ホクショウバンクは今年最初の能力検査で1番時計を出し、デビュー前から期待されていた素材。これまで11戦して大敗したのは1度(6着)だけで、あとはすべて3着以内と安定した力を見せています。今回の一戦で目立ったのは、3着以下の各馬がゴール手前で詰まるなか、きっちり終いまで歩ききった末脚の確かさ。スピード一辺倒ではないことを証明し、今後の飛躍が期待できるレースぶりだったと言えるでしょう。
 2着のワタシハスゴイも同様。94年にこのレースを制した父アキバオーショウに続くことはできませんでしたが、終いまでしぶとく食い下がった内容は高評価できます。崩れの少ない成績、そしてデビュー時から100キロ近く馬体重を増やした成長力からも、今後注目の1頭です。

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鈴木恵介騎手「(重賞タイトルを)まずひとつ獲れてよかったです。レース前は、ノーハンデだったら何とかなるなと思っていました。レースでは少しイレ込んでいて出だしが遅い感じだったし、道中も押し気味でしたね。でも下りてからはしっかり歩く馬だから、もってくれると思いました」

9/15ばんえいプリンセス賞回顧

2008年9月16日(火)

ニシキエース牝馬三冠に王手

 15日(祝・月)は牝馬三冠の第2弾、ばんえいプリンセス賞(3歳牝馬オープン)が行われ、2番人気のニシキエースが勝利。6月の黒ユリ賞に続く重賞2勝目を挙げると同時に、牝馬二冠を達成しました。

 道中はニシキエース、ウィナーナナが馬群を引っ張るかたちで進み、3番手以降は横一線。そのままの隊形で第2障害を迎えました。
 ひと息入れたのち、いち早く仕掛けたのはウィナーナナ。しかし一歩遅れて登りはじめたニシキエースがひと腰で天板まで上がりきると、先頭で第2障害を越えていきました。少し遅れてウィナーナナ、カネヅル、キタノメイゲツがほぼ同時にクリアして追撃態勢。ユーファンタジーはそのうしろからという展開。
 楽な手ごたえのまま残り30メートルラインを越えたニシキエースは、その後も後続を突き放す一方。10メートル以上の差をつけて独走態勢を築くと、激しい2番手争いを尻目にゆうゆうとゴールを果たし、圧倒的な強さを見せつけました。ようやく残り10メートル付近まで来た2番手集団からはわずかにカネヅルがリードを奪い、ウィナーナナは苦しくなってズルズル後退。キタノメイゲツもしぶとく食い下がりましたが、半馬身ほどのリードを保ってカネヅルが2着入線を果たしました。以下キタノメイゲツ、ユーファンタジーと続き、ゴール前で脚が止まってしまったウィナーナナは結局6着という結果に終わりました。

 黒ユリ賞制覇時にも紹介したように、同馬は97年の三冠馬ウンカイの初年度産駒。牡牝の違いこそあれ、父同様の三冠制覇がいよいよ現実味を帯びてきました。今回のレースへ向けては、黒ユリ賞後にひと息入れ、逆算してローテーションを組んだ印象。完璧なレースぶりからも“狙い澄ました”感が強く感じられ、陣営の牝馬三冠への意気込みは並々ならぬものと見ていいでしょう。ばんえいオークス(12月14日)でも十分に期待が持てそうです。
 黒ユリ賞で3着だったカネヅルが一歩前進。ウィナーナナの失速に助けられた感もありますが、追いすがるキタノメイゲツを振り切ったあたりは地力強化の証明でしょう。そのしぶとさからも、今後のレースぶりに注目です。

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松田道明騎手「この馬のお父さん(ウンカイ)も強い馬でしたし、やはり似たところがあるのでしょう。今回は、相手になりそうな馬を決めていて、そうした馬をある程度引きつけてレースができれば、自分の馬に分があると思っていました。今日の条件や馬場を考えるとウィナーナナにも不利な部分があるなと思ったので、障害では相手の様子をうかがいながら、ひと呼吸おいて仕掛けました。(障害以外の)道中の強さは抜けているので、障害を下りた時点で勝てるだろうと思いました」

9/7銀河賞回顧

2008年9月 7日(日)

シベチャタイガー復活の重賞2勝目 

 7日(日)は重賞・銀河賞(4歳オープン)が行われ、8番人気のシベチャタイガーが勝利。ばんえい菊花賞以来となる重賞2勝目を挙げました。

 折りからの雨で、馬場水分は5.8%。道中はアローファイターやシベチャタイガーがペースを握り、速めのペースで進みました。
 第2障害に真っ先にたどり着いたシベチャタイガーが、ひと息入れたのちに先頭で登坂を開始。詰まることなくあっさりクリアすると、先頭で障害を下りていきました。これに差なく続いたのがコーネルフジとアローファイターの人気2頭。やや遅れてホッカイヒカルも圏内で障害を越えました。
 残り30メートル付近でシベチャタイガーの脚いろが鈍り、アローファイター、コーネルフジが先頭で並ぶ展開。しかしシベチャタイガーもこれに食らいつき、クビ差ほどで追走。残り10メートル付近からシベチャタイガーが盛り返しはじめ、わずかにアローファイターが遅れたところでゴール。シベチャタイガーとコーネルフジによる0.1秒差の争いは、シベチャタイガーに軍配が上がりました。そこから0.5秒差でアローファイターが3着。しぶとく脚を伸ばしていたホッカイヒカルが4着という結果になりました。

 シベチャタイガーは2歳時から長く活躍し、前述のとおり重賞2勝目。タイトルホルダーではありますが、近況からはこの低評価も仕方ないところでしょう。しかしスピード豊かなこの馬にとって、馬場水分から考えれば納得の結果。もちろん最後に盛り返したのも地力強化の証明で、今後の巻き返しが大いに期待できそうです。
 2着のコーネルフジは昨年のばんえい大賞典以来となる重賞での好走。柏林賞で1番人気ながら7着に敗れた雪辱こそ果たせませんでしたが、それでも実力は十分に示すことができた印象です。思えば、今回の1、2着馬は、この世代の第1回能力検査で1、2番時計を出した2頭。さらにさかのぼれば、コーネルフジは全道祭典ばん馬1歳馬決勝大会(牡馬の部)で優勝した好素材。シベチャタイガーも含め、長い長いトンネルを抜けた2頭が、ようやく復活のきざしを見せ始めた一戦と言えるでしょう。
 アローファイターはこれで3度目となる重賞3着。ダービーこそ制しているものの、重賞【1231】で、着外1回は柏林賞での4着。いずれも上位入線を果たしているだけに、どうしても詰めの甘さが目立ってしまいます。言うまでもなく実力は世代トップクラス。詰めの甘ささえ解消できれば、さらなる活躍ができるはずです。

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鈴木勝堤騎手「ここを目標にしていて調子は上がってきていましたが、成績が上がっていなかったですからね。今朝のおまじないが効いたのかもしれません(笑)。雨馬場については、結果として勝てたから合っていたのかもしれませんが、レース前は降らないほうがいいなと思っていました。ゴール前は『もうダメかな』と思って追っていましたけど、よく頑張ってくれましたね」

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