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2/16黒ユリ賞回顧

2020年2月17日(月)

2歳シーズン女王はエンゼルフクヒメに
中山騎手は悲願の重賞初制覇

 16日(日)は重賞・黒ユリ賞(3歳牝馬オープン)が行われ、単勝2番人気のエンゼルフクヒメが優勝。手綱を取った中山直樹騎手はデビュー23年目で嬉しい重賞初制覇となりました。

【出走馬】※カッコは負担重量、右の数字は単勝最終オッズ
 1.キラリ(640) 63.9
 2.ニセコヒカル(640) 18.7
 3.アバシリルビー(640) 1.6
 4.ヒメトラマジック(640) 49.1
 5.アヴエクトワ(640) 32.8
 6.エンゼルフクヒメ(640) 5.4
 7.コウシュハハイジー(640) 54.0
 8.アーティウィング(640) 6.5
 9.ミスリオン(640) 37.3
 10.フォルテシモ(640) 7.3

 デビューから15戦して掲示板を外したのはわずか1度のアバシリルビー。A級-1組でも安定した成績を残していることから1.6倍と圧倒的な支持を得ました。いちい賞、釧路産駒特別と特別戦を2勝のエンゼルフクヒメが5.4倍の2番人気。4戦連続3着以内と地力強化がうかがえるアーティウィングが6.5倍で3番人気、堅実駆けが魅力のフォルテシモが7.3倍で4番人気とここまでが単勝10倍以下のオッズとなりました。

 馬場にうっすらと雪が積もるなかレースがスタート。アバシリルビー、アヴエクトワが先行し、アーティウィングやコウシュハハイジーら6頭ほどが差なくほぼ横一線で、キラリとミスリオンが少し置かれる展開となりました。わずかにアヴエクトワが先頭で第2障害下に到達し、ここまで36秒とハイペースでした。
 ひと息入れたアヴエクトワが最初に仕掛けると、ヒメトラマジック、アバシリルビーらも続き、それぞれひと腰でクリア。障害を越えた勢いでアバシリルビーが先頭に立つと、抜け出して後続を引き離します。障害を4番手でクリアしたエンゼルフクヒメがこの間にじわじわと脚を伸ばすとヒメトラマジックを交わして2番手に。残り10メートル手前でアバシリルビーが一杯になると、脚勢で勝るエンゼルフクヒメが抜け出して先頭でゴールしました。最後まで止まらずに歩ききったアヴエクトワが2着で、立て直したアバシリルビーが3着を確保しました。

 勝ったエンゼルフクヒメは、牝馬として唯一の参戦となった昨年12月のヤングチャンピオンシップでも5着と健闘していることから、結果的に地力の違いを証明することができました。持ち味の決め脚を生かせるような展開なら今後、牡馬相手の重賞でも好勝負が期待できそうです。そして、デビュー3走目からコンビを組んでいる中山直樹騎手はこれが重賞初制覇。デビュー23年目での悲願達成となりました。

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中山直樹騎手「若い頃は先輩方も強くて、騎手も今の倍くらいいたので1頭の馬に乗ることにも苦労しました。それで重賞まで進めても、本番では上手い騎手に乗替わることがあったので重賞は夢のまた夢でした。なので今日この場面で騎乗機会を頂けたことに感謝します。相手はアバシリルビー1頭でしたが、この雪で展開が読めませんでした。最終的には逆に重い馬場では勝てるかわからなかったのでついていたのかなと思います。障害を降りてからの脚は一番だと思っていましたが、ここ数戦アバシリルビーに負けていたので、自信が正直ありませんでした。でも、良い意味で裏切ってくれました」

2/9ヒロインズカップ回顧

2020年2月10日(月)

最軽量生かしアフロディーテが重賞初制覇

 9日(日)は重賞・ヒロインズカップ(4歳以上牝馬オープン)が行われ、単勝2番人気のアフロディーテが優勝。最大40キロのハンデ差を生かして見事重賞初制覇を果たしました。

【出走馬】※カッコは負担重量、右の数字は単勝最終オッズ
 1.ナカゼンレディー(760) 35.3
 2.ヤマノホシ(780) 28.3
 3.タナボタチャン(770) 7.6
 4.アフロディーテ(760) 2.8
 5.ナカゼンガキタ(790) 17.8
 6.メヂカラ(770) 137.2
 7.イズミクィーン(770) 27.0
 8.フェアリースズ(780) 5.0
 9.シンエイボブ(780) 89.0
 10.ミスタカシマ(800) 2.4

 単勝1番人気に推されたのはミスタカシマ。トップハンデで初の800キロでしたが、重賞6勝の実績を買われ2.4倍と支持を集めました。ミスタカシマと同世代のアフロディーテが、今回と同じ40キロ差の紅バラ賞で勝利していることもあり、2.8倍と差のない2番人気。以下、地力強化がうかがえるフェアリースズ、このレースで引退が予定されているタナボタチャンと続きました。

 第1障害を越えた勢いでアフロディーテが先頭に立ちましたが、中間点を過ぎたあたりでヤマノホシが交わして先行。タナボタチャンも差なく続き、ミスタカシマはトップハンデの影響か何度も刻み、やや差のある中団からレースを進めます。先行した3頭はわずかにヤマノホシが先頭で第2障害下に到達。ここまで70秒というペースでした。
 ひと呼吸入れたヤマノホシが早々に仕掛けると止まりかけながらもひと腰で天板へ。しかし、これに続いたアフロディーテがスムーズに先頭でクリアすると、そのままの勢いで後続に差をつけます。続いてヤマノホシも2番手で通過。3番手で障害をクリアしたシンエイボブがじわじわとアフロディーテとの差を詰めましたが、残り20メートルあたりで一杯に。アフロディーテは最後まで脚が止まることなく先頭で歩き切りました。5番手から徐々に差を詰めたタナボタチャンが3秒2差の2着と健闘。3着争いは3頭による横一線となりましたが、フェアリースズが制しました。

 勝ったアフロディーテは、ここまで重賞では3戦すべて世代牝馬限定戦で2着という実績でしたが、古馬重賞初挑戦で見事勝利となりました。西謙一騎手、管理する西弘美調教師にとっても嬉しいヒロインズカップ初制覇となりました。明け5歳とまだ成長も見込めるだけに今後の活躍にも期待できるでしょう。

 一方、1番人気に推されたミスタカシマは本来のキレを見せることができず7着。結果的にトップハンデで初の800キロと厳しい条件が響いたようです。

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西謙一騎手「(重賞では)いつもミスタカシマに負けていたので、やっと勝てて良かったです。初の重量でしたが、障害も上手なので何も気にしませんでした。積極的に行きましたが、その割には息も入っていたのでこれならゴールまでもつと思いました。ハンデ差はありましたが、あまりゆっくりしていたら後ろも楽になるので、自分のペースで行きました。ゴール前はいつもより余裕がありましたね。まだ身体が小さいので、まずは身体をしっかり作ってこれからに備えたいです」

1/3天馬賞回顧

2020年1月 4日(土)

コウシュハレガシー悲願の重賞初制覇

 3日(金)は重賞・天馬賞(5歳オープン)が行われ、単勝6番人気のコウシュハレガシーが優勝。11回目の重賞挑戦で見事初制覇を果たしました。

【出走馬】※カッコは負担重量、右の数字は単勝最終オッズ
 1.ジェイコマンダー(760) 7.4
 2.ハマノダイマオー(760) 96.1
 3.オールラウンダー(760) 44.8
 4.コウシュハレガシー(760) 25.1
 5.マツノタイガー(760) 競走除外
 6.オレワチャンピオン(760) 21.9
 7.サンシルクラポピー(740) 53.6
 8.キタノユウジロウ(760) 4.0
 9.ミスタカシマ(740) 5.0
 10.アアモンドグンシン(760) 1.8

 3歳時にはばんえい大賞典、ばんえいダービーの二冠を制したアアモンドグンシン。4歳シーズンはなかなか重賞に手が届きませんでしたが、12月のドリームエイジカップを古馬相手に勝利し、1.8倍の1番人気に推されました。はまなす賞、銀河賞と今季重賞2勝のキタノユウジロウが4.0倍で2番人気で続き、柏林賞など重賞通算6勝の牝馬ミスタカシマが5.0倍で3番人気。これに近走好調のジェイコマンダーが続くかたちとなりました。

 前半は、先頭が入れ替わり立ち替わりでほぼ一団の展開でしたが、中間点を過ぎたあたりでミスタカシマが先行。キタノユウジロウ、アアモンドグンシン、オレワチャンピオンも上がってくると、わずかにキタノユウジロウが先頭で第2障害下に到達。ここまで61秒というペースでした。
 後続馬が揃う前に、キタノユウジロウが登坂を開始。ミスタカシマ、アアモンドグンシン、オレワチャンピオンらが続きますが、いずれも障害で苦戦します。その隙に6番手で仕掛けたコウシュハレガシーがすんなりとひと腰で障害をクリアし、一気に先頭に躍り出ます。やや差のある2番手にオールラウンダーで、オレワチャンピオンも続き、ミスタカシマは障害で座り込んだ影響もあり、4番手での通過でした。
 コウシュハレガシーは一歩一歩、力強く歩を進め、後続に大きな差をつけます。障害を7番手でクリアしたアアモンドグンシンが猛追してきますが、セーフティリードを取ったコウシュハレガシーがそのまま押し切って勝利しました。アアモンドグンシンが2着で、ミスタカシマは3着。人気の一角だったキタノユウジロウは7着に敗れました。

 勝ったコウシュハレガシーは、柏林賞2着、銀河賞3着など善戦していましたが、4歳シーズンの残る一冠で見事重賞初制覇。オープン昇級後は苦戦が続いていましたが、同世代が相手なら力があることを証明しました。今後の重賞では古馬一線級との対戦となりますが、さらなる飛躍を期待したいところです。

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藤野俊一騎手「外の(人気馬)3頭が先行し、レース展開は早かったですね。(この馬には久々の騎乗でしたが)レースもずっと見ていて障害も上がっていたので大丈夫だと思っていました。障害を降りてからは粘り強さが足りないなと思っていたので、そのあたりは加減して騎乗しました。(初めての重量でしたが)近い重量は曳いていたので大丈夫だと思っていました」

1/2帯広記念回顧

コウシュハウンカイ今季重賞3勝目

 1月2日(木)は重賞・帯広記念(4歳以上オープン)が行われ、単勝5番人気のコウシュハウンカイが優勝。近3戦では思うような結果が残せていませんでしたが、実績馬として力を見せつけました。

【出走馬】※カッコは負担重量、右の数字は単勝最終オッズ
 1.オレノココロ(910) 1.6
 2.ミノルシャープ(900) 4.4
 3.コウシュハウンカイ(920) 13.7
 4.シンザンボーイ(900) 5.5
 5.センゴクエース(900) 7.7
 6.ゴールデンフウジン(900) 36.7
 7.ソウクンボーイ(890) 35.7

 16、17年そして19年とこのレースを3勝している王者オレノココロが1.6倍と断然の人気。初の900キロも北見記念2着馬ミノルシャープが4.4倍で2番人気、北見記念で重賞初制覇となったシンザンボーイが5.5倍で3番人気、ドリームエイジカップを2着と復調気配のセンゴクエースが7.7倍の4番人気で続きました。

 ミノルシャープが先行しますが、7頭がほぼ横一線の展開。900キロ前後の高重量を曳くだけに各馬慎重に刻んで歩を進めます。中間点を過ぎたあたりでシンザンボーイが上がってきましたが、ミノルシャープが最初に第2障害下に到達。ここまで89秒というペースでした。
 障害下で全頭が横並びになると、各馬じっくりと脚を溜めます。そして、オレノココロ、ミノルシャープがほぼ同時に仕掛けると、他の馬も登坂を開始。高重量戦だけに各馬苦戦を強いられるなか、他の馬を見るかたちで最後に仕掛けたコウシュハウンカイがスムーズにひと腰先頭でクリア。立て直したミノルシャープも差なくクリアし、オレノココロがやや離れた3番手で続きます。
 ミノルシャープが残り30メートルで苦しくなり、コウシュハウンカイが押し切りを図るところ、じわじわとオレノココロが詰め寄ります。脚色は完全に優勢だったオレノココロでしたが、残り10メートルほどで脚が止まり、その間も歩き続けたコウシュハウンカイが先頭でゴール。オレノココロが2着で、離れた障害5番手から追い上げてきた最軽量のソウクンボーイが3着に入りました。

 勝ったコウシュハウンカイは、今季重賞ではばんえいグランプリ、岩見沢記念に続く3勝目で、帯広記念は18年に続いて2度目の制覇。北見記念4着以降精彩を欠いており、出走取消明けでトップハンデと厳しい条件でしたが変わり身を見せました。まだタイトルを手にしていない年度末の大一番に向けて期待が持てる一戦になりました。

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藤本匠騎手「高重量戦でトップハンデ、今日の馬場状態で、障害を降りてからゴールまでよく我慢してくれました。調教師とは普段どおり、この馬らしいレースをしようと話して騎乗しました。いつものパターンだと、ゴール前でオレノココロに差されると思いましたが、逆に相手が止まったので後はゴールまでもってくれと祈っていました。今季はBG1を2つ勝利したので、あと1つ(ばんえい記念)をなんとかこの馬に獲らせてあげたいです」

12/30ヤングチャンピオンシップ回顧

2019年12月31日(火)

無傷の10連勝で2歳シーズン二冠達成

 12月30日(月)は重賞・ヤングチャンピオンシップ(2歳、産駒特別選抜)が行われ、単勝1番人気のキョウエイリュウが優勝。ナナカマド賞に続き無敗で2歳シーズン二冠を達成しました。

【出走馬】※カッコは負担重量、右の数字は単勝最終オッズ
 1.コマサンダイヤ(600) 11.5
 2.エンゼルフクヒメ(580) 82.9
 3.アオノソルテ(590) 65.9
 4.タケノダイマオー(590) 15.0
 5.デッカクナーレ(590) 134.3
 6.キョウエイリュウ(620) 1.5
 7.カイセドクター(600) 18.4
 8.シルバーアロイ(590) 135.9
 9.サロマタイショウ(590) 73.1
 10.ブラックサファイア(600) 2.8

 注目は、ナナカマド賞を含めデビューから9連勝中のキョウエイリュウと、休養明け後、目下7連勝のブラックサファイア。それぞれ1.5倍、2.8倍と人気を集め、オッズ上では2頭の一騎打ちムードとなりました。これにナナカマド賞3着のコマサンダイヤ、釧路産駒特別2着のタケノダイマオー、北見産駒特別を勝利したカイセドクターが続くかたちとなりました。

 人気のキョウエイリュウはゲート内で暴れるシーンもありましたが、ゲートが開くと果敢な走りで先行。中間点を過ぎたあたりでコマサンダイヤ、エンゼルフクヒメ、ブラックサファイアも上がってきます。アオノソルテ、デッカクナーレ、シルバーアロイらはやや置かれ、前7頭はほぼ横一線のまま、わずかにブラックサファイアが最初に第2障害下に到達。ここまで48秒というペースでした。
 ブラックサファイアがひと息入れて仕掛けると難なく障害をひと腰。これに続いたキョウエイリュウ、カイセドクター、コマサンダイヤもひと腰でクリアします。
 先頭のブラックサファイアは残り20メートルまでキャンターで走り、後続との差を広げます。しかし、残り10メートルで脚色が鈍ると、キョウエイリュウが接近。2頭の追い比べとなりましたが、最後まで脚勢が衰えなかったキョウエイリュウがゴール前でとらえ、差し切って勝利。障害3番手のカイセドクターがそのまま3着を確保しました。

 勝ったキョウエイリュウはデビューから無傷の10連勝で2歳シーズン二冠を制覇。着差はわずかでしたが、20キロの重量差で差し切ったことから着差以上に強い内容でした。三冠最後のイレネー記念は定量戦で行われるだけに、出走が叶えば偉業達成も十分手の届くところにあるでしょう。
 一方、2着に敗れたブラックサファイアは連勝が止まりましたが、見せ場十分の内容。今後が楽しみになる一戦となりました。こちらも順調ならイレネー記念で逆転を狙うことになるでしょう。

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松田道明騎手「無事に勝利できてほっとしています。(無敗のプレッシャーも)前日まではありましたが、本番では負けることもあるだろうと少し開き直っていました。各地域の代表馬が揃うレースでしたが、この馬は切れも抜群な馬で、他の出走馬の弱点があればと考えながら騎乗しました。ハンデ差はありましたが、あまり気にすると考え過ぎてしまうので、乗った時の感覚でレースに挑みました。イレネー記念は負けられないですね」

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