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重賞(特別)回顧 アーカイブ

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12/25ばんえいダービー回顧

2011年12月25日(日)

オイドンが第40代ばんえいダービー馬に!

 25日(日)は重賞・ばんえいダービー(3歳オープン)が行われ、単勝1.1倍の圧倒的1番人気に推されたオイドンが勝利。ナナカマド賞、ヤングチャンピオンに続き、重賞3勝目を挙げました。

 道中はオイドンが強気に先行しますが、障害中間点を迎えるあたりで横一線に。オイドンのほか、イワキ、フナノコーネル、フジダイビクトリー、アアモンドジャンボなどが先行集団を形成しました。それらが横並びのまま、第2障害へ。
 真っ先に動いたのはフナノコーネルで、ほぼ同時にイワキも登坂開始。これを見て各馬が動き出しますが、先頭クリアはイワキ。オイドンが天板付近でヒザを折りますが、すぐに立て直し、レットフジ、フナノコーネルとともに2番手で障害を越えました。
 こうなれば地力に勝るオイドンの独壇場。残り30メートル付近で、すでに2馬身程度の差をつけてひとり旅。2番手争いから抜け出したレットフジが懸命に追いかけますが、差はいっこうに詰まりません。そのままオイドンが押し切り、この世代の頂点に君臨しました。レットフジはゴール前で若干脚いろが鈍りましたが、後続の追撃を振り切り2着を確保。3着争いは3頭による激戦となりましたが、障害6番手から末脚を伸ばしたニュータカラコマが制しました。

 素質を高く買われていたオイドンが、名実ともにこの世代の頂点に。今季は重量を課せられて苦戦が続いていたものの、定量戦のここなら話は別。前走を楽勝していたことからも順調に調整されてきたのが、この大一番での勝負強い走りにつながったのでしょう。今後も当然重量との戦いになりますが、着実に力をつけて、未来のばんえい界を背負う存在となってほしいものです。
 レットフジはイレネー記念(3着)、ばんえい菊花賞(4着)に続く好走。障害力、末脚ともに高いレベルで安定しており、今後も世代限定重賞では、重量次第で注目したい1頭です。
 ニュータカラコマは持ち前の末脚をフルに発揮しての3着。障害でもたついたぶんが悔やまれますが、持ち味があるのは今後、古馬と対戦するうえでも魅力的。展開、馬場水分によっては、今後も無視できない存在でしょう。

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鈴木恵介騎手「ダービーを勝てて、ほっとしています。天板でヒザをつきましたが、いい感じで折り合いがついていたから余力があって、障害を下りてからもしっかり歩いてくれました。(自身絶好調との問いに)昨年の記録(206勝)を更新できるように、また重賞も、特に念願のばんえい記念を勝てるように頑張りたいと思います」

12/4ドリームエイジカップ回顧

2011年12月 5日(月)

王者カネサブラックが完勝!

 4日(日)は重賞・ドリームエイジカップ(3歳以上、馬齢選抜)が行われ、単勝1.7倍の断然人気に推されたカネサブラックが優勝。ばんえい十勝オッズパーク杯、旭川記念以来となる、今季重賞3勝目を挙げました。

 道中はニシキダイジン、フクドリらが先行し、それを見るようにカネサブラックもぴったりマーク。軽めの馬場を意識してか、有力各馬は前々の競馬を展開。ニシキエースもこの一角にとりつき、ほぼ横並びで第2障害を迎えました。
 真っ先に仕掛けたのはフクドリ。それを見て、ニシキダイジン、カネサブラック、ニシキエースも登坂を開始。なかでも抜群のかかりを見せたのがカネサブラックで、一瞬天板付近でもたついたものの、先頭でクリア。やや遅れてニシキダイジンとオレワスゴイが続きます。
 しかし馬場のせいもあるのか、3頭の差はなかなか詰まらず、先頭はカネサブラック。残り10メートル付近でやや差が詰まったように見えましたが、それでも先頭を譲るほどには至らず。そのままカネサブラックが押し切って先頭でゴールしました。2番手争いはオレワスゴイが残り10メートル付近から追い上げ、ニシキダイジンに並び掛けましたが、結局は底力の差か、わずかにニシキダイジンが先着しました。

 カネサブラックはこれが重賞16勝目。今回はニシキダイジンと20キロのハンデ差があったとはいえ、卓越したスピードとパワーを改めて示した格好。正念場の冬に向けエンジンが掛かりだした現役最強馬に、今後も注目です。

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松田道明騎手「第2障害でヒザをつきましたが、我慢して持ちこたえてくれました。馬に助けられましたね。馬場水分のわりに道中は馬場が重く感じたので、ペースが速いかなと思ったのですが、ほかも強い馬がそろっていましたから、置いていかれないようにギリギリの競馬をしました」

11/20ばんえいオークス回顧

2011年11月20日(日)

アグリコトブキが3歳女王に君臨!

 20日(日)は3歳牝馬の頂上決戦・ばんえいオークス(3歳牝馬オープン)が行われ、単勝2番人気のアグリコトブキが優勝。重賞初制覇を果たすとともに、同世代牝馬の頂点に君臨しました。

 このレースの前から小雨が降り始めたものの、砂を湿らすほどではなく、馬場水分は2.7%とやや重め。道中はツジノサクラが先行して、アアモンドマツカゼ、カムイカリンもこの一角。マリンチャンスがやや追走に苦労するも、他馬はほぼ横一線。障害が近づくにつれて徐々に隊列は入り乱れますが、それでもアアモンドマツカゼ、ツジノサクラの順で第2障害下にたどり着きました。
 ここでツジノサクラが勢いをつけたまま第2障害速攻。一気に天板まで駆け上がります。アアモンドマツカゼ、カムイカリンも負けじと早めの仕掛けで続きます。しかし結果的に厳しかったか、ツジノサクラが天板でヒザ折り、そして転倒。その間にアグリコトブキ、アアモンドマツカゼ、ブラックパールが順々にクリアし、やや遅れてトモエウンカイ、ヒメサマが追撃態勢に入りました。
 前を行く3頭のなかではブラックパールの脚いろが際立っており、先頭をうかがう勢い。しかしアグリコトブキも懸命に粘ります。残り10メートルを切ってからはこの2頭の争いとなり、結局わずか0秒5、アタマほどの差でアグリコトブキが逃げ切りました。障害6番手から追い上げたヘイセイオトメが3着で入線。

 アグリコトブキは黒ユリ賞4着などがありましたが、前述の通りこれが重賞初制覇。とはいえ、近況は特別のばんえいプリンセス賞勝ちを含め6戦連続3着以内と、抜群の安定感を発揮しており、ここへきてだいぶ力をつけてきた印象です。近年は3歳三冠での牝馬勢の活躍が目立っているだけに、出走してくればばんえいダービーでも目が離せない1頭となりそうです。
 ブラックパールは黒ユリ賞2着に続き、またしてもタイトルを逃してしまいました。しかし今回見せたしぶとい末脚はこの馬の武器。展開次第でタイトルゲットのチャンスも十分です。
 ヘイセイオトメは鋭い末脚を発揮して3着。障害さえ無難に越えられれば重賞に手が届く器で、今後その課題を克服できるか注目です。

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鈴木恵介騎手「最後の叩き合いはよく頑張ってくれましたね。プレッシャーは特になかったですし、厩舎サイドが最高の仕上げをしてくれました」

10/30北見記念回顧

2011年10月31日(月)

ギンガリュウセイが本格化を示す!

 30日(日)は重賞・北見記念(3歳以上オープン)が行われ、単勝2番人気のギンガリュウセイが優勝。昨年のこのレースと岩見沢記念2着の雪辱を果たし、重賞初制覇を成し遂げました。

 馬場水分は徐々に下がって、3.6%と標準的。しかし基礎重量850キロの高重量戦だけに、各馬ゆったりと進みます。トモエパワー、フクドリ、シベチャタイガーあたりが先行しますが、各馬ほぼ横一線。ややトモエパワーが抜け出した状態で、第2障害を迎えました。
 各馬じっくりとためたのち、最初に仕掛けたのはトモエパワー。さらにひと呼吸置いてカネサブラック、ギンガリュウセイも登坂開始。なかでも抜群の切れを見せたのがギンガリュウセイで、余力十分に荷物を曳き上げると先頭でクリアしました。やや遅れてカネサブラックが続きますが、後続は大苦戦。人気2頭によるマッチレースの様相を呈しました。
 残り30メートルを切り、脚いろが優勢なのは完全にカネサブラック。しかし残り20メートル付近でギンガリュウセイに並び掛けようとしたところ、ギンガリュウセイがもう一度脚を伸ばして先頭を死守。そして残り10メートルでもその差は変わらず。激しい叩き合いはゴールまで続き、結局クビほどの差を保って、ギンガリュウセイが逃げ切りました。2頭の後ろは10秒ほど離れ、障害3、4番手から脚を伸ばしたフクドリが3着。フクイズミは5番手で障害をクリアしたものの、時すでに遅く4着まで押し上げるのが精いっぱいでした。

 ギンガリュウセイは重賞で2着2回がありましたが、今回が悲願の重賞初制覇。9月の岩見沢記念(2着)はフクイズミに完璧なレースを演じられただけで、重賞制覇のチャンスは十分と思われました。ただ、これほど早くタイトルを奪取できたのは驚きで、充実うんぬんと言うよりは、本格化を示したと言っていいでしょう。高重量戦に対応できるパワーと、障害をすんなり越えられる器用さは今後も大きな武器となりそう。ビッグタイトルへの期待が高まります。
 カネサブラックのレース内容は悪くなく、久々の前走から比べれば着実に良化している印象。正念場はこの先であり、この一戦で評価を下すのは早計でしょう。使いつつどこまで状態を戻してくるか、今後のオープンでの戦いぶりに注目です。

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鈴木恵介騎手「カネサブラックを相手に逃げ切れて、本当に嬉しいです。いまは絶好調で、その状態で重賞を迎えられたというのが勝因だと思います。これでこの馬も自信を持ったでしょうし、オープンで活躍してくれるでしょう」

10/23ばんえい菊花賞回顧

2011年10月23日(日)

フジダイビクトリー&入澤騎手が重賞初制覇!

 23日(日)は3歳三冠の第2弾・ばんえい菊花賞(3歳オープン)が行われ、単勝4番人気のフジダイビクトリーが優勝。ばんえい大賞典(2着)以来2度目の重賞出走で、栄冠をつかみ取りました。

 あいにくの雨模様となり、馬場水分は7.9%と軽め。各馬不慣れな700キロ前後の重量とはいえ、道中は速めのペースで進みました。タッピイサム、フジダイビクトリーらが先行し、オイドンもほぼ同位置で障害中間点を通過。ここで先行勢がひと息入れ、結局はほぼ横一線で障害下にたどり着きました。
 最初に仕掛けたのはタッピイサムで、フジダイビクトリー、ニュータカラコマあたりも差なく登坂を開始。オイドン、イワキもこれに続きます。しかし先頭クリアはタッピイサム。フジダイビクトリー、イワキが続いて、最終局面を迎えます。
 ここからは各馬の我慢比べ。軽い馬場を味方に逃げ切りを図るタッピイサムですが、そうはさせじとフジダイビクトリーがジリジリと差を詰めます。そして残り10メートルでは完全にフジダイビクトリーの脚いろがタッピイサムのそれを上回り、ほぼ横並びの激しい叩き合いに。しかし結局は決め手の差か、フジダイビクトリーが残り2メートルで先頭に躍り出て、先頭ゴールを果たしました。0秒5の2着にタッピイサム。後続の追撃を凌ぎきったイワキが3着で入線しました。なお1番人気のオイドンは障害で苦戦を強いられ、8着に敗れました。

 ばんえい大賞典では障害先頭クリアから、しまいに粘りきれなかったフジダイビクトリーですが、今回はそれを踏まえてか、先行抜け出しの安定感あるレースぶり。これが重賞初制覇となった入澤和也騎手の冷静な手綱さばきも光りました。同馬はこれで三冠で2、1着と、世代トップの実力を証明。最終戦のばんえいダービー(12月25日)でも好勝負が期待できそうです。

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入澤和也騎手「(自身の重賞初制覇に)9年目にしてやっと勝つことができましたね。障害力がある馬なので、今回はそれを生かした先行策をとりました。うまくいったと思います。これから重量も加増されますが、まじめな馬なので、うまく育てていきたいですね」

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