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12/23ばんえいダービー回顧

2018年12月24日(月)

第47代ダービー馬はアアモンドグンシン!

 23日(日)は重賞・ばんえいダービー(3歳オープン)が行われ、単勝2番人気のアアモンドグンシンが優勝。ばんえい大賞典と合わせて3歳二冠を達成しました。

【出走馬】※馬名右の数字は単勝最終オッズ
  1.ジェイコマンダー 17.4
  2.オレワチャンピオン 41.7
  3.キタノユウジロウ 29.8
  4.カネサダイマオー 54.2
  5.アアモンドグンシン 2.0
  6.ミノルシンザン 43.3
  7.ミスタカシマ 1.9
  8.コウシュハレガシー 14.8
  9.ハマノダイマオー 157.2
 10.マツノタイガー 81.3

 単勝1番人気は紅一点のミスタカシマで1.9倍となりましたが、アアモンドグンシンも僅差の2番人気。以下3番人気のコウシュハレガシーが14.8倍で、完全に一騎打ちの戦前予想となりました。

 馬場水分は1.3%でスタート。各馬、勢いよく第1障害を突破しますが、そこからは様子をうかがいながら進みます。キタノユウジロウ、アアモンドグンシン、オレワチャンピオン、ミスタカシマといった実力馬が先団を形成し、これにコウシュハレガシーも絡む展開。一進一退の攻防を繰り広げながら、第2障害を迎えました。
 ひと呼吸置いて、最初に仕掛けたのはミスタカシマ。抜群のかかりを見せて勢いよく突破しますが、これと同等の登坂を見せたのがアアモンドグンシン。人気の2頭が早くも一騎打ちに持ち込みそうな空気となりましたが、3番手でキタノユウジロウ、続く4番手でオレワチャンピオンとコウシュハレガシーが並んでクリアし、勢いよく2頭を追いかけます。
 先頭の2頭のうち、力強く脚を伸ばしたのはアアモンドグンシン。対するミスタカシマは置かれ加減となり、残り30メートルを迎える前に後退。勝負圏内から脱落してしまいました。代わって2番手に浮上したのがキタノユウジロウで、コウシュハレガシーも3番手から懸命に脚を伸ばします。ただ、先頭を行くアアモンドグンシンの脚いろは快調で、止まる気配も皆無。結局、そのままアアモンドグンシンが先頭で荷物を運び切り、第47代ばんえいダービー馬に君臨しました。4秒3差の2着にキタノユウジロウで、さらに5秒6差の3着にコウシュハレガシー。ミスタカシマは4着に流れ込む結果となりました。

 ばんえい菊花賞こそミスタカシマの後塵を拝したものの、頂上決戦でリベンジを果たし、二冠を達成したアアモンドグンシン。相手をミスタカシマ1頭に絞ったような狙い撃ちで、力ずくで勝利をもぎ取りました。強気なレースぶりで押し切ったことからも、持ち前の能力は相当。ペースと重量に慣れさえすれば、古馬相手の重賞でも互角の立ち回りができそうです。
 2着のキタノユウジロウは、イレネー記念(2着)以来となる重賞での連対。ばんえい菊花賞4着からも、この世代では力量上位の存在といえるでしょう。強敵2頭を相手に真っ向勝負を挑んでの結果だけに、2着でも胸を張れる結果。今後の活躍を期待したいと思います。
 コウシュハレガシーは障害後もしっかり歩き続けましたが、届かず3着。結果的に3歳三冠はすべて3着となりましたが、堅実なレース運びには光るものがありました。馬体的にもさらに成長する可能性が感じられ、より力強さが出てくればタイトル奪取のチャンスも十分です。

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阿部武臣騎手「何としてでも取りたいレースの1つなので、うまく勝てればと思っていました。近走は障害で止まるなど伸び悩んでいましたが、前走でそれを克服できたので、同じように落ち着いて障害を越えられれば勝てると思っていました。プレッシャーもないように思っていましたが、かかっている部分もあったと思います。これからもレースを使いながら、ゆっくりと成長してくれればと思います。クリスマスが近いこともあり、馬主や厩舎の関係者、アアモンドグンシンを応援してくれているファンの皆様にクリスマスプレゼントを贈られたと思います。きょうは応援ありがとうございます。メリークリスマス」

12/2ばんえいオークス回顧

2018年12月 2日(日)

ミスタカシマが力の違いを見せつける!

 2日(日)は重賞・ばんえいオークス(3歳牝馬オープン)が行われ、単勝1番人気のミスタカシマが優勝。重賞3勝の実力を見せつけ、3歳女王の称号を手にしました。

【出走馬】※馬名右の数字は単勝最終オッズ
  1.サンシルクラポピー 29.4
  2.ミスタカシマ 1.2
  3.プランセス 40.9
  4.センリョウバコ 21.1
  5.アフロディーテ 9.3
  6.センショウブルー 42.5
  7.サトクィーン 10.0
  8.カネササクラ 23.8
  9.クイーンドリーマー 53.9
 10.ウィナーキララ 38.3

 牡馬相手のばんえい菊花賞を制したミスタカシマが、圧倒的な1番人気。続く2番人気のアフロディーテが9.3倍、以下はふた桁台のオッズで、ミスタカシマの勝ちっぷりが焦点となりました。

 馬場水分は1.0%でゲートオープン。各馬、第1障害を越えると、相手の出方をうかがいながらレースを進めます。軽快に飛ばしたのはサトクィーン。それを見ながらミスタカシマが追走し、その後ろは横一線で続くかたちで第2障害を迎えました。
 先行したサトクィーンが真っ先に障害に挑みますが、天板付近でヒザを折るなど苦戦。その一方、やや遅れて仕掛けたミスタカシマは抜群の登坂力を発揮。後続各馬が仕掛ける前に障害を下りていきました。
 その後もミスタカシマは他馬を問題にしないレースを展開。ゴール前で若干脚いろが鈍ったものの、止まることなくゴール線を突破し、3歳牝馬の頂点に君臨しました。
 別のレースとなってしまった感のある2着争いは、じっくりためて2番手で下りたアフロディーテがリード。3番手でクリアしたカネササクラが懸命に食い下がりますが、最低人気のクイーンドリーマーが鋭い末脚を繰り出してこれを交わし、さらにゴール前ではアフロディーテに迫る勢い。しかし、結局はアフロディーテが粘り切って2着を確保。1秒2差の3着にはクイーンドリーマーが入りました。

 ここでは力が違った印象のミスタカシマ。若干力の要る馬場を強気に先行し、出走馬の大半がまだ障害下で脚を止めている間に最後の平坦路を迎えるという、圧倒的なレースを演じました。最終的にアフロディーテにつけた着差は14秒7。同世代牝馬での力の差は歴然で、牡馬相手のばんえいダービーでどんなレースを見せるのか、期待は高まるばかりです。
 2着のアフロディーテは、障害でも抜群のかかりを見せ、しまいの粘りも上々でした。ただ、同じくミスタカシマの2着だった黒ユリ賞と同様、相手が強すぎた印象です。現状で逆転を望むのは酷と言えますが、まだ3歳だけに今後の成長を待ちたいところ。
 最低人気のクイーンドリーマーが3着。近況はC級でも苦戦を強いられていましたが、馬場や重量を考えると、パワー勝負になって持ち味が生きそうな印象を受けました。今後も条件がそろえば、好走が期待できそうです。

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鈴木恵介騎手「1番人気だと分かっていたし、この馬の能力も分かっていたので、自信を持って騎乗しました。特にプレッシャーはなかったですが、自分を追い詰めて騎乗しました。一番いい時と比べると今ひとつの状態だと感じましたが、よく頑張ってくれたと思います。牡馬勝りの強い馬ですから、ばんえいダービーも期待できると思います」

11/25ドリームエイジカップ回顧

2018年11月26日(月)

オレノココロが重賞20勝を達成!

 25日(日)は重賞・ドリームエイジカップ(4歳以上、馬齢選抜)が行われ、単勝2番人気のオレノココロが優勝。ばんえいナンバーワンの実力を見せつけ、重賞20勝目を挙げました。

【出走馬】※馬名右の数字は単勝最終オッズ
  1.オレノココロ 4.5
  2.マルミゴウカイ 5.0
  3.ホクショウディープ 100.1
  4.シンザンボーイ 5.9
  5.キサラキク 65.5
  6.マツカゼウンカイ 9.2
  7.センゴクエース 3.9
  8.フジダイビクトリー 8.4
  9.ミノルシャープ 12.6
 10.コウリキ 12.6

 実績上位のオレノココロとセンゴクエースが重量を積まれたため、オッズもばらつき加減。10頭中6頭が単勝ひと桁台で、同オッズで並んだ7番人気のミノルシャープとコウリキにしても12.6倍と、まれにみる混戦模様となりました。

 馬場水分は1.8%でスタート。700キロ台後半の重量とあって、全馬がいっせいに飛び出すと、勢いよく第1障害を通過。オレノココロ、コウリキあたりがペースを握りましたが、他馬も遅れず追走し、若干速めの展開で第2障害を迎えました。
 ひと呼吸置いて、オレノココロとマルミゴウカイが仕掛けると、シンザンボーイも登坂を開始。ミノルシャープ、コウリキと、他馬も堰を切ったように障害を登り始めます。なかでも切れのある登坂を見せたのはミノルシャープとシンザンボーイで、この2頭が並ぶようにして第2障害を突破。若干遅れてオレノココロが3番手でクリアしましたが、フジダイビクトリー、マツカゼウンカイ、マルミゴウカイ、コウリキも遅れることなく障害を下り、どの馬にもチャンスがありそうな展開で最後の平坦路を迎えました。
 障害後に勢いよく抜け出したミノルシャープが先頭。2番手でシンザンボーイが続き、両馬が懸命に押し切りを図ります。そこへ内から勢いよく伸びてきたのがオレノココロで、残り15メートルを切ったあたりで2番手に浮上。それでも先頭とは差がありましたが、残り10メートルを切ったところで、ミノルシャープがストップして勝負あり。オレノココロがその隙に敢然と抜け出し、重賞20勝目のゴールを果たしました。後続がドッと押し寄せ、3秒7の間に6頭がひしめく大混戦になった2着争いは、わずかにシンザンボーイに軍配。ミノルシャープはしまいに失速したものの、他馬の追撃をなんとか振り切り3着で入線しました。

 近況は今ひとつの成績が続いていたオレノココロでしたが、ばんえい最強馬の意地を見せ、重賞タイトルを大台の"20"に乗せました。トップハンデに加え、スピード優先の700キロ台のレースとあってオッズも控え気味でしたが、障害をすんなり3番手で下りられれば、この馬の勝ちパターンでしょう。今後の重賞戦線は基礎重量が上がってパワー勝負となるだけに、これからがこの馬のシーズン。今冬の活躍も十分に期待できそうです。

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鈴木恵介騎手「ハンデは結構ありましたが、今回は攻める感じで先行しました。第2障害を越えてから前に2頭いましたが、脚いろが悪くなっているのが分かったので、もしかしたら届くかなと思いました。今回の勝利で重賞20勝になりましたが、ばんえいを代表する馬なので、これからまだまだ楽しみな馬だと思います」

11/11クインカップ回顧

2018年11月11日(日)

メヂカラが初タイトルを奪取!

 11日(日)は重賞・クインカップ(4歳牝馬オープン)が行われ、単勝4番人気のメヂカラが優勝。前哨戦の紅バラ賞を制した勢いそのままに、重賞初制覇を果たしました。

【出走馬】※馬名右の数字は単勝最終オッズ
 1.サクラニシキヒメ 87.7
 2.フェアリースズ 2.5
 3.シンエイボブ 3.5
 4.キタノサカエヒメ 4.2
 5.マツノビューティ 28.7
 6.イズミクィーン 12.7
 7.サカノイサムヒメ 76.3
 8.ライデンメルテイ 116.4
 9.メヂカラ 4.9

 2走前の紅バラ賞こそ4着に敗れたものの、前走のB1-1組戦を制して軌道修正を果たしたフェアリースズが1番人気。ただ、ばんえいオークス2着、牡馬相手の柏林賞3着のシンエイボブ、オークス3着のキタノサカエヒメ、黒ユリ賞3着のメヂカラなど、地力のある馬がここへ向けて調子を上げており、上位は拮抗したオッズとなりました。

 馬場水分は1.9%でスタート。軽快に第1障害を突破したマツノビューティがペースを握り、フェアリースズ、キタノサカエヒメ、イズミクィーンなどが先団を形成。ただ、極端にペースが上がることはなく、各馬とも離れず追走して中間点を通過すると、そのままの隊列で第2障害下を迎えました。
 最初に動いたのは、終始先行していたマツノビューティ。それとほぼ同時にフェアリースズ、キタノサカエヒメ、シンエイボブが仕掛けます。なかでも切れのある登坂を見せたのはマツノビューティとフェアリースズで、すんなりと障害を突破。並ぶようなかたちでシンエイボブとキタノサカエヒメが続き、やや遅れてメヂカラも追撃態勢に入りました。
 障害後も着実に歩を進めていた先行勢でしたが、残り30メートル付近で脚いろが鈍りはじめます。そこへ勢いよく伸びてきたのがメヂカラで、あっという間に先頭へ。その後もしっかりとした脚どりでゴールまで歩き切り、4秒9差をつけて初タイトルを手にしました。多少苦しみながらも止まることなく歩き続けたキタノサカエヒメが2着。同タイムの争いとなった3着争いは、フェアリースズに軍配が上がりました。

 目をみはるような末脚を発揮したメヂカラが、3度目の重賞挑戦で初の栄冠。先行勢が早めの競馬を展開し、それが有利に働いた面もありましたが、他馬を楽に突き放したレース内容は圧巻でした。牝馬同士なら年長馬が相手でも互角の印象で、展開や馬場次第でタイトルを積み重ねる可能性も十分です。

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工藤篤騎手「先週のばんえい菊花賞に続いて優勝できて嬉しいです。馬場が多少ぬかるんでいましたが、気にしないように普段通り騎乗しました。前走より30キロ重量が増えたぶんは工夫して乗りました。手ごたえはいつもと変わらず、下りたら脚のある馬なので、第2障害をどの位置で下りられるかだけを考えていました。これからも力をつけて良い方向に成長してくれればいいと思います。まだまだ頑張っていきますので応援よろしくお願いします」

11/4ばんえい菊花賞回顧

2018年11月 4日(日)

ミスタカシマが牡馬勢を撃破!

 4日(日)は重賞・ばんえい菊花賞(3歳オープン)が行われ、単勝1番人気のミスタカシマが優勝。2月の黒ユリ賞以来となる重賞3勝目を挙げました。

【出走馬】※馬名右の数字は単勝最終オッズ
  1.オレワチャンピオン 11.8
  2.コウシュハレガシー 8.4
  3.ミノルシンザン 26.6
  4.フナノダイヤモンド 162.9
  5.ミスタカシマ 1.9
  6.キタノユウジロウ 11.4
  7.アアモンドグンシン 2.7
  8.ジェイコマンダー 53.5
  9.マツノタイガー 207.7
 10.ハマノダイマオー 66.4

 はまなす賞2着、前走のA2-1組戦も快勝し、4連続連対中の紅一点ミスタカシマが1番人気。ばんえい大賞典を制したアアモンドグンシンが続き、この2頭が人気の中心。やや離れた3番人気にコウシュハレガシーで、以下はふた桁台のオッズと、偏った戦前予想になりました。

 馬場水分1.2%のなか、各馬が思い思いのペースで運び、道中はバラバラの展開。アアモンドグンシン、コウシュハレガシー、オレワチャンピオン、ミスタカシマといった実績馬が先団を形成します。なかでもアアモンドグンシンの行き脚は軽快で、中間点過ぎから加速すると先頭で第2障害へ。以下はミスタカシマ、オレワチャンピオン、コウシュハレガシーの順で障害下にたどり着きました。
 他の6頭が障害に到達しないうちにアアモンドグンシンが登坂を開始。これを見て先行各馬も仕掛けますが、なかでも抜群のかかりを見せたのがミスタカシマで、ひと腰で障害を突破します。アアモンドグンシンは天板付近で手間取り、その間にコウシュハレガシーがクリア。3番手で越えたのはキタノユウジロウで、以下オレワチャンピオン、ミノルシンザンと続き、苦戦を強いられたアアモンドグンシンは6番手から追撃態勢に入りました。
 最後の平坦路で、目をみはるような末脚を繰り出したのは、そのアアモンドグンシン。前との差をグングンと詰めにかかり、先行した2頭を懸命に追いかけます。先行勢はコウシュハレガシーの脚いろが鈍り、残り5メートルでストップ。アアモンドグンシンがこれをかわして2番手に浮上しましたが、猛追もここまで。最後は一杯になりながらもミスタカシマが粘り通し、先頭で荷物を運び切りました。4秒3差でアアモンドグンシン。際どくなった3着争いはコウシュハレガシーに軍配が上がりました。

 並み居る牡馬を撃破したミスタカシマ。古馬A2を勝った足跡からも、3歳世代ではやはり一枚上の力を有していました。母のアグリタカラは2007年のばんえいオークスで4着でしたが、今回のレースぶりからは、母以上の成績はもちろん、3歳女王の座も目前。そして、頂上決戦・ばんえいダービーを制しての二冠達成も、十分に期待できそうです。
 障害で苦戦を強いられたアアモンドグンシンでしたが、あきらめずに追い込んできた内容は悪くなく、末脚の切れ味も抜群でした。ばんえい大賞典のときのように、スムーズに障害を上がれれば違うはず。ばんえいダービーでの巻き返しなるか注目です。

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工藤篤騎手「プランとしては、まず先行して逃げることを考えていました。道中の流れとしては、落ち着いた感じだったと思います。この馬は障害が上手なので、下りてからのことだけを考えていました。690キロの重量も問題なく、まだまだ重量が重くなっても大丈夫だと思います。スピードと障害が巧みな馬なので、今後のレースでも良いところを見せてくれると思います」

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