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12/29ばんえいダービー回顧

史上5頭目のばんえい3歳三冠馬誕生

 12月29日(日)は重賞・ばんえいダービー(3歳オープン)が行われ、単勝1番人気のメムロボブサップが優勝。ばんえい大賞典、ばんえい菊花賞に続き、ばんえい3歳三冠を制覇しました。

【出走馬】※カッコは負担重量、右の数字は単勝最終オッズ
 1.アオノゴッド(730) 108.1
 2.ギンノダイマオー(730) 75.6
 3.ジェイカトレア(710) 37.6
 4.インビクタ(730) 9.1
 5.コマサンブラック(730) 74.9
 6.ダイリンファイター(730) 143.4
 7.サクラドリーマー(730) 13.6
 8.メムロボブサップ(730) 1.2
 9.ジェイエース(730) 17.0
 10.アオノブラック(730) 6.6

 2歳シーズンにはナナカマド賞、イレネー記念を制していたメムロボブサップ。3歳三冠がかかったこのレースでは1.2倍と断然の1番人気に推されました。2歳時のヤングチャンピオンシップ勝利をはじめ重賞では6戦すべて3着以内のアオノブラックが2番人気で6.6倍、目下3連勝のインビクタが9.1倍で3番人気で続きました。

 前半は各馬がほぼ横一線で進みます。中間点を過ぎたあたりでメムロボブサップが先頭に立つと、インビクタ、アオノブラックら人気馬が追走し、第2障害下にたどり着きました。先頭のメムロボブサップは57秒というペースでした。
 じっくり溜めたメムロボブサップが最初に仕掛けると、すんなりと障害をひと腰。差なく仕掛けたアオノブラックもひと腰でクリアし、やや差のある3番手でジェイエース、さらにサクラドリーマーが4番手で続きました。早めに仕掛けたインビクタは障害で膝を折って苦戦します。
 先頭を行くメムロボブサップは一歩一歩、三冠に向けて力強く前進。追いかけるアオノブラックは残り30メートル過ぎで詰め寄ります。しかしメムロボブサップは残り10メートルあたりで突き放し、見事先頭のまま歩き切りました。アオノブラックがそのまま2着で、3着にはジェイエースが入り、上位は第2障害通過順での決着になりました。

 勝ったメムロボブサップは、2001年ヨコハマボーイ以来となる18年ぶり史上5頭目のばんえい3歳三冠の快挙達成(帯広単独開催となった2007年以降では初)。2歳シーズンでは惜しくも二冠に止まりましたが、これで世代重賞6戦5勝としました。
 2着のアオノブラックは、一旦はメムロボブサップに詰め寄るシーンもあったことから確実に力をつけている印象。世代重賞では常に安定したレースぶりで好走を続けています。

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阿部武臣騎手「なんとか三冠が獲れてほっとしています。牧場で生まれた時から見てきた馬なので三冠を取れたら嬉しいなと思っていました。プレッシャーはありましたが、馬を信じて騎乗しました。レース展開が早いと思いましたが、我慢してより息を入れてレースをしました。ゴール前では少し詰められて最後まで油断できなかったのですが、ゴールに入ったときは安心しました。これからもメムロボブサップを応援よろしくお願いします」

12/8ばんえいオークス回顧

2019年12月10日(火)

ジェイカトレアが3歳女王の座に

 12月8日(日)は重賞・ばんえいオークス(3歳牝馬オープン)が行われ、単勝1番人気のジェイカトレアが優勝。今年2月の黒ユリ賞以来となる重賞2勝目となりました。

【出走馬】※カッコは負担重量、右の数字は単勝最終オッズ
 1.サクラユウシュン(670) 12.7
 2.ハイトップフーガ(670) 48.8
 3.ヒメトラクイーン(670) 15.6
 4.クイーンヴォラ(670) 28.7
 5.ジェイセリナ(670) 31.8
 6.ジェイカトレア(670) 1.5
 7.ヤマサンブラック(670) 5.9
 8.アアモンドラッシュ(670) 51.0
 9.アアモンドノース(670) 6.4
 10.ドルバコ(670) 68.5

 今年2月の黒ユリ賞を制しているジェイカトレアが1.5倍で堂々の1番人気。前走自己条件で2着に18秒4差をつけて圧勝したヤマサンブラックが5.9倍で2番人気、目下3連勝のアアモンドノースが6.4倍の3番人気。以下、前走自己条件2着と復調気配のサクラユウシュン、近走大崩れが少ないヒメトラクイーンが続きました。

 馬場水分は2.3%。ヒメトラクイーンが第1障害を越えた勢いで先行すると、ジェイカトレア、アアモンドラッシュ、サクラユウシュンらが追走。最後方のジェイセリナを除いてほとんど差のない展開になりました。前は差がなく、ジェイカトレアがわずかに先頭で第2障害下に到達。ここまで61秒というペースでした。
 ジェイカトレアが果敢に仕掛けるとスンナリ先頭で通過。ほとんど差のなく仕掛けたクイーンヴォラ、アアモンドラッシュもひと腰で続き、ハイトップフーガ、ヤマサンブラックも立て直してそれぞれ障害を4、5番手でクリアします。
 先頭で障害を越えたジェイカトレアは、力強く歩を進めると、後続を寄せつけず、危なげのない勝利で重賞2勝目。2番手のクイーンヴォラは、アアモンドラッシュに詰め寄られるシーンもありましたが、最後まで止まることなく歩き切って2着を確保。アアモンドラッシュが3着に入りました。

 勝ったジェイカトレアは、断然人気に応えて見事3歳女王の座に。同世代の牝馬相手では力が違うところを示しました。牡馬相手でもばんえい大賞典で5着、4歳馬相手のはまなす賞で4着など健闘していることから、ばんえいダービーを含めた今後の重賞戦線での活躍が期待できるでしょう。

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藤野俊一騎手「今回の重量(670キロ)は一度経験したこともあり、強い競馬ができたと思います。あまり馬場が軽くなると違う馬がくると思っていたので、その辺は少し心配していましたが、展開も良く、前めでの競馬ができました。第2障害でもかなり余裕があり、障害を降りた時点で勝利を確信しました。馬体が大きい馬なので、まだこれから成長すると思います。これからも応援よろしくお願いします」

12/1ドリームエイジカップ回顧

2019年12月 3日(火)

4歳馬アアモンドグンシンが重賞3勝目

 12月1日(日)は重賞・ドリームエイジカップ(4歳以上馬齢選抜)が行われ、単勝5番人気のアアモンドグンシンが優勝。昨年のばんえいダービー以来となる約1年ぶりの重賞制覇となりました。

【出走馬】※カッコは負担重量、右の数字は単勝最終オッズ
 1.オレノココロ(780) 5.2
 2.コウリキ(770) 58.3
 3.コウシュハウンカイ(790) 2.1
 4.タカラシップ(760) 47.1
 5.メジロゴーリキ(770) 4.4
 6.キタノユウジロウ(770) 24.1
 7.フナノクン(760) 156.7
 8.ミノルシャープ(770) 6.2
 9.アアモンドグンシン(750) 10.2
 10.センゴクエース(770) 43.3

 今季ばんえいグランプリ、岩見沢記念と重賞2勝のコウシュハウンカイが2.1倍で1番人気、今季重賞では6戦して2着2回、3着3回と安定のメジロゴーリキが4.4倍で2番人気。このレースを2度制しているオレノココロが5.2倍で、北見記念2着など地力強化がうかがえるミノルシャープが6.2倍で4番人気で続き、ここまでが単勝ひと桁台。5歳世代、9歳世代に人気が集まりました。

 馬場水分は1.5%。先行したのはメジロゴーリキで、アアモンドグンシンが追走。ミノルシャープ、キタノユウジロウあたりも続き、最後方のフナノクンだけが少し置かれる展開になりました。前はほとんど差がなく、アアモンドグンシンがわずかに先頭で第2障害下に到達。ここまで57秒というペースでした。
 アアモンドグンシンが最初に仕掛けるとスンナリひと腰で通過。少しヨレながらもミノルシャープが2番手で通過し、キタノユウジロウ、メジロゴーリキもクリア。コウシュハウンカイとオレノココロは、障害で苦戦します。
 先頭で障害を越えたアアモンドグンシンは、徐々に後続との差を広げての圧勝。ミノルシャープが残り20メートル付近で止まると、障害6番手からグイグイと脚を伸ばしてきたセンゴクエースが交わして2着。3着争いは混戦になりましたが、センゴクエースと差のない7番手で障害を通過したオレノココロがこれを制しました。

 4歳馬によるドリームエイジカップ制覇は史上初で、3連単13万円という波乱の結果になりました。また、勝利したアアモンドグンシンの手綱を取った長澤幸太騎手は、メジロゴーリキで制した2017年ばんえいダービー以来となるおよそ2年ぶりの重賞勝利となりました。
 一方、1番人気コウシュハウンカイは、トップハンデの影響か持ち前の先行力が生かせず7着と今季初の着外に敗れました。

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長澤幸太騎手「(自分自身が)なかなか(重賞で)結果が出せていなかったので、やっと勝てて嬉しい気持ちで一杯です。(アアモンドグンシンは)銀河賞など勝ち切れないレースが続きましたが、前走1着をとって調子も上がってきていました。障害では膝を折りそうになりましたが、気合で上げました。馬場状態も含めて思い切って乗ろうと心掛けていました。また帯広競馬場に足を運んでいただき、応援のほどよろしくお願いします」

11/17クインカップ回顧

2019年11月18日(月)

オークス馬ミスタカシマが4歳女王の座に!

 17日(日)は重賞・クインカップ(4歳牝馬オープン)が行われ、単勝1番人気のミスタカシマが優勝。ばんえいオークスを制し、3歳女王になった同馬が4歳でも女王の座を不動のものにしました。

【出走馬】※カッコは負担重量、右の数字は単勝最終オッズ
 1.サンシルクラポピー(700) 11.2
 2.ウィナーキララ(680) 67.9
 3.テツアズマ(690) 46.5
 4.ブレークスルー(690) 30.3
 5.ジャスミンガール(690) 34.5
 6.アフロディーテ(700) 3.0
 7.プランセス(690) 23.0
 8.ミスタカシマ(720) 1.5
 9.サトクィーン(690) 56.8
 10.カイセリュウキ(680) 58.3

 ばんえいオークスなど重賞5勝のミスタカシマが単勝1.5倍で断然の1番人気。目下5連勝で紅バラ賞を制したアフロディーテが3.0倍の2番人気で、以下は単勝10倍以上とこの2頭に人気が集中しました。

 馬場水分は1.8%。まずサトクィーンが先行すると、ジャスミンガール、アフロディーテ、プランセスが差なく追走します。ミスタカシマは先行勢の後ろを追走していましたが、徐々に位置取りを上げていくと先頭で第2障害下に到達。ここまで59秒というペースでした。
 最初に仕掛けたのはサトクィーンでしたが、登坂途中で止まってしまいます。これを見てアフロディーテ、ジャスミンガール、ミスタカシマが仕掛けると、この中からアフロディーテとミスタカシマがひと腰で通過し、後続との差を広げます。障害を降りる勢いではアフロディーテが勝り先頭に立ちましたが、残り30メートルでミスタカシマが交わすと、その差をじわじわと広げてゴールしました。アフロディーテも最後まで脚色衰えることなく歩き切って2着を確保。4番手で障害を通過したサンシルクラポピーが脚を伸ばして離れた3着に入り、上位人気3頭での決着となりました。

 勝ったミスタカシマは、今年7月の柏林賞に続いての重賞6勝目。黒ユリ賞、ばんえいオークスを勝利しており、これでばんえい牝馬世代重賞を完全制覇となりました。4歳シーズン二冠目の銀河賞は不出走でしたが、残る一冠の天馬賞で4歳シーズン二冠制覇を狙うことになります。

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鈴木恵介騎手「紅バラ賞よりもハンデ(差)が少なかったので、なんとか勝ってくれました。馬体重は減っていましたが、元々馬格がある馬で、しっかりと調教した結果なので不安はありませんでした。ロータリーハローをかけると脚抜きが悪くなり、その分、力が必要ですが、頑張ってくれたと思います。ミスタカシマは気性もよく、障害も得意なところが強みです。これからもよろしくお願いします」

11/10ばんえい菊花賞回顧

2019年11月11日(月)

3歳二冠目もメムロボブサップ!

 10日(日)は重賞・ばんえい菊花賞(3歳オープン)が行われ、単勝1番人気のメムロボブサップが優勝。8月のばんえい大賞典に続いて3歳二冠を達成しました。

【出走馬】※カッコは負担重量、右の数字は単勝最終オッズ
  1.ジェイエース (700) 27.0
  2.アオノブラック(720) 3.1
  3.ジェイカトレア(680) 30.0
  4.サクラドリーマー(700) 10.1
  5.アポロン(690) 121.8
  6.メムロボブサップ(730) 1.8
  7.アオノゴッド(690) 48.1
  8.インビクタ(700) 5.4

 2歳シーズン二冠を制し、3歳一冠目のばんえい大賞典も勝利したメムロボブサップが単勝1.8倍で1番人気。ヤングチャンピオンシップの覇者アオノブラックが3.1倍の2番人気で、4戦連続連対中のインビクタが5.4倍の3番人気とここまでが単勝10倍以下。実績通りの人気になりました。

 馬場水分0.9%。まずトップハンデのメムロボブサップが先行しますが、アオノブラック、インビクタも差なく追走。ジェイエースが先行勢に加わると、アオノゴッドも続きます。各馬自分のペースで刻みながら歩を進め、メムロボブサップとインビクタがほぼ同時に53秒で第2障害下に到達しました。
 インビクタとメムロボブサップがほぼ同時に仕掛けると、これを見てアオノブラックも登坂を開始。3頭はいずれもひと腰でまとめますが、その中でも勢いが違ったのはメムロボブサップで、先頭でクリアすると後続との差を広げます。アオノブラックが懸命にこれを追いますがその差は詰まらず。メムロボブサップがトップハンデをものともせず、先頭でゴールしました。アオノブラックは2秒4差の2着。4番手で障害をクリアしたアオノゴッドが、残り30メートルを過ぎたあたりでインビクタを交わすとそのまま歩き切って3着を確保しました。

 勝ったメムロボブサップは、ばんえい大賞典に続いて3歳二冠を達成。12月のばんえいダービーで2001年のヨコハマボーイ以来となる3歳三冠達成がかかります。
 一方、アオノブラックは2着に敗れたものの、これで重賞では6戦すべて3着以内。ばんえいダービーで逆転を狙います。

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阿部武臣騎手「前走オープン級相手に720キロでレースをしていて、手ごたえを感じていたので、10キロ増でも何とか行けると思っていました。馬の調子も良く、トップハンデながら先行してレースをすることができ、十分息を入れられたのでしっかり歩いてくれました。ここまで来たら残る一冠のばんえいダービーを目指していきたいです。これからも良いレースを見せられるよう頑張りますので、応援よろしくお願いします」

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