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10/18ナナカマド賞回顧

2020年10月20日(火)

世代最初の重賞ウイナーはアバシリサクラ

 10月18日(日)は重賞・ナナカマド賞(2歳オープン)が行われ、単勝4番人気のアバシリサクラが優勝。前走に引き続き、決め脚を生かしての勝利で世代最初のタイトルを奪取しました。

【出走馬】※カッコは負担重量、右の数字は単勝最終オッズ
 1.シュトラール(570) 64.6
 2.シンエイアロー(550) 12.1
 3.ショウワノチカラ(570) 137.3
 4.リアンドノール(570) 96.2
 5.レッツゴーリータン(550) 30.6
 6.キタノダンディ(570) 18.6
 7.アルジャンノオー(580) 2.6
 8.フクフクライデン(570) 4.8
 9.ネオキングダム(570) 3.4
 10.アバシリサクラ(550) 5.8

 青雲賞を勝利するなどデビューから7戦5勝のアルジャンノオーがトップハンデながら単勝2.6倍で1番人気に。青雲賞で僅差2着のネオキングダムが3.4倍の2番人気で続き、青雲賞3着のあと2歳A級-2組を勝利したフクフクライデン、前走を抜群の決め脚で差し切った牝馬アバシリサクラまでが単勝ひと桁台の人気と、上位拮抗の様相になりました。

 第1障害を勢いよく越えたアバシリサクラが先行しますが、中間点を過ぎたあたりでレッツゴーリータンが先頭に。シンエイアロー、ネオキングダム、キタノダンディらが続きます。後続もそれほど離れることはなく、前半からスピード感のある展開となりました。先頭で第2障害下に到達したのはレッツゴーリータンで、ここまで50秒というペースでした。
 最初に障害に仕掛けたのはシンエイアローでそのまま先頭でクリアすると、ネオキングダムとシュトラールも差なく通過。レッツゴーリータン、アバシリサクラ、アルジャンノオーらもひと腰で障害をクリアし混戦になります。
 その中で、1頭だけ違う脚で伸びてきたのがアバシリサクラ。残り30メートル手前で先頭に立ちます。これにネオキングダムが食い下がると、残り20メートルを過ぎてからは2頭の一騎打ちに。激しい叩き合いとなりましたが、ゴール前で振り切ったアバシリサクラが勝利。ネオキングダムは止まりかけながらも、粘りを見せて2着。3着にはしぶとく脚を伸ばしたレッツゴーリータンが入りました。

 勝ったアバシリサクラは、牝馬として17年ミスタカシマ以来、3年ぶり5頭目となるナナカマド賞制覇。その切れ味十分の差し脚は先々のレースでも武器となるでしょう。また、今シーズンここまで重賞11戦のうち、島津新騎手が6勝。人馬とも今後の活躍に注目です。

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島津新騎手「障害に重点を置いて、降りてからは歩ける馬なので信じて乗りました。馬場も軽めで流れも落ち着いていました。(550キロの重量について)9月のいちい賞で障害を失敗していたので心配はあったのですが、馬を信じました。残り20メートルくらいから少し苦しいなと思いましたが、なんとかゴールまでもたすことができてよかったです。(自身今季重賞6勝目について)チャンスのある馬に乗せていただいているので調教師さん、馬主さんに感謝しています」

9/27銀河賞回顧

2020年9月28日(月)

メムロボブサップが4歳三冠に王手

 9月27日(日)は重賞・銀河賞(4歳オープン)が行われ、単勝1番人気のメムロボブサップが優勝。3歳三冠を制した同馬が4歳シ-ズンでも三冠にリーチをかけました。

【出走馬】※カッコは負担重量、右の数字は単勝最終オッズ
 1.ダイリンファイター(720) 93.4
 2.コマサンエース(710) 10.5
 3.ジェイエース(720) 112.6
 4.ギンノダイマオー(720) 144.8
 5.メムロボブサップ(750) 1.3
 6.コマサンブラック(720) 5.6
 7.アオノブラック(740) 5.6
 8.サクラドリーマー(720) 63.0
 9.インビクタ(730) 40.1

 2歳二冠、3歳三冠、そして4歳一冠目の柏林賞を制し、同世代同士では無類の強さを誇るメムロボブサップ。今回は最大40キロ差のトップハンデ750キロという条件でしたが、単勝オッズは1.3倍と大きな期待が掛かりました。最近5戦で3勝、2、3着各1回と地力強化がうかがえるコマサンブラックと、ヤングチャンピオンシップ、ポプラ賞と重賞2勝のアオノブラックが単勝5.6倍で並びましたが、票数の差でコマサンブラックが2番人気。しかし、連勝系ではメムロボブサップとアオノブラックの組み合わせが人気の中心になりました。

 先手を取ったのはギンノダイマオーで、メムロボブサップが差なく追走。アオノブラック、コマサンブラックらが続きました。馬場水分は2.2%と軽めの馬場で前2頭は軽快に歩を進めると、わずかにギンノダイマオーが先頭で第2障害下に到達。ここまで51秒というペースでした。
 第2障害に最初に仕掛けたのはギンノダイマオーでしたが、登坂途中でひと息。これを見るように後続が一斉に登坂を開始すると、そのなかでアオノブラックがひと腰先頭で障害をクリアします。メムロボブサップとインビクタも差なく通過し、コマサンブラックが4番手で続きました。
 前の争いは、残り30メートルほどで先頭のアオノブラックをメムロボブサップがとらえると、並ぶ間もなく突き放し、断然人気にこたえての勝利となりました。アオノブラックがそのまま止まることなく歩き切って2着。3着争いは接戦でしたが、インビクタが差を詰めてきたコマサンブラックをしりぞけました。

 メムロボブサップはトップハンデながら王者の走りで重賞7勝目。三冠最終戦となる1月の天馬賞は定量戦だけに当然最有力候補となるでしょう。もし勝てば史上初となる3歳、4歳の両三冠制覇の偉業達成となるだけに、今後も目が離せない存在です。

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阿部武臣騎手「宿敵のアオノブラックと10キロ差しかなかったので辛いかなと思いましたが、よく頑張ってくれました。(トップハンデで)後ろから行って届かないよりは、逆に引っ張るくらいで行ったほうが馬には余裕が持てていいかなと思いました。先にギンノダイマオーに障害をかけられた時は馬が少し力んでしまいましたが、上手く越えてくれました。(史上初の3歳、4歳の三冠がかかる天馬賞について)上手く獲れればいいですが、これからそこを目標に頑張っていきたいと思います」

9/20岩見沢記念回顧

2020年9月21日(月)

コウシュハウンカイが連覇達成

 9月20日(日)は重賞・岩見沢記念(3歳以上オープン)が行われ、単勝1番人気コウシュハウンカイが優勝。昨年に続いての逃げ切りで、見事連覇達成となりました。

【出走馬】※カッコは負担重量、右の数字は単勝最終オッズ
 1.メジロゴーリキ(820) 5.7
 2.ホクショウマサル(820) 2.8
 3.ソウクンボーイ(820) 91.0
 4.コウシュハレガシー(820) 37.5
 5.ミスタカシマ(810) 16.5
 6.ミノルシャープ(850) 競走除外
 7.コウシュハウンカイ(840) 2.2
 8.センゴクエース(820) 5.5

 このレース連覇を狙うコウシュハウンカイと重賞3連勝中のミノルシャープに人気が集まることが予想されましたが、ミノルシャープが競走除外に。これにより、コウシュハウンカイは事実上のトップハンデとなりましたが、単勝2.2倍で1番人気に支持されました。以下人気は、連勝中で復調がうかがえるホクショウマサル、実績上位のセンゴクエース、ばんえいグランプリ3着のメジロゴーリキの順で続きました。

 勢いよく第1障害をクリアしたメジロゴーリキが先行。ホクショウマサル、コウシュハウンカイ、センゴクエースらを離して逃げるかたちをとります。その後は各馬慎重に歩を刻み、後続も徐々に前との差を詰めます。メジロゴーリキが前半78秒というペースで最初に第2障害下に到達し、各馬がほぼ横一線のかたちで第2障害を迎えました。
 最初に仕掛けたのはセンゴクエースですが、膝を折って転倒。続いたメジロゴーリキも天板の手前で転倒。差なく仕掛けたコウシュハウンカイが力強く駆け上がりひと腰先頭でクリア。少し遅れてミスタカシマ、さらにコウシュハレガシーも続きますが、4番手以降は障害で苦戦。優勝争いはこの3頭に絞られました。
 後続に差をつけたコウシュハウンカイは、残り10メートル付近で脚いろが鈍り、淡々と歩いてきたミスタカシマが肉薄しましたが、最後まで止まることなく歩き切って先頭でゴール。ミスタカシマが2秒0差で2着。コウシュハレガシーはゴール手前で一杯になりましたが、立て直して3着に入りました。

 勝ったコウシュハウンカイは、5月のばんえい十勝オッズパーク杯以来となる今季重賞2勝目。通算では重賞15勝目となりました。今回は同世代のライバル・オレノココロが不在となったうえ、ミノルシャープも除外となりましたが、完勝といえる内容でした。
 藤本匠騎手は岩見沢記念7勝目、管理する松井浩文調教師は同8勝目となりました。

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藤本匠騎手「ホッとしています。トップハンデになったので、上位(先行馬)に離されないように障害前に着いて、なんとかひと腰で越えればと思っていましたが上手くいきました。(流れが)思ったより速くなかったのでよかったです。この勝利を糧に次のレースも頑張りたいと思います」

8/30はまなす賞回顧

2020年8月31日(月)

ゴールドハンターが接戦を制す

 8月30日(日)は重賞・はまなす賞(3、4歳オープン)が行われ、単勝4番人気、3歳のゴールドハンターが優勝。見事4歳馬を撃破し、重賞初制覇となりました。

【出走馬】※カッコは負担重量、右の数字は単勝最終オッズ
 1.アオノブラック(710) 5.8
 2.ダイリンファイター(690) 51.6
 3.エンゼルフクヒメ(640) 80.5
 4.ゴールドハンター(660) 8.5
 5.メムロボブサップ(710) 1.7
 6.インビクタ(700) 12.5
 7.キョウエイリュウ(690) 出走取消
 8.サクラドリーマー(690) 45.2
 9.カイセドクター(670) 3.8

 2歳シーズン二冠、3歳三冠、そして4歳シーズン一冠目の柏林賞を制したメムロボブサップ。3歳馬との混合戦なら実績は断然で単勝1.7倍と高い支持を集めました。ばんえい大賞典2着など近走の充実ぶりがうかがえるカイセドクターが単勝では2番人気でしたが、連勝系ではメムロボブサップ、アオノブラックのトップハンデ馬2頭が人気の中心になりました。

 ゴールドハンターが先行しますが、アオノブラック、ダイリンファイター、エンゼルフクヒメが差なく追走。メムロボブサップも位置取りを上げて先行争いに加わってきます。中間点を過ぎたあたりでアオノブラックが先頭に立つと、メムロボブサップとほぼ同時に第2障害下に到達。ここまで43秒、雨の湿った馬場で速いペースでレースが進みました。
 ひと息入れたアオノブラックが最初に仕掛けると、これを見たメムロボブサップも登坂を開始。ともにすんなりとひと腰、アオノブラックが先頭で、すぐにメムロボブサップも続き、その後、ゴールドハンター、インビクタと続きます。
 逃げるアオノブラックにメムロボブサップが追いかけるところ、鋭く脚を伸ばしてきたのがゴールドハンター。残り20メートルあたりで先頭に立って押し切りを図ります。しかしメムロボブサップが食い下がり、ゴール手前で盛り返すと2頭がほぼ同時にゴールを通過。走破時計はともに1分31秒8という接戦となりましたが、写真判定の末、ゴールドハンターがわずかに先着。アオノブラックが4秒3差で3着に入りました。

 重賞初制覇となったゴールドハンターは、これが今季7勝目で、そのうち6勝は7月以降に挙げたもの。ばんえい大賞典は8着でしたが、夏場に入って着実に力をつけており、残る二冠での活躍に期待が持てる結果となりました。
 また、コンビを組んだ島津新騎手はこれで7月の旭川記念から重賞4連勝。今季ここまで8つの重賞で5勝を挙げています。ばんえいの騎手としては2番目に若い30歳の活躍にも注目です。

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島津新騎手「馬が最後まで走り切ってくれて嬉しいです。(ゴールの瞬間は)たぶん勝ったなというくらいでした。ハンデもあったので馬場は軽いほうがいいかなと思っていました。展開は当然速くなると思っていたので、第2障害下に着いたときに前を射程圏に入れて乗っていました。障害を(3番手で)通過した時は勝てると思いました。(自身今季重賞5勝目は)出来過ぎなので自分でも驚いています。これで少し名前を憶えてもらったかなと思います」

8/16ばんえいグランプリ回顧

2020年8月17日(月)

ミノルシャープが重賞3連勝

 8月16日(日)は重賞・ばんえいグランプリ(3歳以上ファン選抜)が行われ、単勝2番人気のミノルシャープが優勝。障害先頭通過から押し切り、北斗賞、旭川記念に続いて古馬重賞3連勝を達成しました。

【出走馬】※カッコは負担重量、右の数字は単勝最終オッズ
 1.メジロゴーリキ(800) 34.9
 2.キタノユウジロウ(800) 94.5
 3.ミスタカシマ(780) 13.6
 4.シンザンボーイ(800) 47.2
 5.カンシャノココロ(790) 88.7
 6.センゴクエース(800) 3.3
 7.ホクショウマサル(800) 22.9
 8.コウシュハウンカイ(800) 2.6
 9.ミノルシャープ(800) 2.6

 ファン投票で1位になったオレノココロが出走を回避。1番人気になったのはこのレース連覇を目指す10歳馬コウシュハウンカイ。北斗賞、旭川記念と重賞連勝中の充実の6歳馬ミノルシャープが単勝2.6倍で並びましたが、票数の差で2番人気に。前走鈴木恵介騎手とのコンビで今季初勝利を挙げたセンゴクエースが3.3倍で続きました。以下は10倍以上で、三つどもえの人気となりました。

 勢いよくスタートしたメジロゴーリキが軽快に先行し、少し離れてミノルシャープ、ミスタカシマ、コウシュハウンカイが追走。センゴクエースは第1障害で膝をついてしまいます。メジロゴーリキが慎重に刻みながら歩を進めると、徐々に位置取りを上げたコウシュハウンカイが先頭に替わって第2障害下に到達。ここまで79秒というペースでした。
 第2障害に3番手で到達したミノルシャープが先に仕掛けると、差なくコウシュハウンカイも続いてともにひと腰で障害をクリア。やや離れた3番手でメジロゴーリキが通過し、キタノユウジロウ、シンザンボーイと続く展開となりました。
 障害を先頭で通過したミノルシャープは一歩一歩、力強く歩を進めます。2番手のコウシュハウンカイも懸命に食い下がりますが、最後まで歩き切ったミノルシャープが先頭でゴール。コウシュハウンカイは2秒9差の2着で連覇とはならず。メジロゴーリキが3着に粘り込み、人気の一角だったセンゴクエースは7着に敗れました。

 勝ったミノルシャープは、これで古馬重賞を3連勝。3着のメジロゴーリキも同じ6歳。これまで古馬重賞戦線をけん引してきたコウシュハウンカイ、今回は不出走だったオレノココロら10歳世代に対して、世代交代を感じさせる結果となりました。

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島津新騎手「馬が強いという一言に尽きます。隣枠に(人気のコウシュハウンカイが)いたので気にして乗っていましたが、障害を越えてからは切れ味で勝負になると思い、並べて行っても大丈夫だと思っていました。今日は気温も上がっていて、残り20メートルくらいからバテた面もありましたが、成長で馬がカバーしてくれました。(今後のレースについて)この馬は成長段階にあるので、このままずっと調子をキープするだけでも十分だと思います」

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