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4/27ばんえい十勝オッズパーク杯回顧

2008年4月27日(日)

カネサブラック今季の主役へ!

 27日(日)に行われたばんえい十勝オッズパーク杯(4歳以上選抜)は、2番人気のカネサブラックが勝利。シーズン初戦を飾るとともに、昨年に続く連覇を果たしました。

 馬場水分5.4%、基本重量720キロということもあり、道中はハイペース。タカラオーシャンが馬群を引っ張るなか、各馬ほぼノンストップで第2障害下へたどりつきました。
 内枠の各馬、カネサブラック、ナリタボブサップ、タカラオーシャンが同時に仕掛け、キョクシンオーがこれに続いて登坂開始。カネサブラックとナリタボブサップがひと腰、並んでこれを越えると、一歩遅れてマルミシュンキが続く展開。先行する2頭の脚いろは軽快でしたが、マルミシュンキも鋭い末脚を見せてこれに肉薄。勝負の行方は完全に3頭に絞られ、なかでも先行2頭の脚取りは確か。結局ゴールまで続いた叩き合いは、わずかに0.3秒、カネサブラックに軍配。2着にナリタボブサップで、マルミシュンキはよく追い込んだものの3着までが精いっぱいでした。

 勝ったカネサブラックは、前述のとおり昨年に続く連覇。ばんえい記念をパスして今季に備えた戦略が、見事に的中しました。それだけでなく、残り10メートルを過ぎてから力強く脚を伸ばしたのは成長の証。高重量戦でも力を発揮できるようになったことと合わせれば、今後の重賞戦線をリードする存在となったといって過言ではないでしょう。
 ナリタボブサップは、ばんえい記念の激闘から約1カ月ながら2着に健闘。昨年のトモエパワー(ばんえい記念優勝→ばんえい十勝オッズパーク杯2着)がそうだったように、ある意味“勢い”で走りきった可能性もあります。トモエパワーはパワータイプだけに、その後700キロ台のレースで惨敗が続き、岩見沢記念でシーズン初勝利を挙げるまで5カ月を要しました。しかしナリタボブサップは安定した障害力が持ち味のため、今季も早い時期からの活躍が期待できそうです。
 注目を集めたマルミシュンキは3着敗退。期待が大きかっただけ残念な結果となりましたが、この馬の履歴を紐解けば、古馬一線級とは今回が初対戦。それでいて僅差の3着ならば、収穫の方が大きかったと言えるでしょう。まだ5歳と若く、大事に育てられている同馬。今後の活躍が楽しみになる好内容だったと思います。

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松田道明騎手「予想以上にタイムが速かったし、いつになくナリタボブサップがよくて自分の思ったとおりのレースができなかったですね。(自分が乗っていた)マルミシュンキに先に降りられたら負けるなと思ったので、ある程度の位置は取りたいと思っていましたし、10、20センチの着差がありえる馬場だったので気をつけて乗りました」

3/23ばんえい記念回顧

2008年3月24日(月)

トモエパワーばんえい記念連覇!

 23日(日)はばんえいの最高峰・ばんえい記念(4歳以上オープン)が行われ、トモエパワーが優勝。昨年に続く連覇を果たしました。

 馬場水分0.6%、そして1トンの酷量とあって、第1障害から各馬大苦戦。ナリタボブサップ、ミサイルテンリュウ、スーパークリントン、スターエンジェルといった順で第1障害を越えていきました。むろん道中は超スロー。進んでは止まり、進んでは止まって、一度広がった各馬の間隔も詰まりはじめました。ミサイルテンリュウ、ナリタボブサップの2頭が先行するなか、トモエパワーもこの一角。そして第2障害下へ先頭でたどり着いたのが、トモエパワーでした。この位置取りが、結果として大きく影響したと言えるでしょう。
 迎えた第2障害。各馬じっくりタメたのち、最初に仕掛けたのはトモエパワー。普段とは違い、ひと腰で天板近くまで上がる抜群の登坂力を発揮しました。この間にミサイルテンリュウ、シンエイキンカイも仕掛けますが苦戦。遅れて仕掛けたナリタボブサップも痛恨のヒザ折りと、壮絶なサバイバル戦の様相を呈してきました。と同時に、トモエパワーは天板まで登り切り、あとは荷物を引き上げるだけ。バイキで加重を前に乗せ、ついにこの難関を突破しました。それに続くかたちで、今度はミサイルテンリュウが天板へ。同じく加重を乗せて2番手で越えていきました。
 2頭の差はおよそ15メートルほど。トモエパワーとミサイルテンリュウの末脚を比較すれば、断然トモエパワーが有利で、ほぼセーフティーリードと言えるでしょう。20メートル付近で1回、10メートルで1回、そしてゴール直前でもう1回ストップしたトモエパワーでしたが、追うミサイルテンリュウも残り20メートルを切ってから脚いろが鈍化。最後は西弘美騎手もゆったり息を入れさせ、トモエパワーがしっかりとした脚いろでばんえい記念連覇のゴールを果たしました。
 ミサイルテンリュウは残り10メートル付近でもたつき、後方との差が詰まってきました。しかしなんとか立て直すとゴール線上までたどり着き、再度ストップしたものの2着を確保しました。障害4、5番手で越えたスターエンジェルとスーパークリントンによる3着争いは、結局スターエンジェルに軍配。障害3番手クリアのナリタボブサップは、しまいに力尽きるとシンエイキンカイにも先着を許し、6着に敗れました。

 勝ちタイムは5分35秒8。ばんえい記念が1トンで行われるようになってからの最高所要タイムでの決着(それ以前の記録は89年イエヤスが勝った際の5分32秒2)で、史上まれに見る激戦だったと言えるでしょう。そんなパワー勝負となったのであれば、トモエパワーの勝利というのも納得のひと言。高重量戦にめっぽう強く、時計が掛かれば掛かるほど好成績を挙げてきた同馬の真骨頂が、この大舞台で発揮されたことになります。スピード馬の台頭が目立つ昨今のばんえい界ですが、昔ながらの“力持ち”が天下を獲ったことは、ばんえい競馬の原点を思い起こさせるものでした。
 ミサイルテンリュウは昨年の3着から一歩前進。障害後この馬としてはしっかりとした脚取りを見せたのは収穫で、これまでの「障害でセーフティーリードを築いて……」というレースぶりとは一変。来年度は高重量戦での活躍も十分に期待できるでしょう。
 3着スターエンジェルは昨年の帯広記念2着、ばんえい記念5着など、高重量戦で好走実績。成績にムラがあるのは否めませんが、今後も高重量戦では注目する必要があるでしょう。

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レース回顧(3/8~3/10)

2008年3月10日(月)

 8日(土)は弥生特別(4歳以上600万円未満)が行われ、フクノカミカゼが勝利。3分に及んだ熱戦を見事に制しました。
 第2障害はコマタイショウが仕掛けるも、遅れて挑んだフクノカミカゼがひと腰でクリア。他馬を置き去りにして、一気にリードを広げました。しかし残り5メートル付近で脚が止まると立て直しにも時間が掛かり、追い込んできたミスターハヤサキが並びかける展開。いったんは勝負の行方がわからなくなりましたが、ようやく立て直したフクノカミカゼが後続の追撃を振り切ってゴールイン。障害4番手から止まることなく追い込んできたミスターハヤサキが、1秒差で2着。同じく障害5番手から歩き続けたアローコマンダーが3着で入線。

 9日(日)に行われたのは重賞・イレネー記念(3歳オープン)。ここはオレワスゴイが制し、明け3歳チャンプの座に就きました。このレースについては別掲のイレネー記念回顧をご覧ください。

 この日の第10レースにはウィナーズカップ(4歳以上、今季重賞競走優勝馬・指定特別競走優勝馬)が行われました。ここを制したのは4歳牝馬のプリンセスモモ。2着にも4歳牝馬のエリザベスライデンが入り、馬連単は3万6660円の高配当となりました。
 早めに障害にチャレンジしたプリンセスモモが、並みいる先行馬を退け先頭でクリア。これにニシキダイジンが続き、ホクトキング、ホシマツリ、エリザベスライデンが一団で追いかける展開となりました。しかし660キロの軽量も生きたか、プリンセスモモの逃げ脚も快調で、ゆうゆうと先頭でゴール。同じく軽量650キロのエリザベスライデンが、先行各馬を交わして2着入線。流れ込んだホシマツリが3着。1番人気のフクイズミは、障害で詰まるこの馬の負けパターンにはまり、6着に敗れました。

 10日(月)は夢見月特別(4歳以上500万円未満)が行われ、3番人気のコーネルが勝利。ここ12戦で7勝と、好調ぶりを見せつけました。
 ヒロノドラゴンが先頭で第2障害を抜け、2番手でコーネルとストロングペガサスが並んでクリア。これを追うかたちでタケトップクインとエメラルドも続いていきました。先頭のヒロノドラゴンは徐々に脚いろが鈍り、残り20メートル付近でコーネルとストロングペガサスが先頭へ。特にコーネルの脚いろがよく、そのまま後続を突き放してゴールを果たしました。障害5番手から追い込んだエメラルドが2着。障害6番手からあきらめることなく追い込んできたワカテンザンが、ゴール寸前でヒロノドラゴンとストロングペガサスを交わして3着で入線しています。

映像はこちら。またこれらを含め2カ月前までの映像は、すべてオッズパークにてご覧いただけます。

3/9イレネー記念回顧

2008年3月 9日(日)

オレワスゴイ好内容で世代の頂点へ

 9日(日)は重賞・イレネー記念(3歳オープン)が行われ、オレワスゴイが優勝。デビューから2歳戦線を牽引してきた同馬が、世代チャンプの座に就きました。

 馬場水分は0.8%まで下がり、若馬にとっては試練ともいうべき舞台。第1障害は各馬すんなり越えたものの、中間部では刻みながら進む展開。一団となりながら、ようやく第2障害下へたどり着きました。
 真っ先に挑んだのはマルモスペシャル。それに呼応するかたちでオレワスゴイ、ホクショウジャパンの人気両馬が仕掛けました。なかでも抜群の登坂力を見せたのはオレワスゴイ。一気に障害をクリアして、後続とのリードを広げます。離れた2番手でニシキボスが越え、続いてマルモスペシャル、ウメノタイショウがクリアしていきました。
 オレワスゴイの逃げ脚は快調で、15メートルほどのリードを保ったまま残り10メートル。王者の風格さえ漂わせるレースぶりでそのまま脚を伸ばすと、楽にゴール線を通過しました。2番手追走のニシキボスは、最後に脚いろが鈍ったものの2着入線。マルモスペシャルはゴール前でいったん脚が止まりましたが、後続の追撃を振り切って3着を確保しています。
 なおホクショウジャパンは障害で再三ヒザを折り、最後は転倒。ほとんどの馬が入線後も障害で詰まっており、結局最下位に敗れました。

 オレワスゴイは、もちろん重賞初制覇。能力検査で一番時計を出した逸材が、力どおりに世代の頂点をゲットしました。時おり大敗するシーンもありましたが、今回のレースぶりを見る限り力上位は明らか。重馬場・高重量に対応、と言うより適性を示したことは、今後の大きな飛躍を感じさせます。来年度の活躍が今から楽しみとなりました。
 2着のニシキボスは、シーズン後半に力をつけた1頭。ヤングチャンピオンシップで僅差の4着となりトップクラスに名を連ねましたが、やはりこの馬の真価は0秒7差でオレワスゴイを振り切った1月の若駒特別、そして同じくオレワスゴイに0秒5差まで迫った2月のつばき特別。そして今回の一戦で、世代を代表する1頭に成長したことは確定的。今後もその走りに注目が集まることでしょう。

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3/2チャンピオンカップ回顧

2008年3月 3日(月)

ツジノコウフク底力を発揮!

 2日(日)は重賞・チャンピオンカップ(4歳以上、今季重賞競走優勝馬・指定特別競走優勝馬)が行われ、6番人気のツジノコウフクが優勝。9月の銀河賞に続く重賞2勝目を挙げました。

 馬場水分2.9%とやや重めの馬場もあり、第1障害で早くもニシキガール、プリンセスモモ、トモエパワーが詰まるなど、各馬大苦戦。トカチプリティーやツジノコウフクが馬群を引っ張るかたちで、ゆったりと進んでいきました。
 第2障害はじっくりタメたのち、ツジノコウフク、ミサイルテンリュウが真っ先に仕掛けると、各馬も続々登坂開始。しかし腰がグッと入って天板まで登り切ったのはツジノコウフク。先頭で障害を下っていき、これにミサイルテンリュウ、ナリタボブサップの障害巧者両頭が続く展開。一歩遅れてカネサブラックもクリアし、追撃態勢に入りました。
 ここから目を見張るような伸びを見せたのはカネサブラックで、ギャロップでミサイルテンリュウ、ナリタボブサップを交わすと、ツジノコウフクと半馬身差の2番手に浮上。残り20メートルを切ったところでツジノコウフクの脚が鈍り、さらに差を縮めたカネサブラックはゴール線上できっちり並びかけました。しかし、そこまで。0秒2差の攻防は、わずかにツジノコウフクに軍配が上がりました。
 3番手追走のナリタボブサップは、残り5メートル付近でいったんストップ。しかし後続との差は十分で、3着入線……と思われたところ、ソリがゴールラインを越える寸前で再度ストップ。そこへミサイルテンリュウが追い込み、立て直したナリタボブサップとほぼ同時にゴールイン。優勝争い以上にきわどくなった3着争いは、写真判定の末、ナリタボブサップが制しました。

 ツジノコウフクは1月のポプラ賞以来となる勝利。馬場水分2.5~4.0%では連対率68.2%のハイアベレージを叩き出しており、今回はこの馬向きの馬場だったと言えます。もちろんハンデ差も看過できませんが、なによりオープン各馬を相手に正攻法で押し切ったレースぶりは評価に値するもの。カネサブラックに交わされそうになりながらも最後まで粘りきった姿は、この馬の底力を証明するものでしょう。
 カネサブラックは岩見沢記念、北見記念、帯広記念に続き、またしても重賞で2着。しかし今回の2着は大きなハンデ差があってのもので、これは高く評価できるものでしょう。なにより高重量に対応できるようになったのが、この1年間の成長の証。ばんえいを背負って立つ存在として、今後もその走りに注目です。
 3着のナリタボブサップも、この1年で大きく飛躍を果たした1頭。やはり詰めの甘さは課題ですが、高重量を曳いても展開や馬場状態次第で勝ち負けできるようになりました。その要因となっている障害力は大きな武器。さらに、見た目以上にパワー型(馬場水分4.0%以上では連対率80.8%)でもあり、ばんえい記念に出走すれば楽しみな1頭となりそうです。

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