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今週(9/3~9/5)のみどころ

2005年9月 2日(金)

 さて今週は4歳牝馬による重賞クインカップが行われます。エンジュオウカンをはじめ、世代を代表する牝馬が多数出走する予定となっています。このレースについては別掲の「クインカッププレビュー」をご覧ください。
 3日(土)に行われるのはコスモス特別(800万円未満)。今季好調のスーパーミントが中心となりそうです。特に岩見沢開催は6戦4勝と絶好調。800万クラスでは連続3着と勝利を挙げていませんが、今回はメンバー的にチャンスと言えそうです。近2走で3、2着と成績が上向いているキョクシンオー、ゴールデンジョッキー賞でスーパーミント(3着)と差のない4着だったホシマツリあたりが有力。タケタカラニシキは2カ月休養したあとの2戦目で、気配がカギとなるでしょう。
 4日(日)の第10レースは、以前重賞として行われていた白菊賞(2歳牝馬)。ここまで4戦3勝のエリモピリカに注目です。キャリアが浅いとはいえ、今回のメンバーの中では唯一2歳A1戦を勝っていて、敗れた一戦も勝ち馬と1秒4差の2着。牝馬には後塵を拝しておらず、ここも中心となるでしょう。エメラルドやキョウワプリンセス、好走続きのニシキユウあたりが争覇圏となりそうです。
 5日(月)のメインレースはスィートピー特別(470万円未満)。好調のホクショウファイト、ミスターハヤサキの2頭が激突します。今季の岩見沢開催では3回対戦して、ホクショウファイトの2勝1敗。今回はどちらに軍配が上がるのでしょうか? もちろんタカラリュウヒメなども虎視眈々と勝利を狙っています。
 なお、この前の第10レースにはオープンが組まれており、ヒカルセンプーやトカチプリティーなどが出走する予定です。

9/4クインカッププレビュー

 今週は4歳牝馬の重賞、クインカップが行われます。一昨年のヒカルゴゼン、昨年のトカチプリティーと、現在久田守厩舎が2連覇中。今年はエンジュオウカン、オリーブヒメの2頭で3連覇に挑みます。
 注目はやはりそのエンジュオウカン。前走の大倉山特別は4着に敗れたものの、勝ち馬からは3秒3と小差。今回は重量的には厳しいですが、同世代の牝馬が相手だけに格の違いを見せてほしいところ。オリーブヒメも今季は順調で、前走(勝入別定320万円未満)こそ4着に敗れましたが、それまで10戦はすべて3着以内。ここも一発の魅力を秘めています。
 対するのはプリンセスサクラコとギャンブラークインを擁する大友栄人厩舎。特にプリンセスサクラコは、470万クラスで4連勝中と絶好調で、この世代の牝馬ナンバー2と言えます。もともとばんえい大賞典2着の実績もあるだけに、ここは初タイトルを狙いたいところ。ギャンブラークインは、390万クラスの主役ホクショウファイト、ミスターハヤサキらと好勝負を演じています。十分争覇圏でしょう。
 そのほかトーヨーシャルムフクイズミなどの実績馬もスタンバイ。夏を締めくくる牝馬の熱戦に、どうぞご期待ください。

【参考レース】
7/11 勝入別定270万円未満(フクイズミ:1着、トーヨーシャルム6着)
7/23 黄金岬特別(ギャンブラークイン:2着)
8/15 大倉山特別 (エンジュオウカン:4着)
8/15 470万円未満 (プリンセスサクラコ:1着)

レース回顧(8/27~8/29)

2005年8月30日(火)

 夏は牝馬の季節と言われますが、今回は後述するサダエリコやヤマノトップレディのほかにも、ラヴクイーン、エンジュダイヤ、ウィナーサマーら3歳牝馬勢が勝利を挙げるなど活躍しました。9月4日(日)には重賞のクインカップ(4歳牝馬)も行われるので、来週も牝馬の奮闘に期待しましょう。
 27日(土)に行われたダリア特別(650万円未満)は、4番人気のヤマトモンジューが優勝しました。近2走はともに4着と精彩を欠いていましたが、今回は第2障害を先頭で越える安定したレースを見せました。なお断然人気に推されたコウリュウオーザは、障害でもたつき3着に敗れています。
 28日(日)の紅バラ賞(3歳以上オープン)は、サダエリコが完勝。一歩先に抜け出したミサイルテンリュウを残り10メートル付近で交わす、余裕のレースを見せました。とにかく終いの脚がしっかりしてきたのが、好調の要因でしょう。2着は粘り込んだミサイルテンリュウ。今回も持ち前の障害力を見せ、あわやと思わせましたが、やはり相手が悪かった印象。僅差の3着にはシンエイキンカイが追い込みました。
 29日(月)のリンドウ特別(550万円未満)はヤマノトップレディが優勝。これで4戦続けての連対となり、好調をキープしているようです。

今週(8/27~8/29)のみどころ

2005年8月26日(金)

 先週は小雨がぱらつき、やや軽めの馬場状態となりました。今週末も同じように弱い雨が降るようで、馬場のチェックと、軽馬場適性のチェックが重要事項となりそうです。
 28日(日)のメインレースは紅バラ賞(3歳以上オープン)。サダエリコ、シンエイキンカイらの実績馬のほか、ミサイルテンリュウやヤマノキャプテンなど勢いのある馬が出走を予定しています。注目はミサイルテンリュウで、前走の藻岩山特別を楽勝。今回は相手が一段と強くなりますが、北斗賞2着の実績を考えれば好勝負が期待できそう。メンバーが固定されつつあるオープン戦線に風穴を開けることができるか注目されます。
 27日(土)には650万円未満による一戦、ダリア特別。ここはやはりコウリュウオーザが中心となるでしょう。今季の岩見沢開催は6戦4勝、4着以下がない安定ぶりを見せています。ほかヤマトモンジュー、タカラボーイあたりにも期待したいところ。
 29日(月)に行われるのは、りんどう特別(550万円未満)。桂沢湖特別2、3着のヤマノトップレディ、コマタイショウあたりが人気となるでしょう。別路線では4歳限定の大倉山特別を勝ったホクトキングが有力です。

やっぱり馬が好き(第7回)  旋丸 巴

愛しのペルシュロン

 犬の世界では、最近は「雑種」という言葉を使わないらしい。「ミックス」と称するというのだけれど、うーん、何だか欺瞞的だなぁ。

 馬の世界での雑種、もとい、ミックスは何と呼ばれているか、というと、ご承知の通り「半血(はんけつ)」というのですね。

 ばんえい競馬に供される馬は、主にブルトン、ペルシュロン、ベルジアンといった品種の馬を基礎にして生産されていて、ペルシュロンは持久力に富み、ブルトンは瞬発力に優れ、ベルジアンはスピード豊か、と各々、品種別に特徴があるのだけれど、近年は、それら各品種の優秀性をうまく取り合わせた半血の生産が盛ん。手元の資料によれば、平成15年の出走全馬739頭のうち、半血は726頭。実に98%が半血馬なのである。

 反対に純血馬は年々減少。ペルシュロンについて言えば、純血ペルは平成15年には3頭。ペル系5頭を加えても、8頭と極めて少数派でしかない。けれど、そんなペルシュロンが、今、生産界では密かに再注目されている、という。

 先年、大活躍したサカノタイソンの父・武潮は純ペルであるし、アサギリ、フクイチ、そして、ばんえい初の1億円馬キンタローも、みんなペル系。生産者の中に、ペル系見直しの風潮が広まっても不思議はない。

 かく言う私もペルシュロンのファン。気品ある容姿が素敵で、数少ない純血馬が登場した時など無条件で馬券を買うほどである。

 だから、昨年、書店で『死を呼ぶペルシュロン』(晶文社)という本を見つけた時には「重種馬の本なんて珍しい」と飛びついた。そして、そして、実際、この本には正真正銘ペルシュロン種の馬が登場するのだが……。殺人現場にペルが立っていた、という、それだけの話で、期待して読んだ私は愕然とさせられた。もっとも、結末ではペルシュロンがテーマを暗喩していて、「さすがに欧米の馬文化は深い」と感心させらもする。

 馬について過度の期待は禁物だけど、ばんえいとミステリーが好きな方には、いいかも。

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