トカチプリティー貫禄を見せつける!
12日(祝・月)は重賞のヒロインズカップ(4歳以上牝馬オープン)が行われ、トカチプリティーが優勝。2着にエンジュオウカンが入り、久田守厩舎のワンツー決着となりました。
土曜日に9.3%まで上がった馬場水分は徐々に下がり、このレース時点で5.3%。やや高めの水分量の中で行われました。道中はスターエンジェルが引っ張り、標準的な流れ。エンジュオウカン、トカチプリティー、ニシキガールらが並ぶかたちで続き、フクイズミも集団の中を追走して第2障害を迎えました。
ここで圧巻の障害力を見せたのがエンジュオウカン。ひと腰で荷物を上げきると、止まることなく障害をクリア。あっという間に最難関を突破しました。遅れて仕掛けた分の差でトカチプリティーが続き、やや離れてニシキユウ、ギャンブラークインも追撃態勢。フクイズミはペガサスプリティーらと並んで5番手で障害を越えていきました。
残り30メートル付近で先頭はエンジュオウカンとトカチプリティー。しかし徐々にエンジュオウカンの脚いろが鈍り、残り15メートル地点でトカチプリティーが先頭へ。エンジュオウカンもしぶとく食い下がりましたが、およそ半馬身の差はいっこうに詰まらず、結局そのままの態勢でゴールを迎えました。5番手集団から脚を伸ばしたペガサスプリティー、フクイズミが3、4着。差のない5着にギャンブラークインが入線しました。
トカチプリティーは04、08年に続くこのレース3勝目で、重賞は5勝目。徐々にエンジュオウカンを追い詰め、必要最低限の差を保ってゴールするあたりは、さすがに円熟味を感じさせました。牝馬同士での力量上位は明白で、9歳を迎えた今年もまだまだ活躍が期待できそうです。
かつて快速馬として鳴らしたエンジュオウカンが、復活の2着。1年半の長期休養がありましたが、抜群の登坂力、「ついて行ったらつぶされる」とまで言われたスピードは健在。なにより今回は、いったんトカチプリティーに交わされてもしぶとく食い下がったところに成長の跡が感じられました。ひと回り大きくなったエンジュオウカンの今後が楽しみです。
阿部武臣騎手「去年もこのレースを勝っている馬ですからプレッシャーはありました。でも軽めの馬場だったのでいい結果が出せました。道中で息を入れられた分(障害を)下りても歩けたので、エンジュオウカンを差しきれるなと思いました。またこれから訓練を重ねて、いいレースを見せられるように頑張ります」