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3/29ばんえい記念回顧

トモエパワー頂上決戦3連覇!

 29日(日)に今年度の総決算・ばんえい記念(4歳以上オープン)が行われ、1番人気のトモエパワーが優勝。スーパーペガサスの4連覇に次ぐ同レース3連覇の偉業を達成すると同時に、松井浩文厩舎がワンツーフィニッシュ(2着カネサブラック)でシーズンの掉尾を飾りました。

 前日にパラついた雪はまったく積もらず、馬場水分3.4%でスタートしたこの日。天候に恵まれたこともあってメインレース時には2.3%まで下がり、重馬場での頂上決戦となりました。
 旧重賞ファンファーレに続いて現重賞ファンファーレが流れる“ばんえい記念仕様”でレースはスタート。第1障害で各馬の脚が早くも脚が止まり、このレースならではのゆったりした展開。ナリタボブサップ、カネサブラック、ミサイルテンリュウといった順で、第1障害を抜けていき、イケダガッツ、トモエパワー、スターエンジェル、ヨコハマイサムの4頭が障害に引っ掛かりましたが、ほどなくクリアしていきました。
 障害中間地点では各馬ゆったりペースでほぼ一団のまま進み、誰が主導権をとるというわけでもなく、思い思いのリズムで刻んでいる印象。第2障害下へ真っ先にたどり着いたのはスターエンジェルで、スーパークリントン、トモエパワーもこの圏内。イケダガッツはやや離れたのものの、9頭はタメにタメて、いよいよばんえい競馬最大の難関、1トンを曳いての第2障害を迎えました。
 真っ先に仕掛けたのはトモエパワーとスーパークリントン。それを合図にしたように各馬も登坂を開始しましたが、いまひとつ決め手を欠く状態。しかし、そのなかからトモエパワーとミサイルテンリュウが同時に天板に脚をかけて荷物を引き上げ、そして並んだまま障害を下りました。遅れてニシキダイジンとカネサブラックが同時にクリア。以下は苦戦が続きました。
 こうなると終い確実なトモエパワーに有利な展開。じわじわとミサイルテンリュウを引き離しにかかり、残り30メートルを切ったあたりで一度脚を止めたものの同時にミサイルテンリュウもストップ。息を整え、あせらずに再スタートすると、またしても脚を止めたミサイルテンリュウを突き放して勝負あり。完璧なレースを演じて、3連覇のゴールへ飛び込みました。
 粘り込みを図ったミサイルテンリュウでしたが、カネサブラックの激しい追い上げに四苦八苦。残り5メートルで半馬身ほどのリードがあったものの、一気に差が詰まりはじめ、ゴール寸前で痛恨のストップ。そのすぐ脇をカネサブラックが交わしていき、結果3着となりました。

 今季21戦して未勝利だったトモエパワーですが、やはり1トンを曳くパワー重視の一戦では役者が違いました。結果的に馬場水分2.3%、5分近い決着となるような舞台になったのも味方したでしょう。前述の通り、これでばんえい記念3連覇。天馬スーパーペガサスに続く史上2頭目の快挙で、来年は同馬が打ち立てた4連覇の金字塔に挑むこととなります。
 カネサブラックが2着で、松井浩文厩舎のワンツーフィニッシュ。ゴール寸前でミサイルテンリュウを差し切ったあたりはやはり底力と言え、松田道明騎手も障害でじっくり構える好騎乗を見せました。ばんえい記念初挑戦ながら上々の結果を残した同馬の活躍が、今後も楽しみです。
 ミサイルテンリュウは悔しい3着。障害後に何度も止まるのは先行馬の宿命であり、障害を越えたところでトモエパワーと並んでいた時点で形勢不利と言えました。それでもあきらめずに攻めた結果であり、ゴール寸前まで2着を守っていた内容は見どころ十分。これでばんえい記念は4、3、2、3着。超一流の実力の持ち主であることには変わりありません。

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西弘美騎手「第1障害で手こずったので、第2障害までは結構厳しかったですね。でも第2障害を越えて(ミサイルテンリュウと並んでいた)この位置なら大丈夫かなと思いました。(今季は未勝利だったが)障害を下りた時には“やっぱり強いな”と感じたし、この馬のパワーに感服しました。最後に大きなタイトルをとらせてもらって嬉しく思います」

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