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馬券おやじは今日も行く(第7回)  古林英一

2005年9月 9日(金)

馬具・馬装について

 小生、数年前、サボりサボりながら乗馬を習ったことがある。乗馬は習った、原付も乗っていたことがある、そして小型船舶免許も持っている。もちろん、自転車も乗る。ということで、小生、3競オートすべての乗り物を自ら操縦したことがあるのである。

 はっきりいって、どれも競技レベルにはほど遠いのであるが、乗ってみればなるほどなるほどとわかることもある。実は、乗馬を習おうと思ったのは、馬に触れ、馬にまたがれば多少は馬券的中率向上に寄与するかも……というスケベ心からである。当初は、「めざせ、武豊!」であったのが、ちょっと乗ったら「めざせ、華原朋美!」にトーンダウンし、さらに数日後には「せめて、暴れん坊将軍!」とどんどんトーンダウンを余儀なくされた。で、結局のところ、「馬糞(ボロ)拾い」だけが上手くなった次第である。

 競馬をはじめて四半世紀以上になるが、乗馬にチャレンジするまでは、正直なところ、馬具・馬装なんぞは触ったこともなかった。当然、馬装のやり方もちゃんと教わったのだが、身に付いたかといえば、実のところこれが怪しいのである。そもそも、ロープワークどころか、蝶々結びすら下手すれば失敗するド不器用な小生である。馬をつなぐのも満足にできないという体たらくである。情けない……。そういえば、小型船舶免許をとるときも、小生にとっては、ロープワークの実技が一番の難関だったような覚えがある。

 それはさておき、ばんばの馬具は立派である。頭絡やハミは乗馬と似たようなもの(もちろんサイズはビッグだが)だが、橇を輓曳するための馬具は独特だ。「ばんばは馬のお相撲だ」というのが最近の小生の主張だが、ばんばの馬具(なかでもガラ)はさしずめ化粧まわしといってもいいかもしれない。もっとも化粧まわしは実用品ではないが、ばんばの馬具はすべて実用品である。上級馬になると専用の立派な馬具が用意されるあたりも化粧まわしっぽくていい。

fig1 fig2

 熱心なファンの方々なら先刻ご承知なのだろうが、今回はばんばの馬具をご紹介することにしよう。まずこの写真(左)は全体像。それぞれの馬具の名前は
(1)胴引き
(2)背吊り
(3)吊り革
(4)よびだし
(5)ガラ
(6)ワラビ型
(7)梶棒
(8)引木(「どっこい」)
(9)馭者手綱
(10)ゼッケン
(11)腹帯

である。肩を包むように装着されるのがガラ、ガラを固定する金具がワラビ型。橇は腰ではなく肩でひく。したがって、橇の重量を肩全体でうけとめるための馬具がガラである。ガラの中身は籾殻だそうだ。この写真ではゼッケンが風でめくられて、背吊りはごく一部しか見えない。肩のあたりをアップで見たのが右の写真。モデルになってるのは松井厩舎のスミヨシセンショー号。シルバーの馬具がまことにおしゃれである。

fig3  橇のほうをみたのがこの写真。
(12)重量物
(13)「弁当箱」収納場所

 ばんば大会などでは胴引きはチェーンになっていることが多いみたいだが、ばんえい競馬では布と革でできている。離れたところから見ると、梶棒が馬の牽引力を橇に伝えているように見えるけど、実は梶棒がなくても橇を曳くのには支障はない。梶棒は馬が左右によれないようにガードしているだけのものだ。とはいえ、あの巨体がぶつかることもあるのだから、丈夫でないといけない。かつては木製だったそうだが、強度に難があったことから現在はグラスファイバー製である。もちろん、昔はグラスファイバー製の梶棒なんてない。グラスファイバー製梶棒のヒントになったのは、なんと、棒高跳びのポールなのだそうだ。

 重量物も様々な変遷を経て現在の鉄板になっている。最初は土嚢、コンクリートの固まりだったこともある。ばんば大会では今でもコンクリートの固まりを使っている。橇も現在は鉄橇だが、かつては当然木橇だ。現在開催中の岩見沢競馬場で、昔使われていた木橇が展示されているのでぜひご覧になっていただきたい。

 通称「弁当箱」……正式には何というのだろうか。騎手の重量を統一するために持つ携帯重量物である。小柄な佐藤希世子騎手や竹ケ原茉耶騎手などは、弁当箱というような可愛らしいサイズではない「弁当箱」を持たされている。

 ばんばの馬具はすべて手作り。かつては道内至るところに馬具屋さんがいて、こうした馬具をつくっていたのだが、今ではごくわずかな業者しか残っていないという。まさに工芸品とでもいうようなすばらしい馬具である。このあたりも「北海道遺産」に相応しいところといえよう。ちなみに、これらの馬具、一式あつらえれば数十万円はするという。ご自慢の馬にご自慢の馬具をあつらえる。これも馬主のステータスというものだろう。

 ところで、パドック裏は「装鞍所」という。ふと気がついたのだが、考えてみれば、ばんえい競馬に「鞍」はない。なぜ装鞍所なのだろうか?

レース回顧(9/3~9/5)

2005年9月 5日(月)

 今回は4歳牝馬によるクインカップが行われ、ギャンブラークインが快勝。2着にプリンセスサクラコが入り、大友栄人厩舎のワンツーフィニッシュとなりました。エンジュオウカンは4着に敗れましたが、トップハンデを課せられていただけに、“さすが”と思わせる走りだったと思います。今後のオープン戦線での活躍に期待しましょう。このレースについては、別掲のクインカップ回顧をご覧ください。
 3日(土)のメインレースはコスモス特別(800万円未満)。第2障害でじっくりタメたホシマツリが、終いにきっちり伸びて優勝しました。同じく確実に脚を伸ばしたトモエパワーが2着。先頭で障害をクリアした1番人気のスーパーミントは、2度止まった影響もあって3着に敗れました。障害は楽に越えているだけに、末の甘さが課題となりそうです。
 4日に行われた白菊賞(2歳牝馬)はエメラルドが優勝して、トモエマルトクインが2着。これまで牡馬一線級と戦ってきた2頭が、実力をいかんなく発揮しました。なお同日の第7レース、2歳牡馬戦はメダマが優勝しています。
 5日(月)のスイートピー特別(470万円未満)は、3番人気のタカラリュウヒメが優勝。タカギクとの叩き合いを制して、今季の岩見沢初勝利を挙げました。人気に推されたホクショウファイトとミスターハヤサキは3、4着。ホクショウファイトは第2障害でヒザを折ってしまい、それが終いの伸びに響いた印象でした。なお同日のオープンは、トカチプリティーが快勝しています。

映像はこちら

9/4クインカップ回顧

ギャンブラークイン、初タイトルゲット!

Queencap 9月4日(日)に行われたクインカップ(4歳牝馬)は、2番人気のギャンブラークインが優勝。待望の重賞初制覇を成し遂げました。
 プリンセスサクラコ、エンジュオウカンが先行する展開で、ギャンブラークインも2頭を見ながら差なく続きました。第2障害はエンジュオウカンが先頭で越え、ほぼ同時にプリンセスサクラコ、ギャンブラークインの2頭もクリア。3頭が横並びの好レースとなりましたが、エンジュオウカンは2頭と40~50キロの重量差があるだけに苦戦。その間にギャンブラークインが確かな脚取りで抜け出し、そのまま先頭でゴールしました。プリンセスサクラコは最後に脚いろが鈍って2着。エンジュオウカンは残り5メートル付近で脚が止まり、タケトップクインにも交わされて4着に敗れました。

成績はこちら
映像はこちら

9/4クインカップ予想 矢野吉彦

2005年9月 3日(土)

 前回予想したばんえいグランプリ。スーパーペガサスのおかげでようやく初的中となりました。「信じる者は救われる?」まぁそんなところかもしれませんね。でも、ちょっとホッとしました。

 さて、今回はクインカップ。これまでは3、4歳牝馬の重賞でしたが、今年は4歳牝馬限定戦になりました。賞金別定戦で、エンジュオウカンの690キロからライデンムサシ、キクノフクヒメの610キロまで、ハンデ差が80キロもあるレース。どの馬にもチャンスあり、ということだと思います。ここで実力ナンバー1のエンジュオウカンを信じるかどうか。ウーン、難しいところですねぇ。
 3、4歳混合戦だった一昨年昨年も、ハンデ頭の馬は勝っていません。とはいえ、通算勝ち鞍の数で見劣る格下の馬も苦戦しています。ということは、「トップハンデの馬に匹敵する勝ち鞍を挙げていて、しかもハンデに恵まれた馬」が有利。そういう馬を探してみましょう。
 すると、大友栄人きゅう舎の2頭、プリンセスサクラコとギャンブラークインが浮上してきます。プリンセスサクラコは15勝、ギャンブラークインは12勝。エンジュオウカンの15勝に比べて、勝ち鞍の数では大差ありません。どのクラスでの勝ち鞍かは別として、それだけ「勝っている」馬ですから、この実績を頼りにします。
 どっちを軸にするかは悩むところですが、ここはギャンブラークインを狙いたいですね。プリンセスサクラコの650キロに対してギャンブラークインは640キロ。2頭の間でも10キロのハンデ差があります。ギャンブラークインのほうが1クラス下なのでそうなっていますが、去年の重賞・ばんえいオークスや今年のオープン特別・レディースカップでは、同重量のプリンセスサクラコに先着していますから、実力で劣るということはないはずです。岩見沢コースとの相性や重馬場での実績もまずまずなので、この馬を軸にしましょう。

 波乱含みの今回の重賞。軸に決めた馬からまずは馬単の総流し。押さえは、エンジュオウカン、プリンセスサクラコ、トーヨーシャルム、オリーブヒメを1着、ギャンブラークインを2着にした馬単。ギャンブラークインが負けるとすればこの4頭だと思うので、こういう買い方にします。
 さぁ、岩見沢開催もあと1カ月。ばんえい大賞典や伝統の岩見沢記念が今後に控えているだけに、クインカップを当てて弾みをつけたいですね。みなさんのご健闘を祈ります!

9/4クインカップ予想 斎藤修

 ちょうど1年前に行われたばんえいオークスの再戦というメンバー。そのときと違うのはクラスによる負担重量の差。そのばんえいオークスをちぎって勝ったエンジュオウカンは牡馬も含めた世代トップクラスで、格付けもオープンになった。同重量なら間違いなくガチガチの大本命だが、今回他馬との重量差は40~80キロ。昨年は他馬との重量差が20~50キロだったサダエリコですら4着に負けているだけに、今回のエンジュオウカンも苦戦と見る。
 ならば格はかなり下だが、昨年の黒ユリ賞でとても届かないような位置からエンジュオウカン、トーヨーシャルム、ギャンブラークインらを差し切ったフクイズミに賭けてみる。黒ユリ賞勝ちのあとは不振が続き昨シーズン後半は休養していたが、今シーズン、特に岩見沢では6戦3勝と好調。620キロという軽量は魅力だ。
 相手にはエンジュオウカンを除いて格上のプリンセスサクラコかギャンブラークインかということになるが、過去の対戦からギャンブラークインを上位にとる。
 あとは今年19戦して3着を外したのは1度だけのオリーブヒメ、岩見沢で好調のトーヨーシャルムまで。

 ◎フクイズミ
 ○ギャンブラークイン
 ▲プリンセスサクラコ
 △エンジュオウカン
 △オリーブヒメ
 △トーヨーシャルム

 どんなオッズになるのか想像できないが上位3頭のボックスを厚めに。

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